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父の矜持
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「お前私が嘘を吐いていると言いたいのか?」
マリリンさんがサミュエルに一喝する、おそらくこの面々の中でマリリンさんを正しく理解していないのはサミュエルだけだろう。
彼は案の定マリリンさんに悪態を吐きそうになって猿轡を嵌められた。
その素早い対処に私は目が点になる。
第二王子はいとも鮮やかにサミュエルを黙らせた。
「フォッフォッフォッ」
マリリンさんはそれを見てとてもご満悦だ。
「嬢ちゃんの呪いは中途半端でとても不出来でねぇ、この婆にも簡単に解除は難しいんだよ。あまりにも粗悪でねぇ」
そう言いながらマリリンさんは呪いのブレスレットの説明を皆様に披露した。
お父様はとても悲しそうな顔をしている。
そうよね、娘の幸せを偶々買ったブレスレットに壊されたのだから、でも大丈夫よお父様、今私は最愛の人と会うことが出来たのだから。
「まぁそれは置いといてだねぇ、今日はサッサとそっちのアホ男と嬢ちゃんの離婚を成立させないとねぇ」
マリリンさんの言葉にフガフガしながらサミュエルが何かを喚いているけど、猿轡の効果で何を言ってるかはさっぱり解らない。
「しかし、元王妃の言うことが本当であるならばセイシャル王国としても了承しかねるのだが⋯」
「もしかしても私はこれが原因だと思うんだけどねぇ」
セイシャル王の言葉にマリリンさんが反論した。
「この告白を聞く限り肝心な事はこの王妃さんは覚えてないって言ってるけど、それはきっと其方に都合がいい事じゃなかったんじゃないかぇ。だから無意識に忘れちまった。本来薬師というのは利益だけを追求する人達じゃないと思うんだよねぇ、そうだろうスチュート伯爵」
「えぇもし流行り病が蔓延するのならばそれを無視するわけには行きませんから」
マリリンさんの問いにお父様が答えた。
それは私もそう思う、それでも放置していたのはそこに何らかの思惑かしなければならない事があったのだと思う。
「王妃さんが国に縛り付けようとお嬢ちゃんを息子と婚姻させようとしたのも実際にその道筋なんじゃないのかなぁと婆は予想しておるよ」
「マリリン様それは?」
王妃様がマリリンさんに訊ねた。
そしてマリリンさんは皆に説明を始めたのは、ここまでの私の半生はそのままその小説とやらの道筋なのではないかと言った。
元王妃様が色々とした事も元々その小説とやらのあらすじでは無いかという、彼女が運命を変えようと模索したことが元々その小説とやらのあらすじなのであれば、彼女は運命を変えるどころかそのままなぞっただけだ。
なんて無駄なことを!
「おそらくねぇ予定外が呪いとそこのアホの事だと思うんだよねぇ」
「なるほどなぁ!でも結局はその小説とやらのあらすじに戻ってしまうと言うことか!本当なら俺とミランダは会う運命じゃなかったって事だろう?」
「おっアル坊は理解力があって優秀だのぅ、それそれそれを言いたかったのじゃよぉ」
ちょっと私は話しの内容が見えなくなって困っていたのだけど、セルトの言葉でノーマン王とセイシャル王そして第二王子が首を「ウンウン」と言いながら解っているようだ。
どうしましょう私には解らないわ。
困っているとセルトが丁寧に説明してくれた。
「憶測でしかないけどなぁ、多分その小説とやらの内容はこんな感じじゃないかな。先ずセイシャルの王太子とミランダは婚姻するんだ、でも何かがあってミランダは離婚を選択した、だけど王太子が離婚したくなかった、その関係でスチュート伯爵家に何らかの罰を与えた、それに怒ったミランダとスチュート伯爵家は国を捨てた。だけど今回施された白い結婚の3年で離婚という法律をセイシャルはその話しとやらでも変えてしまって、ミランダは離婚出来てなかったんじゃないのかな、それでミランダと王太子の離婚を交渉材料にしている間に国が失くなった。そう考えると辻褄が合う」
えっ?そんな事?
セルトの話しを聞いて私は少し違和感があった。
「いや殿下、それは納得できません」
反論したのはお父様だった。
「我がスチュート伯爵家はそうだとしても国毎見捨てるなど有りはしません」
お父様の言い分は尤もだ。
交渉はあるかもしれないけれどそれでも人の命を天秤になどかけたりしない。
それは薬師としてのお父様の矜持だ。
何を於いても人命を軽んじてはならないと私はお父様に教えてもらったのだから。
マリリンさんがサミュエルに一喝する、おそらくこの面々の中でマリリンさんを正しく理解していないのはサミュエルだけだろう。
彼は案の定マリリンさんに悪態を吐きそうになって猿轡を嵌められた。
その素早い対処に私は目が点になる。
第二王子はいとも鮮やかにサミュエルを黙らせた。
「フォッフォッフォッ」
マリリンさんはそれを見てとてもご満悦だ。
「嬢ちゃんの呪いは中途半端でとても不出来でねぇ、この婆にも簡単に解除は難しいんだよ。あまりにも粗悪でねぇ」
そう言いながらマリリンさんは呪いのブレスレットの説明を皆様に披露した。
お父様はとても悲しそうな顔をしている。
そうよね、娘の幸せを偶々買ったブレスレットに壊されたのだから、でも大丈夫よお父様、今私は最愛の人と会うことが出来たのだから。
「まぁそれは置いといてだねぇ、今日はサッサとそっちのアホ男と嬢ちゃんの離婚を成立させないとねぇ」
マリリンさんの言葉にフガフガしながらサミュエルが何かを喚いているけど、猿轡の効果で何を言ってるかはさっぱり解らない。
「しかし、元王妃の言うことが本当であるならばセイシャル王国としても了承しかねるのだが⋯」
「もしかしても私はこれが原因だと思うんだけどねぇ」
セイシャル王の言葉にマリリンさんが反論した。
「この告白を聞く限り肝心な事はこの王妃さんは覚えてないって言ってるけど、それはきっと其方に都合がいい事じゃなかったんじゃないかぇ。だから無意識に忘れちまった。本来薬師というのは利益だけを追求する人達じゃないと思うんだよねぇ、そうだろうスチュート伯爵」
「えぇもし流行り病が蔓延するのならばそれを無視するわけには行きませんから」
マリリンさんの問いにお父様が答えた。
それは私もそう思う、それでも放置していたのはそこに何らかの思惑かしなければならない事があったのだと思う。
「王妃さんが国に縛り付けようとお嬢ちゃんを息子と婚姻させようとしたのも実際にその道筋なんじゃないのかなぁと婆は予想しておるよ」
「マリリン様それは?」
王妃様がマリリンさんに訊ねた。
そしてマリリンさんは皆に説明を始めたのは、ここまでの私の半生はそのままその小説とやらの道筋なのではないかと言った。
元王妃様が色々とした事も元々その小説とやらのあらすじでは無いかという、彼女が運命を変えようと模索したことが元々その小説とやらのあらすじなのであれば、彼女は運命を変えるどころかそのままなぞっただけだ。
なんて無駄なことを!
「おそらくねぇ予定外が呪いとそこのアホの事だと思うんだよねぇ」
「なるほどなぁ!でも結局はその小説とやらのあらすじに戻ってしまうと言うことか!本当なら俺とミランダは会う運命じゃなかったって事だろう?」
「おっアル坊は理解力があって優秀だのぅ、それそれそれを言いたかったのじゃよぉ」
ちょっと私は話しの内容が見えなくなって困っていたのだけど、セルトの言葉でノーマン王とセイシャル王そして第二王子が首を「ウンウン」と言いながら解っているようだ。
どうしましょう私には解らないわ。
困っているとセルトが丁寧に説明してくれた。
「憶測でしかないけどなぁ、多分その小説とやらの内容はこんな感じじゃないかな。先ずセイシャルの王太子とミランダは婚姻するんだ、でも何かがあってミランダは離婚を選択した、だけど王太子が離婚したくなかった、その関係でスチュート伯爵家に何らかの罰を与えた、それに怒ったミランダとスチュート伯爵家は国を捨てた。だけど今回施された白い結婚の3年で離婚という法律をセイシャルはその話しとやらでも変えてしまって、ミランダは離婚出来てなかったんじゃないのかな、それでミランダと王太子の離婚を交渉材料にしている間に国が失くなった。そう考えると辻褄が合う」
えっ?そんな事?
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「いや殿下、それは納得できません」
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「我がスチュート伯爵家はそうだとしても国毎見捨てるなど有りはしません」
お父様の言い分は尤もだ。
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