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出会い
第12話
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鹿島が先導し駅まで辿り着く。
ついさっき出た改札をまた通り、ついさっきいたホームにまた立っている。
その横でなぜかワクワクしている鹿島が立っている。
「なんでワクワクしてんの?」
疑問をぶつける。
「やっぱさ、授業サボって友達んちに行くってやっぱりワクワクするよな」
「高校生か」
そんなやり取りをしているとアナウンスが流れる。電車が来るというアナウンスだ。
そのアナウンスからしばらくして僕たちの目の前に電車が現れる。
電車が引き連れてきた風で髪が靡く。髪を直す。
僕はセットもなにもしていないので直すのはサッっとで済んだが
隣の鹿島はヘアワックスを使い、髪型をバッチリセットしていたので
僕よりも念入りに髪型を直していた。
電車の速度が落ち、目の前に扉が来たところで止まる。
扉が開き、中から人が降りてくる。降り切るのを待ち、僕たちは中に入り、シートに座る。
「2つ乗ったら乗り換えるから」
「おう」
乗り換えの駅まではゲームの話をしていた。
新しく出るゲームのPVのこと。今やってるゲームのアップデート情報。
鹿島にゲームの話を振れば底が見えないほど話題がどんどん出てくる。
鹿島とゲームの話をしているとあっという間に乗り換えの駅に着く。
電車の速度が落ち、止まり扉が開く。
僕たちはホームに降り、改札を出て、乗り換える電車の来る駅の改札を通り
ホームで電車を待つ間、先程のゲームの話の続きをする。
先程は電車内だったため声を抑えて話していたがホームで話しているため
「え!?マジ!?」や「マジか、スゲェ~」など興奮したときに割と大きな声が出た。
盛り上がり時間を忘れた頃にアナウンスが流れ、電車がホームに着く。
「持ってる?」
と鹿島に尋ねる。
「わたくしを誰だと?」
主語を言っていないのに伝わるのはさすがだ。
鹿島は自分のショルダーバッグからサティスフィーの端を覗かせる。
サティスフィーは両端に取り外しの出来るコントローラーがついているのだが
チラッっと見えた鹿島のコントローラーはモンスターナンバー
通称モンナンの新作の数量限定版のものだった。
さすがはゲーマー。
そう思って電車に乗る。僕は端に座り、鹿島がその隣に座り
2人ともほぼ同時にサティスフィーを鞄から取り出す。
「スプラタウンでしょ?」
鹿島が慣れた手つきでサティスフィーを操作しながら言う。
「そうそう。たぶん時間的に2マッチはできると思う」
僕もあつまれせいぶつの森をセーブしながら言う。
そのまま自分の家の最寄り駅まで鹿島とスプラタウンをプレイした。
鹿島はさすがのプレイスキルで結局2試合したのだが
2試合とも勝利に終わり、試合後プレイヤーのランキングが出るのだが
2試合とも1位は鹿島だった。
自分の家の最寄り駅の名前がアナウンスされ、サティスフィーを鞄にしまい扉の前まで行く。
「強すぎな?」
とか小声で話していると
扉についている縦長の開かない窓にホームが飛び込んでくる。速度が落ち扉が開く。
大学の最寄り駅までは鹿島が先導していたが家までの道はさすがに僕が先導した。
アスファルトに白線で車道と歩道が区別されただけの道を歩く。
いつもと変わらない景色。なんなら5時間前にも見ているこの景色。
ただいつもと違うのは「鹿島がいる」ということ。
いつも鼓膜を刺激するのは男性2人組のラップの曲や
異常に高い声を出せる男性バンドの曲、女性の恋愛ソングや
おもしろかった映画の主題歌などだが今僕の鼓膜を刺激するのは鹿島の声だ。
それにいつもは曲を聴いているため黙って歩いているが
今は鹿島と話すため僕も声を出している。
いつもと変わらない景色。でも「曲を聴いてない」だけで、ただ「鹿島といる」だけなのに
いつものこの景色の雰囲気というか印象、なにかが変わっている。そんな気がする。
この感じをうまく表現できない。いつもと変わらないといえば変わらないのだ。
アニメやドラマでは表現として少しボカシをかけたり色味を変えたりして
心情の表現やシーンが変わったことを表現しているが
僕の今の視界はそんなことにはなっていない。ただいつもとは違う。
そんな今のこの感じを表現できるほどの驚異的な語彙力が欲しいと思う。
そんな感じで鹿島とゲームの話をしながら歩いていると
家の近くの景色になってきたのに気がついた。
「あ、あれ」
と自分の家を指指す。
「おぉ、豪邸」
「どこがやねん」
家が目の前に現れる。僕は家の扉の前に立つ。ゆっくりとドアノブを下げる。
「怜ちゃん、ほんとに自分んち?」
そう尋ねてきた鹿島に背を向けたまま自分の唇に人差し指を付け
「シー」
と声なのか音なのかはっきりしないものを口から出す。
ゆっくりとドアノブを下げると途中で引っ掛かり下がり切らない。鍵が掛かっている。
「ねぇねぇ怜ちゃんなにしてるの?」
鹿島が今度は小声で尋ねてくる。僕はジーンズのポケットからスマホを取り出し
電源をつけてロックを解除する。映し出されるのはLIMEの画面。
トークの一覧を見ると一番上には鹿島の名前。
次にあるのがまだ既読もつけていない匠の名前。
僕は電源を切ってポケットに戻し鞄から鍵を探し、鍵を鍵穴に差し鍵を回す。
先程の引っ掛かりが取り除かれた音がする。僕はドアノブを下げ扉を開き中に入った。
ついさっき出た改札をまた通り、ついさっきいたホームにまた立っている。
その横でなぜかワクワクしている鹿島が立っている。
「なんでワクワクしてんの?」
疑問をぶつける。
「やっぱさ、授業サボって友達んちに行くってやっぱりワクワクするよな」
「高校生か」
そんなやり取りをしているとアナウンスが流れる。電車が来るというアナウンスだ。
そのアナウンスからしばらくして僕たちの目の前に電車が現れる。
電車が引き連れてきた風で髪が靡く。髪を直す。
僕はセットもなにもしていないので直すのはサッっとで済んだが
隣の鹿島はヘアワックスを使い、髪型をバッチリセットしていたので
僕よりも念入りに髪型を直していた。
電車の速度が落ち、目の前に扉が来たところで止まる。
扉が開き、中から人が降りてくる。降り切るのを待ち、僕たちは中に入り、シートに座る。
「2つ乗ったら乗り換えるから」
「おう」
乗り換えの駅まではゲームの話をしていた。
新しく出るゲームのPVのこと。今やってるゲームのアップデート情報。
鹿島にゲームの話を振れば底が見えないほど話題がどんどん出てくる。
鹿島とゲームの話をしているとあっという間に乗り換えの駅に着く。
電車の速度が落ち、止まり扉が開く。
僕たちはホームに降り、改札を出て、乗り換える電車の来る駅の改札を通り
ホームで電車を待つ間、先程のゲームの話の続きをする。
先程は電車内だったため声を抑えて話していたがホームで話しているため
「え!?マジ!?」や「マジか、スゲェ~」など興奮したときに割と大きな声が出た。
盛り上がり時間を忘れた頃にアナウンスが流れ、電車がホームに着く。
「持ってる?」
と鹿島に尋ねる。
「わたくしを誰だと?」
主語を言っていないのに伝わるのはさすがだ。
鹿島は自分のショルダーバッグからサティスフィーの端を覗かせる。
サティスフィーは両端に取り外しの出来るコントローラーがついているのだが
チラッっと見えた鹿島のコントローラーはモンスターナンバー
通称モンナンの新作の数量限定版のものだった。
さすがはゲーマー。
そう思って電車に乗る。僕は端に座り、鹿島がその隣に座り
2人ともほぼ同時にサティスフィーを鞄から取り出す。
「スプラタウンでしょ?」
鹿島が慣れた手つきでサティスフィーを操作しながら言う。
「そうそう。たぶん時間的に2マッチはできると思う」
僕もあつまれせいぶつの森をセーブしながら言う。
そのまま自分の家の最寄り駅まで鹿島とスプラタウンをプレイした。
鹿島はさすがのプレイスキルで結局2試合したのだが
2試合とも勝利に終わり、試合後プレイヤーのランキングが出るのだが
2試合とも1位は鹿島だった。
自分の家の最寄り駅の名前がアナウンスされ、サティスフィーを鞄にしまい扉の前まで行く。
「強すぎな?」
とか小声で話していると
扉についている縦長の開かない窓にホームが飛び込んでくる。速度が落ち扉が開く。
大学の最寄り駅までは鹿島が先導していたが家までの道はさすがに僕が先導した。
アスファルトに白線で車道と歩道が区別されただけの道を歩く。
いつもと変わらない景色。なんなら5時間前にも見ているこの景色。
ただいつもと違うのは「鹿島がいる」ということ。
いつも鼓膜を刺激するのは男性2人組のラップの曲や
異常に高い声を出せる男性バンドの曲、女性の恋愛ソングや
おもしろかった映画の主題歌などだが今僕の鼓膜を刺激するのは鹿島の声だ。
それにいつもは曲を聴いているため黙って歩いているが
今は鹿島と話すため僕も声を出している。
いつもと変わらない景色。でも「曲を聴いてない」だけで、ただ「鹿島といる」だけなのに
いつものこの景色の雰囲気というか印象、なにかが変わっている。そんな気がする。
この感じをうまく表現できない。いつもと変わらないといえば変わらないのだ。
アニメやドラマでは表現として少しボカシをかけたり色味を変えたりして
心情の表現やシーンが変わったことを表現しているが
僕の今の視界はそんなことにはなっていない。ただいつもとは違う。
そんな今のこの感じを表現できるほどの驚異的な語彙力が欲しいと思う。
そんな感じで鹿島とゲームの話をしながら歩いていると
家の近くの景色になってきたのに気がついた。
「あ、あれ」
と自分の家を指指す。
「おぉ、豪邸」
「どこがやねん」
家が目の前に現れる。僕は家の扉の前に立つ。ゆっくりとドアノブを下げる。
「怜ちゃん、ほんとに自分んち?」
そう尋ねてきた鹿島に背を向けたまま自分の唇に人差し指を付け
「シー」
と声なのか音なのかはっきりしないものを口から出す。
ゆっくりとドアノブを下げると途中で引っ掛かり下がり切らない。鍵が掛かっている。
「ねぇねぇ怜ちゃんなにしてるの?」
鹿島が今度は小声で尋ねてくる。僕はジーンズのポケットからスマホを取り出し
電源をつけてロックを解除する。映し出されるのはLIMEの画面。
トークの一覧を見ると一番上には鹿島の名前。
次にあるのがまだ既読もつけていない匠の名前。
僕は電源を切ってポケットに戻し鞄から鍵を探し、鍵を鍵穴に差し鍵を回す。
先程の引っ掛かりが取り除かれた音がする。僕はドアノブを下げ扉を開き中に入った。
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