素直になれない令嬢は幼馴染の重すぎる愛から逃げられない?【R18】

Rila

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第一章

54.真相②

私が困惑していると、ジェラルドは自嘲する様に小さく笑った。

「本当は…、揺さぶるだけのつもりだったのにな…。だけど、シャルがロランに抱かれたと知った時、感情が抑えきれなくなった。思っていた以上にシャルが僕の心を占領していると分かったら、絶対に離したく無いと思ってしまったんだ。シャルがあの時…僕から離れようとしていても、多分強引に僕のものにしていたと思うよ…」
「……っ…」
ジェラルドは真直ぐに私の瞳を見つめていたが、その表情はどこか切なげに見えた。
私はその言葉に何も答える事が出来なかった。

「シャルがロランと婚約していても、僕は決してシャルの事は諦めないから……。愛しているよ、シャル。昔も今も…そしてこれからも、僕にはシャルだけだ」
ジェラルドは迷いの無い表情で静かに答えると、私の手を取り指にそっと唇を押し当てた。

私は慌てて手を引っ込めようとするも、ジェラルドの真直ぐな瞳を見てしまうと固まった様に動けなくなってしまう。
胸の奥が激しくドクドクと鳴り始め、泣きそうな顔でジェラルドの事を見つめていた。

「その顔はどういう意味なのかな?同情しているの…?それとも、ロランから奪い返して欲しい?」
「ち、違うっ…。自分でも…良く分からないっ……」
私が慌てて答えると、ジェラルドはふっと小さく笑った。

「少しは迷ってくれているんだね…。嬉しいよ。本当はもっとシャルを独占していたい所だけど、そういうわけにはいかないからね。それに悲しいけど今はロランの婚約者だからな…」
「……っ…!」
ジェラルドの言葉を聞いてハッと我に返り私はロランの方に視線を向けた。
だけどロランは未だにあの状態のまま微動だにしていない。

我に返るまで私はロランの存在を忘れてしまっていた。
そしてジェラルドの言葉を聞いていたら、自分の気持ちが良く分からなくなっていた。

「そんな顔しないで…。今日の事はロランには黙っておく?」
「え?」

「シャルを抱いたこと…。僕は正直に伝えても構わないけど、シャルが隠したいのなら誤魔化すよ」
「そんなっ……!」
隠すと言われて私は罪悪感でいっぱいになり咄嗟に声に出してしまうが、ロランには知られたく無いという思いもあり言葉が止まってしまう。

「でも、隠してもすぐにバレるとは思うけどな。シャルって嘘付くのが本当に下手だからね。それにロランは結構感が良いから…」

ジェラルドの言う通りだった。
きっと嘘を付いても直ぐにバレてしまうのだろう。
だったら素直に言ってしまった方が良いのかもしれない。
だけど素直に伝えればきっとロランを傷付けてしまうし、今までの関係も壊れて行くだろう。

私はぎゅっときつく掌を握りしめた。
これは自分が招いた結果なのだと思い知った。

「ロランにはちゃんと伝える…」
「シャルから言える…?」

「うん、私から言うから大丈夫」
私が弱弱しい声で答えると、暫くジェラルドは心配そうな顔で私の事を眺めていた。
だけどそれから暫くして、納得したのか「わかった」と呟いた。

「私、王宮を出たらちゃんと伝えるから…それまでは黙っていて欲しいの。これから会食もあるし」
「シャルはこんな状況で会食に出れるの?」

「え…?だって、断れないし……」
「体調が悪くなったという理由で帰ってくれても構わないよ。あとは僕がなんとかするから」
ジェラルドは心配そうに言ってくれたが、私は首を横に振った。

王宮に招待されたのに、途中で帰ってしまうのは失礼なことだ。
しかも相手は王族なのだから尚更だろう。
それにこれ以上ロランには迷惑を掛けたく無いとも思っていた。

「大丈夫。気を遣ってくれてありがとう…」
何かと気に掛けてくれるジェラルドに向けて、にこっと小さく笑って答えた。


そんな時だった。
椅子の方からくぐもった声が響いて来たので、不意に視線を向けるとロランが目を覚ました様だった。
私は慌ててジェラルドの掌の中から指を引き抜いた。
そんな私の姿を見ていたジェラルドはどこか不満そうな顔を浮かべていて、離れようとしている私の方に顔を近づけて来た。

「今はまだ、僕達だけの秘密だね」
そう耳元で囁かれ、私はビクッと体を跳ね上げてしまう。
こんな時でさえも意地悪な態度を取るジェラルドにむっとしてしまい、私は軽く睨みつけていた。

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