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56 国を救った宰相
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マッケンロウ王国王城、国王の執務室では、王妃、宰相、王太子、そしてマーロウ公爵アルマンが別室の円卓で和んでいた。
「まさか、フォスティーヌがあのように変わるとは」
国王が感慨深く話すと、隣ではいつも気丈な王妃が目に涙を浮かべていた。
隣に座る王太子ルイスが母の背にそっと手を添え撫でていた。
「誰が何度諭しても全く言う事を聞かなかったのに」
ルイスの言葉には、それまでの苦労も滲み出ていた。彼は決して妹を嫌いではなかった。寧ろ大好きだったのに、成長するに連れ彼女は傲慢な性格へと変貌して、周りを困らせる怪物になったと思い込み、厄介者扱いしていた。だが、フォスティーヌが傲慢になったのは、彼等が、あまりにも猫可愛がりした結果だという事に、未だに気付いていない。
フォスティーヌは言う事を聞かないのではなく、言う事を聞く必要がないと思っていただけである。まさに傲慢!
「今日、王女殿下は慰問に行かれております」
「「「おおっ!!」」」
離婚されて帰ってきてから、フォスティーヌにはいくつかの公務をするように伝えた。
幽閉することが公国より禁止されたのであれば、何かしらさせなければ何れ五年の猶予期間が過ぎれば、罰を与えろと言われるかもしれない。
そう考えて、宰相も王妃も手を打ったが、赴く先では悉く、慰問ではなく嫌がらせと受け取られていた。
フォスティーヌが慰問できる先が今では無くなっていたのだ。
それなのにどこか慰問を受け入れた所があると知り皆が喜んだ。
「ど、どこが受けてくれたんだ!」
国王は嬉しくて身を乗り出した。
「元コート伯爵領の教会です」
「えっ?」
疑問符で返したのはアルマンだった。
今そこは王家の預かりになっている、変更してから王家の者が訪れるのは、きっと初だっただろう。そんな大事な慰問を改心したかもしれないとはいえ、フォスティーヌに任せていいのか?そんな疑問が滲み出ていた。
「大丈夫です、殿下は穏やかにそこが良いと仰いました」
「「「「穏やかに!!」」」」
フォスティーヌが穏やかに話すなんて、彼女の人生の中で一度でもあったか?と全員が内心思いながら皆で顔を見合わせた。
「マーシェはどんな魔法を使ったんだ」
アルマンの呟いた言葉は、その場の皆の疑問だった。
マーシェは決して魔法など使っていない、只管フォスティーヌに対して、子供を躾けるように、上げて下げてを繰り返しただけだ。
即ちフォスティーヌは、幼い頃に誰からも躾けてもらえなかった事を、今回マーシェに施されただけだった。
飴と鞭という言葉はあれど、皆が飴しか与えなかった結果がフォスティーヌだと、この場の皆は自分達の過ちに、いい加減気付いた方がいいのではないかと、ここにマーシェがいれば演説しただろうと思われる。
宰相は少しだけそれを感じていたが、敢えて口にはしなかった。
もうフォスティーヌは大丈夫だと判断していた。
だから、アルマンに決断してもらわないとならないのだが⋯。
「マーシェを王族の教育係にしてはどうかしら?」
そんな戯言を王妃が話しだして、それに国王とルイスが同意し始めた。
するとアルマンが「では」と言ったところで宰相は漸く我に返り、その言葉を遮った。
「何を言いたいかわかりますが、それをしたらポリントだけではなく、ストナム王国まで敵に回しますよ、マーロウ公爵」
宰相の一言は、間一髪でマッケンロウ王国を救った。
その後、宰相に諭されて漸くマーロウ公爵アルマンは離婚届にサインをした。
「まさか、フォスティーヌがあのように変わるとは」
国王が感慨深く話すと、隣ではいつも気丈な王妃が目に涙を浮かべていた。
隣に座る王太子ルイスが母の背にそっと手を添え撫でていた。
「誰が何度諭しても全く言う事を聞かなかったのに」
ルイスの言葉には、それまでの苦労も滲み出ていた。彼は決して妹を嫌いではなかった。寧ろ大好きだったのに、成長するに連れ彼女は傲慢な性格へと変貌して、周りを困らせる怪物になったと思い込み、厄介者扱いしていた。だが、フォスティーヌが傲慢になったのは、彼等が、あまりにも猫可愛がりした結果だという事に、未だに気付いていない。
フォスティーヌは言う事を聞かないのではなく、言う事を聞く必要がないと思っていただけである。まさに傲慢!
「今日、王女殿下は慰問に行かれております」
「「「おおっ!!」」」
離婚されて帰ってきてから、フォスティーヌにはいくつかの公務をするように伝えた。
幽閉することが公国より禁止されたのであれば、何かしらさせなければ何れ五年の猶予期間が過ぎれば、罰を与えろと言われるかもしれない。
そう考えて、宰相も王妃も手を打ったが、赴く先では悉く、慰問ではなく嫌がらせと受け取られていた。
フォスティーヌが慰問できる先が今では無くなっていたのだ。
それなのにどこか慰問を受け入れた所があると知り皆が喜んだ。
「ど、どこが受けてくれたんだ!」
国王は嬉しくて身を乗り出した。
「元コート伯爵領の教会です」
「えっ?」
疑問符で返したのはアルマンだった。
今そこは王家の預かりになっている、変更してから王家の者が訪れるのは、きっと初だっただろう。そんな大事な慰問を改心したかもしれないとはいえ、フォスティーヌに任せていいのか?そんな疑問が滲み出ていた。
「大丈夫です、殿下は穏やかにそこが良いと仰いました」
「「「「穏やかに!!」」」」
フォスティーヌが穏やかに話すなんて、彼女の人生の中で一度でもあったか?と全員が内心思いながら皆で顔を見合わせた。
「マーシェはどんな魔法を使ったんだ」
アルマンの呟いた言葉は、その場の皆の疑問だった。
マーシェは決して魔法など使っていない、只管フォスティーヌに対して、子供を躾けるように、上げて下げてを繰り返しただけだ。
即ちフォスティーヌは、幼い頃に誰からも躾けてもらえなかった事を、今回マーシェに施されただけだった。
飴と鞭という言葉はあれど、皆が飴しか与えなかった結果がフォスティーヌだと、この場の皆は自分達の過ちに、いい加減気付いた方がいいのではないかと、ここにマーシェがいれば演説しただろうと思われる。
宰相は少しだけそれを感じていたが、敢えて口にはしなかった。
もうフォスティーヌは大丈夫だと判断していた。
だから、アルマンに決断してもらわないとならないのだが⋯。
「マーシェを王族の教育係にしてはどうかしら?」
そんな戯言を王妃が話しだして、それに国王とルイスが同意し始めた。
するとアルマンが「では」と言ったところで宰相は漸く我に返り、その言葉を遮った。
「何を言いたいかわかりますが、それをしたらポリントだけではなく、ストナム王国まで敵に回しますよ、マーロウ公爵」
宰相の一言は、間一髪でマッケンロウ王国を救った。
その後、宰相に諭されて漸くマーロウ公爵アルマンは離婚届にサインをした。
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