偽装婚約〜それでも私は幸せになる

maruko

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 レオの突撃から1週間程経過した。
 それでもライラの大きくなった気は変わらず無謀な計画を頭の中でシュミレーションしていた。

 そんなライラをジルは止めることはしなかった。
 平民が貴族の中で過ごすのはかなり気を張る事だった。それをライラは学園で3年間過ごしてきたのだ。我慢我慢の連続で理不尽な言いがかりを付けられて泣いているのを慰めたりもしていた。(そういえばそんな時でもレオは何の力にもなってくれなかったな)お嬢様はいつも頑張っていたと思う!
 卒業してからは教会の孤児たちの為に文字や簡単な計算を教えたりして社会貢献にも尽力している。そんなお嬢様がふたまわりも年上の貴族の後妻になる必要はないはずだ。
 逃げる事はおそらく国を捨てる事になるだろう。だったらギリギリまで足掻いてもいいのではないかな?
 ジルはライラが何をしても協力しようと思っていた。


「ねぇジル、ルクルト伯爵はどうやって私を見初めたのかしらね」

「見初め方は色々とあるのではないでしょうか?」

「例えば?」

「それは沢山ありますが、教会で見かけたとか。見初めたのだから遠目なのか近くなのかは分かりませんがお嬢様を見た事はあるのだと思います。何せ見初めたのですから」

「そうよね、じゃあ私が会いに行っても私って分かるはずよね」

「それはそうでしょうね」

「ずっと考えていたのだけど、ルクルト伯爵にお手紙を書いて会ってもらおうかとかね。でももしルクルト伯爵が悪い人だったら会うって前もってわかったら閉じ込めたりしないかしら?」

「お嬢様、それは危険ですね」

「そうなの、これを思いついてしまったら約束して会うのが怖くなっちゃって。だから偶然を装う事にしようと思うの」

「どうされるのですか?」

「ジル付き合ってくれる?」

「ジルはいつでもお嬢様のお側にいます」

「良かった」

 やっぱりジルは自分の味方だとライラは嬉しくなった。


 ◇◇◇


 次の日からライラはルクルト伯爵邸を見張る事にした。
 着いてみて驚いたが、ルクルト伯爵邸は屋敷は外から見てライラの家とあまり変わらぬ大きさだったけれど、敷地がかなり広かった。領地持ちの貴族だから当然王都のここはタウンハウスのはずなのに、伯爵邸の外周を馬車で周ってみてライラはその広さに圧倒された。

「流石公爵家の血筋よね。広すぎる!」

 ライラは馬車の中で呟いた。
 ここに来るまでにライラなりにルクルト伯爵を調べた。

 シーレス・オーレ・ルクルト伯爵42歳 
 アッシュブロンドの髪、瞳はブルーグレー
 彼はオーレント公爵の三男として生まれている。現在のオーレント公爵は彼の長兄だ。
 学園生の時に男爵家のご令嬢と恋仲になり大恋愛の末結婚した。結婚した時に公爵家の従属爵位の一つであるルクルト伯爵を継承した。
 その後奥様を病で亡くしてからは独身だ、子供はいない。隠し子は⋯いないと思う。
 元を正せばオーレント公爵家は王弟が興した公爵家だから王家の血が流れている。顔立ちは、やはりというべきかお年の割にはあまり皺もなくあり得ない程に整っているのだとか。

 調べていくうちにライラは、やっぱり結婚するのは無理だと躊躇してしまった。

 理由は年の差なんかではない。

 血筋の問題だ。

 王家の流れなんて平民のライラからしたら雲の上の御方だ。
 自分が近寄っていい相手ではない。
 (絶対に断らなきゃ!)
 そう心に誓った。
 おそらく父が反対しているのもその変だろうと思うし、簡単に断れないのもそれが原因なのだと分かった。

 これはルクルト伯爵から打診を取り下げてもらわないと、どうにもならないのだとライラは悟った。



✎ ------------------------

こちらが今年最後の更新になります😊

年の瀬の忙しい中、沢山の作品の中から拙作を選びお読み頂き心から感謝申し上げます

今年も一年色々と御座いましたが年度末の最終日に無事更新ができたのも応援して下さる、海よりも広い心をお持ちの優しい読者様のおかげです
ありがとうございました🙇‍♀

今年同様、来年もどうぞよろしくお願いします
(⑉˙ᗜ˙⑉)

良いお年をお迎えくださいませ♡



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