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続章_83
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その日の放課後―――
機材を乗せた台車を押すハヤテ達四人。
新津屋から渡されたメモを頼りに、新部室へと向かっていた。
「えぇ~と……教室棟の三階……体育館への渡り廊下と反対側の……一番奥……」
今年入学したハヤテ達は知る由も無いのだが、新津屋が言っていたように、少子化に伴い生徒数が減少して余裕教室が出来てしまった為、教室棟は部屋割りを見直し、一年生から三年生の教室を一階から二階までに収め、空いた三階の教室は、準備室や物置として使用していた。
初めて立ち入る三階はひと気が無く、閑散とし、静寂が支配していた。
時折遠くから、部活動に励む生徒たちの掛け声や、演奏の音などが聞こえて来る。
生者のいない教室の前を幾つか通り過ぎ、指定された、突き当たりの教室の前に立つハヤテ達。
「何か……端に追いやられた感が否めませんであります……」
困惑した表情を浮かべるツバサ。
そこは正に端。
非常階段もなく、廊下の窓から眺める景色は遮る物が何も無い。
ある意味絶景。
サクラは窓から階下を眺め、
(外に出るのが、ちょっと大変そう……)
心の中でツバサと同様に不満を抱いていたが、念願であった部室を手に入れた事と秤にかけ、
(贅沢を言い出したらキリがないよねぇ)
そう思い直すと、振り返ってひと気の無い、閑散とした廊下を眺め、
「人がいなくて、私は良いかなぁ~」
するとツバサも、
「それもそうでありますねぇ」
笑顔を見せ、二人が笑い合っていると、ヒカリが満面の笑顔でテンション高く、
「良いじゃない! ボク達、これで正真正銘、一国一城の主だよ! ねぇ、ハーくん!」
「ハーくん言うな。まぁ、確かに、そうとも言えるけどなぁ」
ハヤテも何か思うところがあるのか、含んだ笑顔を見せつつ、
「とにかく早速入ってみようぜ」
鍵を開け、引き戸を開けた途端、
「「「「ゴホッ! ゴホゴホッ!」」」」
埃がもうもうと立ち上り、ハヤテ達は激しく咳き込んだ。
いったい、いつから使われていない教室なのか。
「ゴホッゴホッ! ひ、ヒカリ大丈夫かぁ! こ、コイツは掃除が先だなぁ!」
咳き込みながら、涙目で教室の窓を開けるハヤテ。
「ゴホッゴホッ! だ、大丈夫だよぉ!」
部屋の灯りを点けるヒカリ。
室内は使っていない机やイスの他に、彫像やら看板など、何だか分からない埃を被った物だらけ。
「ゴホッゴホッ! 整理して、引き取ってもらった方が良いかもね、ゴホッ」
涙目で室内を見回すと、ツバサも涙目で咳き込みながら、
「エホッエホッ! それじゃサクラさん、エホッ! 私たちはトイレの用具入れから、エホッ! とりあえず掃除に使えそうな物を持ってきましょう、エホホッ!」
「ケホッケホッ! そ、そうだね、ツバサちゃん、ケホッ!」
二人は埃まみれの教室を出ると、真反対の端にある女子トイレに向かった。
機材を乗せた台車を押すハヤテ達四人。
新津屋から渡されたメモを頼りに、新部室へと向かっていた。
「えぇ~と……教室棟の三階……体育館への渡り廊下と反対側の……一番奥……」
今年入学したハヤテ達は知る由も無いのだが、新津屋が言っていたように、少子化に伴い生徒数が減少して余裕教室が出来てしまった為、教室棟は部屋割りを見直し、一年生から三年生の教室を一階から二階までに収め、空いた三階の教室は、準備室や物置として使用していた。
初めて立ち入る三階はひと気が無く、閑散とし、静寂が支配していた。
時折遠くから、部活動に励む生徒たちの掛け声や、演奏の音などが聞こえて来る。
生者のいない教室の前を幾つか通り過ぎ、指定された、突き当たりの教室の前に立つハヤテ達。
「何か……端に追いやられた感が否めませんであります……」
困惑した表情を浮かべるツバサ。
そこは正に端。
非常階段もなく、廊下の窓から眺める景色は遮る物が何も無い。
ある意味絶景。
サクラは窓から階下を眺め、
(外に出るのが、ちょっと大変そう……)
心の中でツバサと同様に不満を抱いていたが、念願であった部室を手に入れた事と秤にかけ、
(贅沢を言い出したらキリがないよねぇ)
そう思い直すと、振り返ってひと気の無い、閑散とした廊下を眺め、
「人がいなくて、私は良いかなぁ~」
するとツバサも、
「それもそうでありますねぇ」
笑顔を見せ、二人が笑い合っていると、ヒカリが満面の笑顔でテンション高く、
「良いじゃない! ボク達、これで正真正銘、一国一城の主だよ! ねぇ、ハーくん!」
「ハーくん言うな。まぁ、確かに、そうとも言えるけどなぁ」
ハヤテも何か思うところがあるのか、含んだ笑顔を見せつつ、
「とにかく早速入ってみようぜ」
鍵を開け、引き戸を開けた途端、
「「「「ゴホッ! ゴホゴホッ!」」」」
埃がもうもうと立ち上り、ハヤテ達は激しく咳き込んだ。
いったい、いつから使われていない教室なのか。
「ゴホッゴホッ! ひ、ヒカリ大丈夫かぁ! こ、コイツは掃除が先だなぁ!」
咳き込みながら、涙目で教室の窓を開けるハヤテ。
「ゴホッゴホッ! だ、大丈夫だよぉ!」
部屋の灯りを点けるヒカリ。
室内は使っていない机やイスの他に、彫像やら看板など、何だか分からない埃を被った物だらけ。
「ゴホッゴホッ! 整理して、引き取ってもらった方が良いかもね、ゴホッ」
涙目で室内を見回すと、ツバサも涙目で咳き込みながら、
「エホッエホッ! それじゃサクラさん、エホッ! 私たちはトイレの用具入れから、エホッ! とりあえず掃除に使えそうな物を持ってきましょう、エホホッ!」
「ケホッケホッ! そ、そうだね、ツバサちゃん、ケホッ!」
二人は埃まみれの教室を出ると、真反対の端にある女子トイレに向かった。
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