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17 サプライズ
部屋に入ってきた時からアルが私を凝視して微動だにしなくて⋯⋯
「お~い帰ってきて下さーい」
アルの顔の前で右手をヒラヒラさせながら言ってたら
「フゥー、生き返った」
何故に呼吸を止めてたの?
「マイラ、とっても可愛い。お手をどうぞお姫様」
エスコートの手を私に差し出してアルが⋯⋯可愛いって⋯前世でも言われたことのない男の人の褒め言葉。
絶対に顔は真っ赤なはず、だって暑いもん。
「ありがとう」
お礼を言うのが精一杯でアルを褒めるのを忘れてた私は行きすがら思い出した。
「あっあのアルもとても素敵ね」
「ブハッ!なんだよ、とってつけたみたいに」
「アルがかっ可愛いとか初めて言ってくれたから言うタイミングを逃したのよ。ちゃんと本心よ」
「ホントに?」
また私の顔を覗き込んで聞くんだけど、ちょっとそれ止めてほしい。
前世から男の人に免疫ないんだから、ほらまた顔が茹で上がる。
真っ赤な顔の茹でダコの私とアルが食堂に着いた。
「行くぞ」
えっ?食事するのに何故にその言葉?
困惑した私をよそにアルが扉を開いた。
「「「おめでとうマイラちゃん」」」
入って直ぐにトールさんがカートを押して私の目の前に持ってきた。
そこにはホールケーキがあって⋯あって⋯。
涙が止まらない。
16年の人生で初めて誕生日が特別な日になった。
いつまでも涙が止まらない私をサラお義母様が抱きしめてくれた。
何故かアルを押し退けて。
私はサラお義母様の胸でわんわん泣いた。
文字通りわんわん。
察してください。
初めての誕生日のお祝いなんです。
涙が全然止まらないんです。
そのうち誰か大きな手が頭を撫でてくれてる事に気づいた。
伯爵様だった。
大人の男の方に頭を撫でられるのが初めてで、ひゅっと涙が止まった。
恐る恐る見上げると伯爵様はニコッと笑顔を浮かべ
「折角のお祝いだ、楽しんで欲しいな。涙は止まったかな?」
「ねぇ止まったっていうか、マイラちゃん固まっちゃったわ、貴方にびっくりしたのよ」
咎めるようにサラお義母様が伯爵様に意見されましたが、違うんです、ただ免疫がなくて、まぁびっくりしたのは事実ですけど反面嬉しいのも事実なのです。
「サラお義母様、大丈夫です。ごめんなさい泣きすぎてサラお義母様の胸が濡れてしまいました」
そう言ってたらメリーさんが直ぐにハンカチでサラお義母様のドレスを拭いてくれて、ミナさんが私の泣いたあとの顔を白粉で整えてくれました。
「びっくりさせて悪かったよ。気を取り直して食べよう!料理長が腕によりをかけて用意してくれたんだよ。食べなきゃ損!損!」
伯爵様に促されて席に案内してもらったらサラお義母様のお隣でした。
向かい側にはアルがいます。
メニューの時の件があるからか、私の横にはトールさんが給仕をしながら料理の説明をしてくれます。
前菜からスープ、ポワソン、ヴィアンド、最後にデザート。
デザートはもちろん最初にトールさんがカートに乗せてきてくれたホールケーキをカットしてくれたクリームたっぷりのケーキ。
今世はお誕生日のケーキにロウソクを刺す慣習はないみたいです。
フランス料理のフルコースのようなディナーで、前世1度だけ行ったホテルのXmasディナーを思い出す。
私の初任給で母と行ったのだけど、周りがカップルだらけでラブラブの雰囲気の中、異質な私と母はなんだか恥ずかしくて急いで食べた記憶。
その後の角打ちの方が盛り上がったなぁと、思い出してクスッと声に出てしまった。
「どうしたマイラ?」
「なんでもないよアル、ただ、私今とっても、とーっても幸せ」
「そうか?⋯⋯そうか!良かった!ケーキ沢山あるからもっと食べろよ」
「うん!」
2個目のケーキを頬張りながら初めての誕生日ごと、幸せを噛みしめる私でした。
「お~い帰ってきて下さーい」
アルの顔の前で右手をヒラヒラさせながら言ってたら
「フゥー、生き返った」
何故に呼吸を止めてたの?
「マイラ、とっても可愛い。お手をどうぞお姫様」
エスコートの手を私に差し出してアルが⋯⋯可愛いって⋯前世でも言われたことのない男の人の褒め言葉。
絶対に顔は真っ赤なはず、だって暑いもん。
「ありがとう」
お礼を言うのが精一杯でアルを褒めるのを忘れてた私は行きすがら思い出した。
「あっあのアルもとても素敵ね」
「ブハッ!なんだよ、とってつけたみたいに」
「アルがかっ可愛いとか初めて言ってくれたから言うタイミングを逃したのよ。ちゃんと本心よ」
「ホントに?」
また私の顔を覗き込んで聞くんだけど、ちょっとそれ止めてほしい。
前世から男の人に免疫ないんだから、ほらまた顔が茹で上がる。
真っ赤な顔の茹でダコの私とアルが食堂に着いた。
「行くぞ」
えっ?食事するのに何故にその言葉?
困惑した私をよそにアルが扉を開いた。
「「「おめでとうマイラちゃん」」」
入って直ぐにトールさんがカートを押して私の目の前に持ってきた。
そこにはホールケーキがあって⋯あって⋯。
涙が止まらない。
16年の人生で初めて誕生日が特別な日になった。
いつまでも涙が止まらない私をサラお義母様が抱きしめてくれた。
何故かアルを押し退けて。
私はサラお義母様の胸でわんわん泣いた。
文字通りわんわん。
察してください。
初めての誕生日のお祝いなんです。
涙が全然止まらないんです。
そのうち誰か大きな手が頭を撫でてくれてる事に気づいた。
伯爵様だった。
大人の男の方に頭を撫でられるのが初めてで、ひゅっと涙が止まった。
恐る恐る見上げると伯爵様はニコッと笑顔を浮かべ
「折角のお祝いだ、楽しんで欲しいな。涙は止まったかな?」
「ねぇ止まったっていうか、マイラちゃん固まっちゃったわ、貴方にびっくりしたのよ」
咎めるようにサラお義母様が伯爵様に意見されましたが、違うんです、ただ免疫がなくて、まぁびっくりしたのは事実ですけど反面嬉しいのも事実なのです。
「サラお義母様、大丈夫です。ごめんなさい泣きすぎてサラお義母様の胸が濡れてしまいました」
そう言ってたらメリーさんが直ぐにハンカチでサラお義母様のドレスを拭いてくれて、ミナさんが私の泣いたあとの顔を白粉で整えてくれました。
「びっくりさせて悪かったよ。気を取り直して食べよう!料理長が腕によりをかけて用意してくれたんだよ。食べなきゃ損!損!」
伯爵様に促されて席に案内してもらったらサラお義母様のお隣でした。
向かい側にはアルがいます。
メニューの時の件があるからか、私の横にはトールさんが給仕をしながら料理の説明をしてくれます。
前菜からスープ、ポワソン、ヴィアンド、最後にデザート。
デザートはもちろん最初にトールさんがカートに乗せてきてくれたホールケーキをカットしてくれたクリームたっぷりのケーキ。
今世はお誕生日のケーキにロウソクを刺す慣習はないみたいです。
フランス料理のフルコースのようなディナーで、前世1度だけ行ったホテルのXmasディナーを思い出す。
私の初任給で母と行ったのだけど、周りがカップルだらけでラブラブの雰囲気の中、異質な私と母はなんだか恥ずかしくて急いで食べた記憶。
その後の角打ちの方が盛り上がったなぁと、思い出してクスッと声に出てしまった。
「どうしたマイラ?」
「なんでもないよアル、ただ、私今とっても、とーっても幸せ」
「そうか?⋯⋯そうか!良かった!ケーキ沢山あるからもっと食べろよ」
「うん!」
2個目のケーキを頬張りながら初めての誕生日ごと、幸せを噛みしめる私でした。
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