爆裂ハロー!ファイターズさん家 ~1つのメール、2つの運命~

souzousin

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本編

3章{心の分解博物館}

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19歳、トイジョイがいた20人近くの部隊は、この港に到着。
一年は南で戦い、半年、南西。南東、半年。
幻妖の国アガチャルにきて二年戦ってたところだった。
川を渡って南中での戦争を命じられたのだった。

9月53日、朝、天気 
南中へ行くため小さい木の船を作り、上流から20人ほどのせ出発した。

岸に近づけば近づけくほど、魔法陣が展開される光、雷や、音の矢が騒がしくなる。

相手は魔法の国シャティール、にも軍事援助申請をしたらしい。

もうすぐ岸につくと思った瞬間、トイジョイの隣にいた戦友が気力をなくしくたっと倒れた。

「おい大丈夫か?」

トイジョイは戦友が船から落ちないように頭と腰を支えようとしたがそんなものはとっくになくなっており、下半身だけが残ってた。
きっと境界属性の魔法で戦友の居場所を知り、中間魔法程度の電気属性の攻撃を当てられたのだろう。
トイジョイの服は赤く染まっており

「ポフジョーノが殺されたぁ」

とトイジョイを見た戦友が手を震えさせながら叫んだ。

岸につき、放心してたトイジョイの所に駆け寄ってきた。

こんなことは日常茶飯事だった。

他の戦友と合流しては戦死し、他の戦友と合流しては戦死し
終戦直後には大量の死体があった。

これで帰れると思ったが、仲間を持って帰りたい。生き残った戦友たちが全員思ったことだ。

しかし、燃やす材料があるわけでもなく、遺骨にすらできない。

「首…。」

トイジョイの隣でボソッとリーダーが言う。

「首だけでも持ち帰ろう」

誰も何も言わず、大きく地面に穴をあけ、そこに身体だけをうずめた。

自分の国を守るわけでもない、敵なのか味方なのかもわからない相手を殺す。

トイジョイはふとよぎった。

何のためにこんな戦争をしているのだろう。
そんなことを考えてしまった。

戦争補助をしにきた、科学の国ヴェヴェンべの兵士、魔法の国シャティールの兵士は銃や杖を取り上げられ、
国民政府支援軍の捕虜になった。

自分たちは殺されないんだという喜びより安堵が勝ったが、早く故郷に戻りたい。
その気持ちだけは変わらなかった。

捕虜生活では仲の良い三人の友達といつも一緒に過ごした。
その中に、現在引っ越してきたポルンフイクがいる。
四人は同じ出身地で家も近く、その時から仲が良かったのだ。


「まもなく、ksb地区へ入ります。お忘れ物がないか確認し…」

「お、そろそろじゃの。降りる準備せーへんとな。話の続きは、あとや。あと。」

「ポルンフイクさんの名前がせっかく出てきたのに残念です。」

「お、インフャット~、参考書見てたかと思ってたらちゃんと聞いてたんだなぁ?」

「話がうるさくて参考書に集中できなかっただけです。」

私もこんな言葉が出てしまうほどトイジョイさんの話に引き込まれていた。



「ポルンフイクっていうやつがおってなぁ、今この地区に引っ越してきたいうんやあ。調べて出てきたら、住所教えてほしいんじゃ。」

「名前だけでは住所を調べることは出来ません」

市役所で住民票をもらう市民課の職員は無感情で言う。

「ポルンフイクというのはわしの古い友達なんや。探偵に調べてもらったらここへ引っ越している事が分かったんや。」

「それでも無理ですね。」

「この地区に住んてる住人の名前も住所も誕生日も、このAIってものがだしてくれるんやろ?だったら、すぐにわかるじゃろ?」

「そうですが、本人の許可がなく他人に住所を教えることは不可能です。」

何度頼み込んでも地区市民管理AIの前に立ってる職員は何も考えず断るだけだった。

「迷惑なんてかけるわけなかろぉ、おんなじこと言わせないでもろて」

怒りを我慢していたトイジョイさんは職員の腕を引っ張り大声で

「そもそもAIを操作するだけなんだからできるじゃろ!こんな簡単な仕事で税金奪いやがって!
全員解雇すりゃ離職させられたやつらを浮いた金で何でもできたんだぞ!」

と怒鳴り散らかし私たちは注目の的になった。

私は内心、珍しくまともなことを言ってるなと思いながら

「トイジョイさん、やめましょう。ここで怒鳴っても結果は出ませんし、周りの迷惑になります。」

「そうだな、といじぃ。インフャットのいう通りだぜ」

そういうと、トイジョイさんは顔を真っ赤にして市民課を出てった。


「規則、規則、規則!言われたことしかできんのかこのお役所は!」

「まぁ、といじぃ、怒ったってなにも解決しないぜ。とりあえず昼だし、何か奢ってくれよ。」

「まさか、カルビュヂュ。お昼持って来とらんのか?」

「そういや、私もお腹減りました」

「財布を持ってこないとはなんじゃ!今の学生は財布を持ち歩かないのか⁉」

「そうなんだぜ、といじぃ。今は治安が悪いから財布持って出かけるだけで、盗まれっちまうんだよ」

「なるほど。そうだったのか」

カルビュヂュの勝手な物語を信じたのか仕方ないと、近くのラーメン屋へ向かった。


周りの客がうるさく鳴く。お腹を減らす旨味の湯気が三人の顔をあざ笑う。
すっかりしょげてしまっているのがわかる。
流石の私も、ほんの少し気の毒に思えた。

「といじぃ、そういや昔のことは分かったけどなんで他の戦友を差し置いてポルンフイクって人を一生懸命探してるんだ?」

「あぁ、あいつに大きな借りがあって返したいんだ。」

「もしかして捕虜になった後の話ですか?」

「そやそや。」

トイジョイさんは水を胃に入れ込み続きを話した。



「あぁ、寿司が食べて。」

「ワイは、オムライスだぁ」

「いやいや、白いご飯。」

「ワシは白いご飯に加えて味噌汁、いや納豆もええなぁ。」

捕虜生活は戦争中と比べてかなり気楽なものだった。

しかし気楽が故に欲を欲する。

全員が安全に過ごせて、日向ぼっこや漫才、しりとりゲームなどして一日を消化するのが日課だった。
しいていうなら、戦争で壊した道路を直す仕事ぐらいで3日に一度ぐらいだった。

しかし、住んでいる国は自分たちで壊した国だ。
食事は日を増すごとに量が減り、白米も出なくなり、どんどんと質素になり毎日お腹がなっていた。

それを察知したのか原住民が食べ物を売りに来るようになった。
お酒、サンドイッチ、芋、水筒にいれられたラーメン。

ラーメンは10ギヨカンで水筒にたっぷり入れてくれ、大量に食べられたものだ。


「今日はわしがラーメンを買うから、明日お前さんが買うんじゃぞ。」

「ワイ今日買ったから、ポルンフイク明日たのむだぁ。」

トイジョイたちは交代でやりくりしながら、ラーメンや、お酒を買っていた。

しかし永遠のものなんてなくお金はすぐになくなる。

腕時計、麻薬、写真、タオル、全て皆売って食べ物を手にした。

「ワイ、売るものないだぁ」

「わしもだ」

「ポルンフイク、その歯抜けば腹パンパンになるラーメンが食えるぞ。」

「それは良い案だ」

「それは、あかん。この金歯はだめや。」

「ヴェヴェンべに帰ったら三人でもっといい金歯買ってやるから。な。な?」

「今ここで金歯を売れば、餓死しなくて済むかもしれんぞ」

三人は嫌がるポルンフイクを押さえつけ、金歯を一本、糸で取った。

金歯一本でラーメンがたっぷり入った水筒を10本貰い、美味いうまいといって腹の中にため込んだ。」

金歯は二本、三本…と合計五本の金歯がラーメン、芋、お酒に代わっていった。

こうして餓死を回避し、捕虜の生活が終わり、念願だった故郷へ帰還することが出来た。


ここまで話をして、注文したラーメンが届いた。

「こっちに帰ってきてから、わしらはポルンフイクの金歯なんて忘れてたんだが、何故かふと思い出してな。こりゃあ虫の知らせかな思てな」

「死んだ友人が天国で金歯の分、返さないと地獄に落ちるぞ、って忠告してたりしてな」

「そうなんじゃ、わしもそう思てな」

科学の国ヴェヴェンベで育ったとは思えない、ワードが出てくる。「地獄」「天国」、神を信じてない私でも非科学的な場所からのメッセージだと思える。

「結論、お金を返せたら、ミッションクリアだな」

「お金を返したいのはもちろんだが、それだけじゃない。kib地区に戻ってきても励ましながら生きていきたいなぁ思ってな。
大切な友達じゃ。死ぬ前にもう一度だけ会いたいんじゃ。」

「せっかくここまで来たのに会うだけで良いんですか?」

「もちろん、あって顔を見るだけでよいんじゃ。そしたら、わしも、もっともっと生きようと思えるからな
ポルンフイクもわしをみたら元気になるはずじゃ。だからなんとかしても会いたいんじゃよ」

「といじぃの気持ち分かるぜ。人生でかけがえのない大好きな人なんだよな。そりゃどうしても会いてぇよな。」

こんなに真剣に話されると絶対見つけないと。猛暑の中ここへ来たんだ。
少しは助けてもいいかも。私の心の砂時計が入れ替わり始める。

私は何となくテレビを見ながらラーメンを食べる。

[呪いで高齢者が次々と暗殺]

こっちのテレビの非科学的な現象は信じたくないものである。
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