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第二章
65.嫉妬心
「悪い。今日は少し用事があるから、昼食は二人で食べてくれないか?」
「最近ロランは用事が多いんだな。まあ、僕は構わないけど。シャル、行こうか」
(今日もなの……?)
ロランが昼食を一緒に取らないことが、最近では目立つようになっていた。
私は不満そうな顔をつい浮かべてしまう。
「シャル、ごめんな」
「……ううん、いい」
ロランに申し訳なさそうな顔をされると、私は困ってしまう。
あんな顔を見せられたらそれ以上何も言えなくなる。
ルチアの事情を聞いてしまった以上、それを咎める事なんて私には出来なかった。
ロランは昔から無愛想なところはあるけど、些細なことに気付くし、困っていれば手を差し伸べてくれる。
私はそんなロランを好きになったのだから、責められるはずもなかった。
(こんなことになるのならルチアさんの話、聞かなければ良かったな)
あの後ロランは両親に資金援助の話を頼んで、上手く言ったと話していた。
それで解決するものだと私は思っていたが、ロランは毎日のようにルチアの話を聞きに行っている。
「埋め合わせってわけでは無いけど、最近シャルと過ごす時間が減っているから帰りに王都に寄って行こうか」
「え?……いいの?」
「ああ。暫くシャルに寂しい思いをさせてしまったからな。今日は楽しもう」
「うんっ!!」
先程の曇った表情は一瞬にして消え、私は嬉しそうに笑顔で答えた。
周りから見たら単純だと思われるかもしれないが、それだけ嬉しかった。
「シャル、良かったね。勿論僕は遠慮させて貰うよ。君達の邪魔をするのは忍びないからね」
「ジェラルド、悪いな」
「いや、いいよ。シャルが喜ぶなら僕も嬉しいし」
「それじゃあ、ちょっと行ってくるな」
そう言ってロランは先に教室から出て行った。
(久しぶりのロランとの王都デート楽しみね!どこに行こうか考えておこう……)
***
ジェラルドと二人で、カフェテラス席に座り昼食を取っていた。
私は終始笑顔でニコニコしていた。
「それにしても、シャルって本当に分かりやすいよな」
「え?」
「浮かれすぎ」
「……だって、嬉しいんだもん。しょうがないでしょ?」
ジェラルドは呆れた様に呟いた。
私は思わずむっとした顔で答えてしまう。
「まあ、そうだね。悲しそうな顔をされるよりは全然いいけどさ」
「……うん」
ロランの事は何も聞いてこないけど、きっとジェラルドは私の最近の態度に気付いているのだろう。
だけどルチアのことはロランから口止めされているので、ジェラルドにも相談することは出来ない。
「ロランと上手く行かなくなったら僕の所においで」
「え?」
ジェラルドは私の事を真直ぐに見つめ、不意にそんなことをサラリと告げた。
突然のことに驚いて、私は持っていたフォークを床に落としてしまう。
「あっ……」
「僕が新しいのを貰ってきてあげるから、シャルはそこで待っていて」
「いいよ、私が落としたんだし自分で取りに行くから」
私が椅子から立ち上がるととジェラルドも後を追うようにその場を立ち、私の席の後ろに回った。
そして私の両肩に手を軽く乗せると、そのまま下に押された。
「シャルはそのまま座っていて。僕が持ってくるよ」
「……っ、あ、ありがとう」
結局強引に座らされてしまい、私はジェラルドが戻ってくるまで待つことになった。
ぼーっとしながらテラス内に視線を巡らせていると、不意にロランの姿が目に入った。
その瞬間自然と笑顔になるが、直ぐ後ろにルチアの姿を見つけてしまい一瞬にして表情が固まった。
(なんで……)
ロランは私の視線には気付くこと無く、遠くの空いている席に座った。
そして隣にはルチアがいて、二人は楽しそうに何やら話をしているようだ。
その姿を見ていると次第に腹が立ってきた。
(あの子、元気そうじゃない。落ち込んでいるからロランが傍にいるんじゃなかったの?)
「最近ロランは用事が多いんだな。まあ、僕は構わないけど。シャル、行こうか」
(今日もなの……?)
ロランが昼食を一緒に取らないことが、最近では目立つようになっていた。
私は不満そうな顔をつい浮かべてしまう。
「シャル、ごめんな」
「……ううん、いい」
ロランに申し訳なさそうな顔をされると、私は困ってしまう。
あんな顔を見せられたらそれ以上何も言えなくなる。
ルチアの事情を聞いてしまった以上、それを咎める事なんて私には出来なかった。
ロランは昔から無愛想なところはあるけど、些細なことに気付くし、困っていれば手を差し伸べてくれる。
私はそんなロランを好きになったのだから、責められるはずもなかった。
(こんなことになるのならルチアさんの話、聞かなければ良かったな)
あの後ロランは両親に資金援助の話を頼んで、上手く言ったと話していた。
それで解決するものだと私は思っていたが、ロランは毎日のようにルチアの話を聞きに行っている。
「埋め合わせってわけでは無いけど、最近シャルと過ごす時間が減っているから帰りに王都に寄って行こうか」
「え?……いいの?」
「ああ。暫くシャルに寂しい思いをさせてしまったからな。今日は楽しもう」
「うんっ!!」
先程の曇った表情は一瞬にして消え、私は嬉しそうに笑顔で答えた。
周りから見たら単純だと思われるかもしれないが、それだけ嬉しかった。
「シャル、良かったね。勿論僕は遠慮させて貰うよ。君達の邪魔をするのは忍びないからね」
「ジェラルド、悪いな」
「いや、いいよ。シャルが喜ぶなら僕も嬉しいし」
「それじゃあ、ちょっと行ってくるな」
そう言ってロランは先に教室から出て行った。
(久しぶりのロランとの王都デート楽しみね!どこに行こうか考えておこう……)
***
ジェラルドと二人で、カフェテラス席に座り昼食を取っていた。
私は終始笑顔でニコニコしていた。
「それにしても、シャルって本当に分かりやすいよな」
「え?」
「浮かれすぎ」
「……だって、嬉しいんだもん。しょうがないでしょ?」
ジェラルドは呆れた様に呟いた。
私は思わずむっとした顔で答えてしまう。
「まあ、そうだね。悲しそうな顔をされるよりは全然いいけどさ」
「……うん」
ロランの事は何も聞いてこないけど、きっとジェラルドは私の最近の態度に気付いているのだろう。
だけどルチアのことはロランから口止めされているので、ジェラルドにも相談することは出来ない。
「ロランと上手く行かなくなったら僕の所においで」
「え?」
ジェラルドは私の事を真直ぐに見つめ、不意にそんなことをサラリと告げた。
突然のことに驚いて、私は持っていたフォークを床に落としてしまう。
「あっ……」
「僕が新しいのを貰ってきてあげるから、シャルはそこで待っていて」
「いいよ、私が落としたんだし自分で取りに行くから」
私が椅子から立ち上がるととジェラルドも後を追うようにその場を立ち、私の席の後ろに回った。
そして私の両肩に手を軽く乗せると、そのまま下に押された。
「シャルはそのまま座っていて。僕が持ってくるよ」
「……っ、あ、ありがとう」
結局強引に座らされてしまい、私はジェラルドが戻ってくるまで待つことになった。
ぼーっとしながらテラス内に視線を巡らせていると、不意にロランの姿が目に入った。
その瞬間自然と笑顔になるが、直ぐ後ろにルチアの姿を見つけてしまい一瞬にして表情が固まった。
(なんで……)
ロランは私の視線には気付くこと無く、遠くの空いている席に座った。
そして隣にはルチアがいて、二人は楽しそうに何やら話をしているようだ。
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