素直になれない令嬢は幼馴染の重すぎる愛から逃げられない?【R18】

Rila

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第一章

2.隣国王女の登場

ざわざわしている教室の前扉が開かれると、教師と共に綺麗なプラチナブロンドの令嬢が入って来た。
その令嬢の姿に皆見惚れているのか、ざわめきが嘘の様にびたりと止まり、教室内は静かになっていた。

「今日は編入生を紹介する…。もう噂等で知っている者も多いとは思うが、彼女は隣国イエーリス国の第三王女だ。来たばかりで分からない事も多いと思うので、何かと気に掛けてやって欲しい…」
「皆さん、初めまして…。私はアリエル・カム・イエーリスと申します。一応王女ですが、皆さんとは仲良く学園生活を過ごしていきたいと思っているので…気兼ねなく話しかけてくれると嬉しい限りです。どうぞ、よろしくお願いします…」
アリエルがにこっと微笑むと、周りの生徒達はドキドキしている様子で頬を染めている者も数名いる程だった。

(すごく綺麗な人…。さすが王女様って感じがするわ…)

アリエルはプラチナブロンドの長い綺麗な髪に、はちみつ色の瞳。
妖艶な大人っぽさと、それでいて気品さも兼ね揃えていて、さすが王女だと感心する程だった。

「ロラン……すごく素敵な人ね…」
私は隣に座るロランに小声で話しかけた。

「そうだな…」
ロランはアリエルを眺めながらぼそっと答えた。

私はロランの反応を見て少し驚いていた。
今までどの令嬢にも反応を示さなかったロランが、アリエルを見て『そうだな』と答えた。
普段なら無言か、『興味が無い』で終わるはずなのに…今日はいつもと違う。

(……やっぱり、王女様はそこら辺の令嬢達とは格が違うって事かしら…。やっぱりロランは綺麗な大人の雰囲気の女性が好みだったのね)

「ロラン…、私応援するわ」
「……は?何の話だ…?」
私が意気込んで呟くと、ロランは僅かに眉を寄せた。

「アリエル王女の席は……」
「あの、先生…宜しいですか?」
教師が空いてる席を探していると、隣に立つアリエルは声を掛けた。

「私、授業をしっかりと聞きたいと思っているので、前の席に座りたいと思っています…。例えば……、こちらの席とか…」
アリエルは私の座ってる席を指さした。
その時私はアリエルと初めて視線が合い、それに気付いたアリエルは私に微笑んだ。

(……え?)

「いや…しかし…そこの席は…」
「アリエル王女…、申し訳ないのですが…こちらは彼女の席です。どうしてもこの席が良いと言うのであれば、僕が変わりますよ…」
教師が困っていると、私の隣に座るジェラルドが口を開いた。

「……もしかして、ジェラルド王子ですか…?」
アリエルがジェラルドに声を掛けると、ジェラルドは「そうですが…」と答えた。
それを聞いた瞬間、アリエルはキラキラとした瞳で嬉しそうな顔を浮かべた。

「私、ずっとジェラルド王子にお会いしてみたいと思っていたの…。何でもこなせて聡明な方だと伺っていたから…一緒に授業を受けるのを楽しみにしていんです」
アリエルは両指を小さく顔の下で合わせて、声を弾ませ本当に楽しそうに話している様に見えた。

(ジェラルドは…別の国の人間にも知られているのね…。でも…この王女、もしかしてジェラルドに気があるのかな……。そうだったら…どうしよう…)

「そんな風に思っていただけるのは有難い事ですが、僕はそれ程出来た人間ではありませんよ」
「先生、私…ずっと憧れていたジェラルド様の隣で授業を受けたいと思っているのですが…、無理でしょうか?」
アリエルは切なげな顔で教師を見つめると、教師は困惑した顔を浮かべながら何故か僅かに頬を染めている様にも見えた。

「……シャルロッテ嬢、申し訳ないのだが…少しの間だけ…その席をアリエル王女に譲ってもらえないだろうか?」
「シャルロッテさん…って言うのね。私からもお願いします……」
二人に見つめられ私は困ってしまう。
きっと教師は王女であるアリエルの願いを簡単には断れないのだろう。
これは仕方がない事だ…。

「わ…分かりました。少しの間だけなら……」
私が仕方なくそう答えると、教師はほっとした顔を浮かべ「ありがとう」と私に感謝していた。

「シャル…ごめん。少しの間だけ我慢していて…。僕が彼女を説得してみるよ…」
「うん、ありがとう」
私は荷物を机の中から出すと、指定された後ろの方の席へと移動した。



授業が始まると、私の席だった場所に座っているアリエルの方へと視線を向けていた。
アリエルは時折、分からない事を隣のジェラルドに聞いたりしていた。

そして気付いてしまった。
アリエルは、間違いなくジェラルドの事が好きなんだと言う事に。
今日会ったばかりだけど、ジェラルドを見るアリエルの瞳はキラキラしていて恋をしている顔だ。
私も長年ジェラルドに恋心を持っていたから分かる。

(どうしよう……。ジェラルドを奪われたくない。でもあんな素敵な人相手に…勝てるわけ…ないよっ…)

私の胸は不安で膨らんでいく。
そんな事ばかり考えていたせいで授業には全く身が入らなかった。
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