異世界召喚で勇者に世界を救って貰いたい!

昆布海胆

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異世界召喚で勇者に世界を救って貰いたい!

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「国王!魔王軍がラザーニアの町まで…」
「ぬぅぅ…国民の避難は?!」
「約1割しか…」

ここは剣と魔法の異世界。
数百年前に異世界召喚で呼び出した勇者によって討伐された魔王が復活し人類と魔族は大きな戦乱の中にあった。
だがそもそも人間と魔族ではその力に大きな差があり人類は巨大な壁に包まれた王都アルスベニアを残して壊滅的打撃を受けていた。

「勇者様…どうか…」

王の娘リミットは神殿に籠り勇者召喚の魔方陣の前で祈りを捧げる。
世界を滅ぼそうとする魔族に対抗する勇者召喚が完了するまで王都の騎士達は城壁の門に近寄る魔物達を倒しながら叫ぶ!

「駆逐してやる!一匹残らず!」
「そのネタはやめろー!」

数十万の人間の死は勇者を召喚する生け贄には充分であった。
その世界を覗き見ている一人の女神は世界を救うため再び異世界召喚の力を使う!








俺の名前は武田信玄則次未琴 政宗光輝杏里重曹邪馬台国(たけだしんげんのりつぐみこと まさむねこうきあんりじゅうそうやまたいこく)世界一長い名前を持つ極々普通のニートだ。
この長すぎる名前のせいで面接を受けてもふざけてると思われてどこにも就職できていない。
仕方無いので株で一財産を稼ぎだした。
俺は普通に生きたいのに世界が俺を拒絶する。
だから俺はそんな世界に負けない人間に成長したのだ。

ある日、俺はコンビニに昼飯を買いに立ち寄った。
そこにはバイトで働いている高校時代の同級生『坂元』が居た。

「あれ?タマじゃん?!久し振り!」
「ん?坂元か?久し振りですね」

俺の長すぎる名前は友人の間で頭文字だけを取って『タマ』と呼ばれている。
これはこれで女子ウケが良かったので俺は気に入っていた。

「暖めますか?」
「あぁ頼む」

レジを通した弁当を暖めている間に坂元は色々な話を聞かせてくれた。
同級生が結婚して子供作っていたり様々な話だ。
そして、俺の現状に話が移ろうとした時にレンジのチンッて音が鳴り暖めが完了する。
坂元が振り返りレンジから弁当を取り出そうとレジ前を離れた時であった。

ブゥゥウウウン!ズガァァァアアアン!!!!

物凄い音と共に車が一台コンビニに突っ込んできたのだ。
車はレジ台にぶつかり衝撃で回転をしながら店内を滅茶苦茶にしていく。
幸い坂元はレジ前からレンジの在った奥へ行っておりその場で音に驚いて屈み込んで居たので無事だった。
だが…

「ひっひぇぇぇぇぇ!!!」

坂元がレジから慌てて外へ飛び出す。
突っ込んだ車が火を吹いたのだ。
このままでは爆発するのを察知し一人先に逃げ出したのだ。
そして、店から坂元が飛び出して数歩歩いた所で車が爆発をした。
コンビニのガラスは粉々にぶっ飛び更に重要な柱が折れたのかコンビニの天井は崩落し燃え上がる!

「あわ…あわわわわわ…」

坂元はその時に初めて先程まで話をして居た同級生の事を思いだす。
脳裏には彼が振り返った時に車が彼を目掛けて突っ込んできた瞬間が残っていた。
所詮人の力ではどうにもならない現実がそこにはあった。

「た…たまぁ!!!」
「驚きましたね」

坂元はその声に振り向く。
するとそこには武田信玄則次未琴 政宗光輝杏里重曹邪馬台国の姿があった。
あの瞬間、レジにぶつかりスピンして向かってきた車の開いていた助手席の窓の中へ飛び込み更に半回転した所で再び飛び出す事で巻き込まれるのを回避したのだ!

しかも、その手には坂元が驚いた拍子に飛んでいた弁当が在った。
車を回避し無事に着地を決めて飛ぶ弁当が寄らない様にゆっくりと回転を減速させ手にしていたのだ。

「おや、お箸がありませんね…」
「ははっ…なんか知らないが無事で良かったぜ」
「えぇ、お互いに」

その後簡単な事情聴取だけで解放される二人。
防犯カメラを見た人達は驚きに現実逃避をするのだがそれはまた別のお話で…



解放されて、弁当をとりあえず食べた俺は喉が乾いたので自販機でジュースを買うことにした。
丁度その時、自販機の後ろのビルでは屋上に設置された大型クレーンによる工事が行われていたのだが…
重量により突然の地盤沈下!
更に片側だけが落ちたために自販機目掛けて大型クレーンが高さ数十メートルの高さから落下してきていた。

「う~いお茶も良いけど証券美茶も捨てがたい…」

どっちを買うか悩んでいる俺目掛けて大型クレーンはビルの一部を巻き込みながら崩落してきた。
自身を巨大な影が包み咄嗟に上を見上げて数秒後に自分の上にそれが落ちてくるのを理解した俺は証券美茶を選んだ!

アスファルトを破壊しながら砂埃を巻き上げ自販機は見るも無惨な形に押し潰され瓦礫とクレーンの残骸にその場は完全に埋まってしまった。

「キャアアアアアァァァ!!!!」

その現場を目撃したOLは叫び声をあげた。
自販機が木っ端微塵に潰される位の重量が落ちた場所には男が一人居たのを見ていたからだ。
近くのコンビニに居た警官達はそれを目撃し直ぐにレスキューを読んだ。
そして、更に驚きに目を向く…

「すみません、ここ開けてもらえませんか?」

俺はクルーンの先端が地面に着いた衝撃で浮かび上がった近くに在ったマンホールの中へ飛び込んでいたのだ!
そして、次の出口である先程のコンビニの近くのマンホールから丁度そこに居た警察に助けを求める。
ここ最近毎日こうだ、俺の回りで事故が繰り返し起こってる。
全く怖い世の中だなぁ~






「なんでよ!なんでこいつ死なないのよ!」

女神は切れていた。
武田信玄則次未琴 政宗光輝杏里重曹邪馬台国を事故で殺して勇者として新しい命と体で記憶だけ持たせて転生させる筈がもう半月くらい失敗に終わっていたのだ。
そうしている間に異世界は魔王軍により支配され滅びの道を歩み始める…
これは一人の人間を殺そうと必死になる女神とそれをことごとく無傷で回避する男の物語…
彼の持つ魂のスキルは『回避能力(極)』と『運命変革』。
後に株で世界一の大富豪になる男であった…



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