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3.意外な来客者
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「リリー様に来客です」
私が部屋でぼーっと過ごしていると、メイドがやって来て突然そう言われた。
「ごめん、今は誰とも会いたくないの。断って…」
「それが……」
私の言葉にメイドは困った表情をしていた。
「誰が来たの?」
「リリー様と同級生のハーラルト殿下です」
「はっ?」
メイドの言葉に私は思わず耳を疑った。
「今なんて…?」
「ハーラルト殿下が一階の客室でお待ちです」
思わず聞き返すも、どうやら聞き間違いではないらしい。
どうして殿下が私の家に来ているのか理解出来なかった。
確かに同じクラスではあるけど、親しかった訳ではない。
一体私に何の用があって来たんだろう。
さすがに王子であるハーラルトを追い返す訳にも行かず私は急いで準備して一階の客室に向かった。
「お待たせして申し訳ありません…」
「リリー嬢、突然押しかけてしまってすまない。君の事が心配で様子を見に来てしまった」
そこにいたのは柔らかい表情を向けるハーラルトだった。
制服を着ていたので、学園の帰りに私の家に寄ったんだろうと理解した。
ハーラルト・リーバ・シュトルツェベルク(18)
この国の第二王子であり私のクラスメイト
見た目は金髪の長い髪を後ろで纏めていて、瞳の色は青。
色白で綺麗な顔立ち。まさに王子と思わせるような風貌をしていた。
彼もまた私同様に全属性の魔力を使いこなせる。クラスの中で全属性を使えるのは私と彼だけだった。
「具合はどうだい…?」
「大分良くなりました」
私がそう答えるとハーラルトはほっとした様な表情を見せた。
どうやら心配してくれてる様子だった。
一応私は体調不良という理由で学園を休んでいる訳だけど、私が婚約解消になった事はハーラルトも知っているはず。
だから私が婚約解消されてショックで寝込んでいると思ったのだろうか。
強ち間違いではないけど…。
「顔色はそんなに悪そうには見えないけど体調が良くなるまでは無理をしない方がいいな。一応授業の内容はこのノートに纏めてあるから、気が向いた時にでも確認して。それから…君の口に合うかは分からないけど、体に良さそうなハーブを持ってきたよ。あとお菓子も…」
ハーラルドは優しい口調でそう言うと鞄の中から何冊かのノートを取り出し、さらには横に置いてあった紙袋を机の上に置いた。
「どうして…こんなに良くしてくださるんですか?」
わからなかった。
ただのクラスメイトである私にここまでしてくれる理由は一体何なんだろう。
「それはね、僕は幼い頃から君に憧れていたんだ。あの有名な大魔術師であるグレイス・アーレンスの孫娘であり、彼女と同じ全属性を使いこなせる力を持っている。僕は勝手に君の事をライバルだと思っているんだよ、だから大切なライバルがいなくなったら寂しいからね」
「ライバル…ですか…」
突然思いも寄らない事を言われて少し驚いていた。
「驚かせてしまったかな」
「少し…」
「これからも勝手にそう思わせてもらっていても構わないか?」
「私なんかで良ければ…全然大丈夫です」
私がそう答えるとハーラルトは小さく笑った。
「『なんか』ではないだろう?君は自分の実力を過小評価し過ぎだ。リリー嬢に憧れているクラスメイトは結構多いんだぞ?」
「そうなんですか…?」
私が聞き返すとハーラルトは『ああ』と頷いた。
意外と話してみると話しやすいタイプなのかもしれないと思った。
最初は王子だったし、近づきにくい存在って思っていたけどそれは私の誤解だったみたいだ。
「もっと君と話していたいけど、体調が悪い君の事を考えると長居は出来ないな。そろそろ僕は失礼させてもらうよ」
「今日は来てくださってありがとうございました。もう体調も大分良くなって来てるのでもう少しで学園に戻れると思います」
「そうか、君が戻ってくるのを楽しみに待ってることにするよ」
「ありがとうございます、殿下」
私が深々と頭を下げると、ハーラルトは困った表情を見せた。
「確かに僕は王子だけど、僕達はクラスメイトでもある。だからそんな畏まった態度は必要ない。逆に少し寂しく感じるからな…」
「でも…」
「僕が構わないと言ってる。だから気にしないでくれ。あと呼び方も殿下では無く名前で呼んでくれると嬉しいかな」
「……でもっ…」
「でもじゃないよ。試しに呼んでみて?」
「え…?いきなりですか…」
「きっと君の事だから今言わないとずっと殿下で押し通す気だろ?言ってくれないといつまでも帰れないよ」
「……ハーラルト様…」
そう言われると断れず、少し恥ずかしそうに名前を呼んでみた。
名前を呼ばれてハーラルトは満足そうに笑った。
「様もいらないけど、とりあえずはそれでいい。これからも必ずそう呼んでくれ」
「……わかりました」
そしてハーラルトは満足そうな表情で帰って行った。
ハーラルトが帰ってからノートを開いてみると、綺麗な字で見やすく纏めてあった。
2週間も学校を休んいたから授業に置いて行かれてしまうと諦めていた、だからこのノートは本当に助かる。
紙袋に入ったハーブもとても良い匂いで、ハーブティーにして飲んだら心が落ち着きそうな気がした。
そしてお菓子も可愛らしい見た目で見ているだけで楽しい気分になる。
ハーラルトが来てくれたおかげで、少し元気になれた。
このノートをしっかり読んで、早く学園に復帰しようと思った。
私が部屋でぼーっと過ごしていると、メイドがやって来て突然そう言われた。
「ごめん、今は誰とも会いたくないの。断って…」
「それが……」
私の言葉にメイドは困った表情をしていた。
「誰が来たの?」
「リリー様と同級生のハーラルト殿下です」
「はっ?」
メイドの言葉に私は思わず耳を疑った。
「今なんて…?」
「ハーラルト殿下が一階の客室でお待ちです」
思わず聞き返すも、どうやら聞き間違いではないらしい。
どうして殿下が私の家に来ているのか理解出来なかった。
確かに同じクラスではあるけど、親しかった訳ではない。
一体私に何の用があって来たんだろう。
さすがに王子であるハーラルトを追い返す訳にも行かず私は急いで準備して一階の客室に向かった。
「お待たせして申し訳ありません…」
「リリー嬢、突然押しかけてしまってすまない。君の事が心配で様子を見に来てしまった」
そこにいたのは柔らかい表情を向けるハーラルトだった。
制服を着ていたので、学園の帰りに私の家に寄ったんだろうと理解した。
ハーラルト・リーバ・シュトルツェベルク(18)
この国の第二王子であり私のクラスメイト
見た目は金髪の長い髪を後ろで纏めていて、瞳の色は青。
色白で綺麗な顔立ち。まさに王子と思わせるような風貌をしていた。
彼もまた私同様に全属性の魔力を使いこなせる。クラスの中で全属性を使えるのは私と彼だけだった。
「具合はどうだい…?」
「大分良くなりました」
私がそう答えるとハーラルトはほっとした様な表情を見せた。
どうやら心配してくれてる様子だった。
一応私は体調不良という理由で学園を休んでいる訳だけど、私が婚約解消になった事はハーラルトも知っているはず。
だから私が婚約解消されてショックで寝込んでいると思ったのだろうか。
強ち間違いではないけど…。
「顔色はそんなに悪そうには見えないけど体調が良くなるまでは無理をしない方がいいな。一応授業の内容はこのノートに纏めてあるから、気が向いた時にでも確認して。それから…君の口に合うかは分からないけど、体に良さそうなハーブを持ってきたよ。あとお菓子も…」
ハーラルドは優しい口調でそう言うと鞄の中から何冊かのノートを取り出し、さらには横に置いてあった紙袋を机の上に置いた。
「どうして…こんなに良くしてくださるんですか?」
わからなかった。
ただのクラスメイトである私にここまでしてくれる理由は一体何なんだろう。
「それはね、僕は幼い頃から君に憧れていたんだ。あの有名な大魔術師であるグレイス・アーレンスの孫娘であり、彼女と同じ全属性を使いこなせる力を持っている。僕は勝手に君の事をライバルだと思っているんだよ、だから大切なライバルがいなくなったら寂しいからね」
「ライバル…ですか…」
突然思いも寄らない事を言われて少し驚いていた。
「驚かせてしまったかな」
「少し…」
「これからも勝手にそう思わせてもらっていても構わないか?」
「私なんかで良ければ…全然大丈夫です」
私がそう答えるとハーラルトは小さく笑った。
「『なんか』ではないだろう?君は自分の実力を過小評価し過ぎだ。リリー嬢に憧れているクラスメイトは結構多いんだぞ?」
「そうなんですか…?」
私が聞き返すとハーラルトは『ああ』と頷いた。
意外と話してみると話しやすいタイプなのかもしれないと思った。
最初は王子だったし、近づきにくい存在って思っていたけどそれは私の誤解だったみたいだ。
「もっと君と話していたいけど、体調が悪い君の事を考えると長居は出来ないな。そろそろ僕は失礼させてもらうよ」
「今日は来てくださってありがとうございました。もう体調も大分良くなって来てるのでもう少しで学園に戻れると思います」
「そうか、君が戻ってくるのを楽しみに待ってることにするよ」
「ありがとうございます、殿下」
私が深々と頭を下げると、ハーラルトは困った表情を見せた。
「確かに僕は王子だけど、僕達はクラスメイトでもある。だからそんな畏まった態度は必要ない。逆に少し寂しく感じるからな…」
「でも…」
「僕が構わないと言ってる。だから気にしないでくれ。あと呼び方も殿下では無く名前で呼んでくれると嬉しいかな」
「……でもっ…」
「でもじゃないよ。試しに呼んでみて?」
「え…?いきなりですか…」
「きっと君の事だから今言わないとずっと殿下で押し通す気だろ?言ってくれないといつまでも帰れないよ」
「……ハーラルト様…」
そう言われると断れず、少し恥ずかしそうに名前を呼んでみた。
名前を呼ばれてハーラルトは満足そうに笑った。
「様もいらないけど、とりあえずはそれでいい。これからも必ずそう呼んでくれ」
「……わかりました」
そしてハーラルトは満足そうな表情で帰って行った。
ハーラルトが帰ってからノートを開いてみると、綺麗な字で見やすく纏めてあった。
2週間も学校を休んいたから授業に置いて行かれてしまうと諦めていた、だからこのノートは本当に助かる。
紙袋に入ったハーブもとても良い匂いで、ハーブティーにして飲んだら心が落ち着きそうな気がした。
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