37 / 91
36 『ルビ』
しおりを挟む
私からの乞う眼差しは二人にスルーされて、辺境伯がことの経緯をお義父様に聞いております。
「ねぇ、それじゃあ本末転倒じゃない?だって公爵家潰したところで、また違う婚約者を連れてくるだけなんじゃない?あのアルシェ侯爵ならそれぐらいするでしょう。それなら兄から潰していったほうがいいと思うんだけど」
「それはこちらも考えましたが、肝心の御方はどこへ消えたのやら、さっぱりわからないんです」
「ここに居るけど」
「「はあ?!」」
辺境伯があの王弟で先の第二王子を匿っているなんて⋯⋯。
ついジト目で睨んでしまったのですが、それには気を悪くされませんでした。
(あとで思いだして肝を冷やしました)
「待って待って!そんな怖い顔しないでよ二人とも。陛下に頼まれたの!仕方なくだよ、監視してるんだ。私も弱みがあるからね、しょうがなく連れてきたのさ」
人の弱みに漬け込む陛下
女の尊厳を無視する先の第二王子
人を無意識に不快にさせる先の第三王子もとい辺境伯
王家の男も碌なやついないじゃないか!
この国終わってる?
って、この辺境伯に弱みがあるのね。
あぁまた私の顔を見てニヤニヤしてますよ、今度は何を言い出すのかしら
「私の弱み聞きたい?」
「えっ!教えてくださるのですか?ならば是非」
「はぁ~君は物怖じしないんだね。そんな性格ならあの父親くらい成敗出来たんじゃないの?」
「無理です!この性格は開き直ったが故なので、まだ侯爵家にいる時は絶望でした」
「ふうん。ハハハ、君とは気が合いそうなんだけどな」
合いませんよ、心の中なのでいいですよね、悪態ついても。
「いや顔に出てるよ」
ナヌ?
「はぁ条件付けてもいいかな?公爵家潰すのは最後ね、どうせならマイラが引導渡せばいいよ」
「条件とは何でしょうか?」
お義父様が訝しげに辺境伯様に尋ねます。
私も息をのんで見守りますが、私がタンキ様に引導渡すとは?
そんなもん出来るならとっくにしてるっつうーの!
「マイラ・アルシェ。アルシェ侯爵が息女。君、私の養女になりなさい」
「「はぁ?」」
私とお義父様がめん玉飛び出そうなぐらい驚いているのを面白そうに眺めて、本日何回目かわからないニヤケ顔をこちらに向けてる辺境伯。
私は今、ルビをつける⋯⋯『王族』って書いて『とんでもない奴ら』って読むんだ。
「ねぇ、それじゃあ本末転倒じゃない?だって公爵家潰したところで、また違う婚約者を連れてくるだけなんじゃない?あのアルシェ侯爵ならそれぐらいするでしょう。それなら兄から潰していったほうがいいと思うんだけど」
「それはこちらも考えましたが、肝心の御方はどこへ消えたのやら、さっぱりわからないんです」
「ここに居るけど」
「「はあ?!」」
辺境伯があの王弟で先の第二王子を匿っているなんて⋯⋯。
ついジト目で睨んでしまったのですが、それには気を悪くされませんでした。
(あとで思いだして肝を冷やしました)
「待って待って!そんな怖い顔しないでよ二人とも。陛下に頼まれたの!仕方なくだよ、監視してるんだ。私も弱みがあるからね、しょうがなく連れてきたのさ」
人の弱みに漬け込む陛下
女の尊厳を無視する先の第二王子
人を無意識に不快にさせる先の第三王子もとい辺境伯
王家の男も碌なやついないじゃないか!
この国終わってる?
って、この辺境伯に弱みがあるのね。
あぁまた私の顔を見てニヤニヤしてますよ、今度は何を言い出すのかしら
「私の弱み聞きたい?」
「えっ!教えてくださるのですか?ならば是非」
「はぁ~君は物怖じしないんだね。そんな性格ならあの父親くらい成敗出来たんじゃないの?」
「無理です!この性格は開き直ったが故なので、まだ侯爵家にいる時は絶望でした」
「ふうん。ハハハ、君とは気が合いそうなんだけどな」
合いませんよ、心の中なのでいいですよね、悪態ついても。
「いや顔に出てるよ」
ナヌ?
「はぁ条件付けてもいいかな?公爵家潰すのは最後ね、どうせならマイラが引導渡せばいいよ」
「条件とは何でしょうか?」
お義父様が訝しげに辺境伯様に尋ねます。
私も息をのんで見守りますが、私がタンキ様に引導渡すとは?
そんなもん出来るならとっくにしてるっつうーの!
「マイラ・アルシェ。アルシェ侯爵が息女。君、私の養女になりなさい」
「「はぁ?」」
私とお義父様がめん玉飛び出そうなぐらい驚いているのを面白そうに眺めて、本日何回目かわからないニヤケ顔をこちらに向けてる辺境伯。
私は今、ルビをつける⋯⋯『王族』って書いて『とんでもない奴ら』って読むんだ。
935
あなたにおすすめの小説
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
【完結済】25年目の厄災
紫
恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。
だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは……
25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる