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31王太子の帰国
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1ヶ月ほどの時間を費やした。
とうとうマッケンロウ王国王太子ルイスは解放された。
解放されたあとも約3週間、強行軍の中やっとの思いでマッケンロウ王国王城に辿り着いたルイスを待っていたのは、満面の笑みで周りに幸せを振りまくフォスティーヌの姿と憔悴しきった表情のアルマンの姿だった。
「お兄様!おかえりなさいませ!」
「フォスティーヌ、とても元気そうで何よりだ」
「えぇ私は元気ですわ、お兄様大変辛い思いをなさっていたのでしょう?もうご安心くださいね。お兄様は私とアルマンが支えますわ!」
「えっ?アルマン?」
上機嫌なフォスティーヌは、かつてかけたこともないような言葉でルイスを労う。
その様子と言葉から何かを察したルイスは、呼ばれる前に国王の元へと急いだ。
そもそも王太子が隣国の拘束を解かれ帰国したというのに、国王も王妃も直ぐに呼んでくれなかったことに違和感を覚える。
それに⋯王太子妃はどこにいるんだ?
ルイスは王宮の違和感をヒシヒシと感じていた。
陽射しは明るく王宮の廊下を照らしている。
王宮の本宮とルイスの住む王太子の宮とを結ぶ、その渡り廊下をルイスは毎日歩いていた。
すれ違う王宮メイドや侍女達は、ルイスに気付くと直ぐに端に寄り、頭を少し下げて目線を落とす。
いつもの光景だがそこにも違和感があった。
ルイスが通り過ぎたあと、彼らの目がルイスの背中を追っているような感覚がするのだ。それは今までに感じたことのない視線だった。
そして異変はまだ続く。
国王の執務室の前には護衛騎士が二人、これは変わらない。
だが、違ったのは彼等がルイスを止めたことだった。
「お待ちください、殿下!」
いつもここで止められることはない。
ルイスはいつでも入室を許される身分と許可をもらっていた。国王が忙しければいつもは中で待つのだ。
「なぜ止める!お前は?」
その護衛はルイスの見覚えのない男だった。
新人が間違えて呼び止めたのだろうと、処罰を言い渡そうとして躊躇した。彼の着用する鎧にポワント辺境伯の家紋を見たからだった。
「君は辺境伯家の者か?!」
「左様にございます」
「では中には⋯⋯辺境伯が?」
「はい、主とご息女マーシェ様が陛下とご歓談中でございます。なにびとたりとも入れるなとの命で、ここに我らは存在します」
ルイスが振り返るともう一人の護衛も同じ鎧に身を包んでいた。
一体中で何が行われているのだろうか?
護衛が言ったとおりの歓談であるはずがない。
それに、ルイスが今日帰城する事は先触れが知らせているはずだった。
それにも関わらず出迎えたのは妹と親友だけだった。
ルイスは自身が犯した行動は、自分の想像以上の大問題に発展しているのだと肌で感じることになった。
入室出来なかったルイスは自分の部屋に戻る気になれず、少しでも落ち着こうと執務室の一番近くにあるバルコニーへと向かった。
そこには先客がいた。
光に透けると金色にも見える薄い茶色の髪、瞳は深いメロウの緑。
侍女らしき女性に手を繋がれていたのは、見覚えのない2、3歳に見える幼い男の子だった。
とうとうマッケンロウ王国王太子ルイスは解放された。
解放されたあとも約3週間、強行軍の中やっとの思いでマッケンロウ王国王城に辿り着いたルイスを待っていたのは、満面の笑みで周りに幸せを振りまくフォスティーヌの姿と憔悴しきった表情のアルマンの姿だった。
「お兄様!おかえりなさいませ!」
「フォスティーヌ、とても元気そうで何よりだ」
「えぇ私は元気ですわ、お兄様大変辛い思いをなさっていたのでしょう?もうご安心くださいね。お兄様は私とアルマンが支えますわ!」
「えっ?アルマン?」
上機嫌なフォスティーヌは、かつてかけたこともないような言葉でルイスを労う。
その様子と言葉から何かを察したルイスは、呼ばれる前に国王の元へと急いだ。
そもそも王太子が隣国の拘束を解かれ帰国したというのに、国王も王妃も直ぐに呼んでくれなかったことに違和感を覚える。
それに⋯王太子妃はどこにいるんだ?
ルイスは王宮の違和感をヒシヒシと感じていた。
陽射しは明るく王宮の廊下を照らしている。
王宮の本宮とルイスの住む王太子の宮とを結ぶ、その渡り廊下をルイスは毎日歩いていた。
すれ違う王宮メイドや侍女達は、ルイスに気付くと直ぐに端に寄り、頭を少し下げて目線を落とす。
いつもの光景だがそこにも違和感があった。
ルイスが通り過ぎたあと、彼らの目がルイスの背中を追っているような感覚がするのだ。それは今までに感じたことのない視線だった。
そして異変はまだ続く。
国王の執務室の前には護衛騎士が二人、これは変わらない。
だが、違ったのは彼等がルイスを止めたことだった。
「お待ちください、殿下!」
いつもここで止められることはない。
ルイスはいつでも入室を許される身分と許可をもらっていた。国王が忙しければいつもは中で待つのだ。
「なぜ止める!お前は?」
その護衛はルイスの見覚えのない男だった。
新人が間違えて呼び止めたのだろうと、処罰を言い渡そうとして躊躇した。彼の着用する鎧にポワント辺境伯の家紋を見たからだった。
「君は辺境伯家の者か?!」
「左様にございます」
「では中には⋯⋯辺境伯が?」
「はい、主とご息女マーシェ様が陛下とご歓談中でございます。なにびとたりとも入れるなとの命で、ここに我らは存在します」
ルイスが振り返るともう一人の護衛も同じ鎧に身を包んでいた。
一体中で何が行われているのだろうか?
護衛が言ったとおりの歓談であるはずがない。
それに、ルイスが今日帰城する事は先触れが知らせているはずだった。
それにも関わらず出迎えたのは妹と親友だけだった。
ルイスは自身が犯した行動は、自分の想像以上の大問題に発展しているのだと肌で感じることになった。
入室出来なかったルイスは自分の部屋に戻る気になれず、少しでも落ち着こうと執務室の一番近くにあるバルコニーへと向かった。
そこには先客がいた。
光に透けると金色にも見える薄い茶色の髪、瞳は深いメロウの緑。
侍女らしき女性に手を繋がれていたのは、見覚えのない2、3歳に見える幼い男の子だった。
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