20 / 26
20
しおりを挟む
「お嬢様、お騒がせして大変申し訳ございませんでした」
サラは呆然とするミリアーナを再びソファに座る様に誘導して謝罪を重ねた。執事は一礼して退出して行った。するとサラはミリアーナの座るソファとテーブルの間に跪きミリアーナの手を握り、その手に懇願する様に自身のオデコに当てた。
その動作にミリアーナは戸惑う。
「サラどうしたの?」
ミリアーナの問いにサラは頭を上げ彼女を見やる。
「お嬢様、大切なお話があります、本来なら大奥様がお話する予定であったのですが、俄に身辺慌ただしく御成で手が離せなくなりました。代わりに私に一任されましたのでお話したいと思います」
サラはそう言うと目で、よろしいですか?と言うように首を傾げている。ミリアーナはルーカスの事も心配だったので、その話だろうと思いサラにソファに座るように薦めた。
ミリアーナの薦めに珍しくサラが従ったので、きっと長い話なのだろうとミリアーナは背筋をピンと伸ばし覚悟した。
「先程はリーガン父娘の愚行に驚いたと思います、吃驚させまして改めてお詫びします」
それにミリアーナが頷いて答えるとサラはアリーラの意図を話してくれた。
「お嬢様にはもう少し貴族の事を理解してからお話するつもりでありましたが、ここに来て些かのんびりとした対応が出来なくなりましたので、早々に追い出すことにしましたの」
「やっぱり何か理由が合ったのでしょう?」
「お気付きとは思いましたが。まぁあの娘は勘違い甚だしい娘で分かりやすかったですしね。ただお嬢様に付けたのは2つ理由がありました。一つは悪い見本として、もう一つはボロを出させるためにです」
サラの言葉にミリアーナは、思わず「クスッ」と笑ってしまった。
「シャルウィット様がお話されていたの、あの侍女は貴族令嬢の悪い見本の様だと」
「まぁそうでしたか、流石でございますね。リーガン子爵令嬢に対してハンセル伯爵令嬢は良いお手本の様ですね。お嬢様はたった半年で言葉遣いも所作もだいぶ上達されておりますから」
「そう?それは嬉しいわ」
ミリアーナがニコリとサラに笑いかけた様子は、ソフィアにそっくりでサラは懐かしく思った。
「お嬢様、あの大変言い難い事ではありますが、あのルーカスという男とはこれ以上親しくならぬ様にとの大奥様のお言葉です」
「えっ?どうして?⋯⋯⋯いえ今までも偶然お会いしただけで、そんな近づいたりしたつもりはないし、それに節度は守ってくださってるようだし、私も、その、話していて嫌ではないし、会うくらいならいいのではないの?これからはちゃんと言動に気をつけて、その、側妃様の事も言わないよう気をつけるから!」
ミリアーナは言葉を選びながらも必死にサラに訴えた。自分の恋心を隠し切れていると信じているので、そう取られないようにと一生懸命だった。
そんなミリアーナを不敬と思いながらもサラは不憫に思った。それに戸籍上だけとはいえミリアーナはサラの孫にもあたる。
「お嬢様」
必死でサラに言い募るミリアーナは、威厳にも満ちたサラの声掛けに口を噤んだ。優しい声では有るけれど有無を言わせない気迫にも思えて、ミリアーナは黙るしかなかった。
「あの男の名はレイビン・ルーカス・ストライトと申します。ですが生まれた時の名はレイビン・コーラル、元伯爵家の者です」
「えっと、ルーカス様は私に偽名を?」
ミリアーナは色々な名を繰り出したサラに思わずついて行けなくて首を傾げながら問うた。
「いえ、偽名ではありません。ミドルネームを名乗っていただけで、嘘を付いた訳ではないという大義名分の元に素性を隠して社交界に居ただけです」
「では男爵家の」
「それも本当です」
ミリアーナは先程のユノの件も、このルーカスの件も段々と理解が追いつかずに困惑しきりで、何故か汗まで出てきた。
「ごめんサラ、もう口を挟まないから全部説明して、私よく分からないわ」
ミリアーナに言われサラはルーカスの素性と目的を話した、そしてルクオート侯爵家の件も話し始めた。
「ルクオート侯爵家は、本来なら4年前に今本邸に居るジャルバイリ様に家督が継承される予定でした」
ジャルバイリというのは、前ルクオート侯爵が養子にしたルクオートの分家から迎えた男で、何事もなければ4年前に家督が譲られルクオート侯爵になる予定だったが、その数年前に彼の背後にソフィアの誘拐に加担したのではないかという疑いが持たれる者が浮上したのだという。丁度泳がせている時に前侯爵が病に倒れそのまま亡くなってしまったそうだ。だがその遺言によってルクオート侯爵の家督はアリーラ預かりになった。アリーラが指名した者が家督とルクオートの財産を受け継ぐ事になるのだと遺言に認められていた。
「ですから今ルクオート侯爵家の実権は大奥様にあります」
サラは淡々とそう話すがミリアーナは頭の整理で忙しかった。では何故本邸にアリーラは住んで居なかったのだろうか?
そんな疑問が湧いて訊ねるとまたもやサラが驚くことを言う。
「その辺が貴族のイザコザでお嬢様には全て片がついてから話したかったのです、ですがあの男コーラルの息子が現れた為、話さざるおえなくなりました」
サラの話では前侯爵の遺言は、アリーラの命をも危ぶまれる内容だった事と、実は秘密裏にアリーラはソフィアの誘拐事件を調べてミリアーナの父親を特定しようとしていたのだと聞いた。
「私のお父さん、あっお父様ですか?わかるのですか?」
「はい、わかるか分からないかで言えば分かってきたとしか、まだ言えません。ただ元コーラル伯爵令息は別の視点で姉の敵を探しておりました」
先程ルーカスの素性をサラに聞いたミリアーナはルーカスが何故自分に近づいたのかを、しっかりと理解した。
「あの男は、今から帝国の娘の所に向けて出発します」
「娘とはサラの?私の戸籍上のお母様の所ですか?隣国って帝国だったの?」
サラは頷いて言った。
「娘は、ソフィア様を攫った者達を探る為に帝国に医者として潜入しているのです」
あまりの危険な行為に、ミリアーナはサラの隣に座り直しその手をギュッと握った。
サラは呆然とするミリアーナを再びソファに座る様に誘導して謝罪を重ねた。執事は一礼して退出して行った。するとサラはミリアーナの座るソファとテーブルの間に跪きミリアーナの手を握り、その手に懇願する様に自身のオデコに当てた。
その動作にミリアーナは戸惑う。
「サラどうしたの?」
ミリアーナの問いにサラは頭を上げ彼女を見やる。
「お嬢様、大切なお話があります、本来なら大奥様がお話する予定であったのですが、俄に身辺慌ただしく御成で手が離せなくなりました。代わりに私に一任されましたのでお話したいと思います」
サラはそう言うと目で、よろしいですか?と言うように首を傾げている。ミリアーナはルーカスの事も心配だったので、その話だろうと思いサラにソファに座るように薦めた。
ミリアーナの薦めに珍しくサラが従ったので、きっと長い話なのだろうとミリアーナは背筋をピンと伸ばし覚悟した。
「先程はリーガン父娘の愚行に驚いたと思います、吃驚させまして改めてお詫びします」
それにミリアーナが頷いて答えるとサラはアリーラの意図を話してくれた。
「お嬢様にはもう少し貴族の事を理解してからお話するつもりでありましたが、ここに来て些かのんびりとした対応が出来なくなりましたので、早々に追い出すことにしましたの」
「やっぱり何か理由が合ったのでしょう?」
「お気付きとは思いましたが。まぁあの娘は勘違い甚だしい娘で分かりやすかったですしね。ただお嬢様に付けたのは2つ理由がありました。一つは悪い見本として、もう一つはボロを出させるためにです」
サラの言葉にミリアーナは、思わず「クスッ」と笑ってしまった。
「シャルウィット様がお話されていたの、あの侍女は貴族令嬢の悪い見本の様だと」
「まぁそうでしたか、流石でございますね。リーガン子爵令嬢に対してハンセル伯爵令嬢は良いお手本の様ですね。お嬢様はたった半年で言葉遣いも所作もだいぶ上達されておりますから」
「そう?それは嬉しいわ」
ミリアーナがニコリとサラに笑いかけた様子は、ソフィアにそっくりでサラは懐かしく思った。
「お嬢様、あの大変言い難い事ではありますが、あのルーカスという男とはこれ以上親しくならぬ様にとの大奥様のお言葉です」
「えっ?どうして?⋯⋯⋯いえ今までも偶然お会いしただけで、そんな近づいたりしたつもりはないし、それに節度は守ってくださってるようだし、私も、その、話していて嫌ではないし、会うくらいならいいのではないの?これからはちゃんと言動に気をつけて、その、側妃様の事も言わないよう気をつけるから!」
ミリアーナは言葉を選びながらも必死にサラに訴えた。自分の恋心を隠し切れていると信じているので、そう取られないようにと一生懸命だった。
そんなミリアーナを不敬と思いながらもサラは不憫に思った。それに戸籍上だけとはいえミリアーナはサラの孫にもあたる。
「お嬢様」
必死でサラに言い募るミリアーナは、威厳にも満ちたサラの声掛けに口を噤んだ。優しい声では有るけれど有無を言わせない気迫にも思えて、ミリアーナは黙るしかなかった。
「あの男の名はレイビン・ルーカス・ストライトと申します。ですが生まれた時の名はレイビン・コーラル、元伯爵家の者です」
「えっと、ルーカス様は私に偽名を?」
ミリアーナは色々な名を繰り出したサラに思わずついて行けなくて首を傾げながら問うた。
「いえ、偽名ではありません。ミドルネームを名乗っていただけで、嘘を付いた訳ではないという大義名分の元に素性を隠して社交界に居ただけです」
「では男爵家の」
「それも本当です」
ミリアーナは先程のユノの件も、このルーカスの件も段々と理解が追いつかずに困惑しきりで、何故か汗まで出てきた。
「ごめんサラ、もう口を挟まないから全部説明して、私よく分からないわ」
ミリアーナに言われサラはルーカスの素性と目的を話した、そしてルクオート侯爵家の件も話し始めた。
「ルクオート侯爵家は、本来なら4年前に今本邸に居るジャルバイリ様に家督が継承される予定でした」
ジャルバイリというのは、前ルクオート侯爵が養子にしたルクオートの分家から迎えた男で、何事もなければ4年前に家督が譲られルクオート侯爵になる予定だったが、その数年前に彼の背後にソフィアの誘拐に加担したのではないかという疑いが持たれる者が浮上したのだという。丁度泳がせている時に前侯爵が病に倒れそのまま亡くなってしまったそうだ。だがその遺言によってルクオート侯爵の家督はアリーラ預かりになった。アリーラが指名した者が家督とルクオートの財産を受け継ぐ事になるのだと遺言に認められていた。
「ですから今ルクオート侯爵家の実権は大奥様にあります」
サラは淡々とそう話すがミリアーナは頭の整理で忙しかった。では何故本邸にアリーラは住んで居なかったのだろうか?
そんな疑問が湧いて訊ねるとまたもやサラが驚くことを言う。
「その辺が貴族のイザコザでお嬢様には全て片がついてから話したかったのです、ですがあの男コーラルの息子が現れた為、話さざるおえなくなりました」
サラの話では前侯爵の遺言は、アリーラの命をも危ぶまれる内容だった事と、実は秘密裏にアリーラはソフィアの誘拐事件を調べてミリアーナの父親を特定しようとしていたのだと聞いた。
「私のお父さん、あっお父様ですか?わかるのですか?」
「はい、わかるか分からないかで言えば分かってきたとしか、まだ言えません。ただ元コーラル伯爵令息は別の視点で姉の敵を探しておりました」
先程ルーカスの素性をサラに聞いたミリアーナはルーカスが何故自分に近づいたのかを、しっかりと理解した。
「あの男は、今から帝国の娘の所に向けて出発します」
「娘とはサラの?私の戸籍上のお母様の所ですか?隣国って帝国だったの?」
サラは頷いて言った。
「娘は、ソフィア様を攫った者達を探る為に帝国に医者として潜入しているのです」
あまりの危険な行為に、ミリアーナはサラの隣に座り直しその手をギュッと握った。
64
あなたにおすすめの小説
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
あなたの側にいられたら、それだけで
椎名さえら
恋愛
目を覚ましたとき、すべての記憶が失われていた。
私の名前は、どうやらアデルと言うらしい。
傍らにいた男性はエリオットと名乗り、甲斐甲斐しく面倒をみてくれる。
彼は一体誰?
そして私は……?
アデルの記憶が戻るとき、すべての真実がわかる。
_____________________________
私らしい作品になっているかと思います。
ご都合主義ですが、雰囲気を楽しんでいただければ嬉しいです。
※私の商業2周年記念にネップリで配布した短編小説になります
※表紙イラストは 由乃嶋 眞亊先生に有償依頼いたしました(投稿の許可を得ています)
【完結】そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして
Rohdea
恋愛
──ある日、婚約者が記憶喪失になりました。
伯爵令嬢のアリーチェには、幼い頃からの想い人でもある婚約者のエドワードがいる。
幼馴染でもある彼は、ある日を境に無口で無愛想な人に変わってしまっていた。
素っ気無い態度を取られても一途にエドワードを想ってきたアリーチェだったけど、
ある日、つい心にも無い言葉……婚約破棄を口走ってしまう。
だけど、その事を謝る前にエドワードが事故にあってしまい、目を覚ました彼はこれまでの記憶を全て失っていた。
記憶を失ったエドワードは、まるで昔の彼に戻ったかのように優しく、
また婚約者のアリーチェを一途に愛してくれるようになったけど──……
そしてある日、一人の女性がエドワードを訪ねて来る。
※婚約者をざまぁする話ではありません
※2022.1.1 “謎の女”が登場したのでタグ追加しました
壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~
志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。
政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。
社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。
ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。
一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。
リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。
ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。
そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。
王家までも巻き込んだその作戦とは……。
他サイトでも掲載中です。
コメントありがとうございます。
タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。
必ず完結させますので、よろしくお願いします。
【完結】今更、好きだと言われても困ります……不仲な幼馴染が夫になりまして!
Rohdea
恋愛
──私の事を嫌いだと最初に言ったのはあなたなのに!
婚約者の王子からある日突然、婚約破棄をされてしまった、
侯爵令嬢のオリヴィア。
次の嫁ぎ先なんて絶対に見つからないと思っていたのに、何故かすぐに婚約の話が舞い込んで来て、
あれよあれよとそのまま結婚する事に……
しかし、なんとその結婚相手は、ある日を境に突然冷たくされ、そのまま疎遠になっていた不仲な幼馴染の侯爵令息ヒューズだった。
「俺はお前を愛してなどいない!」
「そんな事は昔から知っているわ!」
しかし、初夜でそう宣言したはずのヒューズの様子は何故かどんどんおかしくなっていく……
そして、婚約者だった王子の様子も……?
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
花言葉は「私のものになって」
岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。)
そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。
その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。
美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。
青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。
旦那さまは私のために嘘をつく
小蔦あおい
恋愛
声と記憶をなくしたシェリルには魔法使いの旦那さまがいる。霧が深い渓谷の間に浮かぶ小さな島でシェリルは旦那さまに愛されて幸せに暮らしていた。しかし、とある新聞記事をきっかけに旦那さまの様子がおかしくなっていっていく。彼の書斎から怪しい手紙を見つけたシェリルは、旦那さまが自分を利用していることを知ってしまって……。
記憶も声もなくした少女と、彼女を幸せにするために嘘で包み込もうとする魔法使いのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる