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第一章
61.思いを伝える
今回の一件でアリエルは予定よりも早く、自国へと強制送還されることとなった。
アリエルの処分はイエーリス国に委ねられるそうだ。
セストはつい先日、王宮から追放したと知らせが入った。
その後どうなったかは知らないし、興味も無い。
これでジェラルがこの国を継承することは決まったも同然だろう。
私とロランは再び王宮を訪れていた。
ジェラルドに今の気持ちを伝えるために。
今私達がいるのは離宮にある応接間だ。
先程からジェラルドが来るのを、落ち着かない様子で待っている。
来る前まではあんなに意気込んでいたはずなのに、今は緊張し過ぎて顔はかなり強ばっているような気がする。
ジェラルドと会うのは、あの抱かれた日以来だ。
その事もあり、変に意識してしまう。
(上手く、伝えられるかな……)
「シャル、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫よ」
私が強気な声で答えると、ロランはふっと小さく笑った。
「な、なによ?」
「今のシャル、大丈夫って顔には見えないぞ」
「ロランは、平気なの?」
「俺も少し緊張してる。だけどシャルが傍にいてくれるから大丈夫だ」
ロランは優しく微笑むと、私の手に触れた。
ふわっと包まれるような温かさを感じて、固まっていた緊張が少しだけ解けていく様な気がした。
(私にはロランがいてくれる。だから大丈夫。ジェラルドだって素直に気持ちを伝えたら、きっと分かってくれるはずよ)
空気が少し和み始めた頃、ガチャッと奥の方で扉が開く音が響いた。
その音に反応するように、私達は視線を向ける。
「ごめん、待たせてしまったかな」
そこに現れたのは、普段の雰囲気そのままのジェラルドだった。
やっぱり私は過剰に緊張し過ぎていたのかもしれない。
ジェラルドの姿を見た時、そう感じた。
「俺達もさっき来たばかりだ。ジェラルド、今日は時間を作ってくれてありがとう」
「僕も二人とは一度ちゃんと話したいと思っていたんだ。だからちょうど良かったよ」
ジェラルドは私達と対面するようにソファーに腰掛けた。
そして向かい合った瞬間、視線が絡む。
私の鼓動はバクバクと再び鳴り始める。
「ふふっ、シャルは緊張しているの?顔が固まっているよ」
ジェラルドは私を見るなり、クスクスと笑っていた。
「ご、ごめんなさいっ!」
私は緊張のせいもあり、突然勢い良く謝ってしまう。
ジェラルドも、隣に座っているロランさえも私の声に驚いている様子だったが発言を続ける。
「私、ロランのことが好きなの。だからっ、ジェラルドの気持ちには応えられない」
「……うん」
私が思いを告げてから数秒後、ジェラルドは静かに呟く。
ジェラルドは表情を特に変えることなく、私に向けて優しく微笑んでいるように見えた。
想像もしていなかった態度に、私はきょとんと間抜けな顔をしてしまう。
「分かってる。シャルの気持ちはなんとなく気付いていたからね。こうなることも、どこかで予想していたよ」
「ジェラルドは、それでいいのか?」
ジェラルドは落ち着いた声で答えていた。
その態度にロランも少し動揺しているように見える。
「いいも何も、二人の気持ちが繋がっているのであれば、残念だけど僕に立ち入る隙はないだろうからね」
ジェラルドは本当にあっさりと認めているようだ。
私はまだ信じられないと言った顔で、ジェラルドをじっと見つめていた。
「僕からも一ついいかな」
「ああ」
「二人とは幼い時からの長い付き合いだ。だからこのまま嫌な思い出として締めくくりたくはない。僕の最後の我が儘だと思って聞いて欲しい。卒業するまで、今までの様に三人で仲良くして欲しい。ダメかな?」
「……いいの?」
ジェラルドはどこか寂しそうな顔で言った。
私は小さく口を開いた。
それは私も願っていたことだ。
卒業したらきっとジェラルドとは疎遠になってしまうかもしれない。
私だって良い思い出のまま締めくくりたいという思いは持っている。
「僕はそうしたいと思ってる。二人はどう?」
「俺はジェラルドがいいのなら構わない」
「わ、私も!」
「じゃあ決まりだね。これからもよろしく頼むよ」
ジェラルドはにっこりと嬉しそうに微笑んでいた。
私はほっとして、ゆっくりと表情が緩んでいく。
***
そして、今現在。
私達は以前のように三人一緒に行動することが多い。
変わった事と言えば、私の婚約者がロランになったことくらいだろう。
再び穏やかな時が戻り、最後の楽しい学園生活が送れると思っていた。
*********
作者より
こちらも暫くの間更新を止めてしまい申し訳ありません。
少しプロットを作り変えることにしました。
この作品は三角関係を題材としています。
後半も波乱があります。まだ3Pも出て来てないので後にそんな展開になります。
強引要素があったり、色々な人物の思いが絡まったりで、少しシリアスで複雑なストーリーになる予定です。
今回タグにハッピーエンドはいれていません。
3Pの場合なにが幸せなのか分からなくて、付けられませんでした。
ヤンデレも3Pだからタグを付けて良いのか迷い付けませんでした。
そもそも3Pって需要があるのか謎です(汗)
それでも読んでくださっている読者の方には感謝しています。
完結目指して執筆していくので、興味を持って頂けたら最後まで読んでくれたら嬉しい限りです。
アリエルの処分はイエーリス国に委ねられるそうだ。
セストはつい先日、王宮から追放したと知らせが入った。
その後どうなったかは知らないし、興味も無い。
これでジェラルがこの国を継承することは決まったも同然だろう。
私とロランは再び王宮を訪れていた。
ジェラルドに今の気持ちを伝えるために。
今私達がいるのは離宮にある応接間だ。
先程からジェラルドが来るのを、落ち着かない様子で待っている。
来る前まではあんなに意気込んでいたはずなのに、今は緊張し過ぎて顔はかなり強ばっているような気がする。
ジェラルドと会うのは、あの抱かれた日以来だ。
その事もあり、変に意識してしまう。
(上手く、伝えられるかな……)
「シャル、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫よ」
私が強気な声で答えると、ロランはふっと小さく笑った。
「な、なによ?」
「今のシャル、大丈夫って顔には見えないぞ」
「ロランは、平気なの?」
「俺も少し緊張してる。だけどシャルが傍にいてくれるから大丈夫だ」
ロランは優しく微笑むと、私の手に触れた。
ふわっと包まれるような温かさを感じて、固まっていた緊張が少しだけ解けていく様な気がした。
(私にはロランがいてくれる。だから大丈夫。ジェラルドだって素直に気持ちを伝えたら、きっと分かってくれるはずよ)
空気が少し和み始めた頃、ガチャッと奥の方で扉が開く音が響いた。
その音に反応するように、私達は視線を向ける。
「ごめん、待たせてしまったかな」
そこに現れたのは、普段の雰囲気そのままのジェラルドだった。
やっぱり私は過剰に緊張し過ぎていたのかもしれない。
ジェラルドの姿を見た時、そう感じた。
「俺達もさっき来たばかりだ。ジェラルド、今日は時間を作ってくれてありがとう」
「僕も二人とは一度ちゃんと話したいと思っていたんだ。だからちょうど良かったよ」
ジェラルドは私達と対面するようにソファーに腰掛けた。
そして向かい合った瞬間、視線が絡む。
私の鼓動はバクバクと再び鳴り始める。
「ふふっ、シャルは緊張しているの?顔が固まっているよ」
ジェラルドは私を見るなり、クスクスと笑っていた。
「ご、ごめんなさいっ!」
私は緊張のせいもあり、突然勢い良く謝ってしまう。
ジェラルドも、隣に座っているロランさえも私の声に驚いている様子だったが発言を続ける。
「私、ロランのことが好きなの。だからっ、ジェラルドの気持ちには応えられない」
「……うん」
私が思いを告げてから数秒後、ジェラルドは静かに呟く。
ジェラルドは表情を特に変えることなく、私に向けて優しく微笑んでいるように見えた。
想像もしていなかった態度に、私はきょとんと間抜けな顔をしてしまう。
「分かってる。シャルの気持ちはなんとなく気付いていたからね。こうなることも、どこかで予想していたよ」
「ジェラルドは、それでいいのか?」
ジェラルドは落ち着いた声で答えていた。
その態度にロランも少し動揺しているように見える。
「いいも何も、二人の気持ちが繋がっているのであれば、残念だけど僕に立ち入る隙はないだろうからね」
ジェラルドは本当にあっさりと認めているようだ。
私はまだ信じられないと言った顔で、ジェラルドをじっと見つめていた。
「僕からも一ついいかな」
「ああ」
「二人とは幼い時からの長い付き合いだ。だからこのまま嫌な思い出として締めくくりたくはない。僕の最後の我が儘だと思って聞いて欲しい。卒業するまで、今までの様に三人で仲良くして欲しい。ダメかな?」
「……いいの?」
ジェラルドはどこか寂しそうな顔で言った。
私は小さく口を開いた。
それは私も願っていたことだ。
卒業したらきっとジェラルドとは疎遠になってしまうかもしれない。
私だって良い思い出のまま締めくくりたいという思いは持っている。
「僕はそうしたいと思ってる。二人はどう?」
「俺はジェラルドがいいのなら構わない」
「わ、私も!」
「じゃあ決まりだね。これからもよろしく頼むよ」
ジェラルドはにっこりと嬉しそうに微笑んでいた。
私はほっとして、ゆっくりと表情が緩んでいく。
***
そして、今現在。
私達は以前のように三人一緒に行動することが多い。
変わった事と言えば、私の婚約者がロランになったことくらいだろう。
再び穏やかな時が戻り、最後の楽しい学園生活が送れると思っていた。
*********
作者より
こちらも暫くの間更新を止めてしまい申し訳ありません。
少しプロットを作り変えることにしました。
この作品は三角関係を題材としています。
後半も波乱があります。まだ3Pも出て来てないので後にそんな展開になります。
強引要素があったり、色々な人物の思いが絡まったりで、少しシリアスで複雑なストーリーになる予定です。
今回タグにハッピーエンドはいれていません。
3Pの場合なにが幸せなのか分からなくて、付けられませんでした。
ヤンデレも3Pだからタグを付けて良いのか迷い付けませんでした。
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それでも読んでくださっている読者の方には感謝しています。
完結目指して執筆していくので、興味を持って頂けたら最後まで読んでくれたら嬉しい限りです。
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