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出会い
第13話
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鹿島は少し戸惑いながら
「お邪魔しまーす」
と言い玄関で靴を脱ぐ。
「どおぞ~」
僕は一足早く靴を脱いで廊下を進む。
「あ、そこ左に折れたら洗面所だから」
「オッケー」
そう言うと僕はリビングへの扉を開き、キッチンへ行く。
鹿島に洗面所を使わせるため僕はキッチンのシンクで手を洗いうがいを済ませる。
手をキッチンの下の棚の扉の側面にかかっているタオルで拭く。
リビングのソファーへ向おうとすると洗面所から
「タオルどれ使えばいいー?」
と少し大きめの声で僕に尋ねてきた。
「青と白のストライプのやつオレのだからそれ使ってー」
僕も少し大きめの声で鹿島に返す。ソファーに鞄を置きポケットからスマホを取り出す。
スマホの電源を入れ、今までは着信音や
バイブレーションも出ないサイレントモードにしていたのを
着信音が出るモードに変える。すると後ろから
「よくわかんなかったから妹ちゃんのタオル使った」
「妹に言っとくわ」
「嘘嘘嘘!冗談やんかぁ~兄貴ぃ~」
「テキトーに寛いどいて」
そう言ってダイニングテーブルにスマホを置きキッチンへ向かう。
「テレビつけて良い?」
「おう。鹿島ー牛乳、四ツ葉サイダーソラオーラココティー、どれがいい?」
そう冷蔵庫の扉を開け中を見たまま鹿島に聞く。
「オーラ!」
テレビから流れるニュースのキャスターさんの声から抜け出るように鹿島が答えた。
僕は返事をせずにソラオーラを取り出し、冷蔵庫の扉を閉じる。
キッチンにソラオーラを置き、食器棚からグラス2つを1つずつ手に取り
1つずつキッチンに置く。
「氷はー?」
「あんま冷たくならない程度でー」
「ムズっ」
考えた挙句、自分のグラスには2つ。
鹿島のグラスには氷を入れずにそれぞれのグラスにソラオーラを注ぐ。
注ぎ終え白のキッチンに置いた一際目立つ赤いキャップを手に取り
ソラオーラのペットボトルの注ぎ口を締める。
冷蔵庫の扉を再び開き、ソラオーラを元の位置に戻す。
そして両手でそれぞれのグラスを持ち、鹿島の元へ移動する。
鹿島はソファーの左の端に座っており、僕は鹿島の背後の右側から腕を伸ばし
「ん。テーブル置いて?」
と鹿島に2つのグラスを渡す。
「あ、あんがと。どっちオレ?」
「氷入ってない方」
「あ、そうなのね」
なにか言いたげな、でもそうでもなさそうな口調だったので
「冷蔵庫で冷えてたから氷入れなかったよ。
「あんま冷たくしないでぇ~」って言ってたから」
とちょっと茶化した口調で言った。
それを聞き鹿島はグラスに口をつけ、ソラオーラを1口飲む。
「んんっ!ちょうど良い!」
振り返り僕の顔を見てそう言うと、グラスをローテーブルに置いた。
僕は右側から回り込み、ソファーの右端に腰を下ろす。
「そういえばここほんとに怜ちゃんち?」
とんでもないことを聞いてきた。
「は?なんで?」
「いや扉前でコソコソしてたし」
「そのあとちゃんと鞄から鍵出したろ」
「あ、そっか」
納得しかけた鹿島が腕を組み、考え込むように前傾姿勢になりさらに続ける。
「いや、どっかで盗んだのかも」
「…」
「怜ちゃん?」
僕は思い詰めた顔を鹿島に見せ、声のトーンを落としこう言った。
「実はな…ここオレの好きな人の家なんだよ。
電車でたまたま見かけて一目惚れして、尾けてきたらこの家でさ。
ある日その子が駅で鍵落としてさ。その鍵拾って鍵屋に行って合鍵作って今に至るんだ」
「怜ちゃん…」
ドン引きしている顔の鹿島と思い詰めた表情で目を合わせる。
2~5秒経ったあと2人同時に笑い合った。
「怜ちゃんよくそんな嘘、詰まることなくスラスラ出てきたね」
「鹿島も引いてる顔わざとらし過ぎ。芸能人になっても演技の仕事は来ないわ」
ニュースの音声がBGMになり2人だけど2人じゃないような
その場がパッっと明るくなったような
もしオーラが見えるならきっと黄色で包まれているだろう。そんな感覚でいた。
リビングは2人の笑い声で包まれていた。
「あ~あ笑う笑う。で?あれなんだったの?」
鹿島が話を戻す。
「いやね、母親がいるかもしれなかったから」
「な る ほ ど ね?」
「そうそう」
そう言い僕はグラスを手に取り、ソラオーラを1口飲み、ローテーブルにグラスを戻す。
「そういや何時からなん?」
「あぁ、飲み?6時半くらいから入れるらしいよ」
「んー…まだ大丈夫か」
そう言いテレビのリモコンを手に取る。録画された番組の一覧を開く。
「百舌鳥の番組多っ!」
鹿島が割と大きな声で指摘する。
「うちの家族百舌鳥大好きなのよ」
「まぁ面白いけどさ?下ネタエグくね?」
「下ネタエグいのは1人で見てる」
そう言いながらリモコンを操作し、テレビ百舌鳥の1つを再生する。
「たとえばこれとかね?」
その回はタイコズキッチンという
百舌鳥の太鼓さんが料理をするというだけの企画なのだが
ちょいちょい下ネタが挟まっている。
「この回見たわぁ~鬼笑ったわ」
そう言いながら2人で見た。終始笑ってあっっという間に25分が過ぎた。
「お邪魔しまーす」
と言い玄関で靴を脱ぐ。
「どおぞ~」
僕は一足早く靴を脱いで廊下を進む。
「あ、そこ左に折れたら洗面所だから」
「オッケー」
そう言うと僕はリビングへの扉を開き、キッチンへ行く。
鹿島に洗面所を使わせるため僕はキッチンのシンクで手を洗いうがいを済ませる。
手をキッチンの下の棚の扉の側面にかかっているタオルで拭く。
リビングのソファーへ向おうとすると洗面所から
「タオルどれ使えばいいー?」
と少し大きめの声で僕に尋ねてきた。
「青と白のストライプのやつオレのだからそれ使ってー」
僕も少し大きめの声で鹿島に返す。ソファーに鞄を置きポケットからスマホを取り出す。
スマホの電源を入れ、今までは着信音や
バイブレーションも出ないサイレントモードにしていたのを
着信音が出るモードに変える。すると後ろから
「よくわかんなかったから妹ちゃんのタオル使った」
「妹に言っとくわ」
「嘘嘘嘘!冗談やんかぁ~兄貴ぃ~」
「テキトーに寛いどいて」
そう言ってダイニングテーブルにスマホを置きキッチンへ向かう。
「テレビつけて良い?」
「おう。鹿島ー牛乳、四ツ葉サイダーソラオーラココティー、どれがいい?」
そう冷蔵庫の扉を開け中を見たまま鹿島に聞く。
「オーラ!」
テレビから流れるニュースのキャスターさんの声から抜け出るように鹿島が答えた。
僕は返事をせずにソラオーラを取り出し、冷蔵庫の扉を閉じる。
キッチンにソラオーラを置き、食器棚からグラス2つを1つずつ手に取り
1つずつキッチンに置く。
「氷はー?」
「あんま冷たくならない程度でー」
「ムズっ」
考えた挙句、自分のグラスには2つ。
鹿島のグラスには氷を入れずにそれぞれのグラスにソラオーラを注ぐ。
注ぎ終え白のキッチンに置いた一際目立つ赤いキャップを手に取り
ソラオーラのペットボトルの注ぎ口を締める。
冷蔵庫の扉を再び開き、ソラオーラを元の位置に戻す。
そして両手でそれぞれのグラスを持ち、鹿島の元へ移動する。
鹿島はソファーの左の端に座っており、僕は鹿島の背後の右側から腕を伸ばし
「ん。テーブル置いて?」
と鹿島に2つのグラスを渡す。
「あ、あんがと。どっちオレ?」
「氷入ってない方」
「あ、そうなのね」
なにか言いたげな、でもそうでもなさそうな口調だったので
「冷蔵庫で冷えてたから氷入れなかったよ。
「あんま冷たくしないでぇ~」って言ってたから」
とちょっと茶化した口調で言った。
それを聞き鹿島はグラスに口をつけ、ソラオーラを1口飲む。
「んんっ!ちょうど良い!」
振り返り僕の顔を見てそう言うと、グラスをローテーブルに置いた。
僕は右側から回り込み、ソファーの右端に腰を下ろす。
「そういえばここほんとに怜ちゃんち?」
とんでもないことを聞いてきた。
「は?なんで?」
「いや扉前でコソコソしてたし」
「そのあとちゃんと鞄から鍵出したろ」
「あ、そっか」
納得しかけた鹿島が腕を組み、考え込むように前傾姿勢になりさらに続ける。
「いや、どっかで盗んだのかも」
「…」
「怜ちゃん?」
僕は思い詰めた顔を鹿島に見せ、声のトーンを落としこう言った。
「実はな…ここオレの好きな人の家なんだよ。
電車でたまたま見かけて一目惚れして、尾けてきたらこの家でさ。
ある日その子が駅で鍵落としてさ。その鍵拾って鍵屋に行って合鍵作って今に至るんだ」
「怜ちゃん…」
ドン引きしている顔の鹿島と思い詰めた表情で目を合わせる。
2~5秒経ったあと2人同時に笑い合った。
「怜ちゃんよくそんな嘘、詰まることなくスラスラ出てきたね」
「鹿島も引いてる顔わざとらし過ぎ。芸能人になっても演技の仕事は来ないわ」
ニュースの音声がBGMになり2人だけど2人じゃないような
その場がパッっと明るくなったような
もしオーラが見えるならきっと黄色で包まれているだろう。そんな感覚でいた。
リビングは2人の笑い声で包まれていた。
「あ~あ笑う笑う。で?あれなんだったの?」
鹿島が話を戻す。
「いやね、母親がいるかもしれなかったから」
「な る ほ ど ね?」
「そうそう」
そう言い僕はグラスを手に取り、ソラオーラを1口飲み、ローテーブルにグラスを戻す。
「そういや何時からなん?」
「あぁ、飲み?6時半くらいから入れるらしいよ」
「んー…まだ大丈夫か」
そう言いテレビのリモコンを手に取る。録画された番組の一覧を開く。
「百舌鳥の番組多っ!」
鹿島が割と大きな声で指摘する。
「うちの家族百舌鳥大好きなのよ」
「まぁ面白いけどさ?下ネタエグくね?」
「下ネタエグいのは1人で見てる」
そう言いながらリモコンを操作し、テレビ百舌鳥の1つを再生する。
「たとえばこれとかね?」
その回はタイコズキッチンという
百舌鳥の太鼓さんが料理をするというだけの企画なのだが
ちょいちょい下ネタが挟まっている。
「この回見たわぁ~鬼笑ったわ」
そう言いながら2人で見た。終始笑ってあっっという間に25分が過ぎた。
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