異世界で音ゲー革命! 音楽ゲームが異世界に進出?!

昆布海胆

文字の大きさ
47 / 86

第47話 帰ったか分からない魔族とスパイ

しおりを挟む
突如飛び出してきたゴスロリ少女の投げキッスを思わずスウェーでロクドーは回避した。
その瞬間ゴスロリ少女の目が座った。

「「ゲッ?!」」

アイとマインが同時に声を発すると共に周囲の空気が変化する・・・
ズゥウウウウンっと耳鳴りが始まり周囲の空気が重くなる・・・

「アタイの投げキッスを避けるなんてダーリンってばおちゃめさん」

とゴスロリ少女は目が笑っていない状態で口にする。
それと共に直ぐ後ろに居たアイとマインが立っていられなくなり床にしゃがむ・・・

「ちょっと・・・マイ・・・あんたいきなり・・・」
「マイン無駄よ・・・切れてるわ」

2人が途切れ途切れに何かに耐えながら会話をする。
ロクドーにもそれは同じように襲い掛かっておりマイの正面で身動きを取らずに立っていた。

「でもほれこれで・・・ちゅっ」

再び放たれる投げキッス。
だがロクドーは再びそれを体を半回転させて避ける。

「ちょっ?!なんで動けるのよ?!」
「ん?・・・根性?」
「ふ、ふざけるんじゃないわよ!大人しく私の虜になって・・・」

そこまで口にしたマイにロクドーは真っ直ぐ歩いて近付く。
周囲に使われている魔法、それは重力を操る魔法であった。
マイはこれを使ってDDRのパネルを重くして反応させていたのだ。

「しかし、見事なものだけどちょっとおいたが過ぎるな」
「な・・・なんなのよあんた・・・」

今まで気に入った男は投げキッスに込められた魅了の魔法とこの重力魔法で虜にしていたのに、ロクドーにはそれが一切効かなかったのだ。
目の前まで近付いたロクドーはマイの顎に手を当ててクイッと上を向かせる。

「うううう・・・」

今にも泣き出しそうなマイにロクドーは顔を近づける・・・
キスをされる・・・そう感じたのかマイは目を瞑った。
だが・・・

ピチーン!!
「はうぁあっ?!」

マイのおでこに衝撃が走った。
目を開くとロクドーがデコピンをしていたのだ。

「悪いな、俺の事を気に入ってくれたのは嬉しいが自分勝手なヤツは嫌いなんだ」

そう言ってマイの横を素通りしてへたり込んでいるアイとマインの元へ近付きロクドーは手を差し伸べた。

「大丈夫か二人共?」
「なんで・・・あんた普通に動けるのよ?!」
「身体強化の魔法を使っているわけでもないし・・・どうなってるの?」

2人はマイの重力魔法が魔界でも強者しか抵抗出来ない程強いと言うのは知っている。
だがそれは飽く迄抵抗出来ると言う話である。
今のロクドーはまるでそんな物は無かったかのように気にせずに普通に動いていたのだ。

「んー、確かに動きにくくなった感じはあったけどそれだけだろ?」
「「んなわけあるか?!」」

そう突っ込みを入れつつもロクドーの手を借りて立ち上がったアイとマインはジト目を向けつつ溜め息を大きく吐く。
だが二人共知らないのだ。
音ゲーをプレイする事でこの国の住人の殆どがとてつもない魔力を持つレベルにまで達しておりマイの重力魔法の中でも抵抗するくらいは誰でも出来るのであった。
それ即ち、このコンマイ国の住人の殆どが魔物の強者レベルの魔力を持っていると言う事でもあった。

「あ、あんたなんか嫌いだー!!!帰るよ二人共!!!!」

突如そう叫んでマイは二人の手を取って外へと走り出す。
そんなマイにロクドーは告げた。

「マイって言ったな?とりあえず建物に被害を出さないように範囲を絞った重力魔法だったのには感謝しておくよ」
「うるさい馬鹿!」

そう言って3人は町の中へと姿を消した。
その後に続くようにロクドーも建物を後にする・・・
次々と襲い掛かってきた様々なイベントをこなし一段落した事に安堵しつつロクドーは暫くのんびりと過ごせると良いなと期待しつつ自宅の元奴隷商の建物へと足を向けるのであった。







一方その頃。

「こちらメル、やばいぞこの国・・・特にあの音ゲーってのは凄すぎる」
『それほどか?』
「あぁ、今まで聞いた事も考えた事もない歌が沢山在った」
『ならば我々がその国の住人を支配してその歌をマスターせねばならぬな』
「だがこの国の住人の魔力は異常だぞ?とても適わない」
『焦るな、我々には歌が在る。このガムの歌唱力が在れば何も出来ないさ』
「なんにしても俺は面が結構割れてしまったから今後は普通にこの国の住人として溶け込んでおくよ」
『了解した。こちらから攻め込む前には連絡をする。予定では3日後には動けるからそのつもりで居てくれ』
「分かった。我がガム国のメロディー様に勝利を」
『メロディー様に勝利を』

薄暗い部屋の中で糸電話の様な物を使って誰かと会話をしていた男メル。
彼は歌を武器に他国を支配するガム国のスパイであった。
この国の音楽を使った娯楽である音ゲーの噂を聞きつけ、歌を武器にするガム国はメルを潜入させていた。
偶然にも彼が潜入した数日後にDDRのパフォーマンスイベントが開催されそこで初弐寺プレイヤーとして周囲に認識されてしまったのである。
歌だけでなく楽器すらも武器とするメルだからこそ初見プレイで弐寺の☆6をクリアする事が出来たのであった。

「3日後に祖国を出発するとすれば到着は1週間後か・・・」

それまでは他の音ゲーも触っておこうと本当にスパイなのか分からない程、実は音ゲーにどっぷりハマッているメルは一番音ゲーが豊富に設置されていると言うマスターの店へ向かう・・・
ロクドーの知らないところで次ぎなる敵の手が伸びているのであった。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...