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第9話 お父さん
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昼食は、露店の焼きそばを購入。芝の上で食べよう。
よく整備された芝だが、みんなが遊ぶ広場なので、どうしても傷んでいる。
それもまた趣があって大変良し。
「蒼真、芝見てブツブツ言ってるの怖いよ……?」
見ると羽依がドン引きした眼差しを送っている。まあ万人に理解出来るものとは思っていないが、ちょっとさみしい。
「やっぱり芝の上で食べるのは最高だね。天気もいいし」
ぐーっと伸びをする俺を見て、羽依も真似をしてぐーっと伸びをする。長い脚と、はち切れそうな胸。健康美が強調されている。
「お出かけ日和だね! うん、この焼きそば、ジャンクな感じがすごく良いね。味濃くて脂っぽくて結構冷めてて。こういう場所で食べるのって良いよね~」
にこにこ楽しそうに語る羽依。微妙にけなしてるようにも聞こえなくもないけど、実際食べれば分かる。この場、こういう雰囲気で食べるジャンクな味。これこそが行楽地の醍醐味であると。
まあ、次はお弁当もって来ようとも思う。突然決まったお出かけだったので準備もままならなかったけど、思いつきで出かける楽しさも良いものだ。
お腹が満たされた後に、羽依が俺に膝枕を求めてきた。甘えん坊さんめ。
頭が乗せられると、髪の香りがふわっと漂う。甘いような柑橘な香りにちょっとだけ心がざわつく。ていうか、顔の近さに正直焦る。
「――この動物園ね、お父さんと来たことがあったんだ。まだ小学生の頃だった。」
不意にでた父親の話に少しドキッとした。お母さんのことは少し聞いたけど、父親の話が出てこなかったのは、何かしらあったのかなとは思っていたからだ。
懐かしい思い出を語るような楽しそうな、そしてどこか切なそうな表情。
「お父さん、すごく優しかったんだ。私がね、食べていたアイスをうっかり落としちゃったんだ。しょんぼりしてたらさ、『ちょっとまっててね』ってお店に走っていったの。お母さんとしばらく待ってたらさ、また走って戻ってきてね、新しいアイスと一緒にカピバラのぬいぐるみ買ってくれたの」
「――優しいお父さんだね。」
「うん。今でも覚えてるの。『悪い事の後には必ず良いことが待ってるよ』って優しく頭を撫でてくれたの。……そう、そんな感じに」
俺は羽依の頭を撫でながら、彼女の頬を伝っていた涙を拭っていた。
そして、そのまま羽依はすぅすぅと寝息を立てた。
今の話しぶりから少し分かるのは、お父さんはきっともう……。
――お父さんとお母さんのこと大好きなんだな。ちょっとだけ羨ましくもある……。
――1時間ほどして羽依が目覚めた。
「……蒼真、ありがとうね。今日ここで、こうするのも目的の一つだったりして」
「それは良かった。寝顔可愛かったよ。」
冗談ではなかったけど、羽依はちょっと顔を赤らめて起き上がった。
「蒼真! 交代しよう! はい、膝枕カマン!」
羽依は正座して太ももをポンポン叩いてる。え、良いのかな?
「じゃあお言葉に甘えて」
これはっ! 極上の感触。タイツの感触が実に心地良い。太ももの弾力が絶妙だ。そして見上げると、重装甲に阻まれ羽依の顔がほとんど見えない。すごく……大きいです……。額にちょっと乗ってるし。
「なんか母性くすぐられるねこれ。蒼真が愛おしく思っちゃう。私の子になる?」
「じゃあ……ママン。おこづかい頂戴」
きゅっと鼻をつままれる。ちょっと痛い……。
「蒼真の顔、好きなんだよね。肌メッチャ綺麗だし。髪型とか美容室でビシッと決めたらめっちゃモテそう」
「モテても良いこと無いのは、羽依が証明してるよね」
俺の言葉に羽依は苦笑する。
「そうだよね~。蒼真は知る人ぞ知る掘り出し物ってことにしておこう」
羽依にそう思われてたのは、内心びっくりしていた。俺、隠れイケメンだった? いや~無い無い。
羽依は俺の顔を、もちもちとずっと触っている。眠らせる気、無いなこれは。
「ほろほろろっかいほうは?」
ほっぺたをむにーっとされたまま喋ったので、自分でも何言ってるのやら。
しかし羽依には通じたようで。
「うん、そろそろ行こっか!」
引き続き園内を散歩する。もっとも、見どころは大体見たので、水辺の動物コーナーの場所を楽しみつつ、園内を後にした。
「楽しかった~! やっぱり動物は癒やしだね! 写真いっぱい撮っちゃった」
羽依はとても満足そうに今日の画像を眺めている。
「来てよかったね。俺もめっちゃ楽しかったよ」
俺の言葉に羽依もニコッと微笑み俺と腕を組んだ。
「悪い事の後にはね。良いことが待ってるんだよ」
人差し指を立てて羽依がそんなことを言ってくる。その可愛い仕草に、抱きしめたい衝動を抑えるのに精一杯だった。
よく整備された芝だが、みんなが遊ぶ広場なので、どうしても傷んでいる。
それもまた趣があって大変良し。
「蒼真、芝見てブツブツ言ってるの怖いよ……?」
見ると羽依がドン引きした眼差しを送っている。まあ万人に理解出来るものとは思っていないが、ちょっとさみしい。
「やっぱり芝の上で食べるのは最高だね。天気もいいし」
ぐーっと伸びをする俺を見て、羽依も真似をしてぐーっと伸びをする。長い脚と、はち切れそうな胸。健康美が強調されている。
「お出かけ日和だね! うん、この焼きそば、ジャンクな感じがすごく良いね。味濃くて脂っぽくて結構冷めてて。こういう場所で食べるのって良いよね~」
にこにこ楽しそうに語る羽依。微妙にけなしてるようにも聞こえなくもないけど、実際食べれば分かる。この場、こういう雰囲気で食べるジャンクな味。これこそが行楽地の醍醐味であると。
まあ、次はお弁当もって来ようとも思う。突然決まったお出かけだったので準備もままならなかったけど、思いつきで出かける楽しさも良いものだ。
お腹が満たされた後に、羽依が俺に膝枕を求めてきた。甘えん坊さんめ。
頭が乗せられると、髪の香りがふわっと漂う。甘いような柑橘な香りにちょっとだけ心がざわつく。ていうか、顔の近さに正直焦る。
「――この動物園ね、お父さんと来たことがあったんだ。まだ小学生の頃だった。」
不意にでた父親の話に少しドキッとした。お母さんのことは少し聞いたけど、父親の話が出てこなかったのは、何かしらあったのかなとは思っていたからだ。
懐かしい思い出を語るような楽しそうな、そしてどこか切なそうな表情。
「お父さん、すごく優しかったんだ。私がね、食べていたアイスをうっかり落としちゃったんだ。しょんぼりしてたらさ、『ちょっとまっててね』ってお店に走っていったの。お母さんとしばらく待ってたらさ、また走って戻ってきてね、新しいアイスと一緒にカピバラのぬいぐるみ買ってくれたの」
「――優しいお父さんだね。」
「うん。今でも覚えてるの。『悪い事の後には必ず良いことが待ってるよ』って優しく頭を撫でてくれたの。……そう、そんな感じに」
俺は羽依の頭を撫でながら、彼女の頬を伝っていた涙を拭っていた。
そして、そのまま羽依はすぅすぅと寝息を立てた。
今の話しぶりから少し分かるのは、お父さんはきっともう……。
――お父さんとお母さんのこと大好きなんだな。ちょっとだけ羨ましくもある……。
――1時間ほどして羽依が目覚めた。
「……蒼真、ありがとうね。今日ここで、こうするのも目的の一つだったりして」
「それは良かった。寝顔可愛かったよ。」
冗談ではなかったけど、羽依はちょっと顔を赤らめて起き上がった。
「蒼真! 交代しよう! はい、膝枕カマン!」
羽依は正座して太ももをポンポン叩いてる。え、良いのかな?
「じゃあお言葉に甘えて」
これはっ! 極上の感触。タイツの感触が実に心地良い。太ももの弾力が絶妙だ。そして見上げると、重装甲に阻まれ羽依の顔がほとんど見えない。すごく……大きいです……。額にちょっと乗ってるし。
「なんか母性くすぐられるねこれ。蒼真が愛おしく思っちゃう。私の子になる?」
「じゃあ……ママン。おこづかい頂戴」
きゅっと鼻をつままれる。ちょっと痛い……。
「蒼真の顔、好きなんだよね。肌メッチャ綺麗だし。髪型とか美容室でビシッと決めたらめっちゃモテそう」
「モテても良いこと無いのは、羽依が証明してるよね」
俺の言葉に羽依は苦笑する。
「そうだよね~。蒼真は知る人ぞ知る掘り出し物ってことにしておこう」
羽依にそう思われてたのは、内心びっくりしていた。俺、隠れイケメンだった? いや~無い無い。
羽依は俺の顔を、もちもちとずっと触っている。眠らせる気、無いなこれは。
「ほろほろろっかいほうは?」
ほっぺたをむにーっとされたまま喋ったので、自分でも何言ってるのやら。
しかし羽依には通じたようで。
「うん、そろそろ行こっか!」
引き続き園内を散歩する。もっとも、見どころは大体見たので、水辺の動物コーナーの場所を楽しみつつ、園内を後にした。
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俺の言葉に羽依もニコッと微笑み俺と腕を組んだ。
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