素直になれない令嬢は幼馴染の重すぎる愛から逃げられない?【R18】

Rila

文字の大きさ
65 / 72
第二章

65.嫉妬心

「悪い。今日は少し用事があるから、昼食は二人で食べてくれないか?」
「最近ロランは用事が多いんだな。まあ、僕は構わないけど。シャル、行こうか」

(今日もなの……?)

ロランが昼食を一緒に取らないことが、最近では目立つようになっていた。
私は不満そうな顔をつい浮かべてしまう。

「シャル、ごめんな」
「……ううん、いい」

ロランに申し訳なさそうな顔をされると、私は困ってしまう。
あんな顔を見せられたらそれ以上何も言えなくなる。

ルチアの事情を聞いてしまった以上、それを咎める事なんて私には出来なかった。
ロランは昔から無愛想なところはあるけど、些細なことに気付くし、困っていれば手を差し伸べてくれる。
私はそんなロランを好きになったのだから、責められるはずもなかった。

(こんなことになるのならルチアさんの話、聞かなければ良かったな)

あの後ロランは両親に資金援助の話を頼んで、上手く言ったと話していた。
それで解決するものだと私は思っていたが、ロランは毎日のようにルチアの話を聞きに行っている。

「埋め合わせってわけでは無いけど、最近シャルと過ごす時間が減っているから帰りに王都に寄って行こうか」
「え?……いいの?」

「ああ。暫くシャルに寂しい思いをさせてしまったからな。今日は楽しもう」
「うんっ!!」

先程の曇った表情は一瞬にして消え、私は嬉しそうに笑顔で答えた。
周りから見たら単純だと思われるかもしれないが、それだけ嬉しかった。

「シャル、良かったね。勿論僕は遠慮させて貰うよ。君達の邪魔をするのは忍びないからね」
「ジェラルド、悪いな」

「いや、いいよ。シャルが喜ぶなら僕も嬉しいし」
「それじゃあ、ちょっと行ってくるな」

そう言ってロランは先に教室から出て行った。

(久しぶりのロランとの王都デート楽しみね!どこに行こうか考えておこう……)


***


ジェラルドと二人で、カフェテラス席に座り昼食を取っていた。
私は終始笑顔でニコニコしていた。

「それにしても、シャルって本当に分かりやすいよな」
「え?」

「浮かれすぎ」
「……だって、嬉しいんだもん。しょうがないでしょ?」

ジェラルドは呆れた様に呟いた。
私は思わずむっとした顔で答えてしまう。

「まあ、そうだね。悲しそうな顔をされるよりは全然いいけどさ」
「……うん」

ロランの事は何も聞いてこないけど、きっとジェラルドは私の最近の態度に気付いているのだろう。
だけどルチアのことはロランから口止めされているので、ジェラルドにも相談することは出来ない。

「ロランと上手く行かなくなったら僕の所においで」
「え?」

ジェラルドは私の事を真直ぐに見つめ、不意にそんなことをサラリと告げた。
突然のことに驚いて、私は持っていたフォークを床に落としてしまう。

「あっ……」
「僕が新しいのを貰ってきてあげるから、シャルはそこで待っていて」

「いいよ、私が落としたんだし自分で取りに行くから」

私が椅子から立ち上がるととジェラルドも後を追うようにその場を立ち、私の席の後ろに回った。
そして私の両肩に手を軽く乗せると、そのまま下に押された。

「シャルはそのまま座っていて。僕が持ってくるよ」
「……っ、あ、ありがとう」

結局強引に座らされてしまい、私はジェラルドが戻ってくるまで待つことになった。
ぼーっとしながらテラス内に視線を巡らせていると、不意にロランの姿が目に入った。
その瞬間自然と笑顔になるが、直ぐ後ろにルチアの姿を見つけてしまい一瞬にして表情が固まった。

(なんで……)

ロランは私の視線には気付くこと無く、遠くの空いている席に座った。
そして隣にはルチアがいて、二人は楽しそうに何やら話をしているようだ。
その姿を見ていると次第に腹が立ってきた。

(あの子、元気そうじゃない。落ち込んでいるからロランが傍にいるんじゃなかったの?)
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

後宮入りしたら、冷酷な幼なじみ皇太子に囲われて逃げられません

由香
恋愛
幼い頃、ただ一人だけ優しかった少年。 けれど彼は――皇太子になっていた。 家の都合で後宮に入れられた私は、二度と会うはずのなかった幼なじみと再会する。 冷酷無慈悲と噂される彼は、なぜか私にだけ異常に甘くて―― 「他の男に触れるな。……昔から、お前は俺のものだろ」 囲われるように守られ、逃げ場を失う距離感。 けれど後宮は甘さだけじゃ生き残れない。 陰謀、嫉妬、命を狙う妃たち―― それでも彼は、私の手を離さない。 これは、後宮で“唯一の執着”に愛された少女の物語。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。