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54.運命の出会い②-sideアレクシス-
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彼女はそれから毎日王宮に登城してきて、私はその度にラルスと偽り彼女に会った。
リリアが王宮を訪れたら、すぐに私の元に連れてくるようにと従者に伝えておいた。
そんな手回しをしていたこともあり、何も知らない彼女は私に会いに何度も王宮にやってきた。
もうすぐここで、お茶会という名の弟の婚約者選考会が開かれる。
彼女は存在感が薄いから、自分の名前を覚えさせて少しでも有利に働くように、父親からそう命じられて仕方なく来ていると話していた。
そして私に「迷惑ですよね、ごめんなさい」と何度も謝ってきた。
しかし、迷惑だと感じたことは一度もなかった。
それは当然だろう。
私はラルスと偽って、自らの意思で彼女に会っているのだから。
それにリリアと過ごす時間は、どんなことよりも楽しかった。
その話を聞いた時、親近感のようなものを覚えた。
彼女は私と同じように周りに振り回されて、自分の意思を殺して日々を過ごしているのだと知った。
だけど私と違うところもあった。
私よりも幼い彼女は、既に人生を諦めていた。
自分は父親の道具として生きていくしかないのだと、分かっていてそれを受け入れようとしていたのだ。
そして、そんな話をする彼女は笑っていた。
もしラルスの婚約者になれたら、少しは役に立つことが出来て褒めて貰えるのでは無いかと嬉しそうな顔で語っていた。
自分を利用しようとしている人間を、何故喜ばせたいと思うのか。
私にはそれがどうしても理解出来なかった。
そして彼女は言った。
「こんな風に話を聞いてくれる人と結婚出来たら、私も少しは幸せになれるのかな」と。
だけど、彼女は自分が選ばれないことは分かっているようだった。
歴代の婚姻を辿れば簡単に分かる事だ。
王家と深く繋がりのある家の令嬢が選ばれる。
それはもう何百年も前から変わっていない。
そこまで分かっていて来るなんて、彼女は相当の馬鹿なのか、それとも――。
だけど、その話を聞いて私の心は揺さぶられた。
彼女が幸せになったら、利用していた人間はどんな顔をするのだろうか。
悔しがるのだろうか、それとも驚いて言葉を失うのか……。
それが無性に見てみたくなった。
今まで言われたことに従っていた人形が、ある時突然立場を逆転したら。
恐らく彼女も私と同じで馬鹿では無く、賢い人間なのだろう。
先のことを頭で考えて、一番良い選択を導いて行動している。
(面白い……)
私は興奮していた。
こんな感覚を持ったのは、恐らくこれが初めてだ。
そして同時に、彼女のことが欲しいと強く思った。
この時はまだ、彼女に対して恋愛感情を抱いたわけではなかったが、惹かれていたのは間違いないだろう。
「リリア、私は必ず君を選ぶよ」
気付いたらそんな台詞を伝えていた。
彼女は目を丸くさせて、驚いた顔で私のことを見つめていた。
その後、彼女とラルスの婚約が決まったのは本当に偶然だった。
私は弟の婚約を後押ししたつもりは無く、単に爵位の高い家柄の令嬢が集まらなかったという理由だけで決まった。
有力貴族の令嬢は、私との婚約を狙い理由を付けて不参加したようだ。
第一王子である私は王位継承権第一位であるため、王太子になり、いずれはこの国の王となる。
魔力のこともあるので、覆ることはないだろうと誰もが思っていたに違いない。
彼女が弟の婚約者に決まってしまったので、何か策を取らなければならなくなった。
気に入った彼女を、みすみす手放すことは絶対にしない。
しかし幸いなことに、ラルスはリリアのことをあまり気に入っていない様子だった。
ラルスは明るくていつも中心にいるような令嬢が好みのようだ。
これは私にとっては好都合と言える。
お茶会に参加した時点で、私がラルスだと嘘を付いていたことはバレたはずだ。
あの場に現れたのが全くの別人だと知った時、彼女は相当に驚いたはずだ。
もしかしたら、私のことを嫌いになってしまったかもしれない。
そう思うと少し不安に感じてしまう。
こんな風に誰かに対して不安を抱くことも初めてだった。
初めての感情を持つ時は、いつも彼女絡みだ。
だけど、それは不思議と不快ではない。
寧ろ、嬉しく感じてしまう。
この時にはもうすでに、リリアに心を奪われていたのかもしれない。
どんな手を使ってでも、彼女を必ず手に入れる。
そう強く心に誓っていた。
リリアが王宮を訪れたら、すぐに私の元に連れてくるようにと従者に伝えておいた。
そんな手回しをしていたこともあり、何も知らない彼女は私に会いに何度も王宮にやってきた。
もうすぐここで、お茶会という名の弟の婚約者選考会が開かれる。
彼女は存在感が薄いから、自分の名前を覚えさせて少しでも有利に働くように、父親からそう命じられて仕方なく来ていると話していた。
そして私に「迷惑ですよね、ごめんなさい」と何度も謝ってきた。
しかし、迷惑だと感じたことは一度もなかった。
それは当然だろう。
私はラルスと偽って、自らの意思で彼女に会っているのだから。
それにリリアと過ごす時間は、どんなことよりも楽しかった。
その話を聞いた時、親近感のようなものを覚えた。
彼女は私と同じように周りに振り回されて、自分の意思を殺して日々を過ごしているのだと知った。
だけど私と違うところもあった。
私よりも幼い彼女は、既に人生を諦めていた。
自分は父親の道具として生きていくしかないのだと、分かっていてそれを受け入れようとしていたのだ。
そして、そんな話をする彼女は笑っていた。
もしラルスの婚約者になれたら、少しは役に立つことが出来て褒めて貰えるのでは無いかと嬉しそうな顔で語っていた。
自分を利用しようとしている人間を、何故喜ばせたいと思うのか。
私にはそれがどうしても理解出来なかった。
そして彼女は言った。
「こんな風に話を聞いてくれる人と結婚出来たら、私も少しは幸せになれるのかな」と。
だけど、彼女は自分が選ばれないことは分かっているようだった。
歴代の婚姻を辿れば簡単に分かる事だ。
王家と深く繋がりのある家の令嬢が選ばれる。
それはもう何百年も前から変わっていない。
そこまで分かっていて来るなんて、彼女は相当の馬鹿なのか、それとも――。
だけど、その話を聞いて私の心は揺さぶられた。
彼女が幸せになったら、利用していた人間はどんな顔をするのだろうか。
悔しがるのだろうか、それとも驚いて言葉を失うのか……。
それが無性に見てみたくなった。
今まで言われたことに従っていた人形が、ある時突然立場を逆転したら。
恐らく彼女も私と同じで馬鹿では無く、賢い人間なのだろう。
先のことを頭で考えて、一番良い選択を導いて行動している。
(面白い……)
私は興奮していた。
こんな感覚を持ったのは、恐らくこれが初めてだ。
そして同時に、彼女のことが欲しいと強く思った。
この時はまだ、彼女に対して恋愛感情を抱いたわけではなかったが、惹かれていたのは間違いないだろう。
「リリア、私は必ず君を選ぶよ」
気付いたらそんな台詞を伝えていた。
彼女は目を丸くさせて、驚いた顔で私のことを見つめていた。
その後、彼女とラルスの婚約が決まったのは本当に偶然だった。
私は弟の婚約を後押ししたつもりは無く、単に爵位の高い家柄の令嬢が集まらなかったという理由だけで決まった。
有力貴族の令嬢は、私との婚約を狙い理由を付けて不参加したようだ。
第一王子である私は王位継承権第一位であるため、王太子になり、いずれはこの国の王となる。
魔力のこともあるので、覆ることはないだろうと誰もが思っていたに違いない。
彼女が弟の婚約者に決まってしまったので、何か策を取らなければならなくなった。
気に入った彼女を、みすみす手放すことは絶対にしない。
しかし幸いなことに、ラルスはリリアのことをあまり気に入っていない様子だった。
ラルスは明るくていつも中心にいるような令嬢が好みのようだ。
これは私にとっては好都合と言える。
お茶会に参加した時点で、私がラルスだと嘘を付いていたことはバレたはずだ。
あの場に現れたのが全くの別人だと知った時、彼女は相当に驚いたはずだ。
もしかしたら、私のことを嫌いになってしまったかもしれない。
そう思うと少し不安に感じてしまう。
こんな風に誰かに対して不安を抱くことも初めてだった。
初めての感情を持つ時は、いつも彼女絡みだ。
だけど、それは不思議と不快ではない。
寧ろ、嬉しく感じてしまう。
この時にはもうすでに、リリアに心を奪われていたのかもしれない。
どんな手を使ってでも、彼女を必ず手に入れる。
そう強く心に誓っていた。
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