めげない男の一生

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めげない男の一生

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吾輩は山内である。
名前は忠信。
猫ではないが人間だ。だが人間であるが今の俺はファミレスのトイレで天井を見上げている。
好きで見上げている訳ではない。
体が動かないのだ。
会社の同僚がドアをバンバン叩き無理やり扉を登り声を上げる。
「山内さん!?山内さんっっ!!聞こえますか!る!?!?」
聞こえている。聞こえ…………い、
俺はそのまま意識を失った。ズバリ。
脳卒中で倒れたのだ。

俺は山内忠信。とあるラーメン屋で仕事をするただの社員。俺が務めるラーメン屋は墨汁よりも真っ黒なブラック企業だが上層部の奴らは口ばっかで現場も見ないクソ野郎の集まりなのでハイハイ返事さえしてればいい。
そう。営業時間を誤魔化して近くのフィリピンパブに通う事も楽勝なくらい現場をしらない上層部だ。
パートのおばちゃん達には
「今日暇だからさ。あとは俺がやるから早く上がりな。あ、いつも頑張ってくれてるからタイムカードは定時に俺が押しておくよ!!」
そんな甘い事を言えば誰だって
「えぇー!?いいんですか~。ありがとうございますー」
なんて言ってうきうきで帰るもんな。
それでいつも30分程早く閉店し片付けもそこそこにフィリピンパブに行って愛しのキャサリンちゃんと美味しいお酒を飲んで一日を終える。
「ヤマウチサーン。イラッシャッーイ」
結婚もしてない子供もいない独り身の俺にはこの瞬間がたとえ偽りでも愛も温もりを感じられる瞬間であり生を感じる瞬間でもある。
「あぁ~~キャサリンちやぁぁん!!今日も忙しかったよぉぉ!!!!あんだけどかどか来られてもまともなもん作れねぇよー。」
「ェェ?デモオミセ、スゴクコンデルヨ??オイシイカラジャナイノ??」
「あんなスープ水道水より少しマシなだけだよ。出がらし!出がらしのカッスカスの白いだけの豚骨スープだよ。あんなのでもうまいうまいって食う味も知らねぇバカ達が通ぶってSNSに投降したりするからまた客が来る。その繰り返しさ。みんな味なんかわかってねぇーの」
仕事のうっぷんをキャサリンちゃんにこぼしながら呑むビールは世界一うまい!!!!こんな日々が続く…そう思っていたのに。
何故俺は知らない天井が見える所に??
あぁ、そうか病院か。
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