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第99話 デーモン国の女王
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時は少しだけ巻戻る。
ローザが禁呪『ヌガザル』を使用した直後、その体から飛び散った光の粒子が生者死者問わずその体に飛び込んでいく。
それはローザの全生命力と全魔力を用いて作りだされた奇跡の光。
その効果は彼女が仲間だと意識している者に対してはHPを全回復させ、効果範囲内にいる全てのこの場で死んだと認識されている死者を全て蘇生させる事が出来る。
これにより蘇った39体のデヌピサロ、その全ての3つの目が目の前に立ちはだかる臨戦態勢のハナとアイリスから外れていた。
それにより、今か今かとタイミングを見計らっていた二人は互いの視線を見合わせ首をかしげた。
悪夢の様な状況の中、起死回生の一手がまさか更なるピンチを招いた筈、だっただが・・・
「ダーリン! 本当に・・・生き返ったのねダーリン!」
「えっと・・・俺は一体・・・うぉっ」
「愛してるのダーリン♡今すぐ挿れて!もう一生離れないから!」
39体のデヌピサロの117個の目が注視していたその先では、魔王バラモヌが生き返ったカヌダタに感涙しながら抱きついていた。
シリアスな空気はバラモヌの甘えた声で一変し、周りの目を全く気にした様子もなく逆レイプの様に襲い掛かるバラモヌ。
前戯なんて不要と言わんばかりに、状況が分からず混乱したままのカヌダタの男根が上から座る様にバラモヌの中へ飲み込まれた!
「ほおぉっ♡ ぴっ♡♡ おにゃかゴリゴリっていってりゅ~♡♡♡」
「うっし、締まっ・・・」
状況が飲み込めないままのカヌダタであるが、股間の男根は状況を理解しているのか元気にそそり勃っており、嬉々としてそれを受け入れたバラモヌの妖艶な快楽を堪能する表情がデヌピサロの目に止まったのだ。
甘え肉欲の虜となったバラモヌの見た事も無い姿、聞いた事も無い声・・・
デヌピサロにとっても衝撃的な光景であったに違いない。
そして、そんなバラモヌに逆レイプされたカヌダタが反撃を開始した!
「舐めん・・・なぁ!!」
「ほ♡ ピュッ!!?」バゴぉ!!
「オラァ!!!」
「お”ごッ!! ほげっ!! オ”・・・♡ お”お”ッ・・・♡♡ はヒィっ・・・♡♡♡」バン!バン!バン!バン!
だが今まで何百という女とSEXを繰り返してきたカヌダタ、目の前の相手が誰だか分からないままであるが優位に立たれているのが気に入らなった。
彼は気付かない、今までした事のない念願の全力のフル勃起状態SEXが今、正に可能となっている事に・・・
腰と腰がぶつかる激しい卑猥な音が響くが、本人達は周りの事など勿論気にも止めていない。
露出青姦が野生の常識と言わんばかりの性の衝動がまき散らされた!
「ほぎょっ!!♡ ンピィ!!♡♡ ンほぽオ”!!!♡♡♡」ぶっちゅん!バスッ!バスッ!
「中々良い声で鳴くじゃねぇか!おらぁ!!」
奇声を発しながら涙も鼻水も涎も垂れ流しとなっているバラモヌ、だが今魔王は幸せの絶頂の中にいた。
今まで感じた事の無い愛という不確かなモノを感じているのではない、ただただ本能的に求めて願い焦がれた相手に一方的に犯されるという幸せ。
しかも一度は死に別れ、永遠に叶わないと考えた願いが成就したのだからそれも仕方ないだろう。
魔物を統べる魔王という立場に居て、性別は雄として生まれたバラモヌが感じているその感情はまさしく『男の娘』が快楽に堕ちているようであった。
「・・・・・・・・・」
そして、それを見つめたまま視線が離せない39体のデヌピサロ達・・・
その異様な様子にハナとアイリスも手が出せずに居たのだが・・・
「ウゴゴ・・・ なぁ・・・人間・・・」
1体のデヌピサロが上の口を開き言葉を話してきた。
視線はバラモヌとカヌダタのSEXを凝視したままであるが、その言葉は対峙したハナとアイリスに向けての物である。
今まで奇怪な呻き声しか発していなかったデヌピサロから、まさかの人間に理解できる言語が出てくるとは思いもしなかった二人は聞き間違えかと耳を疑った。
だがデヌピサロから続けて出たセリフに聞き間違えではないと理解させられる。
「アレは・・・あの行為はそれ程良いモノなのか?」
予想外すぎるその言葉、そもそもこの形態に進化してから初めて話した内容がそれなのだ。
そして、それが示す内容は二人も良く知る愛し合う者同士が行なう営み。
特に自分達にとってはレベリングと言う名目で何度も何度も体験した行為である。
言葉に詰まるアイリス、だがハナはチラリとバラモヌとカヌダタの方を見て頷く。
「えぇ・・・愛する者同士の性行為に勝るモノは無いわよ」
そう、ハナはレベルが1状態のユウキとのSEXこそが最高に幸せなのを良く知っている。
何度中に出されても意識を飛ばす事無く、互いに互いを無我夢中で求め愛し合う本能のみが支配するSEX。
その時間こそが彼女にとって至福の時、ローザや他数名しかしらない彼女とユウキだけの愛の営み。
そして、ハナのその言葉にデヌピサロの凶悪な表情が初めて崩れた。
「そう・・・か・・・」
その瞳から一筋の涙がこぼれ落ち、それが音を立てて地面に転がった。
それは、赤い宝石・・・ルビーであった。
そして、その涙を切っ掛けに、デヌピサロのその体から強烈な光が広がった!
「きゃっ」
「うっ・・・」
突然の輝き、それも続けて他のデヌピサロ達も同じように光に包まれ、その眩しさにハナとアイリスは目を閉じた。
飛散する魔力、デヌピサロの体液ではない何かが周囲に飛び散った。
波の様な波とは違う波紋が広がる様な音が響き、それが収まって二人がゆっくりと目を開くとそこには・・・
「えっ・・・そ、その耳・・・」
「なんで・・・」
二人が絶句するのも無理はないだろう、目を開いた二人の前に居たのは39人の裸の女性、だがその全員がローザと同じ尖った耳をしていたのだ。
そう、知識では知っているエルフと言うこの世界ではローザ以外には存在しない種族であったからだ。
「そして・・・こうか?」
デヌピサロだと思われるその人物は何かを考えながら自らの股に手をかざす。
すると驚く事に、そこから男性器がムクムクッと勃起した状態で生えてきた。
最早一体何が起こっているのか理解に苦しむ二人はその光景をただただ眺める事しか出来なかった。
「いくぞ」
「はぁっ! んっ・・・すごっ奥にィ!」
突然1体のデヌピサロが立ったままの状態で、別のデヌピサロに後ろから挿入された。
明らかに不自然な角度で行われた挿入、自由自在に肉体を操作できるからなのか分からない、だが目の前のデヌピサロの膣内に前戯も何も行っていないにも関わらず、別のデヌピサロの男性器が間違いなく挿入されたのだ。
「んんんっ・・・」
「ほっごおおっ!!」ドブンッ!
突然挿入されていたデヌピサロが表情を崩した。
その腹部が急激に膨らみ、中に挿入されている肉棒のシルエットが腹に浮かび上がる。
肉眼で確認できるほどの膣内で突然の肥大化、それが予想外だったのか挿入された衝撃で白目を向いて喘ぐデヌピサロ。
突然始まった性行為、それを確認した他のデヌピサロ達も各々行為をし始めた。
「はっ! ん”ひっ! あっ!」
「ふあっ! ッあ ん”! ッッああぁ!」
「ひんっ! あはっ! はぁんっ!」
その喘ぎ声は女そのもの、デヌピサロはバラモヌの喘ぎを聞き、そう感じて声を出す体となったのだ。
だがどこか棒読みな感じも見受けられ、気持ち良くて出ている喘ぎでは無く、どこか機械的な声である。
だが挿入している側のデヌピサロも何故か同じように女声、その理由は・・・
「あひ・・・っ」
そう、デヌピサロは全部で39体・・・
つまり誰かが誰かに挿入し、1対1でSEXを行なったら1体余るのだ。
そうした結果、挿入している側のデヌピサロに更に別のデヌピサロが挿入したのだ!
「ん”あっ ひんっ 」
「ふはァ アッアッ」
「ひあぁっ あぉお ふぁっ」
ふたなり同士の3P・・・
1体がそのプレイを始めた途端、他のデヌピサロ達も挿入されながら別のデヌピサロに挿入したりし出す。
最早カオスそのもの、一体どうしたらいいのか困惑するハナとアイリスであるが・・・
「と、とりあえず時間稼ぎは出来そう・・・よね?」
「結果、オーライ・・・なんですかね?」
互いに見合わせながらどうしてこうなっているのか理解できない二人。
ただ目の前の同じ肉体の膣内に自身の肉棒を挿入しているだけの様な不気味な乱交を見詰める二人・・・
そんな中・・・
「はおおおお?! おっぎィっでぇぇ!!」
「だめェ! ざげぢゃ・・・っ?! お”お”お”お”!!?」
「ふごぉ!!? んごっ?!!」
それを見て二人は目を疑った。
1体のデヌピサロの前と後ろの両穴に男性器が挿入されていたのだ。
文字通り2本挿しと言うやつである、結合部からは次々と射精された精液らしき液体が逆流しあふれ出る。
ユウキ1人では再現できないサンドイッチファックに目を奪われるハナとアイリス・・・
どんどんと激しさを増していくデヌピサロ達の乱交、そしてそんなカオスな光景を気にもせずに幾度も中出しを繰り返し延々とSEXし続けるバラモヌとカヌダタ・・・
「す・・・すごいわね・・・」
「うん・・・」ゴクリ
その光景を眺める事しか出来ない二人、そんなただ立ち尽くしているだけの二人とは違いキチンと仕事をしている者がいた。
そう、緑髪メイドである。
ユウキが青髪メイドと松葉崩しの体位で必死に小さくなったあそこが抜けないように繋がった状態を維持している、それを補助していた緑髪メイドは周囲の生き返った魔物達が邪魔をしてこないか、バラモヌが何か行動を起こさないか、そう言った事に警戒しながら彼女は一人デヌピサロの乱交を見ないようにしていたのだ。
「よし、そろそろですね・・・」
もしも生き返った39体のデヌピサロとの戦いが始まって世界樹の葉をローザに使用するタイミングを逃したら困る、そう思い彼女はスキル『ぬすむ』を使用しアイリスの手から世界樹の葉を回収していたのだ。
15分と言うタイムリミットを過ぎてしまえばローザは生き返れない、彼女のその気配りが幸いした。
事実、二人はあまりにも予想外過ぎる展開にその事を忘れていたのだから・・・
そして、そのままローザの変わり果てた塵の上にそれをソッと置いた。
その瞬間、空に光の柱が生まれ世界樹の葉が置かれた塵に注がれた。
置かれた世界樹の葉が消滅し、光の中でローザの肉体が再生を始めた。
シルエットが裸のローザを浮かび上がらせ、何処からともなく衣類までも復元され生き返ったローザ。
まるで魔法少女が変身するかのようなシルエットでもしかしたら狙っているのかもしれない。
そして、光の中から出たローザは予想外すぎる光景に目を丸くして固まる・・・
「えっと・・・どういう状況なのかしら?」
困惑して訪ねてきたローザ、だがハナもアイリスも返答に困っていた。
一体どうしてこうなっているのか二人にも分からないからだ。
そして、徐々にデヌピサロ達の喘ぎ声が機械的なモノから生々しい声に変化をし始めていた。
演技だったが本当に感じ始めているのだと言われれば納得しそうなくらい・・・
「あンっ!あァん♡ あ・・・ァ・・・ アァァアァ♡♡」
「あぁん♡ お願いですぅなんでもしますからやさしくしてぇ・・・♡♡」
「あ”ッ♡ あひぃっ♡ あ”ェ♡」
そのセリフ内容にも変化が見られ、演じているのかは分からないがデヌピサロ達はその行為を満喫しているのが見てわかる様になっていた。
幾度も膣内に出し、幾度も膣内に出され、ドロドロのグチャグチャになっているにも関わらずその光景は美しい・・・
デヌピサロ達が美女の姿となっているからそう見えるのかもしれない・・・
事実、先程までの最終形態で乱交を始めたのではなくて本当に良かったと第3者が見たら思うに違いないだろう・・・
それらが誰なのか分からず、現状が理解できない・・・
そんな光景に立ち尽くしていたローザであるが、その背後に近づく者が居た。
そのままローザの背後に抱き着き驚くローザ!
だがそれも仕方ないだろう、殺意どころか敵意すらも全く無かったので認識できなかったのだから。
「ローザ♡ よかった生き返ったのね~♡」
「えっ?ば、バラモヌ?!」
それは魔王バラモヌであった。
バックからカヌダタに挿入され、四つん這いの姿勢のままここまでやって来たのだ。
その表情は幸せの絶頂に居る堕ちた女その物、これが世界を脅かした魔王と言われても誰も納得しないだろう。
しかも命懸けで愛しの男を蘇らせてくれたエルフと言う同族が相手なのだ。
フレンドリーになっても仕方が無いのかもしれない・・・
「うぉっまた出る!」
「あぁん♡ ダーリン愛してるぅ~♡ あはぁぁぁ~~中に熱っついのが~♡♡」
予想外のバラモヌのセリフ、それに驚くローザを放置して目の前で膣内射精を決めるカヌダタ。
直ぐ近くに3人の美女が居るにも関わらずバラモヌの膣内に射精する事しか考えていない様子のカヌダタも幸せの絶頂に居るのだろう。
男の放心した顔は愛する者以外が見たら間抜けにしか見えないのは言うまでもない。
「えっと・・・」
そして、ローザが視線を移すとそこにはユウキが今なお必死に青髪メイドと頑張っていた。
松葉崩しの体位で今なお必死に抜けない様に頑張っているのだが、それを補助するように他の女性達がユウキを刺激していた。
乳首もお尻も誰かに舐められ、唇も耳も首筋も誰かにキスやペロペロされているユウキの姿・・・
更にはその近くでは生き返った愛する相手とSEXしているダノンとレイラ、ゼロとセリシア。
「あ”ァァアアンッ♡ オチンボォ♡ ずごいのォ~~♡♡」
「おマンゴとゲツ穴ごわれぢゃうぅぅっ!!♡♡」
「いいよ!! 射精してーーッ!!!♡♡♡」
背後から聞こえるデヌピサロ達の喘ぎ声・・・
「あ”あ”っ♡ あ”お”っ♡ また・・・沢山中に♡♡」
目の前で喘ぐバラモヌの喘ぎ声・・・
状況がカオス過ぎて理解できないローザは近くに頭を抱えているアイリスが座り込んでいるのにその時気が付いた。
その横にはハナも立っており、ユウキと青髪メイドのSEXに嫉妬しているのか親指の爪を噛んでいた。
とりあえず状況がまだ分かってそうなアイリスに声を掛けるローザ・・・
「えっと、アイリス?どういう状況か説明してもらえないかしら・・・」
「えぇ、ローザお帰りなさい。えっとね・・・そこで乱交しているのがデヌピサロ達で・・・」
そこまで話したシズの言葉を遮る様に愛する男の声が聞こえた。
「で、出そうだ!は、ハナ!そこはっ?!」
視線をやると、今さっきまで直ぐ横に居た筈のハナがユウキのお尻にその顔をうずめていた。
愛しているからできる行為とも言えるだろう、さっきの爪を噛む仕草はユウキのお尻を舐めていた別の者に対する嫉妬だったのかもしれない。
「~~~~~~~っ♡♡♡♡」
青髪メイドがその表情を高揚させ、快感に打ちひしがれていた。
今まさに中に射精されているのだろう、小さくなってもSEX出来て一応は一安心である。
「あエあヘあ♡ あはぁあぁ♡ ンオ”オ”オ”オ”オ”ツォ♡♡♡」
遅れてやって来るその絶頂による喘ぎ声が何よりの証拠だと誰もが知っている。
青髪メイドも所持しているスキル『不屈』の効果により意識を飛ばさずにそのまま抜かずユウキとのSEXは続く。
呆然と立ち尽くしているトーマスがログアウトしない様に抜くわけにはいかないのだ。
青髪メイドの感じ方から今のが1回目の膣内射精だと理解したローザは残り2回をどうするか思考を巡らせる。
現状腰を動かせないユウキをなんとか後2回射精させないと駄目なのだ。
「んごお”お”お”ッ♡♡ んおおいいぃ♡ ぎもぢいいよぉ~~♡♡ ひぃ~~はひぃ~~~♡♡」
青髪メイドの脳に意識を失う程の快楽の濁流が流れているのを確認し、ローザは現状を理解する事に意識をやっていたのに気付き、慌ててスキル『おもいだす』を使用した。
死んでユニークスキル『全能の英知』で調べた事を思い出さなければならないからだ。
ユウキの今の状態異常『ちいさい』を何とか解除しなければならない、青髪メイドをログアウトさせるのを回避するだけでは無く、今後の自分達の幸せな性生活の為と考えるが、何故かそれどころではない感覚がローザを支配していたのだ。
そして、目を閉じてスキル『おもいだす』で復元された記憶を読み取ったローザは小さく口を開いた・・・
「うそ・・・でしょ・・・」
そんな困惑なローザの呟きはデヌピサロ達の喘ぎ声で塗りつぶされる。
「あッ♡♡ ああああああッ♡♡♡」
「ンへえええッ♡♡♡」
「ンあああああ♡♡ぞれいい”お”お”お”♡♡♡」
あちこちから聞こえる絶頂の喘ぎ声、繰り返される性行為の数々・・・
その中でローザは一人深刻な表情のままアイリスの顔を見て告げた。
「不味いわ、このままじゃ・・・世界が終わる!」
「えっ?」
その言葉と共にユウキの2回目の中出しが行われたのか、青髪メイドの喘ぎが一層強く響く・・・
「あ”ッ・・・お”ぉ・・・くおっんお”があお”お”お”ォ♡♡♡ がフッ♡ あおあああ”ぁ”あ”ァ!!!」
そんな青髪メイドの絶頂声を無視し、アイリスは焦った様子で尋ねる。
「世界が終わる?一体どういう・・・もしかしてあのデヌピサロ達のせい?」
「いいえ、あれは・・・」
そう言い、ユウキの耳の中に舌を入れていたシズの方へ視線をやったローザ。
その視線に気付いたのか、シズは微笑みながらこちらへやってきた。
そして、ローザがデヌピサロ達に視線をやり悟った様な表情をシズに向ける。
「ローザ様、お分かりになられたようですね?」
「えぇ、でもこれは流石に予定外だったわ」
アイリスはローザの言葉からデヌピサロ達があぁなったのはシズが原因だと悟った。
一体どういう事なのかシズを見詰める・・・
「アイリスさん、デヌピサロ達のアレは私のユニークスキルでなったのですよ」
「そう、流石ね・・・シズ」
ローザがそう口にし、シズの背後に視線をやるとそこに彼女が居た。
虚ろな瞳のままシズのそばに立つリン、意識が無いわけでは無く朦朧としている様子である。。
そしてシズはいつの間にか戦闘服ではなく、初めてユウキと出会った頃と同じメイド服を着ており、その表情にハナとアイリスも違和感を覚えた。
「やはりですか、全てを知ってしまったのですね?」
「えぇ・・・」
「ローザ様、一体これはどういう事ですか?!」
アイリスが焦った様に口にした言葉。
それも仕方ないだろう、周囲に居たアリアハノの面々だけでなく、生き返った魔物達までもいつの間にか虚ろな瞳のままその場に立ち尽くしていたのだから・・・
周囲で乱交を行っているデヌピサロ達、バラモヌとカヌダタ、そして青髪メイドからおちんちんが抜けないように必死で股間を押しつけている2名以外はいつの間にかおかしくなっていたのだ。
「作戦の最後でシズが使った『ジゴヌパーク』、それと共にシズはもう一つユニークスキルを使用していたのよ」
「シズの・・・ユニークスキル・・・!?」
ユニークスキル、それはこの世界の者が1人1つずつ持つその者だけが使えるオリジナルのスキル。
ハナの『アロマヒーリング』やローザの『全能の英知』と同じく、シズも過去にそれを話していた。
「彼女は『ジゴヌパーク』に自身のスキル『精神汚染』を乗せて使用していたのよ」
「精神・・・汚染・・・」
対象の精神状態を変化させるスキル、そう彼女は過去にローザに語っていた。
事実、対象の精神状態を変化させる効果でデヌピサロ達は淫欲に溺れ果てている状態となっている。
バラモヌとカヌダタの性行為を見て自身の肉体を変化させてまで乱交を始めたのはシズが原因だったのだ。
しかし、そのスキルの本来の効果はそれだけではなかった・・・
「この場に居る全員に使ったのね?」
「はい、そうですよ・・・そして、ローザは知ってしまったのでしょ?」
「えぇ、まさか私までやられていたとはね」
そう見つめあうローザとシズ、彼女達はユウキが来る前は互いに想い合う恋人同士で肉体関係にあったのは周知の事実であった。
しかし、実はそれすらもシズの『精神汚染』によって作られた架空の事実。
乱交で絶叫するかのように肉欲に溺れ喘ぐデヌピサロの声が木霊する中、ローザの口から告げられた事実・・・
「スキル『精神汚染』その正体は他者を洗脳するスキル、そうでしょ?消えた筈のデーモン国の女王シズ!」
「フフフッ・・・」
不敵な笑みを浮かべ、チラリとユウキの方へ視線を送るシズ・・・彼女にとっても今は一刻を争う事態なのだろう。
慣れ親しんだ筈の彼女が見せた事の無い表情で、目でローザにユウキに手を貸してやれと合図を送る。
そう、ローザが一度死んでまで得たかった情報はユウキ掛かった『ちいさい』という状態異常を何とかする為である。
そして、シズにとってもユウキのあそこが小さいままでは困るのは事実、その理由が・・・
「ほらっローザはもう知ってしまったのでしょ?早くしないと・・・」
シズが煽る様に口にしたその言葉は二人以外にはデヌピサロの喘ぎにかき消され届かなかった。
しかし、その話を聞いたハナとアイリスは焦りを覚え・・・
「ローザ様!一体何をすればいいのですか?!」
「急ぎましょう!」
全てがシズの掌の上、そう考えてしまうのも仕方ないだろう・・・
今こうしている状況すらもシズのスキルに操られている可能性があるのだから・・・
そう・・・
『早くしないと、トーマスが元の世界に戻るとこの世界の管理者は居なくなりますよ?トーマスが戻ってあっちの世界が終わると共にこの世界の終焉が始まるのはもう知ってるのでしょ?』
シズのその言葉が事実だとローザは知ってしまったのだから・・・
ローザが禁呪『ヌガザル』を使用した直後、その体から飛び散った光の粒子が生者死者問わずその体に飛び込んでいく。
それはローザの全生命力と全魔力を用いて作りだされた奇跡の光。
その効果は彼女が仲間だと意識している者に対してはHPを全回復させ、効果範囲内にいる全てのこの場で死んだと認識されている死者を全て蘇生させる事が出来る。
これにより蘇った39体のデヌピサロ、その全ての3つの目が目の前に立ちはだかる臨戦態勢のハナとアイリスから外れていた。
それにより、今か今かとタイミングを見計らっていた二人は互いの視線を見合わせ首をかしげた。
悪夢の様な状況の中、起死回生の一手がまさか更なるピンチを招いた筈、だっただが・・・
「ダーリン! 本当に・・・生き返ったのねダーリン!」
「えっと・・・俺は一体・・・うぉっ」
「愛してるのダーリン♡今すぐ挿れて!もう一生離れないから!」
39体のデヌピサロの117個の目が注視していたその先では、魔王バラモヌが生き返ったカヌダタに感涙しながら抱きついていた。
シリアスな空気はバラモヌの甘えた声で一変し、周りの目を全く気にした様子もなく逆レイプの様に襲い掛かるバラモヌ。
前戯なんて不要と言わんばかりに、状況が分からず混乱したままのカヌダタの男根が上から座る様にバラモヌの中へ飲み込まれた!
「ほおぉっ♡ ぴっ♡♡ おにゃかゴリゴリっていってりゅ~♡♡♡」
「うっし、締まっ・・・」
状況が飲み込めないままのカヌダタであるが、股間の男根は状況を理解しているのか元気にそそり勃っており、嬉々としてそれを受け入れたバラモヌの妖艶な快楽を堪能する表情がデヌピサロの目に止まったのだ。
甘え肉欲の虜となったバラモヌの見た事も無い姿、聞いた事も無い声・・・
デヌピサロにとっても衝撃的な光景であったに違いない。
そして、そんなバラモヌに逆レイプされたカヌダタが反撃を開始した!
「舐めん・・・なぁ!!」
「ほ♡ ピュッ!!?」バゴぉ!!
「オラァ!!!」
「お”ごッ!! ほげっ!! オ”・・・♡ お”お”ッ・・・♡♡ はヒィっ・・・♡♡♡」バン!バン!バン!バン!
だが今まで何百という女とSEXを繰り返してきたカヌダタ、目の前の相手が誰だか分からないままであるが優位に立たれているのが気に入らなった。
彼は気付かない、今までした事のない念願の全力のフル勃起状態SEXが今、正に可能となっている事に・・・
腰と腰がぶつかる激しい卑猥な音が響くが、本人達は周りの事など勿論気にも止めていない。
露出青姦が野生の常識と言わんばかりの性の衝動がまき散らされた!
「ほぎょっ!!♡ ンピィ!!♡♡ ンほぽオ”!!!♡♡♡」ぶっちゅん!バスッ!バスッ!
「中々良い声で鳴くじゃねぇか!おらぁ!!」
奇声を発しながら涙も鼻水も涎も垂れ流しとなっているバラモヌ、だが今魔王は幸せの絶頂の中にいた。
今まで感じた事の無い愛という不確かなモノを感じているのではない、ただただ本能的に求めて願い焦がれた相手に一方的に犯されるという幸せ。
しかも一度は死に別れ、永遠に叶わないと考えた願いが成就したのだからそれも仕方ないだろう。
魔物を統べる魔王という立場に居て、性別は雄として生まれたバラモヌが感じているその感情はまさしく『男の娘』が快楽に堕ちているようであった。
「・・・・・・・・・」
そして、それを見つめたまま視線が離せない39体のデヌピサロ達・・・
その異様な様子にハナとアイリスも手が出せずに居たのだが・・・
「ウゴゴ・・・ なぁ・・・人間・・・」
1体のデヌピサロが上の口を開き言葉を話してきた。
視線はバラモヌとカヌダタのSEXを凝視したままであるが、その言葉は対峙したハナとアイリスに向けての物である。
今まで奇怪な呻き声しか発していなかったデヌピサロから、まさかの人間に理解できる言語が出てくるとは思いもしなかった二人は聞き間違えかと耳を疑った。
だがデヌピサロから続けて出たセリフに聞き間違えではないと理解させられる。
「アレは・・・あの行為はそれ程良いモノなのか?」
予想外すぎるその言葉、そもそもこの形態に進化してから初めて話した内容がそれなのだ。
そして、それが示す内容は二人も良く知る愛し合う者同士が行なう営み。
特に自分達にとってはレベリングと言う名目で何度も何度も体験した行為である。
言葉に詰まるアイリス、だがハナはチラリとバラモヌとカヌダタの方を見て頷く。
「えぇ・・・愛する者同士の性行為に勝るモノは無いわよ」
そう、ハナはレベルが1状態のユウキとのSEXこそが最高に幸せなのを良く知っている。
何度中に出されても意識を飛ばす事無く、互いに互いを無我夢中で求め愛し合う本能のみが支配するSEX。
その時間こそが彼女にとって至福の時、ローザや他数名しかしらない彼女とユウキだけの愛の営み。
そして、ハナのその言葉にデヌピサロの凶悪な表情が初めて崩れた。
「そう・・・か・・・」
その瞳から一筋の涙がこぼれ落ち、それが音を立てて地面に転がった。
それは、赤い宝石・・・ルビーであった。
そして、その涙を切っ掛けに、デヌピサロのその体から強烈な光が広がった!
「きゃっ」
「うっ・・・」
突然の輝き、それも続けて他のデヌピサロ達も同じように光に包まれ、その眩しさにハナとアイリスは目を閉じた。
飛散する魔力、デヌピサロの体液ではない何かが周囲に飛び散った。
波の様な波とは違う波紋が広がる様な音が響き、それが収まって二人がゆっくりと目を開くとそこには・・・
「えっ・・・そ、その耳・・・」
「なんで・・・」
二人が絶句するのも無理はないだろう、目を開いた二人の前に居たのは39人の裸の女性、だがその全員がローザと同じ尖った耳をしていたのだ。
そう、知識では知っているエルフと言うこの世界ではローザ以外には存在しない種族であったからだ。
「そして・・・こうか?」
デヌピサロだと思われるその人物は何かを考えながら自らの股に手をかざす。
すると驚く事に、そこから男性器がムクムクッと勃起した状態で生えてきた。
最早一体何が起こっているのか理解に苦しむ二人はその光景をただただ眺める事しか出来なかった。
「いくぞ」
「はぁっ! んっ・・・すごっ奥にィ!」
突然1体のデヌピサロが立ったままの状態で、別のデヌピサロに後ろから挿入された。
明らかに不自然な角度で行われた挿入、自由自在に肉体を操作できるからなのか分からない、だが目の前のデヌピサロの膣内に前戯も何も行っていないにも関わらず、別のデヌピサロの男性器が間違いなく挿入されたのだ。
「んんんっ・・・」
「ほっごおおっ!!」ドブンッ!
突然挿入されていたデヌピサロが表情を崩した。
その腹部が急激に膨らみ、中に挿入されている肉棒のシルエットが腹に浮かび上がる。
肉眼で確認できるほどの膣内で突然の肥大化、それが予想外だったのか挿入された衝撃で白目を向いて喘ぐデヌピサロ。
突然始まった性行為、それを確認した他のデヌピサロ達も各々行為をし始めた。
「はっ! ん”ひっ! あっ!」
「ふあっ! ッあ ん”! ッッああぁ!」
「ひんっ! あはっ! はぁんっ!」
その喘ぎ声は女そのもの、デヌピサロはバラモヌの喘ぎを聞き、そう感じて声を出す体となったのだ。
だがどこか棒読みな感じも見受けられ、気持ち良くて出ている喘ぎでは無く、どこか機械的な声である。
だが挿入している側のデヌピサロも何故か同じように女声、その理由は・・・
「あひ・・・っ」
そう、デヌピサロは全部で39体・・・
つまり誰かが誰かに挿入し、1対1でSEXを行なったら1体余るのだ。
そうした結果、挿入している側のデヌピサロに更に別のデヌピサロが挿入したのだ!
「ん”あっ ひんっ 」
「ふはァ アッアッ」
「ひあぁっ あぉお ふぁっ」
ふたなり同士の3P・・・
1体がそのプレイを始めた途端、他のデヌピサロ達も挿入されながら別のデヌピサロに挿入したりし出す。
最早カオスそのもの、一体どうしたらいいのか困惑するハナとアイリスであるが・・・
「と、とりあえず時間稼ぎは出来そう・・・よね?」
「結果、オーライ・・・なんですかね?」
互いに見合わせながらどうしてこうなっているのか理解できない二人。
ただ目の前の同じ肉体の膣内に自身の肉棒を挿入しているだけの様な不気味な乱交を見詰める二人・・・
そんな中・・・
「はおおおお?! おっぎィっでぇぇ!!」
「だめェ! ざげぢゃ・・・っ?! お”お”お”お”!!?」
「ふごぉ!!? んごっ?!!」
それを見て二人は目を疑った。
1体のデヌピサロの前と後ろの両穴に男性器が挿入されていたのだ。
文字通り2本挿しと言うやつである、結合部からは次々と射精された精液らしき液体が逆流しあふれ出る。
ユウキ1人では再現できないサンドイッチファックに目を奪われるハナとアイリス・・・
どんどんと激しさを増していくデヌピサロ達の乱交、そしてそんなカオスな光景を気にもせずに幾度も中出しを繰り返し延々とSEXし続けるバラモヌとカヌダタ・・・
「す・・・すごいわね・・・」
「うん・・・」ゴクリ
その光景を眺める事しか出来ない二人、そんなただ立ち尽くしているだけの二人とは違いキチンと仕事をしている者がいた。
そう、緑髪メイドである。
ユウキが青髪メイドと松葉崩しの体位で必死に小さくなったあそこが抜けないように繋がった状態を維持している、それを補助していた緑髪メイドは周囲の生き返った魔物達が邪魔をしてこないか、バラモヌが何か行動を起こさないか、そう言った事に警戒しながら彼女は一人デヌピサロの乱交を見ないようにしていたのだ。
「よし、そろそろですね・・・」
もしも生き返った39体のデヌピサロとの戦いが始まって世界樹の葉をローザに使用するタイミングを逃したら困る、そう思い彼女はスキル『ぬすむ』を使用しアイリスの手から世界樹の葉を回収していたのだ。
15分と言うタイムリミットを過ぎてしまえばローザは生き返れない、彼女のその気配りが幸いした。
事実、二人はあまりにも予想外過ぎる展開にその事を忘れていたのだから・・・
そして、そのままローザの変わり果てた塵の上にそれをソッと置いた。
その瞬間、空に光の柱が生まれ世界樹の葉が置かれた塵に注がれた。
置かれた世界樹の葉が消滅し、光の中でローザの肉体が再生を始めた。
シルエットが裸のローザを浮かび上がらせ、何処からともなく衣類までも復元され生き返ったローザ。
まるで魔法少女が変身するかのようなシルエットでもしかしたら狙っているのかもしれない。
そして、光の中から出たローザは予想外すぎる光景に目を丸くして固まる・・・
「えっと・・・どういう状況なのかしら?」
困惑して訪ねてきたローザ、だがハナもアイリスも返答に困っていた。
一体どうしてこうなっているのか二人にも分からないからだ。
そして、徐々にデヌピサロ達の喘ぎ声が機械的なモノから生々しい声に変化をし始めていた。
演技だったが本当に感じ始めているのだと言われれば納得しそうなくらい・・・
「あンっ!あァん♡ あ・・・ァ・・・ アァァアァ♡♡」
「あぁん♡ お願いですぅなんでもしますからやさしくしてぇ・・・♡♡」
「あ”ッ♡ あひぃっ♡ あ”ェ♡」
そのセリフ内容にも変化が見られ、演じているのかは分からないがデヌピサロ達はその行為を満喫しているのが見てわかる様になっていた。
幾度も膣内に出し、幾度も膣内に出され、ドロドロのグチャグチャになっているにも関わらずその光景は美しい・・・
デヌピサロ達が美女の姿となっているからそう見えるのかもしれない・・・
事実、先程までの最終形態で乱交を始めたのではなくて本当に良かったと第3者が見たら思うに違いないだろう・・・
それらが誰なのか分からず、現状が理解できない・・・
そんな光景に立ち尽くしていたローザであるが、その背後に近づく者が居た。
そのままローザの背後に抱き着き驚くローザ!
だがそれも仕方ないだろう、殺意どころか敵意すらも全く無かったので認識できなかったのだから。
「ローザ♡ よかった生き返ったのね~♡」
「えっ?ば、バラモヌ?!」
それは魔王バラモヌであった。
バックからカヌダタに挿入され、四つん這いの姿勢のままここまでやって来たのだ。
その表情は幸せの絶頂に居る堕ちた女その物、これが世界を脅かした魔王と言われても誰も納得しないだろう。
しかも命懸けで愛しの男を蘇らせてくれたエルフと言う同族が相手なのだ。
フレンドリーになっても仕方が無いのかもしれない・・・
「うぉっまた出る!」
「あぁん♡ ダーリン愛してるぅ~♡ あはぁぁぁ~~中に熱っついのが~♡♡」
予想外のバラモヌのセリフ、それに驚くローザを放置して目の前で膣内射精を決めるカヌダタ。
直ぐ近くに3人の美女が居るにも関わらずバラモヌの膣内に射精する事しか考えていない様子のカヌダタも幸せの絶頂に居るのだろう。
男の放心した顔は愛する者以外が見たら間抜けにしか見えないのは言うまでもない。
「えっと・・・」
そして、ローザが視線を移すとそこにはユウキが今なお必死に青髪メイドと頑張っていた。
松葉崩しの体位で今なお必死に抜けない様に頑張っているのだが、それを補助するように他の女性達がユウキを刺激していた。
乳首もお尻も誰かに舐められ、唇も耳も首筋も誰かにキスやペロペロされているユウキの姿・・・
更にはその近くでは生き返った愛する相手とSEXしているダノンとレイラ、ゼロとセリシア。
「あ”ァァアアンッ♡ オチンボォ♡ ずごいのォ~~♡♡」
「おマンゴとゲツ穴ごわれぢゃうぅぅっ!!♡♡」
「いいよ!! 射精してーーッ!!!♡♡♡」
背後から聞こえるデヌピサロ達の喘ぎ声・・・
「あ”あ”っ♡ あ”お”っ♡ また・・・沢山中に♡♡」
目の前で喘ぐバラモヌの喘ぎ声・・・
状況がカオス過ぎて理解できないローザは近くに頭を抱えているアイリスが座り込んでいるのにその時気が付いた。
その横にはハナも立っており、ユウキと青髪メイドのSEXに嫉妬しているのか親指の爪を噛んでいた。
とりあえず状況がまだ分かってそうなアイリスに声を掛けるローザ・・・
「えっと、アイリス?どういう状況か説明してもらえないかしら・・・」
「えぇ、ローザお帰りなさい。えっとね・・・そこで乱交しているのがデヌピサロ達で・・・」
そこまで話したシズの言葉を遮る様に愛する男の声が聞こえた。
「で、出そうだ!は、ハナ!そこはっ?!」
視線をやると、今さっきまで直ぐ横に居た筈のハナがユウキのお尻にその顔をうずめていた。
愛しているからできる行為とも言えるだろう、さっきの爪を噛む仕草はユウキのお尻を舐めていた別の者に対する嫉妬だったのかもしれない。
「~~~~~~~っ♡♡♡♡」
青髪メイドがその表情を高揚させ、快感に打ちひしがれていた。
今まさに中に射精されているのだろう、小さくなってもSEX出来て一応は一安心である。
「あエあヘあ♡ あはぁあぁ♡ ンオ”オ”オ”オ”オ”ツォ♡♡♡」
遅れてやって来るその絶頂による喘ぎ声が何よりの証拠だと誰もが知っている。
青髪メイドも所持しているスキル『不屈』の効果により意識を飛ばさずにそのまま抜かずユウキとのSEXは続く。
呆然と立ち尽くしているトーマスがログアウトしない様に抜くわけにはいかないのだ。
青髪メイドの感じ方から今のが1回目の膣内射精だと理解したローザは残り2回をどうするか思考を巡らせる。
現状腰を動かせないユウキをなんとか後2回射精させないと駄目なのだ。
「んごお”お”お”ッ♡♡ んおおいいぃ♡ ぎもぢいいよぉ~~♡♡ ひぃ~~はひぃ~~~♡♡」
青髪メイドの脳に意識を失う程の快楽の濁流が流れているのを確認し、ローザは現状を理解する事に意識をやっていたのに気付き、慌ててスキル『おもいだす』を使用した。
死んでユニークスキル『全能の英知』で調べた事を思い出さなければならないからだ。
ユウキの今の状態異常『ちいさい』を何とか解除しなければならない、青髪メイドをログアウトさせるのを回避するだけでは無く、今後の自分達の幸せな性生活の為と考えるが、何故かそれどころではない感覚がローザを支配していたのだ。
そして、目を閉じてスキル『おもいだす』で復元された記憶を読み取ったローザは小さく口を開いた・・・
「うそ・・・でしょ・・・」
そんな困惑なローザの呟きはデヌピサロ達の喘ぎ声で塗りつぶされる。
「あッ♡♡ ああああああッ♡♡♡」
「ンへえええッ♡♡♡」
「ンあああああ♡♡ぞれいい”お”お”お”♡♡♡」
あちこちから聞こえる絶頂の喘ぎ声、繰り返される性行為の数々・・・
その中でローザは一人深刻な表情のままアイリスの顔を見て告げた。
「不味いわ、このままじゃ・・・世界が終わる!」
「えっ?」
その言葉と共にユウキの2回目の中出しが行われたのか、青髪メイドの喘ぎが一層強く響く・・・
「あ”ッ・・・お”ぉ・・・くおっんお”があお”お”お”ォ♡♡♡ がフッ♡ あおあああ”ぁ”あ”ァ!!!」
そんな青髪メイドの絶頂声を無視し、アイリスは焦った様子で尋ねる。
「世界が終わる?一体どういう・・・もしかしてあのデヌピサロ達のせい?」
「いいえ、あれは・・・」
そう言い、ユウキの耳の中に舌を入れていたシズの方へ視線をやったローザ。
その視線に気付いたのか、シズは微笑みながらこちらへやってきた。
そして、ローザがデヌピサロ達に視線をやり悟った様な表情をシズに向ける。
「ローザ様、お分かりになられたようですね?」
「えぇ、でもこれは流石に予定外だったわ」
アイリスはローザの言葉からデヌピサロ達があぁなったのはシズが原因だと悟った。
一体どういう事なのかシズを見詰める・・・
「アイリスさん、デヌピサロ達のアレは私のユニークスキルでなったのですよ」
「そう、流石ね・・・シズ」
ローザがそう口にし、シズの背後に視線をやるとそこに彼女が居た。
虚ろな瞳のままシズのそばに立つリン、意識が無いわけでは無く朦朧としている様子である。。
そしてシズはいつの間にか戦闘服ではなく、初めてユウキと出会った頃と同じメイド服を着ており、その表情にハナとアイリスも違和感を覚えた。
「やはりですか、全てを知ってしまったのですね?」
「えぇ・・・」
「ローザ様、一体これはどういう事ですか?!」
アイリスが焦った様に口にした言葉。
それも仕方ないだろう、周囲に居たアリアハノの面々だけでなく、生き返った魔物達までもいつの間にか虚ろな瞳のままその場に立ち尽くしていたのだから・・・
周囲で乱交を行っているデヌピサロ達、バラモヌとカヌダタ、そして青髪メイドからおちんちんが抜けないように必死で股間を押しつけている2名以外はいつの間にかおかしくなっていたのだ。
「作戦の最後でシズが使った『ジゴヌパーク』、それと共にシズはもう一つユニークスキルを使用していたのよ」
「シズの・・・ユニークスキル・・・!?」
ユニークスキル、それはこの世界の者が1人1つずつ持つその者だけが使えるオリジナルのスキル。
ハナの『アロマヒーリング』やローザの『全能の英知』と同じく、シズも過去にそれを話していた。
「彼女は『ジゴヌパーク』に自身のスキル『精神汚染』を乗せて使用していたのよ」
「精神・・・汚染・・・」
対象の精神状態を変化させるスキル、そう彼女は過去にローザに語っていた。
事実、対象の精神状態を変化させる効果でデヌピサロ達は淫欲に溺れ果てている状態となっている。
バラモヌとカヌダタの性行為を見て自身の肉体を変化させてまで乱交を始めたのはシズが原因だったのだ。
しかし、そのスキルの本来の効果はそれだけではなかった・・・
「この場に居る全員に使ったのね?」
「はい、そうですよ・・・そして、ローザは知ってしまったのでしょ?」
「えぇ、まさか私までやられていたとはね」
そう見つめあうローザとシズ、彼女達はユウキが来る前は互いに想い合う恋人同士で肉体関係にあったのは周知の事実であった。
しかし、実はそれすらもシズの『精神汚染』によって作られた架空の事実。
乱交で絶叫するかのように肉欲に溺れ喘ぐデヌピサロの声が木霊する中、ローザの口から告げられた事実・・・
「スキル『精神汚染』その正体は他者を洗脳するスキル、そうでしょ?消えた筈のデーモン国の女王シズ!」
「フフフッ・・・」
不敵な笑みを浮かべ、チラリとユウキの方へ視線を送るシズ・・・彼女にとっても今は一刻を争う事態なのだろう。
慣れ親しんだ筈の彼女が見せた事の無い表情で、目でローザにユウキに手を貸してやれと合図を送る。
そう、ローザが一度死んでまで得たかった情報はユウキ掛かった『ちいさい』という状態異常を何とかする為である。
そして、シズにとってもユウキのあそこが小さいままでは困るのは事実、その理由が・・・
「ほらっローザはもう知ってしまったのでしょ?早くしないと・・・」
シズが煽る様に口にしたその言葉は二人以外にはデヌピサロの喘ぎにかき消され届かなかった。
しかし、その話を聞いたハナとアイリスは焦りを覚え・・・
「ローザ様!一体何をすればいいのですか?!」
「急ぎましょう!」
全てがシズの掌の上、そう考えてしまうのも仕方ないだろう・・・
今こうしている状況すらもシズのスキルに操られている可能性があるのだから・・・
そう・・・
『早くしないと、トーマスが元の世界に戻るとこの世界の管理者は居なくなりますよ?トーマスが戻ってあっちの世界が終わると共にこの世界の終焉が始まるのはもう知ってるのでしょ?』
シズのその言葉が事実だとローザは知ってしまったのだから・・・
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【作者より、感謝を込めて】
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そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
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