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第一部
9.体験入部
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「今日から体験でお世話になります、アリア・ルーシェです。よろしくお願いします」
私が挨拶をすると、パチパチと拍手する音が響いた。
私は今日から記者部で暫くお世話になることになった。
今日はその1日目。
初日と言う事もあり緊張していた。
「アリア嬢、来てくれてありがとう。ここでもよろしくね」
ライズは優しく微笑んで歓迎してくれた。
「ありがとうございますっ!!アリアさん、私は部長のシルヴィア・コーディーです。わからない事があったら何でも聞いてくださいね!」
シルヴィアは私の手をぎゅっと掴み少し興奮気味に挨拶をして来た。
「は…はい。よろしくおねがいしますっ…」
私は圧倒され少しオドオドしてしまった。
シルヴィア・コーディー
記者部の部長で4年生の伯爵令嬢
ハニーブラウンの髪に、瞳の色も同様。眼鏡っ子。
性格はまだわからないけど、ライズによると少し変わり者らしい。
どう変わり者なのかが気になる…。
「あの…他に部員は居ないんですか?」
「アリアさんのクラスにもう一人と4年生にもう一人かな」
もう少し人数がいるのかと思っていた。
だけどここまで少ないと人手不足というのは本当に深刻な問題なのだなと思ってしまう。
私が少しでも役立てることが出来たら良いんだけど…。
「元々は4年生が多かったんだよ。だけど4年生は卒業に向けて色々忙しい時期だから一気に抜けてしまったんだ。ちなみにクラスメイトのニコル嬢はシルヴィア部長の妹だよ」
「ああ、そうなんですね…」
「ニコルがいつもお世話になっています。今日はちょっと用事で来れないみたいだけどね」
私はニコルとはクラスは同じだけどほとんど喋ったことが無い。
たしか…あんまり目立たない感じの子だった様な気がする。
今度ちゃんと挨拶しよう。
「今日は初日だから、軽く記者部の説明をさせてもらうね。立って話すも何だし座りましょうか」
室内を見渡してみると壁の所には沢山のメモやら写真、そして過去の新聞の記事が貼られていた。
なんだか本当に記者ぽい感じがして関心してしまう。
私はソファーに座りながら手渡された冊子をぱらぱらとめくってみた。
何やら色々書いてあったけど、今は説明を聞くのを優先して後でゆっくり目を通すことにした。
「それでは説明始めるわね。記者部のする事は主に校内新聞を書く事よ。主に記事を書くのは私と妹のニコル。写真担当は4年生のセシル。そして取材担当がライズ殿下と、貴女にお願いしたいの」
「えっ…取材ですか…!?」
私は突然そんな大事な役割を与えられ慌てていると隣に座っているライズが「大丈夫だよ」と小さく声を掛けた。
「基本的に聞いてもらいたい事はメモに書いてあるし、取材を受ける側にも事前にどういう内容を聞きたいのか予め教えてあるからスムーズに進められると思うわ。二人にはそれを聞いて、その内容をメモしてきてもらいたいの」
「そう難しい事じゃないよ。記者部で作ってる新聞は堅苦しいものって言うよりは皆が知りたい噂話とかゴシップ系の記事も多く扱ってるからね。最近は学園ミステリーを扱った記事が大人気みたいだよ」
「学園ミステリーって…学園にまつわる怪奇現象的な…ホラーな感じのあれですか?」
「そうそう。もしかして、アリア嬢はそう言うのは苦手?」
「興味はあるけどちょっと怖いかも…」
「そうなのよっ!それなのよ。ちょっと怖いけど知りたいって思うのよね。最近は噂箱を作って生徒からの情報提供も受け付けてるの。だから沢山記事に出来ることがあるのよ、ふふふっ…」
興奮気味に話すシルヴィアに思わずビクッと体を震わせてしまった。
「ふふっ…僕もこういうの結構興味があるんだ。だから楽しませてもらってるよ」
「そうなんですね。意外なご趣味があるんですね」
ライズも楽しそうに笑っていた。
学園ミステリー系は正直怖いけど…
好奇心を掻き立てられる感じもわかる気がする。
「活動は週に3回程度ね。もし都合が悪ければ休んでくれても構わないのでその時は事前に連絡頂けると有難いわ。来週から早速始めたいと思うので、取材頑張ってね」
「はいっ、よろしくお願いします」
私が挨拶をすると、パチパチと拍手する音が響いた。
私は今日から記者部で暫くお世話になることになった。
今日はその1日目。
初日と言う事もあり緊張していた。
「アリア嬢、来てくれてありがとう。ここでもよろしくね」
ライズは優しく微笑んで歓迎してくれた。
「ありがとうございますっ!!アリアさん、私は部長のシルヴィア・コーディーです。わからない事があったら何でも聞いてくださいね!」
シルヴィアは私の手をぎゅっと掴み少し興奮気味に挨拶をして来た。
「は…はい。よろしくおねがいしますっ…」
私は圧倒され少しオドオドしてしまった。
シルヴィア・コーディー
記者部の部長で4年生の伯爵令嬢
ハニーブラウンの髪に、瞳の色も同様。眼鏡っ子。
性格はまだわからないけど、ライズによると少し変わり者らしい。
どう変わり者なのかが気になる…。
「あの…他に部員は居ないんですか?」
「アリアさんのクラスにもう一人と4年生にもう一人かな」
もう少し人数がいるのかと思っていた。
だけどここまで少ないと人手不足というのは本当に深刻な問題なのだなと思ってしまう。
私が少しでも役立てることが出来たら良いんだけど…。
「元々は4年生が多かったんだよ。だけど4年生は卒業に向けて色々忙しい時期だから一気に抜けてしまったんだ。ちなみにクラスメイトのニコル嬢はシルヴィア部長の妹だよ」
「ああ、そうなんですね…」
「ニコルがいつもお世話になっています。今日はちょっと用事で来れないみたいだけどね」
私はニコルとはクラスは同じだけどほとんど喋ったことが無い。
たしか…あんまり目立たない感じの子だった様な気がする。
今度ちゃんと挨拶しよう。
「今日は初日だから、軽く記者部の説明をさせてもらうね。立って話すも何だし座りましょうか」
室内を見渡してみると壁の所には沢山のメモやら写真、そして過去の新聞の記事が貼られていた。
なんだか本当に記者ぽい感じがして関心してしまう。
私はソファーに座りながら手渡された冊子をぱらぱらとめくってみた。
何やら色々書いてあったけど、今は説明を聞くのを優先して後でゆっくり目を通すことにした。
「それでは説明始めるわね。記者部のする事は主に校内新聞を書く事よ。主に記事を書くのは私と妹のニコル。写真担当は4年生のセシル。そして取材担当がライズ殿下と、貴女にお願いしたいの」
「えっ…取材ですか…!?」
私は突然そんな大事な役割を与えられ慌てていると隣に座っているライズが「大丈夫だよ」と小さく声を掛けた。
「基本的に聞いてもらいたい事はメモに書いてあるし、取材を受ける側にも事前にどういう内容を聞きたいのか予め教えてあるからスムーズに進められると思うわ。二人にはそれを聞いて、その内容をメモしてきてもらいたいの」
「そう難しい事じゃないよ。記者部で作ってる新聞は堅苦しいものって言うよりは皆が知りたい噂話とかゴシップ系の記事も多く扱ってるからね。最近は学園ミステリーを扱った記事が大人気みたいだよ」
「学園ミステリーって…学園にまつわる怪奇現象的な…ホラーな感じのあれですか?」
「そうそう。もしかして、アリア嬢はそう言うのは苦手?」
「興味はあるけどちょっと怖いかも…」
「そうなのよっ!それなのよ。ちょっと怖いけど知りたいって思うのよね。最近は噂箱を作って生徒からの情報提供も受け付けてるの。だから沢山記事に出来ることがあるのよ、ふふふっ…」
興奮気味に話すシルヴィアに思わずビクッと体を震わせてしまった。
「ふふっ…僕もこういうの結構興味があるんだ。だから楽しませてもらってるよ」
「そうなんですね。意外なご趣味があるんですね」
ライズも楽しそうに笑っていた。
学園ミステリー系は正直怖いけど…
好奇心を掻き立てられる感じもわかる気がする。
「活動は週に3回程度ね。もし都合が悪ければ休んでくれても構わないのでその時は事前に連絡頂けると有難いわ。来週から早速始めたいと思うので、取材頑張ってね」
「はいっ、よろしくお願いします」
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