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43.屋敷に帰る③
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浴場を出るとサリーがタオルを持って待っていた。
体を拭いた後、髪を乾かしてくれて服を着る手伝いまでしてくれた。
ちなみに今私が着ているのは真っ白のふんわりとしたワンピースだ。
この屋敷にいる間は、こういった感じの服ばかり着ている。
化粧と髪型を整えると、部屋の中央へと戻った。
***
テーブルの上には既に料理が並べられていた。
湯気が出ているので作り立ての様だ。
いい匂いに食欲が刺激され、急にお腹が空いてきてしまう。
「リリア様、席に着いて待っていてください。アレクシス殿下をお呼びしてきます」
「サリー、色々ありがとう」
「はいっ」
サリーは笑顔で答えると、アレクシスを呼びに行く為に部屋から出て行った。
私は一人になり、目の前に置かれている食事に目を向けていた。
野菜スープに、リゾット、それから食べやすいサイズにカットされたフルーツが色々と並べられている。
普段の食事に比べると少し質素に見えてしまうが、これも私の体を気遣ったメニューなのだろう。
それから間もなくすると、ガチャと扉が開く音が響きアレクシスの姿が視界に入る。
私は静かに椅子から立ち上がった。
「リリア、座っていていいよ」
「お気遣いありがとうございます。大分体は楽になったので、もう大丈夫です」
「油断は禁物だよ。リリアは無理をするタイプだからね」
「アレクシス様は心配し過ぎです」
そんな話をしていると、アレクシスは私の元へと来て、額にそっと口付ける。
あまりも自然にキスして来るので、流されてしまいそうになる。
「そうかもしれないね。だけど、私にとってリリアは宝物なのだから、大切にするのは当然だよ」
「……っ」
相変わらずこういう台詞を恥じることなく普通に言って来るのだが、私は未だに慣れることが出来ず、顔を赤く染めてしまう。
するとアレクシスはクスッと小さく笑い「照れているの?」と追い打ちをかけて来る。
何度同じやり取りをしたか分からないが、結局いつもこういうパターンになってしまう。
私がアレクシスの過剰な言葉に、一々反応してしまうのが原因だという事は自分でも良く分かっている。
だけど慣れないのだから仕方が無い。
「そうだ。ちょっと待っていて」
「……?」
アレクシスは何かを思いついたように呟くと、自分の椅子を持ち上げこちらに運んで来ると隣に並べた。
私が不思議そうに眺めていると、そのまま隣に腰掛けた。
「あの、何ですか?」
「折角だから、リリアの食事の手伝いをしようかと思って。病人には労わってあげないと、ね」
「そんなことして頂かなくても、私なら本当にもう大丈夫ですからっ!」
逆にそんなことをされたら、緊張して食べづらくなってしまう。
私はすぐに否定したが、アレクシスは考えを改めるつもりはなさそうだ。
既に私の前に置かれているスプーンを手に取って、スープを掬い始めた。
「リリアは少し猫舌だったよね。冷ましてあげるから少し待っていて」
「……っ!?」
アレクシスはにっこりと微笑むと、スプーンに乗っているスープに息をかけ始めた。
きっと冷ましてくれているのだろう。
次第に私の頬は赤く染まっていく。
(一体、何をさせる気なの!?)
「こんなものかな。リリア、口を開けて?」
「自分で食べられます」
「今日は私に甘やかされて。ほら、早く……」
「……っ」
私が戸惑っているとアレクシスは「リリア」と急かす様に名前まで呼んで来る。
ここまで来ると断れない事は分かってしまい、私は顔を真っ赤に染めながら仕方なく口を開けた。
「いい子だね」
「……っ」
「柔らかくなるまで煮込んであると思うから食べやすいと思うけど、大丈夫?」
「大丈夫。美味しいです……」
私が答えるとアレクシスは満足そうに微笑んでいた。
この眩し過ぎる笑顔が、逆に辛いと思ってしまうのはきっと羞恥心のせいだろう。
「もう一口スープにする? それともリゾットがいいかな」
「もう自分で食べられますのでっ」
「だめだよ。今日は全部私が食べさせるって決めているから」
「で、でも、そうしたらアレクシス様の料理が冷めてしまいますっ!」
「私のことなら気にしなくていいよ。リリアと一緒に食事をすることが何よりも嬉しいし。いつかこんな風に甘やかしたいと思っていたんだ」
「そんなことで満足しないでくださいっ!」
「ふふっ、さっきからリリアの顔は真っ赤だね。可愛い」
「……っ」
アレクシスは小さく笑うと顔をこちらに近づけて来て、ちゅっと音を立てて私の唇に口付けた。
こんなことをされては、落ち着いて食事なんて出来るはずが無い。
私は試されているのだろうか。
何かは良く分からないけど……。
「この後は少し体力を使うことになるから、しっかりと食事は摂っておこうな」
「え……?」
「リリアの体に残っている熱を全て出す為の、儀式……みたいなものかな」
「それって……」
馬車の中の出来事を思い出し、私の顔は更に赤く染まっていく。
するとアレクシスの口角が僅かに上がる。
そして彼の唇が私の耳元へと移動する。
「そんなに顔を赤くして、何を期待しているのかな?」
「……っ!!」
アレクシスは意地悪そうな声で囁いて来る。
「リリアが期待してくれているキスも沢山してあげる。だけどそれだけではなくて、もっと気持ち良くなることをするから、楽しみにしていて。あ、痛い事とかはしないから、それは安心していいよ」
アレクシスは意味深な発言を残すと、私の耳元から唇を剥がした。
その頃には私の耳は燃える様に熱くなっていた。
「さて、食事に戻ろうか。まだ全然食べて無いからね。リリアには温かいうちに食べて貰いたいし」
彼は何食わぬ顔で、再びスープの中にスプーンを沈ませた。
私の胸はバクバクと鳴り、落ち着いて食事をすることなど出来なかった。
私の気持ちとは裏腹に、アレクシスの表情はとても愉しそうに見えた。
(これが終わったら、何をするつもりなの……!?)
体を拭いた後、髪を乾かしてくれて服を着る手伝いまでしてくれた。
ちなみに今私が着ているのは真っ白のふんわりとしたワンピースだ。
この屋敷にいる間は、こういった感じの服ばかり着ている。
化粧と髪型を整えると、部屋の中央へと戻った。
***
テーブルの上には既に料理が並べられていた。
湯気が出ているので作り立ての様だ。
いい匂いに食欲が刺激され、急にお腹が空いてきてしまう。
「リリア様、席に着いて待っていてください。アレクシス殿下をお呼びしてきます」
「サリー、色々ありがとう」
「はいっ」
サリーは笑顔で答えると、アレクシスを呼びに行く為に部屋から出て行った。
私は一人になり、目の前に置かれている食事に目を向けていた。
野菜スープに、リゾット、それから食べやすいサイズにカットされたフルーツが色々と並べられている。
普段の食事に比べると少し質素に見えてしまうが、これも私の体を気遣ったメニューなのだろう。
それから間もなくすると、ガチャと扉が開く音が響きアレクシスの姿が視界に入る。
私は静かに椅子から立ち上がった。
「リリア、座っていていいよ」
「お気遣いありがとうございます。大分体は楽になったので、もう大丈夫です」
「油断は禁物だよ。リリアは無理をするタイプだからね」
「アレクシス様は心配し過ぎです」
そんな話をしていると、アレクシスは私の元へと来て、額にそっと口付ける。
あまりも自然にキスして来るので、流されてしまいそうになる。
「そうかもしれないね。だけど、私にとってリリアは宝物なのだから、大切にするのは当然だよ」
「……っ」
相変わらずこういう台詞を恥じることなく普通に言って来るのだが、私は未だに慣れることが出来ず、顔を赤く染めてしまう。
するとアレクシスはクスッと小さく笑い「照れているの?」と追い打ちをかけて来る。
何度同じやり取りをしたか分からないが、結局いつもこういうパターンになってしまう。
私がアレクシスの過剰な言葉に、一々反応してしまうのが原因だという事は自分でも良く分かっている。
だけど慣れないのだから仕方が無い。
「そうだ。ちょっと待っていて」
「……?」
アレクシスは何かを思いついたように呟くと、自分の椅子を持ち上げこちらに運んで来ると隣に並べた。
私が不思議そうに眺めていると、そのまま隣に腰掛けた。
「あの、何ですか?」
「折角だから、リリアの食事の手伝いをしようかと思って。病人には労わってあげないと、ね」
「そんなことして頂かなくても、私なら本当にもう大丈夫ですからっ!」
逆にそんなことをされたら、緊張して食べづらくなってしまう。
私はすぐに否定したが、アレクシスは考えを改めるつもりはなさそうだ。
既に私の前に置かれているスプーンを手に取って、スープを掬い始めた。
「リリアは少し猫舌だったよね。冷ましてあげるから少し待っていて」
「……っ!?」
アレクシスはにっこりと微笑むと、スプーンに乗っているスープに息をかけ始めた。
きっと冷ましてくれているのだろう。
次第に私の頬は赤く染まっていく。
(一体、何をさせる気なの!?)
「こんなものかな。リリア、口を開けて?」
「自分で食べられます」
「今日は私に甘やかされて。ほら、早く……」
「……っ」
私が戸惑っているとアレクシスは「リリア」と急かす様に名前まで呼んで来る。
ここまで来ると断れない事は分かってしまい、私は顔を真っ赤に染めながら仕方なく口を開けた。
「いい子だね」
「……っ」
「柔らかくなるまで煮込んであると思うから食べやすいと思うけど、大丈夫?」
「大丈夫。美味しいです……」
私が答えるとアレクシスは満足そうに微笑んでいた。
この眩し過ぎる笑顔が、逆に辛いと思ってしまうのはきっと羞恥心のせいだろう。
「もう一口スープにする? それともリゾットがいいかな」
「もう自分で食べられますのでっ」
「だめだよ。今日は全部私が食べさせるって決めているから」
「で、でも、そうしたらアレクシス様の料理が冷めてしまいますっ!」
「私のことなら気にしなくていいよ。リリアと一緒に食事をすることが何よりも嬉しいし。いつかこんな風に甘やかしたいと思っていたんだ」
「そんなことで満足しないでくださいっ!」
「ふふっ、さっきからリリアの顔は真っ赤だね。可愛い」
「……っ」
アレクシスは小さく笑うと顔をこちらに近づけて来て、ちゅっと音を立てて私の唇に口付けた。
こんなことをされては、落ち着いて食事なんて出来るはずが無い。
私は試されているのだろうか。
何かは良く分からないけど……。
「この後は少し体力を使うことになるから、しっかりと食事は摂っておこうな」
「え……?」
「リリアの体に残っている熱を全て出す為の、儀式……みたいなものかな」
「それって……」
馬車の中の出来事を思い出し、私の顔は更に赤く染まっていく。
するとアレクシスの口角が僅かに上がる。
そして彼の唇が私の耳元へと移動する。
「そんなに顔を赤くして、何を期待しているのかな?」
「……っ!!」
アレクシスは意地悪そうな声で囁いて来る。
「リリアが期待してくれているキスも沢山してあげる。だけどそれだけではなくて、もっと気持ち良くなることをするから、楽しみにしていて。あ、痛い事とかはしないから、それは安心していいよ」
アレクシスは意味深な発言を残すと、私の耳元から唇を剥がした。
その頃には私の耳は燃える様に熱くなっていた。
「さて、食事に戻ろうか。まだ全然食べて無いからね。リリアには温かいうちに食べて貰いたいし」
彼は何食わぬ顔で、再びスープの中にスプーンを沈ませた。
私の胸はバクバクと鳴り、落ち着いて食事をすることなど出来なかった。
私の気持ちとは裏腹に、アレクシスの表情はとても愉しそうに見えた。
(これが終わったら、何をするつもりなの……!?)
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