27 / 62
峯森誠司
1話 青天の霹靂(1)
しおりを挟む
俺という生き物は、コンプレックスの塊みたいなもんだ。
上に姉がふたりもいると、誰でもそうなると思うけど、お下がりが全部女の子仕様。外を歩けば「三姉妹」と言われて、”男らしく”ありたいと強く願うようになるのは自然なことだった。
おままごとが妙に板についていることとか、女の子向けアニメに妙に詳しいとか、そんなのを悟られたくなくてひたすら外遊びに明け暮れた。絶対女子なんかと遊ぶもんか。もっと言うと、絡みたくもないと異様に決意していた時期だってある。
だからそんな俺が、恋愛なんてふわふわした異物に対応できるわけがなかったんだ。
付き合うってなんだ? 一緒に帰りたいんなら、「一緒に帰ろう」でいいし、遊びたいなら「遊ぼう」でいいし、それくらいなら俺だってもう変なこだわりなく「いいぜ」と言ってのけるぐらいには成長したんだ。
成長していたつもりだった。
結局、恋愛という謎のワードに振り回されて、気がつけば大事な何かを見落として、知らないうちに在り処がわからなくなって、今さらどうしようもなくなっている。それが、今の俺だ。
上に姉がふたりもいると、誰でもそうなると思うけど、お下がりが全部女の子仕様。外を歩けば「三姉妹」と言われて、”男らしく”ありたいと強く願うようになるのは自然なことだった。
おままごとが妙に板についていることとか、女の子向けアニメに妙に詳しいとか、そんなのを悟られたくなくてひたすら外遊びに明け暮れた。絶対女子なんかと遊ぶもんか。もっと言うと、絡みたくもないと異様に決意していた時期だってある。
だからそんな俺が、恋愛なんてふわふわした異物に対応できるわけがなかったんだ。
付き合うってなんだ? 一緒に帰りたいんなら、「一緒に帰ろう」でいいし、遊びたいなら「遊ぼう」でいいし、それくらいなら俺だってもう変なこだわりなく「いいぜ」と言ってのけるぐらいには成長したんだ。
成長していたつもりだった。
結局、恋愛という謎のワードに振り回されて、気がつけば大事な何かを見落として、知らないうちに在り処がわからなくなって、今さらどうしようもなくなっている。それが、今の俺だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる