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12.お見舞い
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私は王城に来ていた。
ハーラルトが体調を崩したらしくこの5日間学校を休んでいた。
それで今お見舞いに来ていてハーラルトの部屋に私達はいた。
来ているのは私一人ではない。
彼と仲が良いクラスメイトの令嬢達もいる。
あまり大人数だと迷惑になると言う事で、私を含め3人だった。
ちなみに行こうと言い出したのは私ではない、私は誘われたからついて来たという感じだった。
勿論、私も心配はしていた。
「今日はわざわざ来てくれてありがとう」
ハーラルトの顔色はそこまで悪そうには見えず、元気そうで少し安心した。
シャツを着崩して着ているせいか普段とは雰囲気が違うように見えた。
「ハーラルト様が5日もお休みされていて私達心配していましたのよ…ねえ?」
「はい、体調はどうですか?」
「心配をかけてしまってすまなかったね。色々やる事が溜まっていて、少し無理をし過ぎてしまったみたいだ。軽い過労だからもう大事は無いよ。」
「本当ですか。それなら安心ですわ…」
クラスメイトの令嬢達はハーラルトとその後も楽しそうに会話をしていた。
私はなんとなく会話にはついて行けず適当に相槌を打ってやり過ごしていた。
「あら…もうこんな時間。本当はもっとお話ししたい所ですが…あんまり長居するのも申し訳ないですし、私達はこの辺でお暇させて頂きますね」
「僕も君達と久しぶりに話せて楽しかったよ。気を付けて帰って」
私達は帰る支度をして扉の方に移動していた。
ここに来てから1時間程度の時間が過ぎていた。
ハーラルトは一応病人だし、長居するのは迷惑になってしまう。
私は結局あまり話せなかったけど、ハーラルトの元気な顔が見れただけで安心出来た。
「お大事にしてください…それでは…」
「リリー様はもう少しここに居てあげてくださいね」
私が挨拶をしようとしてると令嬢の一人がにっこり笑って私にそう言った。
どうして?と不思議そうな顔でその令嬢とハーラルトを交互に見た。
「でも…ハーラルト様は病人ですし…」
「僕は大丈夫だ、リリーが良いならもう少し君とは話したいかな」
「……わかりました」
ハーラルトがそう言うなら…と私だけ残して二人は部屋から出て行った。
急に二人になってしまうとドキドキしてしまう。
「いつまでそこに突っ立ってるつもり?こっちに来たら?」
扉の前で立っている私にハーラルトは優しい表情を見せて、自分の座るソファーを指さした。
私がソファーの前に行き、向かい合う様に座ろうとすると「そっちじゃないだろ?」と言われ腕を引っ張られた。
「…わっ…いきなり引っ張らないでくださいっ…!」
「やっと捕まえた」
私は勢いよく引っ張られた事によりハーラルトに倒れ掛かる様な形になってしまい慌てていると、そのまま腰を引かれ椅子の上で抱きしめられた。
「なっ…何するんですか!?」
「ずっとリリーに会えなかったから…こうやって触るのも久しぶりだな」
ハーラルトは少し嬉しそうな顔で言った。
私は久しぶりにハーラルトの温もりを感じて胸の鼓動がどんどん早くなっていく。
「僕はリリーに会えなくてすごく寂しかったけど、リリーは?」
「え……」
突然そんなことを言われて、私は言葉に詰まってしまった。
ハーラルトは私の返答を待つようにじっと見つめてくる。
そんなに見つめられると余計に恥ずかしくなってますます何も言えなくなってしまう。
「その顔を見た感じだと、リリーも僕と同じ気持ちだと思ってもいいのかな」
その言葉に私は恥ずかしそうに小さく頷いた。
「相変わらずリリーは可愛いな、キスしてもいいか?」
「……っ…ダメですっ!」
ハーラルトの掌が私の頬に触れ熱っぽく見つめられる。
私は焦って勢いよく言ってしまうと、ハーラルトは小さく笑った。
「ダメじゃない。それならどうしてそんなに顔が赤いんだ?…して欲しいから、…だろ?」
「違っ……んっ…」
ハーラルトはそっと私に口付けると、触れるだけの優しいキスを何度も繰り返す。
唇からハーラルトの熱を感じて、更に胸の鼓動が早くなっていく。
「今日は抵抗しないのか?」
「ぁっ……っ…」
ハーラルトはゆっくりと唇を剥がし私を見つめながら優しい声で聞いて来た。
私は真っ赤に顔を染めながら切なそうな顔でハーラルトを見ていた。
まるでもっとして欲しいと訴える様に。
「リリー…今自分がどんな顔をしているか分かってる?…そんな顔を向けるなら僕はもう遠慮なんてしないからな…」
「え……?」
ハーラルトの表情が変わった。
鋭い目で見つめられ、思わずびくっと体を震わせてしまう。
少し怖くなって後ずさりしようとするとハーラルトの唇が私の耳元に寄せられた。
「逃がさないよ」
その言葉にゾクッと鳥肌が立った。
ハーラルトが体調を崩したらしくこの5日間学校を休んでいた。
それで今お見舞いに来ていてハーラルトの部屋に私達はいた。
来ているのは私一人ではない。
彼と仲が良いクラスメイトの令嬢達もいる。
あまり大人数だと迷惑になると言う事で、私を含め3人だった。
ちなみに行こうと言い出したのは私ではない、私は誘われたからついて来たという感じだった。
勿論、私も心配はしていた。
「今日はわざわざ来てくれてありがとう」
ハーラルトの顔色はそこまで悪そうには見えず、元気そうで少し安心した。
シャツを着崩して着ているせいか普段とは雰囲気が違うように見えた。
「ハーラルト様が5日もお休みされていて私達心配していましたのよ…ねえ?」
「はい、体調はどうですか?」
「心配をかけてしまってすまなかったね。色々やる事が溜まっていて、少し無理をし過ぎてしまったみたいだ。軽い過労だからもう大事は無いよ。」
「本当ですか。それなら安心ですわ…」
クラスメイトの令嬢達はハーラルトとその後も楽しそうに会話をしていた。
私はなんとなく会話にはついて行けず適当に相槌を打ってやり過ごしていた。
「あら…もうこんな時間。本当はもっとお話ししたい所ですが…あんまり長居するのも申し訳ないですし、私達はこの辺でお暇させて頂きますね」
「僕も君達と久しぶりに話せて楽しかったよ。気を付けて帰って」
私達は帰る支度をして扉の方に移動していた。
ここに来てから1時間程度の時間が過ぎていた。
ハーラルトは一応病人だし、長居するのは迷惑になってしまう。
私は結局あまり話せなかったけど、ハーラルトの元気な顔が見れただけで安心出来た。
「お大事にしてください…それでは…」
「リリー様はもう少しここに居てあげてくださいね」
私が挨拶をしようとしてると令嬢の一人がにっこり笑って私にそう言った。
どうして?と不思議そうな顔でその令嬢とハーラルトを交互に見た。
「でも…ハーラルト様は病人ですし…」
「僕は大丈夫だ、リリーが良いならもう少し君とは話したいかな」
「……わかりました」
ハーラルトがそう言うなら…と私だけ残して二人は部屋から出て行った。
急に二人になってしまうとドキドキしてしまう。
「いつまでそこに突っ立ってるつもり?こっちに来たら?」
扉の前で立っている私にハーラルトは優しい表情を見せて、自分の座るソファーを指さした。
私がソファーの前に行き、向かい合う様に座ろうとすると「そっちじゃないだろ?」と言われ腕を引っ張られた。
「…わっ…いきなり引っ張らないでくださいっ…!」
「やっと捕まえた」
私は勢いよく引っ張られた事によりハーラルトに倒れ掛かる様な形になってしまい慌てていると、そのまま腰を引かれ椅子の上で抱きしめられた。
「なっ…何するんですか!?」
「ずっとリリーに会えなかったから…こうやって触るのも久しぶりだな」
ハーラルトは少し嬉しそうな顔で言った。
私は久しぶりにハーラルトの温もりを感じて胸の鼓動がどんどん早くなっていく。
「僕はリリーに会えなくてすごく寂しかったけど、リリーは?」
「え……」
突然そんなことを言われて、私は言葉に詰まってしまった。
ハーラルトは私の返答を待つようにじっと見つめてくる。
そんなに見つめられると余計に恥ずかしくなってますます何も言えなくなってしまう。
「その顔を見た感じだと、リリーも僕と同じ気持ちだと思ってもいいのかな」
その言葉に私は恥ずかしそうに小さく頷いた。
「相変わらずリリーは可愛いな、キスしてもいいか?」
「……っ…ダメですっ!」
ハーラルトの掌が私の頬に触れ熱っぽく見つめられる。
私は焦って勢いよく言ってしまうと、ハーラルトは小さく笑った。
「ダメじゃない。それならどうしてそんなに顔が赤いんだ?…して欲しいから、…だろ?」
「違っ……んっ…」
ハーラルトはそっと私に口付けると、触れるだけの優しいキスを何度も繰り返す。
唇からハーラルトの熱を感じて、更に胸の鼓動が早くなっていく。
「今日は抵抗しないのか?」
「ぁっ……っ…」
ハーラルトはゆっくりと唇を剥がし私を見つめながら優しい声で聞いて来た。
私は真っ赤に顔を染めながら切なそうな顔でハーラルトを見ていた。
まるでもっとして欲しいと訴える様に。
「リリー…今自分がどんな顔をしているか分かってる?…そんな顔を向けるなら僕はもう遠慮なんてしないからな…」
「え……?」
ハーラルトの表情が変わった。
鋭い目で見つめられ、思わずびくっと体を震わせてしまう。
少し怖くなって後ずさりしようとするとハーラルトの唇が私の耳元に寄せられた。
「逃がさないよ」
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