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第2話 カホ

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「さぁ行くわよ、カナタ!グズグズしないの!」
「・・・はい」
「カホ、そんなに焦らなくてもいいじゃない」

朝食を食べ終えた3人は髪をポニーテールに縛って玄関へ向かう。
昨夜たっぷりと愛してやったミホは髪にリボンを着けるまでは少々ご機嫌気味にカホから俺を庇ってくれる。
この態度に少し違和感を感じているのか、長女のシホはチラリとこちらに視線を送ってくる・・・
勘の鋭い彼女には何か気付かれてないか内心冷や冷やしながら、俺はいつもの盾と短剣を持って外へと出ていく・・・

「はぁ・・・」

何処か含みの在りそうなシホの何時ものため息、それが何かを意味している様な感じを受けながらも俺は平静を示す。
ここはダンジョンの中、立場的に彼女の奴隷である俺の真実を彼女に知られるわけにはいかないのだ。

「カナタ、今日のお弁当はちゃんと持った?」
「オーク肉のサンドイッチ作ったよ」
「やった♪」

ミホはさっき朝食を食べたばかりだというのに舌なめずりをしながら嬉しそうに燥ぐ。
あの口が俺のをたっぷりと味わったのを思い出し勃起しそうになる・・・
俺の作るルームの中で作った料理は食材や材料が持ち込んだモノであれば外に持ち出すことは可能なのである。
なのでしっかりと調理したお弁当をダンジョン内で作ることが出来るのも利点なのだろう。

「あんた、ちょっと調子に乗ってるわね」
「カホさん・・・そんな事ないですよ」
「うっさい!口答えすんな!」
「あいたっ?!」

何故か朝から不機嫌な様子のカホ、背が低いので俺を見上げながら俺を見下してくる・・・
突然蹴られた脛を押さえて俺はその場で跳ねる、手加減は勿論しているのだろうがとても痛い。

「いい、アンタは奴隷なんだからね立場を弁えなさい!」
「分かって・・・ます」
「ふんっ」

振り返った彼女の金髪ポニーテールがふわりと浮かんで風に乗る。
そのままスタスタと進む彼女の後に俺は付いて行く・・・
俺が一定距離離れると同時に背後で特殊魔法のルームが解除され入り口が霧の様に消えていく・・・
慣れたもので、それに視線を送る事無く俺達は先へ進む階段を登っていった・・・






岩肌が続く薄暗いダンジョン内、入るたびに構造の変わるこのダンジョンは似たような場所でも違う事が多い・・・
その代表的な物が・・・
カチッ・・・

「んっ?なんか今踏んだような・・・」
「危なっ!」
「ぐえっ?!」

ダンジョンの通路を3姉妹に付いて歩いている途中、足で何かを踏んだ気がすると同時にカホが俺の横腹を勢いよく蹴り飛ばした。
激痛が走るよりも早く俺の体は真横に吹っ飛んでいき、そのまま横の壁に叩きつけられる俺は衝撃で意識が朦朧とする・・・
俺が壁に激突すると同時に天井から降ってきた何かをカホが頭から被っていたのだが、俺にそれを見る余裕は勿論ない・・・

「やだぁ~ベトベトだよ~」
「あははっなによその姿!」
「はぁ・・・少し休憩しましょうか・・・」

痛みに咳き込みながら3姉妹の会話が聞こえる。
そちらを見てみると天井から降ってきた液体を俺の代わりに頭から浴びたカホは全身緑色の液体に染まっていた。
それが毒なのかなんなのかは分からないが濡れて色っぽくなったカホの姿は眼福でもあった。
俺はロリコンでは無かった筈・・・なのだが・・・
痛みで呼吸もままならない俺の意識はそこで途絶えた・・・






「起きなさい!」
「んべっ?!」
「ほらっさっさと起きなさい!」
「ぐべっ?!」

頬に衝撃が繰り返し襲ってきて、痛みと衝撃で俺は目を覚ます。
ジンジンする頬が唇を圧迫するまま目を見開くと平手を振り上げる誰かの姿が・・・
薄暗い中視点が定まると、そこにはイラついた様子で緑色の液体が金髪の髪に残ったカホが手を振り上げていた。

「まっ待って起きた!起きましっぐびゃ?!」
「さっさとしろ!このグズッ!」

最後の一撃でまた意識が飛びそうになるが手加減されているだろう、俺の意識は飛ぶ事無く怒りに染まったカホの顔が見えた。
何処となく涙を浮かべている様子なのは、俺の心配よりも自分が汚れたのが原因に違いない。
両頬がジンジンと痛む事から俺が目を覚ますまで何度叩かれたのか分からない、ゆっくりと立ち上がった俺の尻をカホは平手で再び叩いた。

「あいたっ?!」
「アンタのせいでこんな事になったんだからこれはお返しよ!ふんっ!」

元々カホにかなり嫌われているのは自覚が在る、見た目は可憐な少女であるが中身はドSの自己中女なのであるから。
普段から文句や悪口ばかりが投げかけられるが、危ない時はこうやって率先して俺の事を助けてくれるのがカホなのだ。
まぁその手段も攻撃的なものばかりではあるが・・・
きっと俺を助けたのも俺の特殊魔法『ルーム』が大切だからなのだろう、正直俺自身はどうなっても構わないというのがヒシヒシと伝わってくる・・・

「はぁ・・・それじゃあそろそろ行きましょうか、無駄に時間使ったわ・・・はぁ・・・」

長女のチホが赤い髪を弄りながらそう告げて前へ進む・・・
彼女もまた俺自信には興味もみじんも無いのだろう、俺の事を気にするよりも自分の髪が汚れてないか確認する方が大切な様子である。
好意の反対は無関心、そんな言葉を聞いた事があるがそれが真実だと彼女を見ていると本当によくわかる。

「まぁカナタがどんくさいのはいつもの事じゃない」
「そうだけどさ~ミホ~」
「次からは私が最後尾歩くからさっさと行こう、急がないとお弁当食べる時間無くなっちゃう」
「あはは・・・私まだベトベトしてるんだけどね・・・」

そう会話を繰り広げ先頭を長女チホ、続いてカホ、そして俺に続いて最後尾にミホの並びでダンジョンを進むこととなった。
あの緑色の液体が一体なんだったのかは分からないが助けられたのは確かだ。
感謝の気持ちが無いわけではないが、普段からカホに虐めぬかれている俺はお礼を言う気も起こらない。
二人に気付かれない様にビンタをしながらも俺の頭に唾を吐きかけていたのは気付いていた。
確かに俺はチホの奴隷ではあるが、カホにここまでの扱いを毎日受けるのはおかしいと感じてはいた。
だが、だからこそ今夜が楽しみでもあるのだが・・・
俺たちはその先の開けた空間で昼食を食べ、その日の予定階層まで順調に進むのであった。





『ルーム!』

何時もの様に目的の階層から上に上がる階段横に特殊魔法を発動させドアを作る。
内装は何時もの様に一軒家だが、今日はカホの為に少し広めの豪邸にした。
その理由が・・・

「ちゃんと私の指示した通りに作ったんでしょうね?」
「うぐっ・・・は、はい・・・」
「そう、ならおっ先にお風呂~♪」

俺よりも身長が低いカホが俺の首元を持ち上げ言ってきたからである。
両腕で俺の体を持ち上げるその姿は異様に見えるだろうが、あの小さな体で俺の体を持ち上げているのはきっと異様な光景だろう。
だからこそ言いようのない迫力が彼女にはある・・・
その言葉とは・・・

『お風呂の大きな家にしろ』

俺の代わりに浴びたベトベトの液体を早く流したいという彼女の願いは昼食の時に上げられたのだが、長女チホから・・・

「はぁ・・・今でも遅れてるの分かってる?ならグダグダ言わず先に進んで今日の目的地まで我慢しなさい」
「・・・はーい・・・」

そう返事をしたカホの憎悪に満ちた視線は忘れられない・・・
その後も俺に向かって小石を歩きながらぶつけてきたり、こちらを横目でにらみつけて舌打ちをしてきたりと一日が非常に長く感じられた・・・
持ち上げられて突き飛ばされた俺を受け止めたのはミホであった。
昨夜の事を思い出し彼女の体にくっ付いた俺はドキッとするが・・・

「早く夕飯作れこのクズっ!」

昨夜の甘い言葉とは180度変わった彼女の言葉。
ボソッと耳元で告げられたその言葉に100年の恋も冷める気分であった。





3姉妹が入浴している間に料理を仕上げた俺はコタツテーブルの様な机に料理を並べていく・・・

「今日は野菜をふんだんに使った天ぷら尽くしです」
「少しは反省したかな?」

そう言ってカホによって全裸のまま天ぷらを作らされた俺はお盆で股間を隠しながらその場に立たされていた。
下準備に時間のかかる天ぷらを選んだのは彼女がちょっかいを掛ける為なのだろう。
普段よりも早く入浴を済ませたかと思えば服を脱いで料理するように強要されたのである。
油が跳ねる度に奇声を発する台所を嬉しそうに眺めるカホ、出来た物を直ぐに食べてしまうミホ、長風呂でゆっくりして後から来るチホと皆バラバラだった夕飯作りからやっと解放されようとしていた。

「ちょっと、私の分の天ぷら少なくない?」
「ミホ・・・あんた摘み食いってレベルじゃない程食べたのにまだ食べるの?」
「食前食と食事と食後食は別腹よ」

なんだその言葉は聞いた事ないぞ?
なんて異世界な会話を聞きながら全裸のまま彼女達の食べ終わるのをじっと待つ俺・・・
しかし、俺の内心はワクワクしていた・・・
今夜が楽しみで仕方なかったからである。
勿論俺の分は彼女達が食べ終わってからなのだが、俺にはそれよりもする事があるので夕飯はそのあとだ。







「それじゃお休み~」
「はぁ・・・明日は今日よりも早めに出るわよ・・・おやすみ・・・ふぁ・・・」
「カナタ、私の夜食・・・」
「これでいい?」
「分かってるじゃない・・・ふんっ」

いつもの様にミホの夜食(本人曰く食後食と言うらしい事を今日初めて知った)に作った肉などの天ぷらを渡して3姉妹は各々の部屋に入っていった・・・
さぁ・・・お楽しみの時間だ・・・
俺は3人の部屋のドアが閉まるのを確認してから自室へ入っていく・・・
きっと彼女達は俺が一人でこの後夕飯を食べていると思っているに違いない・・・
だからこそこのタイミングで行動するのに意味が在るのだ!
俺はイメージした通りの作りになっている自室のドアではなく、隠し扉の隠し部屋に入っていく・・・

真っ暗なその部屋の壁にあるスイッチを入れると一斉に部屋に電気が通る。
勿論これは電気ではなく魔力で動いているのだがそんな事はどうだっていい・・・
俺は秘密基地の様なその想像した通りの部屋にウキウキしながら中へ入っていく・・・

「おーおー本当に出来るもんだね」

そう言ってイスに座り目の前のモニターを眺める。
そこには3姉妹の寝室が映されており、中の様子が手に取る様に分かった。
ベットに腰掛け赤い髪をクシで解かしながら夜空を眺めるチホ・・・
ベットの上で枕を抱きしめゴロゴロしているカホ・・・
夜食を食べながら持ち込んだお酒をがぶ飲みしているミホ・・・

「つか、まだ食うのかよ・・・」

ミホとの昨夜の事を思い出し見詰めてしまうが、俺は視線を今日のターゲットであるカホに戻した。
まるで少女の様な様子で普通にしていれば凄く可愛いのに中身は小悪そのもの・・・
その彼女に訪れるこの後の事を想像するだけで俺は勃起し始めていた。

「さて、まずはこれだな・・・」

そう言って前に用意されたボタンを1つ押す・・・
これから始まるそれに期待を高めて・・・







「ふぁぁ・・・疲れたのかな・・・急に眠くなって・・・」

無味無臭の睡眠ガス・・・
それがカホの部屋に静かに充満していく・・・
本来であればリボンの効果で無効化されるのだが今は寝間着なので効果は抜群だ!
数秒後にはスヤスヤと寝息を立てるカホがそこに居た。
寝ているその寝顔はまさしく天使そのものであった。

『あーあー聞こえるかな?カホ?』
「スーーースーーー」

部屋の中に響くマイクの声、だが全く反応を示さないカホに俺は思わずガッツポーズを決める。
そして、俺は次のスイッチを押す・・・
すると、ベットの四隅からアームが伸びてきてカホの手足を固定して大の字にさせた。
それでもまだ目覚めないカホの下腹部に天井から液体が垂れ始める・・・
そう、媚薬である。

「んっ・・・んんっ・・・」

身悶えしながら寝続けるカホの浴衣の様な寝間着の下腹部だけに沁み込んでいく媚薬・・・
人間というのは口だけでなく皮膚でも呼吸をしている。
少量ずつではあるが、下腹部を中心に寝間着に沁み込んだ媚薬は延々とカホの体に吸収されて行くのだ・・・
結果・・・

「はっ♡ はぁっ♡ んんんぅっ♡」

カホの口から甘い吐息と喘ぎが漏れ出す。
手足を拘束されたままではあるが、その気になれば彼女であれば簡単に破壊できるだろう。
そうさせないのがあの枕である!
あれに触れていると身体能力が10%にまで低下する特殊な付与がなされているのだ。
本来は寝相の悪い人に使える便利な物として考案したものであるが思わぬ副産物である。

『さて、お次はこれだ』

スイッチを入れるとベットの下部分が微妙に振動を繰り返す。
その振動にカホのお尻は揺らされ微弱な感覚を与える・・・

「ひっ・・・ くあっ んぁ・・・ あぁあっ・・・♡」

敏感になったあそこが擦れ感じている甘い喘ぎが部屋に響き渡る・・・
微小な振動ではあるが、その小刻みな振動が彼女の体に刺激を与えているのだ。
それを確認して俺はそっと彼女の部屋へ向かった・・・

「あっ くはっ・・・ あぁぁ・・・」

部屋に入ると眠ったまま拘束され喘ぎ続けているカホのモニターと同じ姿がそこに在った。
俺の魔力から作られた睡眠ガスも媚薬も勿論俺には全く効果を示さない、だからこそ俺はその場で裸になってベットに上がる・・・
拘束されたまま大の字で薄目を開けて喘ぐ彼女の上に俺は覆いかぶさる。
そして、ちゅっと唇にキスをする・・・

「ふぁ・・・ か・・・な・・・た・・・?」
「入れるよカホ」
「あ・・・あぁ・・・」

夢か現実か分からず微睡んでいる彼女の返事を待たずに俺は彼女の中へ侵入した。
開脚した時に下腹部は開いた浴衣なので脱がす必要も無いのだ。
見た目はどうみても少女の体だがSランク冒険者と言うだけあってしっかりと鍛えられた体、それを抱きながら俺は彼女の中へ侵入した。
既に熱を持ったヌルヌルの彼女のアソコは驚くほどの広がりを見せ、俺のチンポを美味しそうに咥え込んでいく・・・

「かはっ・・・あっ・・・♡ あっ♡ ん”はぁ――♡♡」
「凄いよカホ、挿入ただけでイっちゃってる」
「あ”あ~~♡ あ”っ あぁ~~♡♡」

舌をだらりと垂らし虚ろな瞳が俺を見詰める。
ベットの小刻みな振動は続いており、触れる俺の肌が彼女に更に刺激を与えているのだろう・・・
虚ろなまま快感を味わい、喘ぐ彼女にそっと顔を近付けると向こうからもキスを返してきた。
きっと彼女にとってはこれは夢なのだろう、普段大っ嫌いな相手から犯される夢・・・
それが堪らなく快感を増幅させているのだろう・・・
元から小さかった膣穴がキュウキュウっと締め付け何度も何度も絶頂しているのを示していた。
その膣圧に耐えきれず俺も直ぐに達してしまう・・・

「ん”あぁ・・・精液・・・いっぱい・・・出てる・・・♡」

そう言って嬉しそうに微笑む彼女の顔を俺は舐める・・・舐めて舐めて舐め回す!
べろべろべろべろべろべろと鼻も目も頬も額も全て彼女の顔に俺の唾液を付着させていく・・・
勿論その間も彼女から抜かずに挿入したままである。
やがて・・・

「あたま・・・溶けちゃうぅ・・・♡♡」

そう言いながら虚ろな瞳で俺を見る彼女は何度も何度も絶頂しながら自ら腰を振り出す。
もっと快感を貪りたいと貪欲な感情が彼女を支配しているのだろう。
普段あれだけ嫌っている相手だというのに肉欲に抗えない彼女のその姿・・・
両手足を封じられている状態のまま求める彼女に俺は再度腰を突き上げ始める!
このルーム内に居る限り俺は絶倫で何度でもSEX出来るのだ!
そして・・・



「精液・・・来たぁ・・・♡♡ くるっちゃうよぉぉ~♡♡ ん”あ”ぁ”ぁ”ー♡♡」

その後3回ほど抜かずに彼女の中に精を放って満足した俺、全身を痙攣させながらイき続ける彼女にキスをする・・・
一体その間に何十回絶頂に達したのか、顔を俺の唾液でベタベタにしたにも関わらず幸せそうに俺を見詰める彼女はとても可愛かったのだ。
この普段とのギャップがまた堪らなくイイのである!

「おやすみ、カホ・・・」
「んふぅぅぅぅ・・・あぁぁ・・・き・・・気持ち良すぎて死んじゃう・・・♡♡♡♡」

果たして最後の言葉は俺に告げたのかは分からないが、彼女を一人残して俺は自室へ帰って行く・・・
股から溢れる俺の精液は小さな湖となり溜まっていた。
俺は聞こえていないだろうが彼女に一言残していく・・・

「最後の夜にまたね・・・」

ダンジョンはまだ3日掛かるのだから・・・
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