恋は怪異を超えて ~科学オタクが学園の七不思議を追っていたら、幽霊ではなく金髪の不良に出会いました~

衣谷たぬき

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第三夜 消えた司書の帰還

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 思い返せば、その日の蓮はどこかずっと様子がおかしかった。


 二日後の夜。
 鳳城学園をぐるりと囲む高い塀の西端に、人が一人通れるほどの崩れた場所がある。
 古びたコンクリートの破片が地面に散らばり、長年放置されているせいか雑草がすっかり生い茂っている。

 待ち合わせ場所に現れた蓮は、グレーのパーカーのフードを頭からすっぽりとかぶっていた。
 心なしか、不機嫌なようにも見える。

 夜の闇がその顔のほとんどを影で覆い隠し、フードからわずかに覗いた金髪だけが街灯の光を淡く反射している。
 近づくにつれて、ほのかに煙草と柔らかな柑橘系の香りが混じった匂いがかすかに漂った。

 その香りは、悠生にはどこか遠い世界のもののように思えた。


 今夜の目的は、鳳城学園七不思議、第五の怪異──「消えた司書の帰還」の調査。

 人気のない図書館で深夜に禁書棚が勝手に開き、かつて行方不明になった司書が本を探して歩き回る──そんな噂だった。


「……今日は私服なんですね」

 穴をくぐり抜けながら悠生が言う。

「あぁ、うん。今日は学校行かなかったから」

「え……具合でも悪かったんですか? 大丈夫です?」

「いや、別に。ただ何となくダルくて、さぼった」

 長身を屈めて穴を通り抜けた蓮が、ポケットに手を入れて歩き出す。


 その後ろ姿を見ながら、悠生は思わず足を止めた。

 ────何となく、で、休む?

 一日だって学びの時間を無駄にするなど、悠生には考えられない。

 この学園の充実した設備、質の高い授業、膨大な蔵書──そのすべてがどれほど価値のあるものなのか、特待生としてここにいる悠生は痛いほど知っている。

 胸の奥で、非難めいた思いが熱を帯びる。

 恵まれた環境にいるくせに、どうしてそんなに無自覚でいられるんだ。


 ……そう思うのに、先を歩く蓮の背中は、どこか影のようなものを背負っているような気がして。

 悠生は何も言えないまま、蓮の少し後ろを歩き続けた。




 やがて長い回廊を抜けると、目の前に図書館が現れた。


 鳳城学園の図書館は、敷地内でもひときわ新しく、そして豪奢な建物だ。

 正面は大きなガラスパネルで覆われ、鋼と大理石を組み合わせた直線的な外観は、まるで現代美術館のようである。
 昼間は陽の光を反射して白く輝くその建物も、夜は淡いライトアップに照らされ、静かに息を潜めていた。

 巨大な自動扉は完全に施錠され、カードリーダーには「施錠中」の赤いランプが灯っている。
 分厚いガラス越しに見える館内は、巨大な本棚が規則的な影となって並んでいる。

「どうやって入ろうかな……」

 考え込む悠生に、蓮は顎でくいっと奥を指し示し、迷いなく脇道へと足を向けた。

 建物の裏手には、職員用らしい小さな通用口がある。
 蓮はそこで立ち止まり、おもむろにポケットから一枚のカードを取り出した。

 黒字に鳳凰の紋章が銀色に輝くカード。

「それって……」

 言いかけた悠生の前で、蓮は無造作にカードをかざす。
 低い電子音と共に、ロックの外れる音が響いた。

 蓮は何も言わないまま、すっと扉を押し開ける。

 顔が険しい。

 その横顔は、悠生が言葉を続けることを拒んでいるように見えた。

 悠生は言葉を飲み込んだ。

 このカードを蓮が持っている意味──推理しようと思えば、すぐにでも筋道は立てられる。

 けれど、今は聞かない方がいい気がした。
 喉の奥に、妙に引っかかる沈黙だけが残る。

 ────この人は、一体何者なのか。

 知りたいのに、知りたくないような気がして、これ以上踏み込めない。

 こうして夜に会うだけの、どこか非日常な存在。
 それでいいじゃないか、と思う。

 どうせ、生きている世界が違う人なのだ。
 金髪で、不良で、グランドピアノを弾くことが出来て、簡単に学校をサボることが出来て。

 きっと、昼にすれ違っても、お互いに見向きもしないような、そんな関係。





 通用口から図書館の中に入ると、非常灯の明かりが足元を淡く照らしている。

 遠くの時計の針の音まで聞こえるほどの静寂──足を踏み入れた途端、日常の喧騒が背後に遠ざかっていく感覚がある。

 静寂と暗闇に感覚が研ぎ澄まされて、紙とインクの匂いを普段よりも強く感じる。


 天井まで届く本棚が規則正しく並ぶ中を、禁書棚を目指して進んでいく。
 
 夜に見る図書館の姿は、昼間に見ているのとはまた印象が変わって新鮮に思える。

 ここに初めて足を踏み入れたときの衝撃を、悠生は思い出していた。


「……僕、この図書館に入ったとき、本当に感動したんです」

 まるで独り言のように、悠生は指先で一冊の本の背表紙をなぞりながら呟いた。

「蔵書の量も質も、地元の図書館とは全然違う。こんな環境で学べるなんて、なんて恵まれてるんだろうって」


 裕福ではない家に生まれた悠生にとって、好きなだけ本を読める場所は憧れだった。

 地元の中学は荒れていて、勉強をしているだけでガリ勉だオタクだと揶揄われて。

 学費免除の試験を突破し、特待生として鳳城学園に入学したとき、悠生の人生は大きく変わったと思った。


「鳳城に特待生制度があって、本当に良かったです。そうじゃなきゃこんな生活、一生送れなかった。僕にとっては、きっと、人生で一番充実した三年間です」

 口にしてから、少しだけ照れくさくなり、視線を背表紙に落とす。

 不意に視線を感じて顔を上げると、蓮がじっとこちらを見ていた。

 何か言葉を探しているようで、それでいて言い淀むような、そんな沈黙が流れる。
 暗闇の中でも、その瞳がわずかに揺れているのが分かった。


「……鳳城が、好きか?」

 低い声が、しんと静まり返った図書館に響く。

 突然の問いかけに悠生は一瞬だけ戸惑ってから、はっきりと頷いて、言った。

「はい。鳳城で学べることは、僕の誇りです」

 蓮は何も言わなかった。

 ただ短く視線を伏せ、そのままくるりと背を向ける。
 歩き出した背中を、悠生は黙って追いかけた。

 



 二人は、禁書棚のある一角にたどり着こうとしていた。

 カードリーダーにカードをかざさないと入れないセキュリティエリアの突き当りに、それはたしかに佇んでいる。

 壁に埋め込まれるように設置された天井まで届く高さの棚は、黒檀色の塗装が施され、観音開きの分厚い木製扉には真鍮の装飾金具が輝いている。

 その中にいかなる書籍が収められているのかを、悠生は知らない。

 遠くから見えてはいたものの、セキュリティエリアの内側に入ったのだって、今日が初めてだ。


 ふいに、金属のこすれるような音がかすかに聞こえる。

 悠生と蓮は同時に顔を見合わせた。

 薄暗い通路の奥で、禁書棚の重厚な扉が、ゆっくりと、まるで見えない手に押されるように開いていくのが見えた。


「開いた……な」

 まるで歓迎するかのように開いた禁書棚を前に、蓮の額に冷や汗がにじむ。


「忘れたんですか、先輩。どんな怪奇現象にも、必ず原因があるんですよ」

 悠生はそう言うと、周囲を見渡しながら一歩前へと進み出た。

 温度、湿度、匂い、音……様々な要因を観察しながら、何が起きているのかを確かめようとする。

「棚の開閉の仕組みは……」

 悠生は顎に細い指をあててぶつぶつと独り言をいいながら、扉の縁や鍵穴を観察する。

 艶々と輝くような巨大な黒い棚の鍵は電子ロックではなく、いわゆる古典的な電磁式の鍵だった。

 一見すると最先端の高級品のようなのに、意外と古いタイプの鍵を使っている。


「……電子錠のシステムの誤作動、みたいなことはないわけか」

 そう言いながら、鞄から小さな金属製の機器を取り出す。

「何それ」

「熱線式微風速計です。0.01m/s単位で空気の動きが測れます」

 そう言いながら、黒く光るセンサー部分をゆっくりと扉の方へ向ける。

「我がオカルト研究会の備品の一つです」

 少し誇らしげに悠生は言った。

 手元の小さなディスプレイは、ほぼゼロに近い数字を表示している。

「……風は一切ありません。気圧差や空調による動きでもないですね」

 数値を確認した悠生は、ゆっくりしゃがみ込み、扉の下端に指先を添えてそっと押してみた。

 重い。だが、途中から急に軽くなり、自然にすっと開く動きをする。

 悠生はその蝶番の部分をじっと観察した。


「……ヒンジが劣化しているのかも知れない」

 悠生は呟く。

「ヒンジ?」

「スプリングヒンジ……要はバネです。重い扉を途中まで動かすと、バネの力で最後まで自動で開くようになってる、昔からよく使われている機構です。これ、よく見るとかなり古いですよ」

 悠生は扉の動きを確かめるように軽く押し戻し、何度も同じ動きを繰り返した。

「つまり、そのナントカヒンジが問題?」

「スプリングヒンジ自体が原因ではないです。普通に使っていれば勝手に開いたりはしないですし。それよりも、金具部分がずいぶん古いことの方が問題です。もしかしたら、この棚自体、相当古いものなのかもしれない。表面を塗装しなおしているので、一見そうは見えないですけど」

 悠生は淡々と説明する。

「先輩、ちょっと扉を支えててください」

「おう」

 蓮が片手で扉を押さえる。悠生は鞄から水平器を取り出した。
 棚の上面に水平器を置くと、中の気泡が中心からわずかに振れる。ほんの数ミリの傾斜。

「……やっぱり。この棚、少し傾いてます。経年劣化で歪んでるんですよ」

 だんだんと、手がかりが見えてくるような気がする。悠生は指で顎をとんとんと叩く。
 考えごとをするときの癖だった。

「棚自体がちょっと傾いていて、ヒンジが劣化していて……あとは……」

 少し考えてから、悠生は鞄の中を再びごそごそと探った。

 取り出したのは、手のひらサイズの計測器──黒いボディに小さな液晶画面と感度調整用のダイヤルがついている。

「今度は何」

「加速度センサーです。微細な揺れを数値で測れるんです。ほら、この針の動き」

 蓮が覗き込むと、液晶にはほとんど揺れのないゼロに近い数値が表示されていた。

「今は静かですね」

 悠生はセンサーを扉の根元、ヒンジ近くにそっと置く。

「試しに、ちょっとそこらへんを歩いてもらえますか」

「歩くだけでいいの?」

 そう言いながら、蓮が数歩歩いてみせる。

 その瞬間──手元の加速度センサーの針が、ピクリと跳ねた。

「……今、反応しました」

 悠生の瞳がきらりと光る。
 ディスプレイには、規則的な振動ではなく、わずかに周期をもった揺れの波型が現れていた。

「今、俺が歩いたせい?」

 はい、と、悠生は頷きかけてから、はたと思いとどまったように眉間に皺を寄せる。
 蓮が止まっても、センサーの動きが止まらない。

「……違います。これ……下から来てるのか……」

 悠生の視線が床に注がれる。
 ためらわずに床に腹ばいになり、センサーを床板の継ぎ目近くに移動させる。

 そのまま床に頬をつければ、カーペットの床越しに、かすかな唸りが伝わってくる。
 そのかすかな振動を確実にとらえようと、悠生はさらにぴったりと全身を床につけて神経を集中させた。

「周期は……約10秒ごと……」

 悠生は液晶画面を見つめながら、口の中で数字を繰り返す。

「……多分これ、地下に何かの機械があるはずです。普通ならこんな風に響くことはないはずだけど……」

 悠生の言葉に、蓮は首を傾げる。

「そんなもんが、禁書棚が開く原因になるのか?」

「なります。……この棚、構造的にちょうど振動が集まる位置にあるみたいです。バネが劣化してる上に、周期的な振動が加わると……ちょうど半開きの角度で解放される」

 説明しながらも、悠生の指先は何かを探すように床の端をなぞっていた。

 カーペット越しに、わずかに隆起している部分を見つける。

 悠生は迷わずタイルカーペットを剥がして床を露出させた。カーペットの下に金属の板のようなものが現れる。


「ほら、あった。きっとこれだ。先輩、これ、外せますか?」

 渡されたドライバーで蓮が注意深く金属板を外すと、冷たい空気と機械油の匂いがふわりと吹き上がった。

「……やっぱり」

 蓮の肩越しに、悠生が開口部を覗き込む。

「この下は機械室なんだ」

 下を覗けば、暗い階下に無数の配管と鉄骨が走っているのが見える。

 その奥で、古びたパイプが周期的に震え、バルブが重い音を立てていた。

 時折、鈍い金属音が響くたび、床がわずかに揺れる。

「見えてきましたね、原因が」

 悠生の口元が緩み、瞳がきらきらと輝く。

 立ち上がって腕まくりをする悠生の姿に、蓮があきれたように言った。

「……降りる気か?」

「もちろんです。現場を見ないと断定はできませんから」

 悠生が取り出した懐中電灯を手に、二人はゆっくりと床下への梯子を下りていった。




 梯子を下り切った瞬間、むっとする熱気と油の匂いが押し寄せてきた。

 足元のコンクリート床には、古びた配管からにじみ出た水跡がまだらに広がっている。
 深く染みついたその跡は、長い年月にわたってここに水が滴り続けていることを物語っていた。

 天井低く張り巡らされたパイプは、あちこちに赤茶けた錆が浮き、ところどころを応急処置のようにビニールやテープで補強されている。
 ビニールの表面を、結露がぽたりぽたりと流れ落ちていく。

 奥では、大型の給水ポンプが唸りを上げ、周期的に金属を震わせている。

 そのたびに、床全体がわずかに共鳴するように揺れ、靴底からじんわりと振動が伝わってくる。

「……見てください、あのバルブ」

 悠生が指で示した先では、青緑色の錆に覆われたバルブが、回転のたびにギギギィ、と耳障りな音を立てていた。

「多分、これが揺れの主な原因です。この振動が、棚に伝わって……」

 蓮は機械室を見渡しながら、眉を顰める。

「ずいぶん古いな。この図書館ができたのは一昨年のはずだぞ」

「おそらく、新築に見せかけて、実際は外側だけを建てかえて、中身はもともとの機構をそのまま使っているんでしょう」

「そんなわけない。だって……」

 蓮が何かを言いかけたときだった。

 悠生の視線が、壁際の棚に釘付けになる。そこには、埃をかぶった分厚いファイルが無造作に立てかけられていた。

 悠生はおもむろにそれを手に取る。

 バサバサバサ、と、綴じられずに挟まっていただけの紙が床に散らばる。

 「給水・暖房設備点検記録」と印字されたその書類には、何枚にも渡って同じ筆跡の署名が繰り返されている。
 流暢すぎる文字はまるで判を押したように均一だ。

「……全部、同じ人の署名ですね。それも不自然に綺麗すぎる」

「改ざん、ってことか」

「可能性は高いです」

 さらに書類をめくると、点検記録の下から、新型ポンプのカタログと見積書が現れる。

 紙は変色しているが、文字ははっきりと読むことが出来る。

 見積書の日付は、今から7年前。

「……7年前には、設備を更新しようとしていた……?」

 見積書を手にしたまま、悠生は独り言のように呟いた。


 視線の端に、蓮の姿が映る。

 棚の陰で、蓮は一枚の書類をじっと見つめている。眉間に深く皺を寄せ、きゅっと唇を噛む。
 そのまなざしは、紙面の向こうに何か別のものを見ているようで、悠生は声をかけることをためらってしまった。



「……帰ろう」

 唐突に、蓮が言った。

「え?」

 悠生は顔を上げる。

 その瞬間、悠生は見逃さなかった。


 蓮は手にした何枚かの書類を器用に四つ折りにすると、体の陰になるような角度ですばやくポケットへと押し込んだ。

 そして、いつもの気だるそうな様子で、髪をかき上げてみせる。


「……こんなとこに長居しても仕方がないだろ」

 そう言うと、蓮は振り返らずに歩き出す。

 靴底がコンクリートを踏む音が、やけに響く。


 ────蓮は、何かを隠している。



 疑念が胸の奥でじわりと広がる。

 悠生は無意識に顎へ指先を運びかけ、途中でその手を止めた。


(七不思議の原因は突き止めた。これ以上の調査は必要ない……はずだ)

 自分に言い聞かせるように、小さく首を振る。

 それでも、胸の内側で渦を巻くもやもやは消えない。

 蓋をするように、目を逸らすように、深く息を吐くと、悠生は黙って蓮の背中を追った。




 図書館を出ると、夜の空気が一気に肌を刺す。
 
 まもなく日付が変わろうとしている。

 外気は夜露を含んでひやりとし、遠くの時計塔は二十三時五十五分を指している。


 夜の風が、悠生の髪の先をわずかに揺らした。


 蓮は相変わらず何も話さないまま、ポケットに手を突っ込んで前を歩いている。

 まばらに並んだ街灯が作る光の輪の中に入るときだけ、その横顔が一瞬だけ浮かび上がっては闇に沈んでいく。

 いつの間にか再び深くかぶったフードのせいで、表情は見えない。


「……先輩!」

 悠生は後ろから、蓮を呼んだ。


 振り返らせなければいけない。そんな衝動に駆られる。

 振り返らせなければ、引き止めなければ、次の街灯の明かりが来る前に、蓮が暗闇の向こうに行ってしまうような気がして。


 立ち止まった蓮が振り返るよりも早く、悠生は蓮に駆け寄った。 


 体の奥底から、何かがこみ上げてくる。

 それは胸から溢れ、喉をすり抜けて、自分でも思いもよらない言葉となって、悠生の口から放たれた。




「……あの、今日、僕の家に泊まりにきませんか」



 何故そんなことを言ったのか、自分でも分からなかった。

 振り返った蓮の目が、驚きに見開かれる。


 我に返ったときには、もう遅かった。


 街灯の丸い光の真ん中で、言葉はもう放たれてしまった。

 
 自分の発した言葉に自分で驚いたまま、悠生はその場に立ち尽くす。

 蓮もまた、ただ悠生を見つめていた。

 

 長針と短針が重なり合う。

 時計塔の鐘の音が、新しい日の訪れを告げていた。

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