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3 離婚事由
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マーシェは夫の前妻リリアンに促されるまま、図書館の個室へとやって来た。部屋には机と2脚の椅子のセットが3セットと本棚が置かれているだけの簡素な部屋で、そのうちの一つのテーブルの椅子だけをリリアンが窓の方へと移動して、マーシェに座るように薦めてくれた。
聞けば部屋は防音ではないので中の声が漏れないようにする為だと言う。
マーシェは驚きつつも言われるがまま腰掛けた。
マーシェの夫アルマンの前妻リリアンの生家はブッセ伯爵家だ。離婚して籍も戻したので今はブッセ伯爵令嬢になる。
薄めの茶色い髪に緑色の瞳を持つ綺麗な女性で、マーシェの一つ年上だったと記憶している。
子供を連れての離婚が貴族としては珍しく感じていたが、誰もマーシェには離婚に至った理由は教えてくれなかった。
初めて話すリリアンはマーシェには悪い感情を抱いてはないように感じた。まぁもし悪感情を持たれてもマーシェには如何することもできないので、王命で逃げ切ろうとは思っていた。
「離婚しようと思ってるのかしら?」
「そこまではまだはっきりとは考えていないのです。ただ出来るならしたいなくらいですね」
「そう」
リリアンは質問したあと少し目を伏せて何かを考えているようで、マーシェはそれを急かさずに待つ事にした。
「ごめんなさい、あまり時間もないだろうから私の離婚の理由を簡潔に話すわね。私はフォスティーヌに嵌められて、夫から不貞を疑われたの。そして子供の出自も疑われて有無を言わさず追い出されたから離婚したの」
「フォスティーヌ⋯⋯ってまさか!」
「そう、出戻り王女よ。ホント執念深くて嫌になっちゃう!でも陛下は貴方に婚姻の王命を出したでしょう。貴方には申し訳ないけれどブッセ家では皆が思わず歓喜したわ」
不敬を物ともせず楽しそうに話すリリアンにマーシェは唖然として言葉も出なかった。
だが気持ちはわかると、ついマーシェも同調していた。ただ嵌められたの件は気になる。
「嵌められたというのは罠を仕掛けられたと言うことですか?」
「夫人、マーシェ様と呼んでもよろしいかしら?」
「えぇ、では私もリリアン様とお呼びしても?」
「えぇ喜んでマーシェ様」
公爵家の今妻と前妻が初めて会ったのに仲良く名呼びし合うのも可笑しな光景ではあるが、どうやらフォスティーヌが同じようなので二人は仲間意識の方が強かった。
「丁度下の娘の1歳の誕生日会の次の日にね。メイドの大きな悲鳴で目が覚めたら、自分の部屋で寝ていたはずなのに客室で目が覚めたのよ。そして隣には初めて見る男が裸で寝て居たの、私は夜着をちゃんと着ていたわ。メイドの悲鳴を聞いた公爵と何故かフォスティーヌが部屋にやって来たわ。いくら見覚えも身に覚えもないと言ってもあの人は信じてくれなかった。幼い頃から婚約していたけれど私達の間には愛情はなかったの。でもね子供も二人産まれてあの前日まで私とても幸せだったの。だけど信頼関係を築けていたと思っていたのは私だけだったみたい」
寂しそうに語るリリアンをマーシェは気の毒に思った。
親子を見分けるのは容易ではない、この国では髪色や瞳の色そして顔立ち、それ等を総合して見分けることしか出来ない。
姉曰く遠い国では親子鑑定が出来る道具もあるらしいが精度は不明だと云う、信憑性が分からない物を高いお金を払ってまで購入などしないだろう。
マーシェの姉は隣国ストナム王家に嫁いでいる、そちらからの情報だから一般的には知られていないだろうとも思えた。
「離婚したいと思ったのはどうしてか聞いてもいいかしら?」
リリアンの問には、貴方もでしょう?と問いかける心の声を乗せて話しているようにマーシェは感じた。
期待通りなので半年前の出来事をリリアンに話す事に決めた。
聞けば部屋は防音ではないので中の声が漏れないようにする為だと言う。
マーシェは驚きつつも言われるがまま腰掛けた。
マーシェの夫アルマンの前妻リリアンの生家はブッセ伯爵家だ。離婚して籍も戻したので今はブッセ伯爵令嬢になる。
薄めの茶色い髪に緑色の瞳を持つ綺麗な女性で、マーシェの一つ年上だったと記憶している。
子供を連れての離婚が貴族としては珍しく感じていたが、誰もマーシェには離婚に至った理由は教えてくれなかった。
初めて話すリリアンはマーシェには悪い感情を抱いてはないように感じた。まぁもし悪感情を持たれてもマーシェには如何することもできないので、王命で逃げ切ろうとは思っていた。
「離婚しようと思ってるのかしら?」
「そこまではまだはっきりとは考えていないのです。ただ出来るならしたいなくらいですね」
「そう」
リリアンは質問したあと少し目を伏せて何かを考えているようで、マーシェはそれを急かさずに待つ事にした。
「ごめんなさい、あまり時間もないだろうから私の離婚の理由を簡潔に話すわね。私はフォスティーヌに嵌められて、夫から不貞を疑われたの。そして子供の出自も疑われて有無を言わさず追い出されたから離婚したの」
「フォスティーヌ⋯⋯ってまさか!」
「そう、出戻り王女よ。ホント執念深くて嫌になっちゃう!でも陛下は貴方に婚姻の王命を出したでしょう。貴方には申し訳ないけれどブッセ家では皆が思わず歓喜したわ」
不敬を物ともせず楽しそうに話すリリアンにマーシェは唖然として言葉も出なかった。
だが気持ちはわかると、ついマーシェも同調していた。ただ嵌められたの件は気になる。
「嵌められたというのは罠を仕掛けられたと言うことですか?」
「夫人、マーシェ様と呼んでもよろしいかしら?」
「えぇ、では私もリリアン様とお呼びしても?」
「えぇ喜んでマーシェ様」
公爵家の今妻と前妻が初めて会ったのに仲良く名呼びし合うのも可笑しな光景ではあるが、どうやらフォスティーヌが同じようなので二人は仲間意識の方が強かった。
「丁度下の娘の1歳の誕生日会の次の日にね。メイドの大きな悲鳴で目が覚めたら、自分の部屋で寝ていたはずなのに客室で目が覚めたのよ。そして隣には初めて見る男が裸で寝て居たの、私は夜着をちゃんと着ていたわ。メイドの悲鳴を聞いた公爵と何故かフォスティーヌが部屋にやって来たわ。いくら見覚えも身に覚えもないと言ってもあの人は信じてくれなかった。幼い頃から婚約していたけれど私達の間には愛情はなかったの。でもね子供も二人産まれてあの前日まで私とても幸せだったの。だけど信頼関係を築けていたと思っていたのは私だけだったみたい」
寂しそうに語るリリアンをマーシェは気の毒に思った。
親子を見分けるのは容易ではない、この国では髪色や瞳の色そして顔立ち、それ等を総合して見分けることしか出来ない。
姉曰く遠い国では親子鑑定が出来る道具もあるらしいが精度は不明だと云う、信憑性が分からない物を高いお金を払ってまで購入などしないだろう。
マーシェの姉は隣国ストナム王家に嫁いでいる、そちらからの情報だから一般的には知られていないだろうとも思えた。
「離婚したいと思ったのはどうしてか聞いてもいいかしら?」
リリアンの問には、貴方もでしょう?と問いかける心の声を乗せて話しているようにマーシェは感じた。
期待通りなので半年前の出来事をリリアンに話す事に決めた。
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