夢に向かって翔け

結城時朗

文字の大きさ
14 / 25
第三章

祝勝会

しおりを挟む
ーー夕方・浜松町ーー
2次選考のメールを送ってから1ヶ月半後。
その日も当落の連絡はなかった。
友人の彰一に呼び出され、浜松町にある居酒屋へ向かった。

ーー居酒屋ーー
指定された店に行くと、既に彰一が席を取っていた。
「久しぶり・・・  そちらの女性は?」
「あぁ、紹介する。竹中美波。  今回一緒に作品書いてる相棒」
「お前もつれねぇな。  こんな美人な人と一緒にいるなんてよ!」
照れている美波。
「相棒だって!」
「はいはい。  わかったからよ」
「すみません。 はじめまして、一緒に創作活動してる竹中です」
「自分は、立川彰一っていいます。  英二とは中高の同級生です」
「で、きょうは何?」
「きょうは何?じゃねぇーよ!  審査通過のお祝いだって!」
「まだ、2次選考中だよ」
「いいから!  景気づけに1杯」
「すみません!」
「はーい!」
奥から女性が出てくる。
「ご注文は?」
「とりあえず、生3つと、枝豆、ポテサラ、軟骨の唐揚げお願いします。  2人は?」
「フライドポテト、冷奴お願いします」
「私は、チョレギサラダを」
「注文は、生3つ、ポテサラ、軟骨、フライドポテト、冷奴、チョレギ以上で大丈夫ですか?」
「とりあえずそれで」
「かしこまりました」
店員が去ると同時に美波も立ち上がる。
「ちょっと御手洗に」
席を外すとすぐさま、彰一が英二に聞く。
「彼女か?  嫁か?」
「バカ!  彼女と言いたいけど、実はまだ、俺の気持ち伝えてない」
「はっ?」
「美波の気持ちは前に聞いたんだけど、その時に言いそびれたというかなんというか」
「男らしくねぇな!」
そこに帰ってくる美波。
「何話してたんですか?」
「最近のことですよ!  なぁ?」
「えっ?  あ、うん・・・」
「怪しいな・・・」
「まぁいずれ分かりますよ!」
そこに来る店員。
「お待たせしましたー。  生3つと、枝豆、冷奴です」
配膳されていく品々。
「じゃあ乾杯と行っちゃいますか!  2人のこれからの成功と1次選考通過おめでとう!  乾杯!」
ジョッキを軽くぶつける。

話が弾み、あっという間に2時間が過ぎた。

「そろそろお開きにしますか」
「そうですね、英ちゃんも寝てるし」
横で寝ている英二。
「ひとつ、質問良いですか?」
「はい」
「英二と付き合ってるんですか?」
「はい。私はですけど。  英ちゃんからは何も気持ちとかも聞いてないです・・・」
「もし、いつまでも気持ちを伝えなかったら考えた方が良いですよ」
「どういうことです?」
「こいつ、いつまで自分の気持ち伝えずにいるから、捨てられる事多くて」
「それでどうなったんですか?」
「自然消滅がほとんど。  内気な性格ですし、」
「私は、英ちゃん信じんてます。  きっと気持ち伝えてくれるって」
「でも、後悔するかもしれませんよ」
「その時はその時じゃないですか?  あー、自分ばかりで重かったのかなって」
「それなら良いです。  何かあったら連絡ください。  英二に喝入れます!」
「ありがとうございます」
英二を起こす2人
「おーい!起きろ!帰るぞ!」
「帰るよ!」
「あっ、ごめん!寝てた」
「ったく、主役が寝るって聞いたことねぇよ」
「そんなお酒弱かった?」
伸びをしながら答える。
「楽しくて、つい飲みすぎたかも」
「酔ってる割にははっきりしてるな」
「最近、寝不足だったから」
「まぁ、なんでもいいけど」
「すみません!チェックで!」
定員が来る。
「ありがとうございました。  全部で18,370円です」
「カードで」
「俺ら出すよ!」
「良いから良いから」
「領収書は?」
「大丈夫です。  あっ、やっぱ貰っといて良いですか?」
「ご馳走様です!」
「ありがとうございました!」

店を出る3人

「さすがに寒いな・・・」
「冷えるね」
「風邪ひくなよ!  また、次通ったら祝勝会な!」
「いいよ毎回」
「ていうか、次は最終選考通ったらな」
「その時はまた言うよ!」
「じゃあな!」
「ありがとうございました!」
二手に別れる。

「ねぇ?」
「何?」
「・・・なんでもない」
「なんだそれ」


ーーリビングーー
メールの通知音が響く。
【審査結果】脚本コンテスト事務局  と書かれていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

婚約破棄が聞こえません

あんど もあ
ファンタジー
私は、真実の愛に目覚めた王子に王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を宣言されたらしいです。 私には聞こえないのですが。 王子が目の前にいる? どこに? どうやら私には王子が見えなくなったみたいです。 ※「承石灰」は架空の物質です。実在の消石灰は目に入ると危険ですのでマネしないでね!

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

処理中です...