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9.嫉妬
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ラウルの気持ちも聞けて、私もずっと悩んでいた事を打ち明けることが出来た。
あれ以来、ラウルが言った通りエリカがラウルの前に現れることは無かった。
だけどあの日を境にして、ラウルの私に対してのスキンシップが更に激しくなった。
人前を一切気にすることなく、くっついてくるし、額にキスしたり手を繋いだり平気でするようになった。
おかげで私達は学園では有名なカップルになってしまった。
嬉しいけど、恥ずかしい。
「アリシア、今日は帰りに俺の家に寄って行かないか?もうすぐ試験が近いから一緒に勉強しよう」
「ちょうど分からない所があったの…、助かるわ」
ラウルは試験ではいつも上位に入る位、成績が良い。
こんな時、頭が良い幼馴染がいると本当に助かる。
それに比べて私は中の中辺りをいつもさまよっている。
「アリシアの為ならなんだって教えてあげるよ。それから今日は、アリシアが食べてみたいって言ってたお菓子も用意してあるから楽しみにしてて」
「うん、ありがとう…ラウル」
私が嬉しそうに笑うと、ラウルもそれにつられる様に嬉しそうな表情を浮かべた。
「君達、相変わらず仲がいいねぇ…」
「テオドール様…!」
背後から声がして振り向くとそこにテオドールの姿があった。
ラウルはテオドールを視界に入れると不満そうな顔を浮かべた。
「テオ…」
「あからさまにそんな嫌そうな顔をしないで欲しいな。僕達友人だろう…?ラウル、そんな怖い顔をしているとアリシア嬢に嫌われるぞ?」
テオドールはやれやれと困った様に言った。
二人は決して仲が悪いわけでは無いのは知ってるけど、最近妙にラウルはテオドールを敵視している様な気がする。
「おはよう、アリシア嬢。今日も可愛いね」
「おはようございますっ…」
テオドールは私に笑顔を向けながら挨拶をしてきた。
私は可愛いと言われて少し照れてしまうと、ラウルは私の事を隠すかのように前に立った。
「テオ、アリシアに近づくな。彼女は俺の婚約者だ…」
「酷いな、僕はただ挨拶をしただけだろう?そんな怖い顔するなよ、アリシア嬢も困ってるよ?…ね?」
テオドールは楽しそうな口調で顔を横に傾け、奥に入る私に視線を向けた。
私は急に話を振られて困ってしまう。
そして顔を上げてラウルの方に視線を向けるとラウルはやっぱり不機嫌そうな顔をしていた。
「本当にアリシア嬢の事になると、必死になる所は昔から変わらないな…。ふふっ、だけど僕の事は潰さないでね?さて、僕はそろそろ行くよ。これ以上長居してもラウルに睨まれるだけだからね…」
「ああ、そうしてくれ」
ラウルは冷たくそう言った。
私は二人のやり取りを見て内心冷や冷やしていた。
テオドールが居なくなると、急に手を繋がれた。
そしていつも通りの優しい表情のラウルに戻っていた。
「アリシア、行こうか。いつまでもここに居たら、遅刻するよ」
「う、うん…」
*****
授業が終わると、私はラウルの屋敷に来ていた。
テーブルの上に教科書やノートを広げて試験勉強をしていた。
ラウルが用意してくれたお菓子も机の上に並べられていた。
つい先日新商品が出て、私がずっと食べたいと話していたものだった。
虹色マカロン。名前の通り7種類ある。
パステルカラーで一口サイズの、とても可愛らしいお菓子だ。
「少し休憩しようか」
「うん…」
「アリシア、ずっとこれ気になってたよな。どれがいい…?」
「うーん…、じゃあ…ピンクの…」
私が暫く悩んでから決めると、ラウルがピンク色のマカロンを手に取った。
「口開けて…?食べさせてあげるよ」
「…っ…いいよ、自分で食べれるし…」
突然そんなことを言われて恥ずかしくなってしまう。
「照れてるの?可愛いな…。だけどここには俺とアリシアしかいないよ。他に見ている奴なんて誰もいないんだし遠慮する事は無いよ。ほら、開けて…」
「……っ…」
私は僅かに頬を染めながらゆっくり口を開けると、ラウルは満足そうに笑って私の口の中にマカロンを入れた。
口の中に入ったマカロンを噛むと甘さが口いっぱいに広がっていき、思わず顔が緩んだ。
「美味しい?」
ラウルの言葉に私は首を縦に振った。
「その顔を見てれば聞くまでも無いな…。俺にも味見をさせて…」
ラウルはそう呟くと、私の方へと顔を寄せそのまま私の唇を舐めた。
「うん、甘いな…」
「……っ…!」
突然の事に私が焦っているとラウルは「もっと」と言って、ちゅっと音を立てながら味わうように私の唇を奪っていく。
「アリシア、顔真っ赤…」
ラウルは唇を剥がすと私の顔を見つめて「可愛いな」と囁いた。
私の胸は鼓動が早くなる。
「もっとしたい、…いいか?」
「……聞かないでっ…」
ラウルは少し首を傾け意地悪そうな顔で聞いて来た。
私は恥ずかしくなり視線を逸らして小さく答えた。
本当はもっとキスして欲しい、だけど恥ずかしくてそんなこと自分の口から言えるわけも無かった。
するとラウルの掌が私の顔の方に伸びて来て頬に添えられた。
熱っぽい顔でラウルに見つめられ、私の鼓動は更に早くなる。
「照れてるアリシア…本当に可愛い。その顔…俺以外の男に見せたら駄目だよ」
息がかかる程の距離で言われると、そのまま唇が重なった。
啄む様に何度も唇を奪われる。
口付けられる度にちゅっとリップ音が響き恥ずかしくなる。
「アリシア…もっと深くしてもいい?」
「え…?深く…?」
ラウルは一度唇を剥がすと「口開けて」と言い、私は言われるままに薄く口を開くとラウルは小さく笑った。
「素直でいい子だね」
ラウルはそう呟くと私の唇を再び塞ぎ、薄く開いた私の口の中に舌を差し込んで来た。
「……んんっ…?!」
突然の事に慌てて離れようとすると「逃げないで」と言われて、再び私の咥内の中にラウルの熱い舌が入り込んで来た。
滑っとした熱くなったラウルの舌が、私のものと絡む様に押し付けて来る。
逃げようと舌を引っ込めようとすると深く吸われてしまう。
「んんんっ…!」
口の中が熱くてたまらない。
息苦しさから私の瞳は薄っすらと潤んでいた。
「アリシアも…絡めて」
「はぁっ……無理っ…んっ…!!」
お互いの熱が口の中に集まり、溶けてしまいそうだ。
酸欠状態になりかけているのか、頭の奥がくらくらする。
「アリシア、鼻で息出来るか…?」
「はぁっ……んんっ…」
苦しそうにしている私に気付いたラウルは、深く口付けては唇を剥がして私に息を吸う時間を与えてくれる。
こんな激しいキスは初めてだった。
ラウルは満足したのかゆっくりと唇を剥がした。
そして目に涙を浮かべて、真っ赤に染まった顔をしている私を見て「その顔、たまらないな」と小さく呟いた。
私が息を整えている間ラウルは私の色んな場所にキスを落としていく。
「はぁっ…はぁっ…ラウル、くすぐったいっ…」
「もっとアリシアの色んな場所にキスしたい…」
ラウルは耳元で低く囁いた。
熱いラウルの吐息が耳にかかると私はびくんと体を震わせた。
「アリシアは、耳弱いんだね。可愛いな…」
「ぁ…ラウルっ…やだっ…」
ラウルはクスと不敵に笑うと、私の耳に舌を這わせた。
思わず甘い声を出してしまう。
「可愛い声出たな…、もっとアリシアの声…俺に聞かせて…」
「……っ…ぁっ…ちょっと…まって…はぁっ…」
私はラウルから離れようとすると「逃がさないよ」と言われてそのまま抱きしめられてしまう。
ラウルはそのまま私の耳朶を甘噛みすると、私の口からは吐息交じりの声が漏れた。
「ああ、本当に可愛いな…。もっとアリシアの色んな場所に触れたい…」
あれ以来、ラウルが言った通りエリカがラウルの前に現れることは無かった。
だけどあの日を境にして、ラウルの私に対してのスキンシップが更に激しくなった。
人前を一切気にすることなく、くっついてくるし、額にキスしたり手を繋いだり平気でするようになった。
おかげで私達は学園では有名なカップルになってしまった。
嬉しいけど、恥ずかしい。
「アリシア、今日は帰りに俺の家に寄って行かないか?もうすぐ試験が近いから一緒に勉強しよう」
「ちょうど分からない所があったの…、助かるわ」
ラウルは試験ではいつも上位に入る位、成績が良い。
こんな時、頭が良い幼馴染がいると本当に助かる。
それに比べて私は中の中辺りをいつもさまよっている。
「アリシアの為ならなんだって教えてあげるよ。それから今日は、アリシアが食べてみたいって言ってたお菓子も用意してあるから楽しみにしてて」
「うん、ありがとう…ラウル」
私が嬉しそうに笑うと、ラウルもそれにつられる様に嬉しそうな表情を浮かべた。
「君達、相変わらず仲がいいねぇ…」
「テオドール様…!」
背後から声がして振り向くとそこにテオドールの姿があった。
ラウルはテオドールを視界に入れると不満そうな顔を浮かべた。
「テオ…」
「あからさまにそんな嫌そうな顔をしないで欲しいな。僕達友人だろう…?ラウル、そんな怖い顔をしているとアリシア嬢に嫌われるぞ?」
テオドールはやれやれと困った様に言った。
二人は決して仲が悪いわけでは無いのは知ってるけど、最近妙にラウルはテオドールを敵視している様な気がする。
「おはよう、アリシア嬢。今日も可愛いね」
「おはようございますっ…」
テオドールは私に笑顔を向けながら挨拶をしてきた。
私は可愛いと言われて少し照れてしまうと、ラウルは私の事を隠すかのように前に立った。
「テオ、アリシアに近づくな。彼女は俺の婚約者だ…」
「酷いな、僕はただ挨拶をしただけだろう?そんな怖い顔するなよ、アリシア嬢も困ってるよ?…ね?」
テオドールは楽しそうな口調で顔を横に傾け、奥に入る私に視線を向けた。
私は急に話を振られて困ってしまう。
そして顔を上げてラウルの方に視線を向けるとラウルはやっぱり不機嫌そうな顔をしていた。
「本当にアリシア嬢の事になると、必死になる所は昔から変わらないな…。ふふっ、だけど僕の事は潰さないでね?さて、僕はそろそろ行くよ。これ以上長居してもラウルに睨まれるだけだからね…」
「ああ、そうしてくれ」
ラウルは冷たくそう言った。
私は二人のやり取りを見て内心冷や冷やしていた。
テオドールが居なくなると、急に手を繋がれた。
そしていつも通りの優しい表情のラウルに戻っていた。
「アリシア、行こうか。いつまでもここに居たら、遅刻するよ」
「う、うん…」
*****
授業が終わると、私はラウルの屋敷に来ていた。
テーブルの上に教科書やノートを広げて試験勉強をしていた。
ラウルが用意してくれたお菓子も机の上に並べられていた。
つい先日新商品が出て、私がずっと食べたいと話していたものだった。
虹色マカロン。名前の通り7種類ある。
パステルカラーで一口サイズの、とても可愛らしいお菓子だ。
「少し休憩しようか」
「うん…」
「アリシア、ずっとこれ気になってたよな。どれがいい…?」
「うーん…、じゃあ…ピンクの…」
私が暫く悩んでから決めると、ラウルがピンク色のマカロンを手に取った。
「口開けて…?食べさせてあげるよ」
「…っ…いいよ、自分で食べれるし…」
突然そんなことを言われて恥ずかしくなってしまう。
「照れてるの?可愛いな…。だけどここには俺とアリシアしかいないよ。他に見ている奴なんて誰もいないんだし遠慮する事は無いよ。ほら、開けて…」
「……っ…」
私は僅かに頬を染めながらゆっくり口を開けると、ラウルは満足そうに笑って私の口の中にマカロンを入れた。
口の中に入ったマカロンを噛むと甘さが口いっぱいに広がっていき、思わず顔が緩んだ。
「美味しい?」
ラウルの言葉に私は首を縦に振った。
「その顔を見てれば聞くまでも無いな…。俺にも味見をさせて…」
ラウルはそう呟くと、私の方へと顔を寄せそのまま私の唇を舐めた。
「うん、甘いな…」
「……っ…!」
突然の事に私が焦っているとラウルは「もっと」と言って、ちゅっと音を立てながら味わうように私の唇を奪っていく。
「アリシア、顔真っ赤…」
ラウルは唇を剥がすと私の顔を見つめて「可愛いな」と囁いた。
私の胸は鼓動が早くなる。
「もっとしたい、…いいか?」
「……聞かないでっ…」
ラウルは少し首を傾け意地悪そうな顔で聞いて来た。
私は恥ずかしくなり視線を逸らして小さく答えた。
本当はもっとキスして欲しい、だけど恥ずかしくてそんなこと自分の口から言えるわけも無かった。
するとラウルの掌が私の顔の方に伸びて来て頬に添えられた。
熱っぽい顔でラウルに見つめられ、私の鼓動は更に早くなる。
「照れてるアリシア…本当に可愛い。その顔…俺以外の男に見せたら駄目だよ」
息がかかる程の距離で言われると、そのまま唇が重なった。
啄む様に何度も唇を奪われる。
口付けられる度にちゅっとリップ音が響き恥ずかしくなる。
「アリシア…もっと深くしてもいい?」
「え…?深く…?」
ラウルは一度唇を剥がすと「口開けて」と言い、私は言われるままに薄く口を開くとラウルは小さく笑った。
「素直でいい子だね」
ラウルはそう呟くと私の唇を再び塞ぎ、薄く開いた私の口の中に舌を差し込んで来た。
「……んんっ…?!」
突然の事に慌てて離れようとすると「逃げないで」と言われて、再び私の咥内の中にラウルの熱い舌が入り込んで来た。
滑っとした熱くなったラウルの舌が、私のものと絡む様に押し付けて来る。
逃げようと舌を引っ込めようとすると深く吸われてしまう。
「んんんっ…!」
口の中が熱くてたまらない。
息苦しさから私の瞳は薄っすらと潤んでいた。
「アリシアも…絡めて」
「はぁっ……無理っ…んっ…!!」
お互いの熱が口の中に集まり、溶けてしまいそうだ。
酸欠状態になりかけているのか、頭の奥がくらくらする。
「アリシア、鼻で息出来るか…?」
「はぁっ……んんっ…」
苦しそうにしている私に気付いたラウルは、深く口付けては唇を剥がして私に息を吸う時間を与えてくれる。
こんな激しいキスは初めてだった。
ラウルは満足したのかゆっくりと唇を剥がした。
そして目に涙を浮かべて、真っ赤に染まった顔をしている私を見て「その顔、たまらないな」と小さく呟いた。
私が息を整えている間ラウルは私の色んな場所にキスを落としていく。
「はぁっ…はぁっ…ラウル、くすぐったいっ…」
「もっとアリシアの色んな場所にキスしたい…」
ラウルは耳元で低く囁いた。
熱いラウルの吐息が耳にかかると私はびくんと体を震わせた。
「アリシアは、耳弱いんだね。可愛いな…」
「ぁ…ラウルっ…やだっ…」
ラウルはクスと不敵に笑うと、私の耳に舌を這わせた。
思わず甘い声を出してしまう。
「可愛い声出たな…、もっとアリシアの声…俺に聞かせて…」
「……っ…ぁっ…ちょっと…まって…はぁっ…」
私はラウルから離れようとすると「逃がさないよ」と言われてそのまま抱きしめられてしまう。
ラウルはそのまま私の耳朶を甘噛みすると、私の口からは吐息交じりの声が漏れた。
「ああ、本当に可愛いな…。もっとアリシアの色んな場所に触れたい…」
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