公爵夫人マーシェのお悩み

maruko

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1 図書館にて

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 マーシェ・マーロウ公爵夫人は半年前から思い立ち王立図書館で離婚問題に関する本を探していた、その際に公爵家では隠されて見せてもらえなかった法律書を発見して3日をかけて必死に読み込んでいた。

 マーシェは現在22歳、2年前にマーロウ公爵と婚姻した。二人の間に子供はいない、それもそのはずで初夜以外マーロウ公爵が夫婦の寝室に足を踏み入れていないのだから、出来るはずがないのである。
 マーロウ公爵は兎角問題のある夫だった。
 そもそもが彼は再婚である、前妻とはマーシェと婚約を結ぶ2ヶ月前に離縁している。
 二人の間には子供が二人いたのだが二人とも前妻が引き取っていた。

 彼は休日も無く一日中執務室に籠り、そこですべての衣食住を済ませていた。
 彼がそこを出る日は年に2回程ある王宮の夜会の時と王命で登城する時のみだ。
 執務室に引き篭もりたいがために、部屋を改装して其処になかったバスルームとトイレまで設置するという徹底ぶりだった。

 あまりにも徹底しすぎてマーシェは半ば呆れていたのだが、部屋から出て来ないだけでは離婚事由には成り得ないと諦めてもいた。但し子供に関することは諦めるというよりもマーシェに至っては義務なのでそうも言ってはいられなかった。
 それでもまだもう少し様子を見ようとしていたのだが、半年前に青天の霹靂ともいえる事が起こり、これならば離縁できるのではないかと、公爵家の護衛や侍女の目を盗みこうして王立図書館にコソコソと通っていたのだ。

「はぁ~法律違反になりそうなのだけど如何かなぁ」

 肝心のページを見ながら呟くと本に影が差した。見上げると綺麗な女性が本を覗いていた。
 その女性にマーシェは見覚えがある。

「ごきげんようマーロウ公爵夫人」

「ごきげんようブッセ伯爵令嬢」

 微笑みながら挨拶してきたのはマーロウ公爵アルマンの前妻だった。





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