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第一章
16.衝撃の婚約解消
その日の放課後ジェラルドに時間を作ってもらう事になった。
なんでもジェラルドも話しておきたい事があると言う。
私は朝ジェラルドにあんなことを言ってしまった手前話す勇気も無く、今回話合いの場を作るのに動いてくれたのがロランだった。
それでも授業中は私の隣の席にはジェラルドがいて、会話も目も合わせていない筈なのに、バクバクと胸がずっと鳴りやむことは無かった。
これほどまでにジェラルドの傍にいる事で、居心地の悪さを感じたのは初めてだった。
そして漸く放課後が訪れた。
私は帰りの支度が済むとロランの傍へと向かった。
「シャル…準備は出来たのか…?」
「……うん。どうしよう…もうずっと緊張しっぱなしだよ…」
私は両手を胸に当て、鳴りやまない鼓動を必死に抑えようとするも収まる気配はない。
「ジェラルドはもう向かったみたいだな…。俺達も行こうか…」
ロランの言葉に私は頷いた。
今回話をする場所は、ジェラルドの意向で応接室を借りることになった。
きっと話の内容が漏れることを恐れたのだろう。
一応ジェラルドは王子であり、変な噂が立つと困るというのが理由なのだと思う。
私達は1階の奥にある応接室へと向かった。
***
ロランが扉をトントンと叩くと扉が開き、中にジェラルドが立っていた。
そして何故か奥にはアリエルの姿もあった。
(どうして…アリエル王女が一緒にいるの?)
アリエルの存在に気付いた瞬間、すごく嫌な予感がした。
私は怖くなり俯いたまま部屋の中へと入った。
「……二人とも、良く来てくれたね…感謝する」
「いや…平気だ」
ジェラルドの優しい声が聞こえてきたが、私は顔を上げることが出来なくて、代わりにロランが答えてくれた。
「まずは…こっちの話からでもいいか?」
ロランはジェラルドをじっと見つめ静かに答えた。
「ああ、構わないよ…」
「……シャルから、ある程度の話は聞いた。シャルはジェラルドの様子がおかしいと言っていたけど…晩餐会の日、何かあったのか…?」
「……悪いな、それは話はしたくない…」
ロランの言葉にジェラルドは少し間を置いた後、静かに答えた。
「それはどういう意味だ…?シャルが…その事にずっと不安に感じていても…話せないのか?」
「……すまない」
ロランは僅かに眉を寄せ再度聞き直すも、ジェラルドの返答は変わらなかった。
(やっぱり…あの晩餐会の日に何かあったんだ…)
「別に話しても良いんじゃない?……どちらにせよ、いつかは分かる事なんだから…」
「アリエル王女、悪いが口を出さないでくれ…」
突然横から割り込んで来たアリエルに、ジェラルドは冷たい声で告げた。
「何よ…。いつも私が悪いみたいに言うけど……無理矢理私の事を抱いたのはジェラルド様でしょ?」
「「………!?」」
アリエルの言葉に私とロランは驚きの顔を見せた。
「……どういう…事?」
私が震えた声でジェラルドの方に視線を向けると、ジェラルドは気まずさそうにすぐに私から目を逸らした。
「…ちょっと待ってくれ…。なんの話をしているんだ?」
ロランも混乱している様子だった。
「……ジェラルド様はね、あの晩餐会の日…私の事を抱いたの。私、ジェラルド様に…純潔を奪われたのよ…。そう言う事だから、シャルロッテさん…ごめんなさいね。貴女との婚約は白紙に戻して、私と婚約する事になったの…。そうよね…?ジェラルド様…」
「……シャル、本当にすまない。自分でもなんでこんな事になっているのか…分からないんだ…」
ジェラルドは悲痛な顔を私に向けると、すまなさそうに頭を下げた。
(うそ…だよね…?)
「分からない…?分からないって何だよ…。自分がした事じゃないのか?」
「……ジェラルド様、酔っていたから…良く覚えていないのだと思うわ…」
「……ジェラルドが言ってくれたこと……全部…嘘だったんだね…。好きって言ってくれたことも…ずっと傍にいるって言ったことも……」
私の目からは大粒の涙が零れて、視界がぼやけていた。
「……あの時の言葉は本心だ…僕は本当にシャルの事を…」
「…いいよ、もう嘘は付かなくて……。こんなことなら……もっと早く…好きって言っておけば良かった…」
私はジェラルドの言葉を遮り、悲しそうに笑った。
なんでもジェラルドも話しておきたい事があると言う。
私は朝ジェラルドにあんなことを言ってしまった手前話す勇気も無く、今回話合いの場を作るのに動いてくれたのがロランだった。
それでも授業中は私の隣の席にはジェラルドがいて、会話も目も合わせていない筈なのに、バクバクと胸がずっと鳴りやむことは無かった。
これほどまでにジェラルドの傍にいる事で、居心地の悪さを感じたのは初めてだった。
そして漸く放課後が訪れた。
私は帰りの支度が済むとロランの傍へと向かった。
「シャル…準備は出来たのか…?」
「……うん。どうしよう…もうずっと緊張しっぱなしだよ…」
私は両手を胸に当て、鳴りやまない鼓動を必死に抑えようとするも収まる気配はない。
「ジェラルドはもう向かったみたいだな…。俺達も行こうか…」
ロランの言葉に私は頷いた。
今回話をする場所は、ジェラルドの意向で応接室を借りることになった。
きっと話の内容が漏れることを恐れたのだろう。
一応ジェラルドは王子であり、変な噂が立つと困るというのが理由なのだと思う。
私達は1階の奥にある応接室へと向かった。
***
ロランが扉をトントンと叩くと扉が開き、中にジェラルドが立っていた。
そして何故か奥にはアリエルの姿もあった。
(どうして…アリエル王女が一緒にいるの?)
アリエルの存在に気付いた瞬間、すごく嫌な予感がした。
私は怖くなり俯いたまま部屋の中へと入った。
「……二人とも、良く来てくれたね…感謝する」
「いや…平気だ」
ジェラルドの優しい声が聞こえてきたが、私は顔を上げることが出来なくて、代わりにロランが答えてくれた。
「まずは…こっちの話からでもいいか?」
ロランはジェラルドをじっと見つめ静かに答えた。
「ああ、構わないよ…」
「……シャルから、ある程度の話は聞いた。シャルはジェラルドの様子がおかしいと言っていたけど…晩餐会の日、何かあったのか…?」
「……悪いな、それは話はしたくない…」
ロランの言葉にジェラルドは少し間を置いた後、静かに答えた。
「それはどういう意味だ…?シャルが…その事にずっと不安に感じていても…話せないのか?」
「……すまない」
ロランは僅かに眉を寄せ再度聞き直すも、ジェラルドの返答は変わらなかった。
(やっぱり…あの晩餐会の日に何かあったんだ…)
「別に話しても良いんじゃない?……どちらにせよ、いつかは分かる事なんだから…」
「アリエル王女、悪いが口を出さないでくれ…」
突然横から割り込んで来たアリエルに、ジェラルドは冷たい声で告げた。
「何よ…。いつも私が悪いみたいに言うけど……無理矢理私の事を抱いたのはジェラルド様でしょ?」
「「………!?」」
アリエルの言葉に私とロランは驚きの顔を見せた。
「……どういう…事?」
私が震えた声でジェラルドの方に視線を向けると、ジェラルドは気まずさそうにすぐに私から目を逸らした。
「…ちょっと待ってくれ…。なんの話をしているんだ?」
ロランも混乱している様子だった。
「……ジェラルド様はね、あの晩餐会の日…私の事を抱いたの。私、ジェラルド様に…純潔を奪われたのよ…。そう言う事だから、シャルロッテさん…ごめんなさいね。貴女との婚約は白紙に戻して、私と婚約する事になったの…。そうよね…?ジェラルド様…」
「……シャル、本当にすまない。自分でもなんでこんな事になっているのか…分からないんだ…」
ジェラルドは悲痛な顔を私に向けると、すまなさそうに頭を下げた。
(うそ…だよね…?)
「分からない…?分からないって何だよ…。自分がした事じゃないのか?」
「……ジェラルド様、酔っていたから…良く覚えていないのだと思うわ…」
「……ジェラルドが言ってくれたこと……全部…嘘だったんだね…。好きって言ってくれたことも…ずっと傍にいるって言ったことも……」
私の目からは大粒の涙が零れて、視界がぼやけていた。
「……あの時の言葉は本心だ…僕は本当にシャルの事を…」
「…いいよ、もう嘘は付かなくて……。こんなことなら……もっと早く…好きって言っておけば良かった…」
私はジェラルドの言葉を遮り、悲しそうに笑った。
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