【本編完結】逃げるが価値

maruko

文字の大きさ
34 / 91

33 この先

しおりを挟む
叔父様の家に帰るとまだ4人は話し込んでいました。

私は帰りがけにサーラが買った野菜や果物を選別してます。
それを物珍しそうにミナさんが見ています。

「お嬢様、まさか私が辞めたあと調理場の仕事とかさせられたりしていたんですか?もし、そうなら⋯⋯」

「いいえ、してないわよ。でも偶に調理場へは行っていたわ。はしたないけどお腹が空いたりとかした時にね。誰かに頼むと馘首クビにされちゃうから自分で行ってただけよ」

「マイラ様、食事はされていたんではないのですか?」

「あぁ以前言っていたでしょう。時間をずらして呼ばれるって、だからパンとかサラダとかはあまり残っていなかったの。スープも冷たくて固まってる時もあったし、食べられるものがあまりね、なかったから。でも先日教会に泊まる機会があったの。その時の食事を見て私は恵まれていたんだと感じたわ」

家出1日目の教会で出された食事はリンゴ1個と具なしの薄いコンソメスープ、そしてカタパン。昔のアニメでアルプスのおばあさんを思い出したわ。

それでもリンゴがあるだけ特別な食事だったみたい。
祈ったこともなかったけれど思わず手を組み神に感謝したの。

だって侯爵家では数は少なくても硬いパンではなかったし、冷めてはいたし水で薄めたような色だったけどスープにはしっかりベーコンも入ってた。
メインのお肉は小さかったけれどちゃんとメインとして存在していたし、デザートは普通だった。

広い食堂で最終的には一人になるけど、行ったときには両親も姉も使用人もいた。

なんだかんだと恵まれていたんだと思ったわ

そんな話をサーラとミナさんにしたんだけど共感はして貰えなかった、残念。

とりあえず選別が終わった野菜と果物をサーラに渡す。

「これは今日中に料理したほうがいいわ、あとは2、3日は持つはずよ。お料理も手伝う?」

「いえ今日はジョルデ様は外食をされるおつもりだと思います。食堂を予約されてましたので。これは私の夜と皆様の夜食用に何か作っておきますね」

「ありがとうサーラ」

「いえお側でずっとお守りすることが叶わなかったことをとても後悔しておりました。私がもう少し奥様の意図を考えて上手く立ち回っていたら良かったのですけど、若気の至りで、つい興奮してしまって」

サーラは姉の態度に憤慨して父に直談判に行って馘首クビになったのです。

今考えると姉に文句を言ってたら馘首クビだけでは済んでなかったかもしれないですね。

それにしても不思議です。
姉が生まれるまで別邸にいた父が、その後はずっと本邸で生活していると思われます。

その心境の変化は何なのでしょうか?

まぁ今後、関わりたくはないのですが母が侯爵家そこにいるならどうにかせずにはいられないだろうと思うので、嫌でも関わらなければならないですね。

あっ私の侯爵家じっかの話でした。
他人事のように感じてしまうのは、今までが今までですのでご容赦を。

これからどうなってゆくのでしょうか?

私は無事に“婚約破棄”できるのでしょうか?

アルと婚約できるのでしょうか?
しおりを挟む
感想 68

あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私の手からこぼれ落ちるもの

アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。 優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。 でもそれは偽りだった。 お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。 お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。 心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。 私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。 こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら… ❈ 作者独自の世界観です。 ❈ 作者独自の設定です。 ❈ ざまぁはありません。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

【完結済】25年目の厄災

恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。 だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは…… 25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

繰り返しのその先は

みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、 私は悪女と呼ばれるようになった。 私が声を上げると、彼女は涙を流す。 そのたびに私の居場所はなくなっていく。 そして、とうとう命を落とした。 そう、死んでしまったはずだった。 なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。 婚約が決まったあの日の朝に。

処理中です...