猫舌ということ。

結愛

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暑さの終わり

第179話

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外に出ると閉園時間が迫っていたので、パークの奥から出口に向かう人の流れができていた。
ハロウィン限定のお土産を買うために6人で急いだ。
お土産ストリートで急いでお土産を買い漁りパークの出口へ。
東京シルフィーランドは閉園になってから花火が短時間上がる。
ヒューという音が聞こえ振り返る。ドォーン。綺麗な花火が上がっていた。6人で
…まあ他のシルフィーランドへ遊びにきた人もいるが6人で空を見上げる。
熱海の花火ほどすごいものではないが
やはり花火というものは夏に見ようが秋に見ようが、きっと冬でも春でも
いいものなんだろうと思った。花火に少し見惚れて
「写真!」
という音成の声に我に返り、6人で
「いくよー?はいチーズ!」
写真を撮った。そして各カップルでも写真を撮った。
「なんか告白されたとき思い出す」
妃馬がスマホのカメラをインカメラにして僕に寄り添う。
「あぁ、勢いで告っちゃった花火大会ね」
「ビックリしたよ」
「ビックリしてたね」
「嬉しかったけどね?」
「…うぅ~ん。どーゆーリアクションすれば?」
「ふふふ」
妃馬がさらに僕に密着する。
「じゃ、いくよー?」
「いーよー?」
「はいっチーズ!」
カシャ。妃馬のスマホ画面に写る自分の顔はあまり見たくないが
妃馬の楽しそうで幸せそうな笑顔が見れたので良しとした。
その後も6人で花火大会を楽しんだ。
ほぼ毎日花火を上げるらしいのでさすがに短時間で終わった。
お土産で重くなったスクールバッグを持ち上げ、駅へと歩く。
さすがに騒ぎ疲れたのか、電車では匠と僕以外、スースー寝ていた。
「写真撮る?」
「いいんじゃない?撮っちゃおうぜ」
ということで、全員キャラクターの耳のカチューシャも取らずに寝ているところを
匠と僕だけが起きているという写真を撮った。しかし油断すると匠も僕も寝そうだったので
みんなを起こさないように匠と会話をしながら乗り換えの駅まで行った。
「疲れてるしいいよ」
と言われたが鹿島も匠も僕もそれぞれの彼女を家まで送り届けた。
その後家に帰り、リビングのテーブルにお土産を出すと妹から
「え!?マジ!?シルフィー行ってきたの!?ずるっ!」
と僻まれたり
「まさかの制服シルフィー?」
と少し引かれたり
「写真、写真見せろ」
と恐喝されたりした。
そこで初めて妃馬との2ショットなどを見られ、ニコッっと恐怖を感じる笑顔の妹が
「後で部屋行くから。寝ないでね?」
と耳元で言われて「はい」としか言えなかった。
東京シルフィーランドのハロウィン限定のクッキーなんかを食べて
部屋に戻って制服をしっかりハンガーにかけてしまい
下着のパンツとTシャツのみで部屋着と替えの下着のパンツを持ってお風呂へ行き
お風呂に入り、部屋へ戻った。
部屋のベッドで寝転がり、あぁ、もう寝そう…というところで妹が入ってきた。
「寝ようとしてんじゃねーよ」
「してない。勝手に瞼が…」
「起きろー」
「つかノックしろ」
「起きろー」
「ったく」
やれやれと体を起こす。
「さて?聞こうじゃないか」
「なにを」
「自分がよ~ぉ~くわかっているのでは?」
「…なにを聞きたいの?」
「まずはいつから付き合い始めたか」
「付き合い始めたのはあの熱海の旅行から」
「なるほど?まあたしかにあの旅行の後からお兄ちゃんの雰囲気少し変わったしな」
「そ?」
「そ」
「そういえば、おばあちゃんおじいちゃん家(ち)行ったとき、あの、あれね?父さんのほうの」
「はいはい」
「あのときさ、おばあちゃんに…」
「思い出した!彼女いるの?って聞かれたときなんか誤魔化してたよね?」
「そうそう。オレあの後問い詰められるもんだと思ってたけど全然なかったからさ」
「あぁ。完全に忘れてたわ」
「ただ忘れてただけか」
「うん。あぁ~明日始業式なのに私のんびりできるぅ~とか」
「優越感に浸っていたと」
「それ」
「で?もうよろし?」
「んん~?よろしなわけなくない?」
「お次は?」
「なんて告ったか」
「は?それ言うの?」
「言え」
「…まあ、ふつーに「好きです。付き合ってください」って」
「ふぅ~むふむふむ」
妹の顔があからさまにニヤける。
「顔」
「で?で?で?なんて呼んでんの?」
鼻から息を吸い込み、一気に鼻から出す。
「妃馬って呼んでる」
「ふぅ~!で?向こうはお兄ちゃんのことなんて?」
「まあ、ふつーに怜夢って」
「ひゅー!」
「なんだよ。別にふつーだろ」
「今度連れてきてよ」
「妃馬を?」
「妃馬だって。そそ。その妃馬さん。会いたい」
「ってもなぁ~。家。呼びたくねぇ」
「大丈夫だよ。お兄ちゃんの部屋、割と綺麗なほうでしょ」
「そこじゃねぇよ。まあ、それも多少あったけど」
「なによ」
「いや、母さんとか父さんとかだよ」
「あぁ~…そっか。なるほど。いなければ…ねぇ?」
妹の顔がニマニマとした顔になる。
「なんだよ」
「別にぃ~?」
「なんもしねぇ~よ?」
「私なんも言ってないけど?」
「顔が喋りすぎてるからな」
「あらやだ。出てた?」
「出てた出てた」
「ま、とりあえず会いたいから会わせて」
「まあぁ~…夢香には会わせてもーいいか」
「うっしゃー!」
「ま、家前までは連れてくるけど家には入らんから」
「あ、全然それでいい」
「バスケ部の練習何曜だっけ?」
「今はね火水金」
「じゃ、それ以外にするから」
「おっけー」
「ま、LIMEするから」
「あいあい」
そんな変な約束を妹として、妹は笑顔で僕の部屋を出て行った。
今一度ベッドに寝転がりスマホの画面をつける。
音成、妃馬、姫冬ちゃん、森本さん、鹿島、匠、僕の7人のグループLIMEには
みんなで撮った写真が送られていて、その後に匠と僕だけが起きていて
カチューシャをつけたまま寝ているみんなの写真が匠から送られていて

「ちょっと!なに撮ってん!」
「恥ずかしい」
「京弥口開けて寝てる」
「やめてw見ないでw」
「みんなまだ現役高校生いけますね!」
「お?いける?姫冬ちゃんいける?」
「いけるいける!」
「姫冬様のほうが顔幼いんだからいけるでしょ」
「フィンちゃん、それ褒めてる?」
「褒めてる褒めてる」
「半分子どもって言ってる」
「恋ちゃん。うるさい」

など和気藹々なメッセージのやり取りがあった。
個人的に妃馬からもLIMEが来ており、妹に見せろと言われた妃馬との2ショットの後に

「楽しかったね!また行きたいね!」
「制服は恥ずかしかったけどねwでも後半は慣れてたな。また制服で行く?w」
「いいよ?私は全然」
「でも今度行くとしたら私服かな」
「来年?」
「来年行く?就活じゃない?」
「息抜きで?」
「行けたら行こうか」
「うん!楽しみ!」

などのやり取りをして

「妹に写真見られたw」

と送ったが既読はつかず、きっと寝てしまったのだろうと僕も寝ることにした。
目を閉じ今日のことをいろいろと振り返ろうとしたが
そんなことをする暇もなくスッっと眠りに落ちてしまった。
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