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第一章:聖女から冒険者へ
54.ジースの街⑤
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目的地である服屋に到着すると、中には魔術師が着るようなローブが沢山置かれていた。
ここに置かれているほとんどの商品は、特殊な生地で作られている。
厳しい寒さ対策もしっかりとされている為、これを着ているだけで殆ど寒さを感じないらしい。
私は店内に入るとはしゃぐ様に、置かれている商品に視線を向けていた。
「すごい……。これを着たら魔術師っぽくなれそうっ!」
「そうだね。ルナは魔術師で登録していたんだったよな。種類も色々とあるみたいだから、気に入るものが見つかるまでゆっくり見ておいで」
私はイザナとは一度離れ、店内に置かれているローブを色々見て回ることにした。
定番の黒いローブから、色のついたもの、短いものなど様々な種類が取り揃えてある。
コート型の可愛らしいものもいくつか見つけた。
(どうしよう、すごく悩むな。どれも可愛いし……。でも、定番のは一着欲しいな。これを着ていれば、どこからどう見ても魔術師に見えるかも!)
私は定番の黒いローブと、魔法使いが被るような三角帽子を手に取った。
もしかしたら、私は形から入るタイプなのかもしれない。
これは狩りなどの戦闘時に着ようと思い、一着目はこれに決めた。
そして次に普段街などで着るためのものは、白くてふんわりとしたファーコートを選んだ。
白いコートは今も着ているけど、これだと寒いので、ここで着れるものが欲しかった。
(私のものはこれでいいかな。あとゼロへのプレゼントと、折角ならイザナにも何か贈ろうかな。お金ならこの前いっぱい貰ったし)
ゼロにはフードが付いた黒色の動きやすそうなコートを選んだ。
彼は駿足でアジリティーが優れているからだ。
服の所為で、彼の要でもある素早さを奪ってはいけない。
そしてイザナには黒いロングチェスターコートを選んだ。
これはなんとなく似合いそうだったから。
(喜んでもらえるといいな……)
私はそんな事を考え胸を膨らませながら、イザナの元へと向かった。
彼も何着か選んでいる様子だった。
手にはいくつかの上着が抱えられている。
「ルナ、決まったのか?」
「うんっ! イザナも何着か買うんだね?」
私はチラッと彼の腕に掛けられている上着を確認した。
どうやら私が選んだ種類は入って無さそうで、ほっとした。
(被ってないみたい。良かった……)
「ゼロの分も買っておこうと思ってね。この素材の物はここでしか買えないから、何着か買っておいて収納ボックスに入れておこうと思うんだ」
「この素材って外に出ても寒くないってものだよね? 他では売ってないの?」
「ここに置いてあるのは特殊な素材で出来ていて、更にそこから防寒用の術がかけられているからね。買えるのはここだけになるよ。ルナも折角だし、何着か選んでおいたら? 着ない時はしまっておけばいいし」
「そうする! もう一回見て来るね!」
イザナの言葉に納得すると、私は再び店内で物色し始めた。
ここに置かれている商品はどれもそれなりに値が張る品ばかりだ。
高い理由は、特殊仕様にされているからなのだろう。
普段の私なら一着で我慢する所だけど、お金ならこの前の報酬で沢山貰ったので、正直何着でも買えてしまいそうだ。
それに『ここだけ』という言葉に弱い。
(いっぱい買っちゃった……)
結局私は自分用のものを五着も買ってしまった。
ローブが二種類と、コートが三種類になる。
イザナが選んでいる間に、こっそりと会計を済ませた。
きっと彼に見つかれば一緒に買ってくれそうな気がしたし、この中には二人のプレゼントも入っている。
だから、なんとしても自分で購入したかった。
購入後、私は一番気に入ったあの白いファーコートに着替えた。
すると着た瞬間からとても温かく、イザナの言っていたことが本当だと分かった。
(なにこれ、すごく暖かい。これなら外に出ても全然寒くなさそう)
まるで毛布に包まれているような暖かさだった。
私は着替えると、イザナの元に移動した。
「あれ? もう買って来たの? 随分と可愛らしいコートを選んだんだね。ルナっぽくて、すごく良く似合っているよ」
「あ、ありがとう」
彼に褒めて貰えたのが嬉しくて、そして少し照れてしまった。
「私も買って来るから、少し待っていてくれるか」
「うんっ」
彼もその後会計を済ますと、直ぐに着替えていた。
私が買ったプレゼントは、二人がいる時に一緒に渡そうと思っている。
ちなみにイザナは、片側にマントがついている黒いロングコートを着ていた。
端麗な容姿を持つ彼は、何を着ても似合ってしまうようだ。
私はその姿を見て、少しドキドキしてしまった。
「これで寒さ対策も出来たし、行こうか」
「うんっ!」
私達は店を出ると、次はギルドを目指して歩き始めた。
このコートに変えてからは、外に出ても殆ど寒さを感じなかった。
(このコートすごい…!さっきまでの寒さが嘘みたい…)
ここに置かれているほとんどの商品は、特殊な生地で作られている。
厳しい寒さ対策もしっかりとされている為、これを着ているだけで殆ど寒さを感じないらしい。
私は店内に入るとはしゃぐ様に、置かれている商品に視線を向けていた。
「すごい……。これを着たら魔術師っぽくなれそうっ!」
「そうだね。ルナは魔術師で登録していたんだったよな。種類も色々とあるみたいだから、気に入るものが見つかるまでゆっくり見ておいで」
私はイザナとは一度離れ、店内に置かれているローブを色々見て回ることにした。
定番の黒いローブから、色のついたもの、短いものなど様々な種類が取り揃えてある。
コート型の可愛らしいものもいくつか見つけた。
(どうしよう、すごく悩むな。どれも可愛いし……。でも、定番のは一着欲しいな。これを着ていれば、どこからどう見ても魔術師に見えるかも!)
私は定番の黒いローブと、魔法使いが被るような三角帽子を手に取った。
もしかしたら、私は形から入るタイプなのかもしれない。
これは狩りなどの戦闘時に着ようと思い、一着目はこれに決めた。
そして次に普段街などで着るためのものは、白くてふんわりとしたファーコートを選んだ。
白いコートは今も着ているけど、これだと寒いので、ここで着れるものが欲しかった。
(私のものはこれでいいかな。あとゼロへのプレゼントと、折角ならイザナにも何か贈ろうかな。お金ならこの前いっぱい貰ったし)
ゼロにはフードが付いた黒色の動きやすそうなコートを選んだ。
彼は駿足でアジリティーが優れているからだ。
服の所為で、彼の要でもある素早さを奪ってはいけない。
そしてイザナには黒いロングチェスターコートを選んだ。
これはなんとなく似合いそうだったから。
(喜んでもらえるといいな……)
私はそんな事を考え胸を膨らませながら、イザナの元へと向かった。
彼も何着か選んでいる様子だった。
手にはいくつかの上着が抱えられている。
「ルナ、決まったのか?」
「うんっ! イザナも何着か買うんだね?」
私はチラッと彼の腕に掛けられている上着を確認した。
どうやら私が選んだ種類は入って無さそうで、ほっとした。
(被ってないみたい。良かった……)
「ゼロの分も買っておこうと思ってね。この素材の物はここでしか買えないから、何着か買っておいて収納ボックスに入れておこうと思うんだ」
「この素材って外に出ても寒くないってものだよね? 他では売ってないの?」
「ここに置いてあるのは特殊な素材で出来ていて、更にそこから防寒用の術がかけられているからね。買えるのはここだけになるよ。ルナも折角だし、何着か選んでおいたら? 着ない時はしまっておけばいいし」
「そうする! もう一回見て来るね!」
イザナの言葉に納得すると、私は再び店内で物色し始めた。
ここに置かれている商品はどれもそれなりに値が張る品ばかりだ。
高い理由は、特殊仕様にされているからなのだろう。
普段の私なら一着で我慢する所だけど、お金ならこの前の報酬で沢山貰ったので、正直何着でも買えてしまいそうだ。
それに『ここだけ』という言葉に弱い。
(いっぱい買っちゃった……)
結局私は自分用のものを五着も買ってしまった。
ローブが二種類と、コートが三種類になる。
イザナが選んでいる間に、こっそりと会計を済ませた。
きっと彼に見つかれば一緒に買ってくれそうな気がしたし、この中には二人のプレゼントも入っている。
だから、なんとしても自分で購入したかった。
購入後、私は一番気に入ったあの白いファーコートに着替えた。
すると着た瞬間からとても温かく、イザナの言っていたことが本当だと分かった。
(なにこれ、すごく暖かい。これなら外に出ても全然寒くなさそう)
まるで毛布に包まれているような暖かさだった。
私は着替えると、イザナの元に移動した。
「あれ? もう買って来たの? 随分と可愛らしいコートを選んだんだね。ルナっぽくて、すごく良く似合っているよ」
「あ、ありがとう」
彼に褒めて貰えたのが嬉しくて、そして少し照れてしまった。
「私も買って来るから、少し待っていてくれるか」
「うんっ」
彼もその後会計を済ますと、直ぐに着替えていた。
私が買ったプレゼントは、二人がいる時に一緒に渡そうと思っている。
ちなみにイザナは、片側にマントがついている黒いロングコートを着ていた。
端麗な容姿を持つ彼は、何を着ても似合ってしまうようだ。
私はその姿を見て、少しドキドキしてしまった。
「これで寒さ対策も出来たし、行こうか」
「うんっ!」
私達は店を出ると、次はギルドを目指して歩き始めた。
このコートに変えてからは、外に出ても殆ど寒さを感じなかった。
(このコートすごい…!さっきまでの寒さが嘘みたい…)
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