短編集(18禁)

昆布海胆

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異世界召喚される人間にスキルを与える女神の秘密

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「げっ?!教室に辞書忘れちまったよ・・・はぁ、取りに戻るとするか・・・」

専門学校に通う雅人は学校の帰り道を歩きながら教室に辞書を忘れた事に気が付いて来た道を戻り始めた。
夕日が赤く町を染める時間帯ビルの一室に飛び込むように雅人が中へ入るとそこには3人残っていた。
イケメンで勉強の出来る浩二、浩二の幼馴染で雅人の初恋の相手である愛、そして事象2人の愛のキューピットである和江である。
3人は雅人と同級生で何度か同じクラスになった事もあり互いにあまり話さないが顔は知っている間柄である。

「ん?どした雅人?忘れ物か?」

浩二が話し掛けてきて一瞬驚いた。
余り話したことの無い間柄だったにも関わらず突然名前で呼ばれたからだ。
まぁ理由としては和江が色々と吹き込んだのだろう。
誰とでも仲良く話す和江とは2人よりも話した事の在る回数が多く自分が名前呼びされているのを知っているから伝えたのだろう。

「あ、あぁ、辞書をちょっとなっ?!」
「えっ?!」
「なっなに?!」

雅人が浩二の方へ近寄った時であった。
突然床に魔法陣らしきものが現れて光が教室を包み込んだ。
あまりにも突然の事で唖然としていた為に4人はそのまま光に包まれてその姿を世界から消失させるのであった・・・







「ここは・・・どこだ?」

浩二が口にするのも無理は無いだろう。
まるでギリシャの神殿の様な建物の中なのに床も部屋の奥も一切の闇が存在しないくらい真っ白な不思議な場所に4人は立っていたのだ。
床に突然現れた魔法陣、そして一瞬で知らない場所へ移動する自分達・・・
まるで異世界チートな小説みたいじゃないかと雅人は苦笑いを浮かべていた。

『その通りです。貴方達は異世界召喚に呼ばれて異世界へ行く事となりました』

まるで雅人の考えた事に返事をするかのようにその美しい声は脳内に直接聞こえてきた。
誰もが驚きその声の主を探そうと辺りを見回す。

『ふふふっ私はここに居ますよ』

そう言って4人の前に金髪の物凄く美しい美女がいつの間にか立っていた。
その美しさは今まで見たどの女性よりも遥かに美しく同姓である愛と和江すらも見惚れるほどであった。

『さて、時間も無い事ですし説明させて貰いますね。貴方達は別の世界、つまり異世界で行われた異世界召喚の儀式で呼び出されてしまいました。これには私はどうする事も出来ません・・・ですが少しだけですが異世界召喚をされた人達の手助けをする事が許されているので移動前に割り込んでここへ来て頂きました。私は女神フェリア、世界間の監視をする神です』
「い、異世界召喚ですか?」
「そんな、一方的な・・・」
『申し訳ありません、これに関しては完全に使用者の都合なのです。私にはどうする事も出来ません、ですがあなた方には一つだけ望むスキルを授与させて頂きます。何か希望はありますか?そんなに時間もありませんので出来ればお早めにお願いします』

女神様の美しい声が少しペースアップした事で自分達に残された時間が残り少ないのだと直感で理解した浩二は愛と和江の2人の手を握って頷き女神に伝えた。

「色々聞きたい事もありますが時間も無いようなので、自分は2人を守れるくらい強くなれるスキルをお願いします」
「わ、私も浩二を助けられるようなスキルが良いです」
「私はお金儲けが簡単に出来るスキルがいいかな~」

浩二は強くなれるスキル、愛は浩二を助けられるスキル、和江はお金儲けが出来るスキルを希望した。
それを聞いて女神は微笑みながら頷く。
だが1人だけ、雅人だけは不思議な力により口を開く事が出来なくなっていた。
それに気付かない3人は雅人がまだ悩んでいるのだと勘違いして女神の方を見詰める。

『分かりました。浩二、貴方にはあらゆる戦闘が有利になるバトルマスターのスキルを・・・愛、貴方には全ての知識と魔法が使える大賢者のスキルを・・・和江、貴方にはあらゆる賭け事や商売に強くなるギャンブルマスターのスキルを授けましょう』
「ギャ、ギャンブルマスター?!あっでも商売って基本的にギャンブルって訳か・・・」

和江だけは突っ込みを入れつつも一人納得したようで浩二と愛は何も言わずに互いを見詰めていた。

『それでは異世界召喚に呼ばれし3人の未来に希望がありますように・・・』

女神フェリアがそう告げると3人の体が光に包まれてその場から消失した。
きっと彼等は異世界で新しい人生を堪能してチートで幸せな毎日を送るのだろう。
何故かそう理解した雅人はフッと自分に掛かっていた圧力の様なものから開放された。

『ふふふっ、その通りですよ』
「考えを読まないで下さいよ」

雅人は聞いていたのだ。
女神フェリアは『異世界召喚に呼ばれし3人』と言ったのだ。
つまり自分はあの場に偶然居た巻き込まれた者と言う訳なのだ。

『理解が早くてとても助かりました』
「でもまぁ、小説とかでは主人公こそが巻き込まれた存在と言うパターンも多くありますからね」
『申し訳なのですが貴方を異世界に送るわけにはいかないのです』

それは仕方ないだろう、所詮は物語の中での話だ。
世界間の監視をする女神と言うくらいだからそういうルールには厳しいのだろう。
それなら辿り着く答えは一つだろう・・・

「それで、自分は元の世界に戻してもらえるのですか?」
『はい!それは安心して下さい。ですがその前に貴方・・・いえ、雅人にはお詫びをしなければなりませんね』

そう言ってフェリアは羽衣の様な衣類をスルリと肩から外した。
まるで重さを感じさせない羽衣は床に溶け込むように消え雅人の目の前には両手で胸と股を隠すフェリアが立っていた。

「な・・・ななな・・・」
『とてもお恥ずかしいのですが、私には貴方に何かを差し上げることは出来ません。元の世界でスキルが使える様になってしまうと世界のバランスが変化してしまい大変な事になるのです。ですので・・・私の体を使ってお詫びをさせていただけませんか?』

雅人の前に跪き祈りを捧げるように見上げるフェリアの姿は本当に美しかった。
雅人は勿論童貞である、そんな彼がこんな美しい女性の裸を見ればどうなるか・・・
そう、緊張のあまり逆に萎えてしまっていたのだ。
それを自身で感じ取った雅人は悲しそうな目をするが・・・

『心配には及びませんよ』

そう言ってフェリアは雅人のズボンを優しく降ろした。
そして、そこにある雅人の男性器を大切に扱うように左手の掌に乗せてキスをする。
舌先でチロチロと味わいながら優しく、本当に優しく雅人の睾丸や男性器を愛撫するその刺激は物凄く雅人は先程の緊張の萎えなど何処に行ったのか分からない程一瞬で反り返る程勃起をした。
そして、そのままフェリアの顔目掛けて射精を行なってしまう。

『キャッ!』
「うぁぁっ?!す、すみません」

美しい顔が自身の精液で汚れるその光景は雅人にとっても刺激が強過ぎて射精した直後だというのに全く萎える気配を見せないまま男性器はそそり勃っていた。
そして、自身の顔に掛かった精液を指ですくって自らの口に運ぶフェリア。
その仕草すらも美しく、本当に美味しそうに雅人の精液を味わい飲み込んでいく。

『とっても素敵ですわ、でも出来ればそれは私の中に出して欲しいわ』

そう言って雅人の男性器から手を離す事無く立ち上がったフェリアは雅人に抱きつく。
胸に伝わるフェリアの体の感触に雅人は蕩ける様に体の力が抜ける。
だがフェリアが背中に回している腕で雅人を抱いている為に倒れる事は無くそのままフェリアの口が雅人の口に重なった。

『んっ・・・んんっ・・・』

色っぽい声と共に雅人の口の中を味わうようにフェリアの舌が雅人の口の中をゆっくりと撫でる。
先程雅人の精液を飲んだ筈の口内なのにそんな臭いもせず甘く女性特有のとてもいい匂いに雅人はそのままフェリアの腹部に射精を行なった。
2度目だというのに先程と変わらない量の精液が噴出しフェリアの腹部を汚していく。
だがそれにも一切嫌な顔をせずに口を離したフェリアは微笑みながら雅人の精液を自らの腹部に塗る。
そして、その手を再び自らの口に運んで舐める。
それだけで雅人は我慢が出来なくなっていた。

「め、女神様!」

押し倒すようにフェリアに勢い任せに抱き付いていった雅人であったがフェリアは一切嫌な顔をせずにそれを受けとめまるで浮遊するかのように何も無い場所へフワリと浮いた。
気付けばいつの間にかフェリアの下には純白のシーツが敷かれたベットが現れており雅人はフェリアに抱きしめられ覆いかぶさるように倒れた。

『だーめ、今だけはフェリアって呼んで下さい』
「ふぇ・・・フェリア!」
『ふふふっ雅人が満足するまで好きなだけいいですよ』

そう言ってフェリアは雅人の男性器を自らの膣口へ誘導して宛がう。
そのまま腰を前に進めれば中へ入り2人は繋がる事が出来る。
だが童貞である雅人はそこで我に返っていた。

「ご、ゴムとかしなくても良いのですか?それに僕なんかと・・・」
『心配しなくても良いですよ。それに私もたまにはこうして羽を伸ばしたいのです。さぁ、一緒になりましょう』

雅人は首に回された腕に引き寄せられフェリアとキスをした。
そして、そのまま腰を前に押し出しズブブッとフェリアの膣内へ雅人の男性器が挿入されていく・・・

『んっ・・・ふっ・・・』

フェリアとキスをしたままその口から声が少し漏れる。
その声は美しいが色っぽく雅人の男性器が本当に挿入されて快感を感じているのを理解させた。
雅人はそのままゆっくりと腰をグラインドさせようと思ったが・・・

「んぁっ?!」
『キッキタッ!はぁぁああああ』

ドクンドクン・・・っとフェリアの膣内で雅人の精液は発射されそれを搾り取るかのようにフェリアは雅人の男性器を締め上げる。
それと共に絶頂を迎えているのか頬を赤く染め嬉しそうに雅人を見詰める。
本当に喜んでいるのを感じさせるその表情を見た雅人は止まらぬ性欲に突き動かされるように射精が収まりきらないうちに再び腰を動かし始める。

『あぁぁ・・・そんな、出しながら動くなんて・・・はぁあああ・・・素敵・・・素敵ですわ雅人』
「ま、また・・・出るっ!」
『下さいっ!もっと中に私の中に注いで下さい!』

4度目だと言うのに止まらない射精と精液が男性器内を通過する快感に包まれながらも雅人は一心不乱に目の前のフェリアを犯し続ける・・・
その雅人が何度中へ膣内射精を行なおうとその度に絶頂をして受け入れ雅人を優しく包み込むフェリア・・・

『ひぅっあっはぁっひぁぁ・・・』

一体何時間SEXを続けただろうか・・・
体感的には1日はとっくの前に過ぎていた。
それでも雅人は満足する事無くフェリアを犯し中へ精液を注ぎ続ける。
不思議な事に何回出しても精液が枯れる事も無ければ性欲が治まる事も無く目の前の美女をひたすら愛するだけの雅人・・・
実際にフェリアとSEXを開始してから既に3日が経過していた。
膣内射精した回数に至っては1000回に達しようとしていた。
だが2人は一切治まる事無く互いを求め体位を変え何度も何度も愛し合い続けた。

「お、おかしい・・・俺全然疲れないし空腹も睡眠よくも出ないんだけど・・・」
『はぁぁ・・・そ、それはこの空間のせいですよ。ここならぁあああ・・・・はぁ・・・はぁ・・・雅人は飢える事も疲れる事も無いですよぉぉおおまた中出し?!』
「そ、それはいいやっ・・・もっともっと愛してあげますよ」
『はぁぁ・・・う、嬉しいです雅人』

それからも2人は愛し合い続けた。
そしてそれは突然やってきた。

「んぁぁっ?!」
『ひぅっ?!はぁ・・・はぁ・・・雅人・・・もう満足しちゃった?』
「あ、あれ・・・???」

雅人は自身の男性器が射精と共に勃起せずに萎んでいくのを理解した。
それと同時にフェリアの膣内からニュルンっと男性器が抜けてトローリと精液が少しだけ流れ出る。
それでも中へ出した精液の量はとてつもない量だった筈であれだけの筈がないのは明白である。

『素敵でしたよ雅人、その顔もダンディで素敵ですよ』

いつの間にか羽衣を着ているフェリアが雅人の前で微笑む。
そして、雅人は自らの手を見て驚いた。
シワである、いや・・・明らかに老けていた。

『人間の精液は2日で満タンになりますが体力を完全に回復させる為に雅人が射精するたびに貴方は4日が経過した体となっていたのです』

フェリアの言葉を聞いて雅人は唖然とする。
しかし、何度射精しても収まらない性欲と精液の量がそれを証明していた。
実に90回射精をすると約1年後の体になると言うのである。
雅人がフェリアに対して射精した回数は実に4000回程であった。
気付かない内に雅人は44歳年を取っていたのである。
童貞を捨てる前は若かった雅人は既に定年間近の体と変化していたのだ。

「な・・・なぜ・・・」
『理由はいつくかあります。聞きたいですか?』
「あ・・・あぁ・・・」
『雅人も見たと思いますが私が異世界へ渡る人へプレゼントするスキル、アレは私の中へ注がれた精子から作られるのです。男性の精子は1回の射精で約1億~4億、その命の中から特別なスキルを持って生まれる精子を私は吸収しそれを譲渡することが出来るのです。人間に送るスキルがこうして出来るのは秘密ですよ』

フェリアの口からとんでもない事実が告げられ雅人は唖然とする。

『それでも生まれながらにスキルを持って誕生する可能性は物凄く低く10億に1つくらいしかないのが現実なのです。ですので沢山私の中に射精してもらって沢山特殊なスキルを集めさせてもらったと言う訳なのです。あともう一つの理由は・・・単なる私の欲求不満解消とストレス発散ですよ』

フェリアは悪びれも無くその美しい顔で微笑む。
事実雅人とのSEXを心の底から堪能し本心から雅人の愛を受け止めていたのだ。

「お、おれはこれからどうなるんだ?」
『最初に言った通りに元の世界へ戻しますよ、でも私は若返らせたりは出来ないのでそのままになりますけどね。それじゃそろそろ雅人、貴方とのSEXは本当に気持ちよくて幸せだったわ。愛しているわ雅人、それじゃさよなら』
「まっ・・・」

そう言って手を伸ばした雅人はあの教室に1人立っていた。
違っていたのは自身の体が年老いていた事と3人の姿が無かった事だけであった。
家に帰る事もこの容姿では出来ず雅人はそのまま夜の街へ1人歩いて行くのであった・・・




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