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最終章
最終章ー村尾の死因ー
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ーーーーー大黒ふ頭・海辺のコンテナ街ーーーーー
車から出てくる西野。
同じく車から出てくる○○と田頭。
○○「なんで逃げたんですか?」
西野「誰もいない所で話がしたいと思ったんです」
○○「その理由は些か、無理がありませんか?」
後から出てくる麻衣。
田頭「麻衣さん!」
西野「なんで、出てきたん?」
麻衣「良いのよ。 全部話すから」
麻衣は、○○に向かい自供する。
麻衣「刑事さん! 全部私がやりました。 村尾さんも、堀ちゃんも」
西野「麻衣・・・」
○○「なぜです? なぜ殺人を?」
麻衣「私、解離性同一性障害なんです。 いわゆる人格障害の1つです」
○○「人格障害ですか・・・」
麻衣「全て、私の中にいるもう一人の自分がした事なんです。 だからと言って罪を免れようなんて思っていません」
○○「あなたを信じないわけじゃありません。 ただ、もしそのもう一人の人格に支配され、殺人を犯したとなると、理由はなんです? あなたに殺意が無くてもです」
麻衣「私の中に元々あった猟奇的な部分があったのかもしれないです。 人としてどこかおかしかったのかもしれない。 高校の時に突然人を殺したい衝動にかられました」
西野が割り込んでくる。
西野「麻衣は高校の時に理不尽な理由でいじめられてたんです」
○○「いじめ?」
西野「高校の時、可愛いから、男子に媚び売ってるように見えるからと難癖付けられたんです。 その時に、今まで眠っていた麻衣の猟奇的な部分が目覚めたんです!」
○○「・・・」
麻衣が西野を制す。
麻衣「いいよ! なーちゃんは、黙ってて! これは、私の問題なの」
西野「でも!」
麻衣「どうせ、同情でしょ? 人格障害の人だ!可哀想って思ってるんでしょ?」
西野「違う!」
麻衣「だったら黙ってて!」
麻衣は再び○○の方へ向き直す。
麻衣「刑事さん! 今回のことも含めて改めてお話します。 さっき西野さんが言った通り、いじめに合ってました。 全部で4人。 (こめかみを指して)ここに傷を作られました。 病院に行って、一生痕が残るって言われた時に。何か壊れるものがありました」
○○「なぜ、学校に言わなかったんです?」
麻衣「言って、復讐されるのが怖かったからです! それに私自身が復讐心に覆われました。 殺してやる! 私より酷い目に合わせてやる!って」
○○「その4人を?」
麻衣「いえ、1人だけ手にかけました。 残り3人のうち2人は自殺に追い込み、 もう1人は、怖くなったのか転校していきました。 その頃から別人格が顔を出すようになったと思います。 さっき自殺した2人は、別人格の私が脅迫状を送り続けた結果、自殺を選びました」
○○「そこで、なんで止めなかったんです?」
麻衣「最後に残ったリーダー格の人間が、私を強請るように来ました。 最初は知らないふりをしていました。 だけど、その子には通じず、殺されかけた時、もう一人の私が出てきました。 階段のところで揉み合いになっていた時だったので、運悪く彼女は後転するかのように階段を転げていきました」
頭に痛みが走り、顔を顰める麻衣。
○○「その後も何人か殺ったんですか?」
ちょっとずつ歩みを進める○○。
麻衣「不思議と何も起こらずに、9年が過ぎました」
○○「そしたらなぜ急に?」
麻衣「たまたまネットに記事として上がってたんです。自分の母校の話が。 私が起こした事件の事が」
○○「記事には何と?」
麻衣「生徒3人死亡のフカシギ事件って。 その時、フツフツと何かを感じ初めてました。 気がつけば意識が無くなり、また別人格が出てきてたんです」
○○「マネージャーの村尾さんをなぜ殺したんですか??」
麻衣「別人格を知ったんです。 村尾さんは」
○○「だからって殺すことないでしょに」
麻衣「もう一人の人格が口封じしたんです。 このまま生きるために」
ーーーーー村尾の車・車中(夜)ーーーーー
車を運転している村尾は、バックミラー越しに麻衣と話す。
村尾「なぁ、麻衣? 何時からだその症状は」
麻衣「・・・」
村尾「黙ってても分からないだろ? 何とか言ってくれ。 お前はグループの顔なんだよ! スキャンダルなんか起こして欲しくないんだよ!」
麻衣「私は、金儲けの道具なんですか?」
村尾「違う! そういうのでない! 今お前が、麻衣が抜けたら、グループの団結力は無くなるんだよ! 麻衣が居なきゃダメなんだよ!」
車を路肩に停める村尾。
麻衣「ホントにそう思ってます?」
村尾「本当だよ! だから、治療しよう! 長期休養して治そう!」
麻衣「私は病気なんですか?」
村尾「分からんよ! でも心の病気じゃないかって思ってる」
麻衣「私は傷ものですか? 私はもう必要とされないんですか?」
村尾「違う! 麻衣は必要なんだよ!」
頭に痛みが走り、顔を顰める麻衣。
村尾「どうした麻衣?」
麻衣「逃げて村尾さん。 今、近くにいたら殺してしまう!」
村尾「どうした? とりあえず俺の家に来い」
車を出す村尾。
しばらくして村尾のマンションの下に着く。
車を降りる村尾。
ーーーーー村尾のマンション・地下駐車場ーーーーー
車を降りる村尾。
その日は、レッスンだったため、全身黒のレッスン着にウィンドブレーカーを着て、フードを被っている麻衣。
麻衣も車を降りる。
村尾「とりあえず麻衣、お前の気持ちを聞かしてくれ」
麻衣「私の気持ちはひとつです」
村尾「えっ?」
村尾に抱きつく麻衣。
戸惑う村尾。
突然激痛が走る背中。
村尾「麻衣?」
麻衣「俺の気持ちは1つ。 殺すだけ! 後、俺は麻衣じゃない。 カイだ!」
麻衣の手にはカッターナイフが握られていた。
背中に刺したカッターを抜き村尾から離れる。
村尾はよろけながら、麻衣を諭す。
村尾「麻衣? 変な真似はよせ!」
カイ「だから、麻衣じゃないって!」
腹部を刺す麻衣=カイ。
カイ「お前は、首を突っ込みすぎたんだよ!」
力を振り絞り逃げる村尾。
村尾「やめろ! やめてくれ! もう手を汚さないでくれ!」
カイ「残念!手は汚れてないよ!」
麻衣は、革手袋を付けている。
カイ「そういう意味じゃないか(嘲笑っている)」
その間も必死で逃げている村尾。
歩いて村尾を追いかけるカイ。
追い付き、足を踏みつけるカイは、カッターの刃を全開に出す。
カイ「ありがとう! お仕事お疲れ様でした! またね!」
村尾「麻衣?」
カイ「だから!麻衣じゃねぇーんだよ!」
村尾の前に回り込み、首にカッターを当て、思っいっきり引くカイ。
頸動脈を切ったせいで、大量の返り血を浴びるカイ。
カイ「あー、顔が汚れちゃった!」
車から出てくる西野。
同じく車から出てくる○○と田頭。
○○「なんで逃げたんですか?」
西野「誰もいない所で話がしたいと思ったんです」
○○「その理由は些か、無理がありませんか?」
後から出てくる麻衣。
田頭「麻衣さん!」
西野「なんで、出てきたん?」
麻衣「良いのよ。 全部話すから」
麻衣は、○○に向かい自供する。
麻衣「刑事さん! 全部私がやりました。 村尾さんも、堀ちゃんも」
西野「麻衣・・・」
○○「なぜです? なぜ殺人を?」
麻衣「私、解離性同一性障害なんです。 いわゆる人格障害の1つです」
○○「人格障害ですか・・・」
麻衣「全て、私の中にいるもう一人の自分がした事なんです。 だからと言って罪を免れようなんて思っていません」
○○「あなたを信じないわけじゃありません。 ただ、もしそのもう一人の人格に支配され、殺人を犯したとなると、理由はなんです? あなたに殺意が無くてもです」
麻衣「私の中に元々あった猟奇的な部分があったのかもしれないです。 人としてどこかおかしかったのかもしれない。 高校の時に突然人を殺したい衝動にかられました」
西野が割り込んでくる。
西野「麻衣は高校の時に理不尽な理由でいじめられてたんです」
○○「いじめ?」
西野「高校の時、可愛いから、男子に媚び売ってるように見えるからと難癖付けられたんです。 その時に、今まで眠っていた麻衣の猟奇的な部分が目覚めたんです!」
○○「・・・」
麻衣が西野を制す。
麻衣「いいよ! なーちゃんは、黙ってて! これは、私の問題なの」
西野「でも!」
麻衣「どうせ、同情でしょ? 人格障害の人だ!可哀想って思ってるんでしょ?」
西野「違う!」
麻衣「だったら黙ってて!」
麻衣は再び○○の方へ向き直す。
麻衣「刑事さん! 今回のことも含めて改めてお話します。 さっき西野さんが言った通り、いじめに合ってました。 全部で4人。 (こめかみを指して)ここに傷を作られました。 病院に行って、一生痕が残るって言われた時に。何か壊れるものがありました」
○○「なぜ、学校に言わなかったんです?」
麻衣「言って、復讐されるのが怖かったからです! それに私自身が復讐心に覆われました。 殺してやる! 私より酷い目に合わせてやる!って」
○○「その4人を?」
麻衣「いえ、1人だけ手にかけました。 残り3人のうち2人は自殺に追い込み、 もう1人は、怖くなったのか転校していきました。 その頃から別人格が顔を出すようになったと思います。 さっき自殺した2人は、別人格の私が脅迫状を送り続けた結果、自殺を選びました」
○○「そこで、なんで止めなかったんです?」
麻衣「最後に残ったリーダー格の人間が、私を強請るように来ました。 最初は知らないふりをしていました。 だけど、その子には通じず、殺されかけた時、もう一人の私が出てきました。 階段のところで揉み合いになっていた時だったので、運悪く彼女は後転するかのように階段を転げていきました」
頭に痛みが走り、顔を顰める麻衣。
○○「その後も何人か殺ったんですか?」
ちょっとずつ歩みを進める○○。
麻衣「不思議と何も起こらずに、9年が過ぎました」
○○「そしたらなぜ急に?」
麻衣「たまたまネットに記事として上がってたんです。自分の母校の話が。 私が起こした事件の事が」
○○「記事には何と?」
麻衣「生徒3人死亡のフカシギ事件って。 その時、フツフツと何かを感じ初めてました。 気がつけば意識が無くなり、また別人格が出てきてたんです」
○○「マネージャーの村尾さんをなぜ殺したんですか??」
麻衣「別人格を知ったんです。 村尾さんは」
○○「だからって殺すことないでしょに」
麻衣「もう一人の人格が口封じしたんです。 このまま生きるために」
ーーーーー村尾の車・車中(夜)ーーーーー
車を運転している村尾は、バックミラー越しに麻衣と話す。
村尾「なぁ、麻衣? 何時からだその症状は」
麻衣「・・・」
村尾「黙ってても分からないだろ? 何とか言ってくれ。 お前はグループの顔なんだよ! スキャンダルなんか起こして欲しくないんだよ!」
麻衣「私は、金儲けの道具なんですか?」
村尾「違う! そういうのでない! 今お前が、麻衣が抜けたら、グループの団結力は無くなるんだよ! 麻衣が居なきゃダメなんだよ!」
車を路肩に停める村尾。
麻衣「ホントにそう思ってます?」
村尾「本当だよ! だから、治療しよう! 長期休養して治そう!」
麻衣「私は病気なんですか?」
村尾「分からんよ! でも心の病気じゃないかって思ってる」
麻衣「私は傷ものですか? 私はもう必要とされないんですか?」
村尾「違う! 麻衣は必要なんだよ!」
頭に痛みが走り、顔を顰める麻衣。
村尾「どうした麻衣?」
麻衣「逃げて村尾さん。 今、近くにいたら殺してしまう!」
村尾「どうした? とりあえず俺の家に来い」
車を出す村尾。
しばらくして村尾のマンションの下に着く。
車を降りる村尾。
ーーーーー村尾のマンション・地下駐車場ーーーーー
車を降りる村尾。
その日は、レッスンだったため、全身黒のレッスン着にウィンドブレーカーを着て、フードを被っている麻衣。
麻衣も車を降りる。
村尾「とりあえず麻衣、お前の気持ちを聞かしてくれ」
麻衣「私の気持ちはひとつです」
村尾「えっ?」
村尾に抱きつく麻衣。
戸惑う村尾。
突然激痛が走る背中。
村尾「麻衣?」
麻衣「俺の気持ちは1つ。 殺すだけ! 後、俺は麻衣じゃない。 カイだ!」
麻衣の手にはカッターナイフが握られていた。
背中に刺したカッターを抜き村尾から離れる。
村尾はよろけながら、麻衣を諭す。
村尾「麻衣? 変な真似はよせ!」
カイ「だから、麻衣じゃないって!」
腹部を刺す麻衣=カイ。
カイ「お前は、首を突っ込みすぎたんだよ!」
力を振り絞り逃げる村尾。
村尾「やめろ! やめてくれ! もう手を汚さないでくれ!」
カイ「残念!手は汚れてないよ!」
麻衣は、革手袋を付けている。
カイ「そういう意味じゃないか(嘲笑っている)」
その間も必死で逃げている村尾。
歩いて村尾を追いかけるカイ。
追い付き、足を踏みつけるカイは、カッターの刃を全開に出す。
カイ「ありがとう! お仕事お疲れ様でした! またね!」
村尾「麻衣?」
カイ「だから!麻衣じゃねぇーんだよ!」
村尾の前に回り込み、首にカッターを当て、思っいっきり引くカイ。
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カイ「あー、顔が汚れちゃった!」
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