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第4話
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「2人とも、メガネ似合いそうだよねぇ~」
お昼時間。お昼ご飯を女子陣3人で囲みながら食べていると
唐突に休恵(やすめ)が優穏(ゆお)と英得甘(えとあ)に言う。
「急にどうした」
英得甘がお弁当を食べながら言う。
「えぇ~?いやぁ~。2人とも綺麗なお顔してるからさぁ~?」
「そんなそんな。私より全然、福和呑(ふくわど)さんのほうが綺麗なお顔されてますよ」
「そおかなぁ~?大福で言ったら苺かなぁ~?」
「そうですね!福和呑さんはいちご大福くらい輝いてます」
「えへへぇ~。神亀善(しきぜん)さんはストレートなお嬢様だから
厳選されたこし餡のシンプルな高級大福かなぁ~」
「えぇ~。いいんでしょうか私がそんな」
「そりゃーいいに決まってるよぉ~。あの「神付亀」グループの娘さんだもんねぇ~」
「そんなそんな」
不思議な、掴みどころのない雰囲気で、眠たげな目で言う休恵と
謙遜しつつも話についていく優穏。その2人を見て英得甘は
これはツッコむべきなのだろうか…「なんだよいちご大福って」って…
いや。それはいちご大福に悪いか?どうすればいいんだこの会話
と考えていた。そんなこんなでお昼ご飯を雑談しつつ食べ終えた。
「あー。そうだぁ~」
と言って休恵がスクールバッグから大量の、多種多様のメガネを取り出して机の上に乗せる。
「…なんだこの大量のメガネ」
「えぇ~?さっきメガネの話したから
2人にいろんなメガネかけてほしいなぁ~って思ってさぁ~」
「…福和呑さんのスクバの中どうなってん。○次元ポケットなん?」
「すごいでしょぉ~」
と言いながらハート型のハートの下の部分が溶けて垂れているようなサングラスをかける休恵。
「わぁ~!可愛い!お似合いです!」
「わあぁ~!」っと褒める優穏。
「そうかなぁ~」
とハート型のハートの下の部分が溶けて垂れているようなサングラスをかけたまま照れる休恵。
「2人ともかけてみてよぉ~。度は入ってないから、気に入ったらあげるよぉ~」
多種多様のメガネから思うがままにかけてみる2人。
「おぉ~。神亀善さん黒縁メガネだぁ~。神亀善さん顔小さいから大きめだけど
またその大きめな感じがいいねぇ~」
大きめの黒縁メガネをかけてみた優穏。
「あ、古賀野(こがの)さんは細い銀フレームのメガネだぁ~。いいねぇ~頭良さそう」
英得甘は細く銀のフレームのメガネをかけてみた。
「そお?」
「うん。ギャルだけどぉ実は頭が良くて、主人公に勉強を教えるときに
雰囲気作りのためにメガネをかけたエロマンガのヒロインみたいぃ~」
と言われて速攻メガネを外す英得甘。
「福和呑さん、丸メガネお似合いです!オシャレな感じがします!」
休恵は細い金のフレームの丸メガネをかけた。
「そおかなぁ~。明日からこれで来ようかなぁ~」
どんどんとメガネをかけてみる3人。
「あぁ~。神亀善さん、鼈甲(べっこう)のメガネだぁ~。似合うねぇ~」
「お、古賀野さん。赤フレームのメガネぇ。
放課後、主人公に特別授業をするエロマンガの先生みたいぃ~」
すぐにメガネを外す英得甘。
「あ!なんでしたっけ?瓶底メガネっていうんでしたっけ?
ふふっ。なんだかアニメやマンガのキャラクターみたいです」
クスッっと笑う優穏。
「こういうキャラいそう?明日からこれで来ようかなぁ~」
「いいねぇ~神亀善さん。そのメガネ。
なんだかそのメガネかけたら幽霊見える、みたいな感じだよぉ~」
「なんですかぁ~それぇ~。そんなメガネかけたくないですよぉ~」
優穏がかけたメガネはサーモント型と呼ばれる
メガネの上の部分のフレーム、リムと呼ばれる部分が太くて、他は細いフレームというメガネ。
「わぁ~。フレーム無いみたいだねぇ~。仕事が終わらない後輩を一緒に残って手伝って
仕事終わった後に後輩を誘惑するエロマンガの先輩OLみたい」
速攻メガネを外す英得甘。
「わぁ~昔風の映画とかドラマで見たことあります!
福和呑さんがおかけになるとオシャレに見えますね!」
休恵がかけたのはティアドロップ型と呼ばれる、少し古風だが
現在では一部からオシャレとして認識されているメガネ。
「えぇ~。オシャレに見えるぅ~?明日からこれで来ようかなぁ~」
「なんで…」
英得甘がメガネをかけずに呟く。
「ん?」
休恵、優穏が英得甘のほうを向く。
「なんで私だけずっとエロマンガの女キャラに例えられるんだよっ!
私はエロ顔か!いやなんだよエロ顔って!私のタイプの顔の人に失礼だろっ!
あと休恵!「明日からこれで来ようかなぁ~」意外ないんかいっ!
そもそも花粉症じゃなくてブルーライトカットでもないメガネを
目が悪くも無い人がかける意味ってなに!?
ねぇよ!意味ねぇよ!邪魔だよっ!邪魔なだけだよっ!」
とツッコみを終えた英得甘に休恵が優しく微笑んで
「古賀野さんに似合うメガネあったよ。エロマンガの女キャラクターじゃないやつ」
と言ってとあるメガネを手に取って英得甘にかける。
英得甘はスマホのカメラを起動してインカメラにして自分の顔を見る。
静かにスマホを机の上に置いて
「新八かよぉ~!」
とツッコんだ。
「おぉ~」
休恵は拍手する。優穏もなにがなんだかはわからないが拍手する。
「なに!?ツッコミ役だから?私あんな叫ぶツッコミしないよ。
てかこれだったらメガネが本体でしょ。嫌だよ。いや、嫌ってのも失礼か」
「てかよく知ってるねぇ古賀野さん」
「兄さんが読んでたからね。
でも福和呑さんもエロマンガのことなんてよく知ってるじゃん。もしかして想像?」
「いやぁ~?姉様が持ってたものでぇ~。あとさっきみたいに名前呼びでいいよぉ~」
「さっき?」
「うんん~。さっき休恵って呼んでくれたじゃん~。そのまま名前で呼んでぇ~。
あ、神亀善さんも休恵でいいからねぇ~」
「あ!はい!休恵さん!」
「さんもいらないよぉ~。私らもう親友じゃん?マブダチじゃん?
顔見知りじゃん?悪いやつ大体友達じゃん?」
「いやどんどん関係性薄れてってるから。あと最後の違う」
「ほら神亀善さん。Say Hoo!!」
「ホーオ?」
「音楽ライブのコール&レスポンスか。
あと福和呑さんも神亀善さんのこと苗字呼びじゃん。それは不公平でしょ」
「それもそっか。持久走で「一緒にゴールしようね。ペース合わせよっ」って言いながら
遠ざかっていく友達みたいなもんかぁ」
「いや、それ、その友達楽しんでるよ。それもはや友達と言えるかも微妙だよ」
「わかります!」
「わかっちゃったよ。神亀善さんわかっちゃったよ。経験ありだよ」
「夢中だよ!嬉しい悲鳴だよ!」
「急になした?福和呑さん」
「あ、休恵ね?」
「あ。すいません。え?なんで謝ってんの?」
と休恵がボケて英得甘がツッコんで、それを見て優穏が見て笑ってと
女子陣は盛り上がっていた。
「なんやえらい盛り上がっとるなぁ」
天幸(あこ)が丞の机の近くで言う。
お昼ご飯のとき、男子陣も天幸、丞、守の3人で固まってお昼ご飯を食べていた。
「なにで盛り上がってんねやろ」
「さあ。女子のことだし、恋バナとかじゃねぇの?」
「あぁ、恋バナな。あるな。丞はどうなん?恋バナ」
「どうなんってなにがだよ」
「なにがだよって恋バナは恋バナやろ。恋の話。「こい」ゆーても魚の鯉ちゃうで?
魚の鯉バナってなんやねんって話やな。どこどこの鯉の模様がハート形やって
なんやその鯉見れたら恋叶いますーみたいな?なんやねんそれ。
いやフツーに恋バナや。恋愛の恋や。LOVE(ロォブ)やな。ま、さすがに高校はなぁ?
まだ入学してすぐやから、今好きな人おったら
自分どんだけ惚れっぽいねん!ゆー話やから無いと思うけど
中学時代とかどうやったんかなぁ~って」
「…そーゆー自分はどうなんだよ」
「オレ?オレはせやなぁ~。ま、おったで?
ま、これだけカッコいいとなぁ?惚れられること多いねんな、うん」
「へぇ~」
「いやっ!ツッコまんかい!自画自賛すごいなぁ!?とか」
「いや、急にそんなん求められても」
「マンキンでツッコみは東京の人には難しいよ」
「ビックリしたぁ~!守おったんか!」
「いたよ!ずっといたよ!てか一緒にお昼食べてたよね!?」
と守がツッコむと天幸は頷く。
「なかなか…ええツッコミしとるやんか」
「まじまじ言わないで。恥ずかしいわ」
「でもなぁ~…」
天幸が守のことをつま先から頭の先まで見る。
「地味すぎひんか?」
グサッっとなにかが刺さる守。
「じっ…地味…かな?」
「地味やなぁ」
グサッっとまた刺さる。
「ほら丞は」
丞の近くによる天幸。
「見てみぃ?目つき悪ぅてぶっきらぼうで、口数少のぉて
別にサッカーで強いとか言われてないのに
うち(家守神学院)に入ってサッカーやる言うてんねんで?」
そう言われた丞は
「やめたよ。サッカー部入るの」
と呟いた。
「嘘やん!?あんな自己紹介で息巻いてたんに!?」
「息巻いてはいねぇけど…」
「なんでなん?」
「そもそも人数が少ない。先輩に聞いたら2、3年で12人。
1年がオレの他にも見学に来てて、オレ含めて3人。オレ含めて全員で15人。
先行き不安すぎるだろ」
「あれ?サッカーって何人でやるんやっけ?」
「たしか11人?」
「おぉ!おったんか!」
わざとらしく後ろに跳ね下がる天幸。
「いたってば!」
「そ。11人。スタメンがゴールキーパー合わせて11人。
オレが入った全員で15人ってことはベンチが4人。
しかもそのうちの12人が先輩だから先輩が引退したら実質サッカー部は終わり。
やる気起きねぇって」
「でもあるやん。「よっしゃ!うちが甲子園連れてったるっ!」って」
「甲子園は野球ね」
「あ、せや」
「圧倒的レベル差」
「へ?」
「やっぱここ(家守神学院)はお坊ちゃんが多いからかレベルが低すぎて…。
オレが頑張ったところでどうにもなりそうもなくてやめた」
「oh…」
口に手をあて、憐れみというのか、驚きというのか、そんな表情を浮かべる天幸。
「でもいいの?高校に入ってサッカー部入って
なんか、全国大会?とかに行きたかったんじゃないの?」
「まあ…。ま、行けたらいいなぁ~くらいで。
正直東京代表は陽学(ようがく(太陽之光学園の略称))にほぼ決まってるし」
「そうなん?ゆーてもわからへんねんけど。なに?ようがく?幼稚園かなんかなん?」
と言う天幸の発言に思わず笑う丞。
「お。丞がわろたで」
「そりゃ丞だって笑うでしょ」
「ある意味幼稚園みたいなもんだって聞いたことある。
好きを突き詰めて、他のことはダメダメだって」
「好きこそ物の上手なれってやつだね」
「だな」
丞の笑顔はどこか寂しげで、でもどこか吹っ切れたような
「そんな笑顔をしていて、僕も少し心の内に寂しさが染み入るのであった」
と天幸がノートを読むように標準語でナレーション風に言う。
「なにしてんの天幸」
「いや、なんかそんな雰囲気やったからナレーション入れたろうと思ってな?」
「いいよ。どうせ白紙でしょ?」
守が天幸のノートを取って広げる。とそこには激ウマの定○という可愛い犬?が描かれていた。
「なんでだよ!なんで定○描いてんの!?しかもちょーうめぇ!」
「ほんとだ。めっちゃうまい」
「いやぁ~授業中暇やって。定○おったらええなぁ~。
もふもふしたいなぁ~と思っとったらついシャープが走り出してもうててんな」
「天幸、絵めっちゃうまいんだね?」
「そおか?あ!せや!せやねん!話逸れたけど、自分やん」
と天幸が守の肩に手を置く。
「守が個性無いゆー話しとったんや」
「あぁ。そういえばそうだね」
「オレはほら。東京で大阪弁やし、顔こんなにも綺麗やし、声ええし、スタイルええし
頭もええし、絵うまいし、運動神経抜群やし、個性バリバリ最強ナンバー1やねん」
「たしかに」
「まあな」
と納得する丞と守に、宙に向かって
「いや!顔いいとか声いいとかどんだけ自画自賛しとんねんっ!ってツッコまんかいっ!」
とツッコむ天幸。
「ま、ええわ。てな感じでオレと丞ちゃんは個性バリバリなわけやん」
「個性バリバリってほどじゃないと思うけどな」
「ええねんええねん。そこは深く突っ込まんでええねん」
「さっきまでツッコめって言ってたのに」
と守が言う。
「おぉ~。ええこと言うやん。ええこと言うキャラにしてく?」
「ええこと言うキャラってなに」
「鋭い指摘するキャラ?わいインテリでっせ?みたいな?」
「インテリじゃないからなぁ~」
と守が言うと天幸は周りを見回す。
「お」
すると英得甘、優穏、休恵、女子陣3人が机の上にメガネを出して
試着しているのがすぐに目に入り
「なんなん?このメガネの量は」
と覗き込む。
「あぁ~。我司昇(わしの)くんだぁ~。どーしたのぉ~?」
「どうしたもこうしたもあれへんやん?このメガネなにって」
「いやぁ~2人がメガネ似合いそうだからぁ」
「ふぅ~ん」
「我司昇くんもかけてみるぅ~?」
「おぉ。せやな」
とハート型のハートの下の部分が溶けて垂れているようなサングラスをかけてみる天幸。
「おぉ~。パリピだぁ~」
休恵がゆったりと拍手する。
「Yo!!」
口を尖らせ「Check it out!!」のように親指、人差し指、中指を立てた両手を出す天幸。
「…パリピってどーやん?」
「わかんない~」
「ま、ええわ。守ー。メガネどれがええ?」
「どれがいいって」
守に呼ばれて近寄る。
「うわっ。すごい量」
「な。なんでこんな持ってんって感じやけど、今は置いといてやな」
「これなんてどうですか?」
と優穏が赤いフレームのメガネを持ち上げる。
「じゃあ、試しに」
とかけてみる守。下を向いてかけてから顔を上げる。
「おぉ~。似合わへんなぁ~」
と腕を組んで感心する天幸。笑う女子陣。
「にっ、似合わないのかよ」
「似合わん。びっくりするほど似合わへん」
「じゃあぁ~これはぁ~」
休恵がフレームがほぼまったくないようなメガネを差し出す。かけてみる守。
「…なんやろ…なんや似合わんなぁ~」
「似合わないのかよ!」
「似合わへん。なんなんやろ。守の顔はもう「個性出さへんでぇ~」って言ってんんかな」
と言う天幸の言葉に笑う女子陣。
「オレどんだけ地味なのさ」
という感じで盛り上がった。
お昼時間。お昼ご飯を女子陣3人で囲みながら食べていると
唐突に休恵(やすめ)が優穏(ゆお)と英得甘(えとあ)に言う。
「急にどうした」
英得甘がお弁当を食べながら言う。
「えぇ~?いやぁ~。2人とも綺麗なお顔してるからさぁ~?」
「そんなそんな。私より全然、福和呑(ふくわど)さんのほうが綺麗なお顔されてますよ」
「そおかなぁ~?大福で言ったら苺かなぁ~?」
「そうですね!福和呑さんはいちご大福くらい輝いてます」
「えへへぇ~。神亀善(しきぜん)さんはストレートなお嬢様だから
厳選されたこし餡のシンプルな高級大福かなぁ~」
「えぇ~。いいんでしょうか私がそんな」
「そりゃーいいに決まってるよぉ~。あの「神付亀」グループの娘さんだもんねぇ~」
「そんなそんな」
不思議な、掴みどころのない雰囲気で、眠たげな目で言う休恵と
謙遜しつつも話についていく優穏。その2人を見て英得甘は
これはツッコむべきなのだろうか…「なんだよいちご大福って」って…
いや。それはいちご大福に悪いか?どうすればいいんだこの会話
と考えていた。そんなこんなでお昼ご飯を雑談しつつ食べ終えた。
「あー。そうだぁ~」
と言って休恵がスクールバッグから大量の、多種多様のメガネを取り出して机の上に乗せる。
「…なんだこの大量のメガネ」
「えぇ~?さっきメガネの話したから
2人にいろんなメガネかけてほしいなぁ~って思ってさぁ~」
「…福和呑さんのスクバの中どうなってん。○次元ポケットなん?」
「すごいでしょぉ~」
と言いながらハート型のハートの下の部分が溶けて垂れているようなサングラスをかける休恵。
「わぁ~!可愛い!お似合いです!」
「わあぁ~!」っと褒める優穏。
「そうかなぁ~」
とハート型のハートの下の部分が溶けて垂れているようなサングラスをかけたまま照れる休恵。
「2人ともかけてみてよぉ~。度は入ってないから、気に入ったらあげるよぉ~」
多種多様のメガネから思うがままにかけてみる2人。
「おぉ~。神亀善さん黒縁メガネだぁ~。神亀善さん顔小さいから大きめだけど
またその大きめな感じがいいねぇ~」
大きめの黒縁メガネをかけてみた優穏。
「あ、古賀野(こがの)さんは細い銀フレームのメガネだぁ~。いいねぇ~頭良さそう」
英得甘は細く銀のフレームのメガネをかけてみた。
「そお?」
「うん。ギャルだけどぉ実は頭が良くて、主人公に勉強を教えるときに
雰囲気作りのためにメガネをかけたエロマンガのヒロインみたいぃ~」
と言われて速攻メガネを外す英得甘。
「福和呑さん、丸メガネお似合いです!オシャレな感じがします!」
休恵は細い金のフレームの丸メガネをかけた。
「そおかなぁ~。明日からこれで来ようかなぁ~」
どんどんとメガネをかけてみる3人。
「あぁ~。神亀善さん、鼈甲(べっこう)のメガネだぁ~。似合うねぇ~」
「お、古賀野さん。赤フレームのメガネぇ。
放課後、主人公に特別授業をするエロマンガの先生みたいぃ~」
すぐにメガネを外す英得甘。
「あ!なんでしたっけ?瓶底メガネっていうんでしたっけ?
ふふっ。なんだかアニメやマンガのキャラクターみたいです」
クスッっと笑う優穏。
「こういうキャラいそう?明日からこれで来ようかなぁ~」
「いいねぇ~神亀善さん。そのメガネ。
なんだかそのメガネかけたら幽霊見える、みたいな感じだよぉ~」
「なんですかぁ~それぇ~。そんなメガネかけたくないですよぉ~」
優穏がかけたメガネはサーモント型と呼ばれる
メガネの上の部分のフレーム、リムと呼ばれる部分が太くて、他は細いフレームというメガネ。
「わぁ~。フレーム無いみたいだねぇ~。仕事が終わらない後輩を一緒に残って手伝って
仕事終わった後に後輩を誘惑するエロマンガの先輩OLみたい」
速攻メガネを外す英得甘。
「わぁ~昔風の映画とかドラマで見たことあります!
福和呑さんがおかけになるとオシャレに見えますね!」
休恵がかけたのはティアドロップ型と呼ばれる、少し古風だが
現在では一部からオシャレとして認識されているメガネ。
「えぇ~。オシャレに見えるぅ~?明日からこれで来ようかなぁ~」
「なんで…」
英得甘がメガネをかけずに呟く。
「ん?」
休恵、優穏が英得甘のほうを向く。
「なんで私だけずっとエロマンガの女キャラに例えられるんだよっ!
私はエロ顔か!いやなんだよエロ顔って!私のタイプの顔の人に失礼だろっ!
あと休恵!「明日からこれで来ようかなぁ~」意外ないんかいっ!
そもそも花粉症じゃなくてブルーライトカットでもないメガネを
目が悪くも無い人がかける意味ってなに!?
ねぇよ!意味ねぇよ!邪魔だよっ!邪魔なだけだよっ!」
とツッコみを終えた英得甘に休恵が優しく微笑んで
「古賀野さんに似合うメガネあったよ。エロマンガの女キャラクターじゃないやつ」
と言ってとあるメガネを手に取って英得甘にかける。
英得甘はスマホのカメラを起動してインカメラにして自分の顔を見る。
静かにスマホを机の上に置いて
「新八かよぉ~!」
とツッコんだ。
「おぉ~」
休恵は拍手する。優穏もなにがなんだかはわからないが拍手する。
「なに!?ツッコミ役だから?私あんな叫ぶツッコミしないよ。
てかこれだったらメガネが本体でしょ。嫌だよ。いや、嫌ってのも失礼か」
「てかよく知ってるねぇ古賀野さん」
「兄さんが読んでたからね。
でも福和呑さんもエロマンガのことなんてよく知ってるじゃん。もしかして想像?」
「いやぁ~?姉様が持ってたものでぇ~。あとさっきみたいに名前呼びでいいよぉ~」
「さっき?」
「うんん~。さっき休恵って呼んでくれたじゃん~。そのまま名前で呼んでぇ~。
あ、神亀善さんも休恵でいいからねぇ~」
「あ!はい!休恵さん!」
「さんもいらないよぉ~。私らもう親友じゃん?マブダチじゃん?
顔見知りじゃん?悪いやつ大体友達じゃん?」
「いやどんどん関係性薄れてってるから。あと最後の違う」
「ほら神亀善さん。Say Hoo!!」
「ホーオ?」
「音楽ライブのコール&レスポンスか。
あと福和呑さんも神亀善さんのこと苗字呼びじゃん。それは不公平でしょ」
「それもそっか。持久走で「一緒にゴールしようね。ペース合わせよっ」って言いながら
遠ざかっていく友達みたいなもんかぁ」
「いや、それ、その友達楽しんでるよ。それもはや友達と言えるかも微妙だよ」
「わかります!」
「わかっちゃったよ。神亀善さんわかっちゃったよ。経験ありだよ」
「夢中だよ!嬉しい悲鳴だよ!」
「急になした?福和呑さん」
「あ、休恵ね?」
「あ。すいません。え?なんで謝ってんの?」
と休恵がボケて英得甘がツッコんで、それを見て優穏が見て笑ってと
女子陣は盛り上がっていた。
「なんやえらい盛り上がっとるなぁ」
天幸(あこ)が丞の机の近くで言う。
お昼ご飯のとき、男子陣も天幸、丞、守の3人で固まってお昼ご飯を食べていた。
「なにで盛り上がってんねやろ」
「さあ。女子のことだし、恋バナとかじゃねぇの?」
「あぁ、恋バナな。あるな。丞はどうなん?恋バナ」
「どうなんってなにがだよ」
「なにがだよって恋バナは恋バナやろ。恋の話。「こい」ゆーても魚の鯉ちゃうで?
魚の鯉バナってなんやねんって話やな。どこどこの鯉の模様がハート形やって
なんやその鯉見れたら恋叶いますーみたいな?なんやねんそれ。
いやフツーに恋バナや。恋愛の恋や。LOVE(ロォブ)やな。ま、さすがに高校はなぁ?
まだ入学してすぐやから、今好きな人おったら
自分どんだけ惚れっぽいねん!ゆー話やから無いと思うけど
中学時代とかどうやったんかなぁ~って」
「…そーゆー自分はどうなんだよ」
「オレ?オレはせやなぁ~。ま、おったで?
ま、これだけカッコいいとなぁ?惚れられること多いねんな、うん」
「へぇ~」
「いやっ!ツッコまんかい!自画自賛すごいなぁ!?とか」
「いや、急にそんなん求められても」
「マンキンでツッコみは東京の人には難しいよ」
「ビックリしたぁ~!守おったんか!」
「いたよ!ずっといたよ!てか一緒にお昼食べてたよね!?」
と守がツッコむと天幸は頷く。
「なかなか…ええツッコミしとるやんか」
「まじまじ言わないで。恥ずかしいわ」
「でもなぁ~…」
天幸が守のことをつま先から頭の先まで見る。
「地味すぎひんか?」
グサッっとなにかが刺さる守。
「じっ…地味…かな?」
「地味やなぁ」
グサッっとまた刺さる。
「ほら丞は」
丞の近くによる天幸。
「見てみぃ?目つき悪ぅてぶっきらぼうで、口数少のぉて
別にサッカーで強いとか言われてないのに
うち(家守神学院)に入ってサッカーやる言うてんねんで?」
そう言われた丞は
「やめたよ。サッカー部入るの」
と呟いた。
「嘘やん!?あんな自己紹介で息巻いてたんに!?」
「息巻いてはいねぇけど…」
「なんでなん?」
「そもそも人数が少ない。先輩に聞いたら2、3年で12人。
1年がオレの他にも見学に来てて、オレ含めて3人。オレ含めて全員で15人。
先行き不安すぎるだろ」
「あれ?サッカーって何人でやるんやっけ?」
「たしか11人?」
「おぉ!おったんか!」
わざとらしく後ろに跳ね下がる天幸。
「いたってば!」
「そ。11人。スタメンがゴールキーパー合わせて11人。
オレが入った全員で15人ってことはベンチが4人。
しかもそのうちの12人が先輩だから先輩が引退したら実質サッカー部は終わり。
やる気起きねぇって」
「でもあるやん。「よっしゃ!うちが甲子園連れてったるっ!」って」
「甲子園は野球ね」
「あ、せや」
「圧倒的レベル差」
「へ?」
「やっぱここ(家守神学院)はお坊ちゃんが多いからかレベルが低すぎて…。
オレが頑張ったところでどうにもなりそうもなくてやめた」
「oh…」
口に手をあて、憐れみというのか、驚きというのか、そんな表情を浮かべる天幸。
「でもいいの?高校に入ってサッカー部入って
なんか、全国大会?とかに行きたかったんじゃないの?」
「まあ…。ま、行けたらいいなぁ~くらいで。
正直東京代表は陽学(ようがく(太陽之光学園の略称))にほぼ決まってるし」
「そうなん?ゆーてもわからへんねんけど。なに?ようがく?幼稚園かなんかなん?」
と言う天幸の発言に思わず笑う丞。
「お。丞がわろたで」
「そりゃ丞だって笑うでしょ」
「ある意味幼稚園みたいなもんだって聞いたことある。
好きを突き詰めて、他のことはダメダメだって」
「好きこそ物の上手なれってやつだね」
「だな」
丞の笑顔はどこか寂しげで、でもどこか吹っ切れたような
「そんな笑顔をしていて、僕も少し心の内に寂しさが染み入るのであった」
と天幸がノートを読むように標準語でナレーション風に言う。
「なにしてんの天幸」
「いや、なんかそんな雰囲気やったからナレーション入れたろうと思ってな?」
「いいよ。どうせ白紙でしょ?」
守が天幸のノートを取って広げる。とそこには激ウマの定○という可愛い犬?が描かれていた。
「なんでだよ!なんで定○描いてんの!?しかもちょーうめぇ!」
「ほんとだ。めっちゃうまい」
「いやぁ~授業中暇やって。定○おったらええなぁ~。
もふもふしたいなぁ~と思っとったらついシャープが走り出してもうててんな」
「天幸、絵めっちゃうまいんだね?」
「そおか?あ!せや!せやねん!話逸れたけど、自分やん」
と天幸が守の肩に手を置く。
「守が個性無いゆー話しとったんや」
「あぁ。そういえばそうだね」
「オレはほら。東京で大阪弁やし、顔こんなにも綺麗やし、声ええし、スタイルええし
頭もええし、絵うまいし、運動神経抜群やし、個性バリバリ最強ナンバー1やねん」
「たしかに」
「まあな」
と納得する丞と守に、宙に向かって
「いや!顔いいとか声いいとかどんだけ自画自賛しとんねんっ!ってツッコまんかいっ!」
とツッコむ天幸。
「ま、ええわ。てな感じでオレと丞ちゃんは個性バリバリなわけやん」
「個性バリバリってほどじゃないと思うけどな」
「ええねんええねん。そこは深く突っ込まんでええねん」
「さっきまでツッコめって言ってたのに」
と守が言う。
「おぉ~。ええこと言うやん。ええこと言うキャラにしてく?」
「ええこと言うキャラってなに」
「鋭い指摘するキャラ?わいインテリでっせ?みたいな?」
「インテリじゃないからなぁ~」
と守が言うと天幸は周りを見回す。
「お」
すると英得甘、優穏、休恵、女子陣3人が机の上にメガネを出して
試着しているのがすぐに目に入り
「なんなん?このメガネの量は」
と覗き込む。
「あぁ~。我司昇(わしの)くんだぁ~。どーしたのぉ~?」
「どうしたもこうしたもあれへんやん?このメガネなにって」
「いやぁ~2人がメガネ似合いそうだからぁ」
「ふぅ~ん」
「我司昇くんもかけてみるぅ~?」
「おぉ。せやな」
とハート型のハートの下の部分が溶けて垂れているようなサングラスをかけてみる天幸。
「おぉ~。パリピだぁ~」
休恵がゆったりと拍手する。
「Yo!!」
口を尖らせ「Check it out!!」のように親指、人差し指、中指を立てた両手を出す天幸。
「…パリピってどーやん?」
「わかんない~」
「ま、ええわ。守ー。メガネどれがええ?」
「どれがいいって」
守に呼ばれて近寄る。
「うわっ。すごい量」
「な。なんでこんな持ってんって感じやけど、今は置いといてやな」
「これなんてどうですか?」
と優穏が赤いフレームのメガネを持ち上げる。
「じゃあ、試しに」
とかけてみる守。下を向いてかけてから顔を上げる。
「おぉ~。似合わへんなぁ~」
と腕を組んで感心する天幸。笑う女子陣。
「にっ、似合わないのかよ」
「似合わん。びっくりするほど似合わへん」
「じゃあぁ~これはぁ~」
休恵がフレームがほぼまったくないようなメガネを差し出す。かけてみる守。
「…なんやろ…なんや似合わんなぁ~」
「似合わないのかよ!」
「似合わへん。なんなんやろ。守の顔はもう「個性出さへんでぇ~」って言ってんんかな」
と言う天幸の言葉に笑う女子陣。
「オレどんだけ地味なのさ」
という感じで盛り上がった。
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