夢に向かって翔け

結城時朗

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第三章

動画

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ーー次の日ーー
「美波!」
急な大声に驚き、部屋から飛び出る。
「何?  大声出して」
「これ!」
パソコンを指さして
「何? 」
パソコンを覗き込む。

件名の【審査結果】脚本コンテスト事務局 を見て、内容を読み上げる
「2次選考の結果をお伝えします・・・  2次選考78名の中から厳選なる審査の結果、2次選考を通過したことをお知らせします」
英二の顔を見合わせる。
「通った、ヤッター! 」
立ち上がり抱き合う2人。
「美波、ありがとう!」
「まだ、早いよ!  勝負はこれから!」
再びメールを読む。
「2次選考について、貴殿含めた5名が決定しました。  選考の理由としては、指定の内容にプラスで作品が同封されていたこと。  主人公以外の設定がドラマとして描いた時、子どもだけでなく、大人向けにもなること。 場面転換において光と闇、双方のバランスが良かった事が主な理由です」
メール分をスクロールしていくと、URLが記載されていた。

【最終選考内容については、下記のURLからご覧下さい】
httpsから始まったアドレスをクリックする。
ホームページが開くと、画面にポップアップで動画が流れる。
主催者であるプロダクション社長、後援のテレビ局のドラマ演出部部長のメッセージが流れる。
名前を読み上げ、作品の感想を述べられる。
その動画を観た美波は、泣いていた。
「泣くなよ!これからだろ?」
「そうだけど、ホントに嬉しくて」
全ての動画の再生が終わると、ポップアップが消え、ホームページの画面が出てくる。
最終選考のご案内と書かれたアイコンがあり、クリックする。
「内容まで引っ張るね」
「(鼻を啜りながら)確かに」
再び、動画がポップアップで表示される。
再生すると、動画には、歴代の主役を演じてきた俳優達のメッセージが流れてきた。
一つ一つ最終選考の内容を話していく俳優達。
「この度は、おめでとうございます。第1作目の主役を演じました建部です。私からお伝えするのは、1つ目。面談のご案内です。 面談相手は、 プロダクション社長、ドラマ部部長、そして私建部です」
「まじか・・・緊張半端ない・・・」
動画は、白パカし、2人目が話し始める
「おめでとうございます。  続いてのご案内は、シリーズ3本目で主役を演じました、牧尚義です。  2つ目のご案内は、プレゼンです。  貴方が書いた作品の、見どころ、熱意、シリーズへの思いをプレゼンしてください」
動画は再び白パカを挟み
「はじめまして。そして2次選考通過おめでとうございます。 最後のご案内は、シリーズ5番目の主役を演じました、久元聡がご案内します。最後の内容は、防衛隊の制服デザインを考えてください。  既存の制服に付け足すでも、原点回帰でも、奇抜なデザインでも構いません。 実際にあったら着てみたい、活動してみたいと思えるようなデザインをお待ちしております」
動画が3画面表示になり、3人が出てくる。
「皆さんと一緒にお仕事できる日を楽しみにしております」
フェードアウトし、最終選考内容が表示される。

・弊社、社長。ドラマ部部長、建部氏との面談
・あなたが書いた作品のプレゼン(各項目3分程でまとめてください。)
・あなたが書いた作品に出てくる防衛隊の制服デザイン(何パターンでも大丈夫です。)
というマルチ画面だった。

「ハードル高ぇー!  急すぎ」
「デザインは、私がしたいけど、それ以外は一緒に考えよ」
「でも、面談内容は2人で一緒はおかしいから、個々だな」
「で、締切は?」
スクロールすると、諸々注意事項が書かれていた。
最後の1行に締切日が書かれていた。

{なお、公平性を鑑みて締切日を【12月1日 映画の日】とさせていただきます。}
※面談以外のデータは、こちらのアドレスにお送りください。

カレンダーに目を向ける。
「後、2週間しかないじゃん!」
「とりあえず、今日からだよ!今日からやるよ!」
「俺はプレゼン内容を考えるから、美波はデザイン考えて!」
「うん。  目標は、1週間ね!」
「お互いの案や調整に2日で、締切日5日前を目指そう!」

2人は、それぞれの課題に取り組む。

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