11 / 45
11
レオの突撃から1週間程経過した。
それでもライラの大きくなった気は変わらず無謀な計画を頭の中でシュミレーションしていた。
そんなライラをジルは止めることはしなかった。
平民が貴族の中で過ごすのはかなり気を張る事だった。それをライラは学園で3年間過ごしてきたのだ。我慢我慢の連続で理不尽な言いがかりを付けられて泣いているのを慰めたりもしていた。(そういえばそんな時でもレオは何の力にもなってくれなかったな)お嬢様はいつも頑張っていたと思う!
卒業してからは教会の孤児たちの為に文字や簡単な計算を教えたりして社会貢献にも尽力している。そんなお嬢様がふたまわりも年上の貴族の後妻になる必要はないはずだ。
逃げる事はおそらく国を捨てる事になるだろう。だったらギリギリまで足掻いてもいいのではないかな?
ジルはライラが何をしても協力しようと思っていた。
「ねぇジル、ルクルト伯爵はどうやって私を見初めたのかしらね」
「見初め方は色々とあるのではないでしょうか?」
「例えば?」
「それは沢山ありますが、教会で見かけたとか。見初めたのだから遠目なのか近くなのかは分かりませんがお嬢様を見た事はあるのだと思います。何せ見初めたのですから」
「そうよね、じゃあ私が会いに行っても私って分かるはずよね」
「それはそうでしょうね」
「ずっと考えていたのだけど、ルクルト伯爵にお手紙を書いて会ってもらおうかとかね。でももしルクルト伯爵が悪い人だったら会うって前もってわかったら閉じ込めたりしないかしら?」
「お嬢様、それは危険ですね」
「そうなの、これを思いついてしまったら約束して会うのが怖くなっちゃって。だから偶然を装う事にしようと思うの」
「どうされるのですか?」
「ジル付き合ってくれる?」
「ジルはいつでもお嬢様のお側にいます」
「良かった」
やっぱりジルは自分の味方だとライラは嬉しくなった。
◇◇◇
次の日からライラはルクルト伯爵邸を見張る事にした。
着いてみて驚いたが、ルクルト伯爵邸は屋敷は外から見てライラの家とあまり変わらぬ大きさだったけれど、敷地がかなり広かった。領地持ちの貴族だから当然王都のここはタウンハウスのはずなのに、伯爵邸の外周を馬車で周ってみてライラはその広さに圧倒された。
「流石公爵家の血筋よね。広すぎる!」
ライラは馬車の中で呟いた。
ここに来るまでにライラなりにルクルト伯爵を調べた。
シーレス・オーレ・ルクルト伯爵42歳
アッシュブロンドの髪、瞳はブルーグレー
彼はオーレント公爵の三男として生まれている。現在のオーレント公爵は彼の長兄だ。
学園生の時に男爵家のご令嬢と恋仲になり大恋愛の末結婚した。結婚した時に公爵家の従属爵位の一つであるルクルト伯爵を継承した。
その後奥様を病で亡くしてからは独身だ、子供はいない。隠し子は⋯いないと思う。
元を正せばオーレント公爵家は王弟が興した公爵家だから王家の血が流れている。顔立ちは、やはりというべきかお年の割にはあまり皺もなくあり得ない程に整っているのだとか。
調べていくうちにライラは、やっぱり結婚するのは無理だと躊躇してしまった。
理由は年の差なんかではない。
血筋の問題だ。
王家の流れなんて平民のライラからしたら雲の上の御方だ。
自分が近寄っていい相手ではない。
(絶対に断らなきゃ!)
そう心に誓った。
おそらく父が反対しているのもその変だろうと思うし、簡単に断れないのもそれが原因なのだと分かった。
これはルクルト伯爵から打診を取り下げてもらわないと、どうにもならないのだとライラは悟った。
✎ ------------------------
こちらが今年最後の更新になります😊
年の瀬の忙しい中、沢山の作品の中から拙作を選びお読み頂き心から感謝申し上げます
今年も一年色々と御座いましたが年度末の最終日に無事更新ができたのも応援して下さる、海よりも広い心をお持ちの優しい読者様のおかげです
ありがとうございました🙇♀
今年同様、来年もどうぞよろしくお願いします
(⑉˙ᗜ˙⑉)
良いお年をお迎えくださいませ♡
それでもライラの大きくなった気は変わらず無謀な計画を頭の中でシュミレーションしていた。
そんなライラをジルは止めることはしなかった。
平民が貴族の中で過ごすのはかなり気を張る事だった。それをライラは学園で3年間過ごしてきたのだ。我慢我慢の連続で理不尽な言いがかりを付けられて泣いているのを慰めたりもしていた。(そういえばそんな時でもレオは何の力にもなってくれなかったな)お嬢様はいつも頑張っていたと思う!
卒業してからは教会の孤児たちの為に文字や簡単な計算を教えたりして社会貢献にも尽力している。そんなお嬢様がふたまわりも年上の貴族の後妻になる必要はないはずだ。
逃げる事はおそらく国を捨てる事になるだろう。だったらギリギリまで足掻いてもいいのではないかな?
ジルはライラが何をしても協力しようと思っていた。
「ねぇジル、ルクルト伯爵はどうやって私を見初めたのかしらね」
「見初め方は色々とあるのではないでしょうか?」
「例えば?」
「それは沢山ありますが、教会で見かけたとか。見初めたのだから遠目なのか近くなのかは分かりませんがお嬢様を見た事はあるのだと思います。何せ見初めたのですから」
「そうよね、じゃあ私が会いに行っても私って分かるはずよね」
「それはそうでしょうね」
「ずっと考えていたのだけど、ルクルト伯爵にお手紙を書いて会ってもらおうかとかね。でももしルクルト伯爵が悪い人だったら会うって前もってわかったら閉じ込めたりしないかしら?」
「お嬢様、それは危険ですね」
「そうなの、これを思いついてしまったら約束して会うのが怖くなっちゃって。だから偶然を装う事にしようと思うの」
「どうされるのですか?」
「ジル付き合ってくれる?」
「ジルはいつでもお嬢様のお側にいます」
「良かった」
やっぱりジルは自分の味方だとライラは嬉しくなった。
◇◇◇
次の日からライラはルクルト伯爵邸を見張る事にした。
着いてみて驚いたが、ルクルト伯爵邸は屋敷は外から見てライラの家とあまり変わらぬ大きさだったけれど、敷地がかなり広かった。領地持ちの貴族だから当然王都のここはタウンハウスのはずなのに、伯爵邸の外周を馬車で周ってみてライラはその広さに圧倒された。
「流石公爵家の血筋よね。広すぎる!」
ライラは馬車の中で呟いた。
ここに来るまでにライラなりにルクルト伯爵を調べた。
シーレス・オーレ・ルクルト伯爵42歳
アッシュブロンドの髪、瞳はブルーグレー
彼はオーレント公爵の三男として生まれている。現在のオーレント公爵は彼の長兄だ。
学園生の時に男爵家のご令嬢と恋仲になり大恋愛の末結婚した。結婚した時に公爵家の従属爵位の一つであるルクルト伯爵を継承した。
その後奥様を病で亡くしてからは独身だ、子供はいない。隠し子は⋯いないと思う。
元を正せばオーレント公爵家は王弟が興した公爵家だから王家の血が流れている。顔立ちは、やはりというべきかお年の割にはあまり皺もなくあり得ない程に整っているのだとか。
調べていくうちにライラは、やっぱり結婚するのは無理だと躊躇してしまった。
理由は年の差なんかではない。
血筋の問題だ。
王家の流れなんて平民のライラからしたら雲の上の御方だ。
自分が近寄っていい相手ではない。
(絶対に断らなきゃ!)
そう心に誓った。
おそらく父が反対しているのもその変だろうと思うし、簡単に断れないのもそれが原因なのだと分かった。
これはルクルト伯爵から打診を取り下げてもらわないと、どうにもならないのだとライラは悟った。
✎ ------------------------
こちらが今年最後の更新になります😊
年の瀬の忙しい中、沢山の作品の中から拙作を選びお読み頂き心から感謝申し上げます
今年も一年色々と御座いましたが年度末の最終日に無事更新ができたのも応援して下さる、海よりも広い心をお持ちの優しい読者様のおかげです
ありがとうございました🙇♀
今年同様、来年もどうぞよろしくお願いします
(⑉˙ᗜ˙⑉)
良いお年をお迎えくださいませ♡
あなたにおすすめの小説
真実の愛の裏側
藍田ひびき
恋愛
アレックス・ロートン侯爵令息の第一夫人シェリルが療養のため領地へ居を移した。それは療養とは名ばかりの放逐。
男爵家出身でありながら侯爵令息に見初められ、「真実の愛」と持て囃された彼女の身に何があったのか。その裏に隠された事情とは――?
※ 他サイトにも投稿しています。
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
来栖 蘭
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
必要とされなくても、私はここにいます
あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。
口出ししない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
ただ静かに、そこにいるだけ。
そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。
張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。
何かを勝ち取る物語ではない。
誰かを打ち負かす物語でもない。
それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。
これは、
声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、
何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
【完結】少年の懺悔、少女の願い
干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。
そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい――
なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。
後悔しても、もう遅いのだ。
※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
【完結】貴方の後悔など、聞きたくありません。
なか
恋愛
学園に特待生として入学したリディアであったが、平民である彼女は貴族家の者には目障りだった。
追い出すようなイジメを受けていた彼女を救ってくれたのはグレアルフという伯爵家の青年。
優しく、明るいグレアルフは屈託のない笑顔でリディアと接する。
誰にも明かさずに会う内に恋仲となった二人であったが、
リディアは知ってしまう、グレアルフの本性を……。
全てを知り、死を考えた彼女であったが、
とある出会いにより自分の価値を知った時、再び立ち上がる事を選択する。
後悔の言葉など全て無視する決意と共に、生きていく。
【完結】婚約者と養い親に不要といわれたので、幼馴染の側近と国を出ます
衿乃 光希@書籍が発売されます
恋愛
卒業パーティーの最中、婚約者から突然婚約破棄を告げられたシェリーヌ。
婚約者の心を留めておけないような娘はいらないと、養父からも不要と言われる。
シェリーヌは16年過ごした国を出る。
生まれた時からの側近アランと一緒に・・・。
第18回恋愛小説大賞エントリーしましたので、第2部を執筆中です。
第2部祖国から手紙が届き、養父の体調がすぐれないことを知らされる。迷いながらも一時戻ってきたシェリーヌ。見舞った翌日、養父は天に召された。葬儀後、貴族の死去が相次いでいるという不穏な噂を耳にする。恋愛小説大賞は51位で終了しました。皆さま、投票ありがとうございました。