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マーシェは跳ねる何処までも!
ホテルの部屋の中で、幼子のようにスキップで跳ねるマーシェ。
今日のマーシェは無敵だった!
何故なら“離婚”が成立したからだ、ふふふ。
それを唖然として見つめているのは、先程その事実を告げたポリント辺境伯。
実はマーシェの隣にはレイオニーもいた、マーシェの見様見真似で一緒に跳ねていた。
ザイリスは⋯離婚後の移動の手配の為に、一人街中を駆けずり回っていた。
「はぁ~こんなに喜ばしいことはないわ!私もう公爵夫人ではないのよ!」
対面に座り、キラキラと瞳を輝かせる娘を目の当たりにした辺境伯は、それ程までにマーシェに過酷を強いたのかと反省していた。
「一緒にポリントに行こうねぇ」
「ねぇ~」
レイオニーを膝に抱きマーシェは上機嫌で、恋しいポリントを思い浮かべていた。
考えてみたら結婚して2年、もうすぐ3年になるけれど、夫と過ごした時期が一番長いのが、離婚に向けた話し合いだけだった。せめて白い結婚であるならば一年で終わっていたのに、姑息なアルマンはそれを阻止するために初夜だけは敢行した。
長く苦しかったわけではない。
酷い仕打ちはされていない。
ただ存在を拒否されただけだった。
せめて一ヶ月に一度でも良かった。交流があればマーシェは離婚は考えなかっただろうと、今なら思える。
だけどフォスティーヌほどマーシェはアルマンに愛情はない。
あんな盲目的に愛を表現できる王女を目の当たりにしてしまったら、マーシェは引くしかないのだ。
「まぁこれもいい思い出かしら?」
ずっと辺境で暮らしてきたマーシェは、王都の社交には自分は向かないと断言できる。
殆ど出た覚えはないけれど。
「それで、小僧とはどうなんだ?」
「うーん」
父の言葉にマーシェは悩む。
小僧とはザイリスの事だった。
マーシェの知らない間にマーシェに振られていた男。
迷子の迷子のお兄さん。
二回目に会った時、彼はポリント騎士団の者達に、盗賊団と間違えられたのだ。
マーシェが学園生だと伝えて、事なきを得ていたのだった。
先日、マーシェが彼を思い出し、認識したあとにもう一度釣書を直に渡された。
「返事は永久に待ちます!」
と言われたけれど、それってザイリス以外を選んでもずっと待つってことかしら?とザイリスが聞けばきっと失神してしまうほど嘆くような事を考えていた。
「様子見かしら?」
マーシェは彼のことをよく知らない。
アルマンの侍従というだけで、ただの顔見知り程度だった。
今すぐ考えることはできないけれど、父が認めたことで少しだけ株が上がっているのも事実だった。
ポリント辺境伯が認めていなかったら、レイオニーの子守になど絶対にしないはずなのだ。
そしてレイオニーは、既にザイリスを信頼するかの如く懐いていた。
彼はその“力”で人の本質も見れるのだろうか?
そもそも彼に流れる血は、『絶対服従』の血だった。
それが母体にいる時に、マリエルにもその権利が薄く渡ったため、マッケンロウ王国のみならず、あわや周辺国も巻き込む勢いで、奴隷制度が復活するところだった。
一部では売られた人たちもいた。
その時にレイオニーの血が利用されていたのだった。
今は解決したとはいえ、レイオニーはその力の為に命を狙われてしまう。
自分で対処できるようになるまで“子守”の力が必要だった。
だからこそ、人を導く事に不得手な今の暗澹たる王家ではなく、ポリント辺境伯が預かると宣言したのだ。
力の使い方をこれからレイオニーは学ばないといけない。
その力の指導もマーロウ公爵家に近いセバダ侯爵家のザイリスがピッタリだった。
もうすぐマーシェは王都を旅立つ。
「あと少し、もう少し」
「あちょしゅこし、もうしゅこし」
マーシェはレイオニーと笑顔で微笑み合っていた。
ホテルの部屋の中で、幼子のようにスキップで跳ねるマーシェ。
今日のマーシェは無敵だった!
何故なら“離婚”が成立したからだ、ふふふ。
それを唖然として見つめているのは、先程その事実を告げたポリント辺境伯。
実はマーシェの隣にはレイオニーもいた、マーシェの見様見真似で一緒に跳ねていた。
ザイリスは⋯離婚後の移動の手配の為に、一人街中を駆けずり回っていた。
「はぁ~こんなに喜ばしいことはないわ!私もう公爵夫人ではないのよ!」
対面に座り、キラキラと瞳を輝かせる娘を目の当たりにした辺境伯は、それ程までにマーシェに過酷を強いたのかと反省していた。
「一緒にポリントに行こうねぇ」
「ねぇ~」
レイオニーを膝に抱きマーシェは上機嫌で、恋しいポリントを思い浮かべていた。
考えてみたら結婚して2年、もうすぐ3年になるけれど、夫と過ごした時期が一番長いのが、離婚に向けた話し合いだけだった。せめて白い結婚であるならば一年で終わっていたのに、姑息なアルマンはそれを阻止するために初夜だけは敢行した。
長く苦しかったわけではない。
酷い仕打ちはされていない。
ただ存在を拒否されただけだった。
せめて一ヶ月に一度でも良かった。交流があればマーシェは離婚は考えなかっただろうと、今なら思える。
だけどフォスティーヌほどマーシェはアルマンに愛情はない。
あんな盲目的に愛を表現できる王女を目の当たりにしてしまったら、マーシェは引くしかないのだ。
「まぁこれもいい思い出かしら?」
ずっと辺境で暮らしてきたマーシェは、王都の社交には自分は向かないと断言できる。
殆ど出た覚えはないけれど。
「それで、小僧とはどうなんだ?」
「うーん」
父の言葉にマーシェは悩む。
小僧とはザイリスの事だった。
マーシェの知らない間にマーシェに振られていた男。
迷子の迷子のお兄さん。
二回目に会った時、彼はポリント騎士団の者達に、盗賊団と間違えられたのだ。
マーシェが学園生だと伝えて、事なきを得ていたのだった。
先日、マーシェが彼を思い出し、認識したあとにもう一度釣書を直に渡された。
「返事は永久に待ちます!」
と言われたけれど、それってザイリス以外を選んでもずっと待つってことかしら?とザイリスが聞けばきっと失神してしまうほど嘆くような事を考えていた。
「様子見かしら?」
マーシェは彼のことをよく知らない。
アルマンの侍従というだけで、ただの顔見知り程度だった。
今すぐ考えることはできないけれど、父が認めたことで少しだけ株が上がっているのも事実だった。
ポリント辺境伯が認めていなかったら、レイオニーの子守になど絶対にしないはずなのだ。
そしてレイオニーは、既にザイリスを信頼するかの如く懐いていた。
彼はその“力”で人の本質も見れるのだろうか?
そもそも彼に流れる血は、『絶対服従』の血だった。
それが母体にいる時に、マリエルにもその権利が薄く渡ったため、マッケンロウ王国のみならず、あわや周辺国も巻き込む勢いで、奴隷制度が復活するところだった。
一部では売られた人たちもいた。
その時にレイオニーの血が利用されていたのだった。
今は解決したとはいえ、レイオニーはその力の為に命を狙われてしまう。
自分で対処できるようになるまで“子守”の力が必要だった。
だからこそ、人を導く事に不得手な今の暗澹たる王家ではなく、ポリント辺境伯が預かると宣言したのだ。
力の使い方をこれからレイオニーは学ばないといけない。
その力の指導もマーロウ公爵家に近いセバダ侯爵家のザイリスがピッタリだった。
もうすぐマーシェは王都を旅立つ。
「あと少し、もう少し」
「あちょしゅこし、もうしゅこし」
マーシェはレイオニーと笑顔で微笑み合っていた。
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