【完結】婚約者が好きなのです

maruko

文字の大きさ
28 / 34

番外編アリー 旅立ち〜幸せになる為に〜

しおりを挟む
アシュトリアム様と初めてお会い出来たのは決心した次の日でした。
王城にアシュトリアム様のご親戚にあたるソフイーア様がいらっしゃっるのでそちらで一緒に顔合わせをしましょうという事でしたのでお母様と一緒にご挨拶に伺いました。

ソフイーア様はタリスティアの王女様で王太子様の婚約者だと先日公示がありました。
学園にも留学生として在籍されてますが私とはクラスも違うので普段は全く接点が在りませんでしたのでご挨拶したいとお声をかけて頂いてとても嬉しく思います。

アシュトリアム様は、髪は銀髪、瞳の色はルビーのように赤く、鼻筋の通った美男子で私は一目見て心を奪われてしまい恥ずかしながら少し呆けてしまいました。
そんな私にソフイーア様がフォローに入ってくださって改めてカーテシーでご挨拶しました。

「初めてお目にかかります。メーキリー侯爵が娘アリーと申します。今後はラシュトニアにお世話になる事になりました。以後お見知りおき頂けますと幸いにございます」

「初めまして、アシュトリアム・ラシュトニアです。アリーと呼んでも構わないかな?」

「はい」

「アリーは緊張してるよね。肩カチコチになってるよ!
これからは婚約者になるんだ、少し肩の力を抜いてもらえると嬉しいんだけどな」

気安くお声をかけてくださいますが私はそれどころではありません。
肩もカチコチですが顔もピクリとも動かなくて⋯
どうしましょう。

「アリー、大丈夫?アシュトリアム様、御前失礼しますね。ほらほら」

お母様が私の頬に手を当ててグリグリし始めました。
恥ずかしいです!
その様子を見て、アシュトリアム様とソフイーア様が笑いを堪えているのが見えます。
お母様ヒドイわ。私笑われてます。

「ラガン公爵、その辺で。許してあげて。アリーが戸惑ってるよ」

「えっ?」って、お母様。
空気を読んでくださいませ。
皆様、笑いを堪えるのに必死です。
でもそのおかげで場の緊張が解れて途端に和やかになりました。
ある意味お母様は空気を読んだのかもしれません。
そういえばお母様はラシュトニアに帰ったら、お祖父様の後を継いでラガン公爵になる予定です。
私もアリー・ラガンになります。

それから私達は沢山お喋りしました。
同年代の方とこんなに気安く話すのは初めてでとても楽しかった。
ソフイーア様とは畏れ多いけど何年も前からのお友達のようにお話できて女友達ってこんな感じなのかなと思いました。
長い間憧れていた、待ち焦がれていた時間でした。

邸に帰る馬車の中でお母様が、私のあんなにも楽しそうな笑顔を久しぶりに見て感動したと言って泣いてしまって私も貰い泣きしました。

次の日から学園卒業までアシュトリアム様は毎日私に会いに来てくださって、休みの日には色々な所に二人で出掛けて私は少しずつ少しずつ日常が明るい物になったのです。

アシュトリアム様は私に正式にプロポーズしてくれました。
婚約の証にと指輪も下さって、私18年生きてきてこんなに幸せな気持ちになれたのは初めてです。

──────────────

ラシュトニアへ出発するまでにお父様が私を訪ねてくださるのを待っていたのですが、とうとう前日まで私の部屋には来て下さいませんでした。
とても残念ですが、それがお父様の気持ちなのでしょう。

前の私のままなら落ち込んでいたと思います。
でもお母様と約束したように私は上を向くのです。
真っ直ぐに前を見据えて顔を上げるのです。
『アリー・ラガン』新しい私は、もう下は向きません。

アシュトリアム様とお母様と新しい私。
3人でラシュトニアで幸せになるのです。

明日私は旅立ちます。



✎ ------------------------

※番外編アリーはここで完結です
ここまでお読み頂きありがとうございました。

明日からは番外編エミリーになります٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
次回からもよろしくお願いします
通学・通勤・休憩のお供に、またお休みの日の休息のお役に立てましたら幸いです。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて

おもち。
恋愛
「——君を愛してる」 そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった—— 幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。 あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは…… 『最初から愛されていなかった』 その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。 私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。  『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』  『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』 でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。 必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。 私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……? ※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。 ※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。 ※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。 ※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

貴方に私は相応しくない【完結】

迷い人
恋愛
私との将来を求める公爵令息エドウィン・フォスター。 彼は初恋の人で学園入学をきっかけに再会を果たした。 天使のような無邪気な笑みで愛を語り。 彼は私の心を踏みにじる。 私は貴方の都合の良い子にはなれません。 私は貴方に相応しい女にはなれません。

愛を語れない関係【完結】

迷い人
恋愛
 婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。  そして、時が戻った。  だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。

【完結】この地獄のような楽園に祝福を

おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。 だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと…… 「必ず迎えに来るよ」 そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。 でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。 ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。 フィル、貴方と共に生きたいの。 ※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。 ※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。 ※本編+おまけ数話。

報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜

矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』 彼はいつだって誠実な婚約者だった。 嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。 『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』 『……分かりました、ロイド様』 私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。 結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。 なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。

【完結】どうかその想いが実りますように

おもち。
恋愛
婚約者が私ではない別の女性を愛しているのは知っている。お互い恋愛感情はないけど信頼関係は築けていると思っていたのは私の独りよがりだったみたい。 学園では『愛し合う恋人の仲を引き裂くお飾りの婚約者』と陰で言われているのは分かってる。 いつまでも貴方を私に縛り付けていては可哀想だわ、だから私から貴方を解放します。 貴方のその想いが実りますように…… もう私には願う事しかできないから。 ※ざまぁは薄味となっております。(当社比)もしかしたらざまぁですらないかもしれません。汗 お読みいただく際ご注意くださいませ。 ※完結保証。全10話+番外編1話です。 ※番外編2話追加しました。 ※こちらの作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

その結婚は、白紙にしましょう

香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。 彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。 念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。 浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」 身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。 けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。 「分かりました。その提案を、受け入れ──」 全然受け入れられませんけど!? 形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。 武骨で不器用な王国騎士団長。 二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。

処理中です...