猫舌ということ。

結愛

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涼しい風の吹き始め

第181話

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「改めておめでとうございます」
「ありがとうございます」
匠の隣で講義が始まるのを待つ。
「昨日は?デートを?」
「まあ、そうね」
「いいですねぇ~」
「これ、プレゼントで貰った」
匠が羽織っているパーカーを見せる。
「あ、マジで?ド派手だな」
「恋、オレが派手なの好きなの知ってるからね」
「でもピンクと黄色好きだったっけ?」
「んーまあ嫌いではない。白が好きなんだけど」
「それは髪色見れば一目瞭然」
「でも見てこれ」
匠が背中を見せる。
「ひょっとこのお面被った派手髪のイラスト?」
「そうそう。派手髪ひょっとこのしょうたさん。知ってる?」
「知らん」
「ニャンスタとポツッターで人気なんだけど」
「そうなんだ」
匠が検索して見せてくれる。
「この人」
「おぉ。ほんとにひょっとこだ」
「めっちゃカッコいいよ。このひょっとこのお面に口ピと鼻ピしてるセンスとか
あと単純にピアスも多い。ま、オレのほうが多いけど。あとポリシーもカッコいい。
ニャンスタとかポツッターのコメントで「MyPipeしないんですか?」とか
「MyPipeで動いてる姿見せてほしいです」とか
「ゲーム実況見たいです!」とかいうコメントあるんだけど
それに対して「MyPipeチャンネルはすでにあって今も活動しています。
でもニャンスタやポツッターで有名になったから
それを利用してMyPipeの登録者を増やすというのは
私みたいにコツコツ頑張って動画投稿してる他の人に申し訳ないので
ここでは宣伝しません。すいません。もし見つけたらチャンネル登録お願いします。
あ、もし見つけてもなるべく広めないでくださいね」って言ってるの。めっちゃカッコいい」
「あぁ、それはカッコいい。鹿島もそのポリシー好きそう」
「で、最近このひょっとこ好きになったから
このひょっとこさんが出してる服を買ってプレゼントしてくれたのよ」
「ひょっとこさんって呼ぶんだ?翔大って名前あんのに。
あ、太いじゃないんだ。大きいなんだ。珍しい」
「あぁ、たしかに。ふつー太いだよね。
ま、どっちにしろ翔大感ないから。ひょっとこひょっとこ」
「それ知ってたらオレもそうしたのになー」
と言いながら匠へのプレゼントをテーブルの匠の前に置く。
「お、いいんすか?」
「どうぞどうぞ。気にいるかはわからんけど」
匠が袋から取り出して、包装を開ける。
「お、白のトレーナー。…おぉ。薄ら豹柄になってる」
「そうそう。匠が派手好きなのは知ってたし
でも白好きでしょ?で考えてたらこれがあったんで。あ、ピッタリじゃんって」
「めっちゃいい。オシャレだわぁ~。さすが怜夢。ありがとうございます」
「どういたしまして」
「遅れて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」
騒がしい声が聞こえる。
「この騒がしさは」
「オレ様の登場ー」
「オレ様キャラだ。相容れないわ」
「オレからのプレゼントです。
匠ちゃん誕生日おめでとうございます!
ま、当日LIMEで言ったから二度目だけど」
「オレも二度言ったから」
「ありがとうございます。開けてい?」
「もちろん」
匠が袋から取り出して、包装を開ける。
「はぁ~でぇ~」
この世の全色が入ってるんじゃないかというくらいの派手なロング丈のYシャツだった。
「しかもデカー」
「ビッグシルエット好きじゃん」
「好きーです。まだ着れるかな」
「あったかい日は着れる」
そんな匠の誕生日の延長をして講義を受けた。
講義を全て受け終え、音成、森本さん、妃馬と合流して大学の校舎を出て
「この後飲み行こーよー!」
という鹿島の発言で匠の誕生日の延長の延長をすることとなった。
「じゃ、改めまして匠ちゃん、誕生日おめでとうー!」
「「おめでとー!」」
みんなでグラスをあてて乾杯した。
「ありがとうございます。ありがとうございます」
「あとはなっさんだけか」
「恋ちゃんは22だもんね」
「ある意味すごいよね。小野田さんが11月11日で、恋ちゃんが11月22日」
「運命?」
「やめて。照れる」
「22日って何曜?」
「木曜」
匠が即答した。そして何事もなかったようにフライドポテトに手を伸ばす。
「おぉ、即答」
森本さんが静かに驚く。
「ふーも驚いてる。オレもビックリしてるよ?」
「ん?まあ彼女の誕生日だからね」
「クールやなぁ~」
「恋ちゃんはホットかな?」
「ほんとだ。恋ちゃん顔赤っ」
「フィンちゃんうるさいよ。これはお酒のせいです」
「ほんとぉ~ですかぁ~」
「ほんとぉ~ですかぁ~?」
森本さん、鹿島の言葉を無視するように
「あ、サキちゃんこないだ紅葉デート行ったんだよね?」
と妃馬に話を振る。
「あ、うん。その話したじゃん」
「うん。された」
「その話、オレもふーから聞いたけど、そこら辺でもよかったんじゃないの怜ちゃん」
「たしかに。近場だと井の蛙公園とか。もっと近場…いやちょっと遠いかもだけど狸公園とか」
「狸ーは遠くね?子どもの頃父さんとチャリで行ったけど、今思うとヤバいくらい走ったで」
「たしかに。でもそこら辺じゃダメだったん?」
「いや、ダメではないけどさ、なんか…なんかね
行ったことないとこ一緒に行って、綺麗な景色見たいなって。
そのほうが思い出に残るでしょ。まあ近所が思い出に残らないって話ではないけどね?」
「なるほど?たしかにな」
「思い出ついでに冬の旅行計画でも話します?」
と鹿島がフライドポテトを咥えながら満面の笑みで言う。
「お、北海道旅行計画?」
「あれガチの話だったの?たっくん」
「半分ガチで半分できたらいいなぁ~的な」
「オレは割とガチで考えてた」
「ホテル代に飛行機代、あとレンタカー代…いくらよ」
「オレがざっと見積もった感じだと飛行機1万、レンタカーが2日で6」
「6!?」
「まあ1人1万だと思えば」
「あぁ~」
「んでまあ宿代はわからん。だからざっとだけど1人4万くらいで行けるーと思う」
「そこそこするな」
「たしかに」
「行くとしたらいつ?」
「11月終わりか12月始めじゃない?」
「そこら辺だよな」
「朝イチの飛行機乗って、夜最後の飛行機で帰る」
「遅れたら終わりの旅な」
「遅れたら最悪サキちゃんの実家行けばいい」
「匠ちゃんの実家もありよね」
「「遅れないようにしよう」」
と匠と妃馬がハモる。まだ架空も架空。架空の計画でこんなにも盛り上がった。
お酒が入っているとはいえ、こんなにも楽しいこの6人でのやり取り。
みんなとずっと一緒にいたいとなんでもない日、なんでもない居酒屋さんで思った。
「でもガチで行くんならそろそろマジで計画練らないと」
「北海道は決定?」
「青森?秋田?どうせ足伸ばすんなら北海道が良くね?」
「たしかに」
「青森もいいけどねぇ~リンゴジュースうまいし、あと味噌カレー牛乳ラーメン気になる」
「味噌カレー牛乳ラーメン!?ヤバ」
「あ、聞いたことあります」
「さすが妃馬さん。麺族」
「秋田のきりたんぽも食べたいけど」
「北海道の味噌ラーメン食べたーい」
「「それだ」」
みんな「北海道の味噌ラーメン」に弱かった。
その後も匠の誕生日会の延長の飲み会をし、家へと帰った。
それからときどき夜、ファンタジア フィナーレをみんなでプレイし
グループLIMEのグループ通話で北海道旅行について話し合った。
そして音成の誕生日を迎え、大学で直接
「おめでとう」
と鹿島と言って、夜は匠と食事だろうからと
鹿島も気を遣って誕生日飲み会には誘わずに帰った。
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