護衛騎士が勝手に侍ります(泣)

maruko

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私のせいではありません

【2】

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モンマルトル王国第二王女のユメールはその見た目も然ることながら、頭脳にかけても右に出るものはない、聡明な王女と言われているが、これは完全にユメール自身が己で虚像を作ったのだ。

何故なら都合が良くて楽だから。

だがこれが災いして今現在、非常に困難な状況に置かれている。

それは自らの護衛騎士3名のせいだ!

その者たち名前を
カイル・セントリーナ
ファイゼン・ダラー
ランディ・ゴーフォート
皆、上位貴族の次男、3男から選ばれた者達だ。

ユメールが15歳から学園に通う為、護衛騎士の第一選抜が14の年に行われた、それから試用期間などを経て学園入学の2ヶ月前にこの3名に決定した。

決めたのは国王と宰相だ。
ユメールは一切口を出していない。

ただ折角決まったのだからやはり愛想は良くしないと、この者たちにユメールは護って貰わなければならないのだ。

だから彼らにはアルカイックスマイルを封じた。
ニコニコと笑って差し上げました、それがおそらく失敗の原因ではないかとユメールは思っている。
残念ながら正解ではある。

同じ専属でも彼らと侍女とは全然違う。
侍女は姉のサリーナが7歳、ユメールが5歳の時に伯爵家、子爵家より集められた子女達から各々が選んだ専属侍女だ。

マリーは伯爵家、ミリナは子爵家の子女だ。
彼女達は色々な事情で実家が困窮していて爵位維持が難しい状況だったのを王家が支援という形で侍女に抜擢した中から選ばれた者達だ。

だからユメールが二人を選んだ時点から一緒にいる。
家庭教師との勉学もある程度は一緒に学んだ。
王族が学ぶべき科目の時は、彼女達は侍女長のところで仕事を学ぶ。
マナー教師も一緒だった。

そうやって何年も共にしてきたので素を出せるのだ。
彼女達曰く
(最初から素だったような気が⋯⋯。)


今のユメールの悩み
それは護衛騎士彼らの婚約者の事だった。

ユメールの護衛は基本二人だ、一人は休日になる。それはマリーとミリナに任せた、二人がローテーションを作りそれを職務として表を渡している。

それなのに、最近までユメールは全く知らなかったのだが、休みの時も何かしらユメールの為に動いていたようなのだ。

それを知ったきっかけは2ヶ月前の学園での事だった。

学園で2学年に進級して初めてのクラスで内心ワクワクドキドキのユメールは顔には出さず静かに席に着いた。

そこへお隣に座ったのが隣国のサザン帝国から留学された帝国の第一皇子アントリックである。

帝国から留学する事事態が珍しいのに(逆は割と多い)この皇子は期間がもう2年目に突入している。

常からユメールは“変な皇子”と思っているが顔には出しません“否”出せません。

その彼が一冊の本をユメールにポンと投げてよこした。

訝しげにそれを手に取るユメール
本のタイトルは『婚約破棄致します』

(なにこれ?)

タイトルを見て益々訝しみアントリックを見つめる。

「あげる、読んでみなよ。参考になると思うよ」

「ありがとう存じます」

本当はこんな本いるか~と叫びたかったユメールだったが、そこは帝国の皇子よりの下賜品、無碍に扱うわけにはいかない。
口ではお礼を言いながら内心嫌々ながら受け取った。

その本を昼休憩の時に読んだユメールは大層憤慨した。

内容は国の王女の護衛騎士に自分の婚約者がなってから婚約者と疎遠になる、いつも王女の命令は絶対でデートのキャンセルもしょっちゅうだ。休みの日にも家にいない、問い詰めると王女に呼ばれたからと宣う。夜会へも王女の側に侍り自分のエスコートもしない、こんな婚約者とは破棄したほうがいいのか?それとも只管待つべきなのか?主人公は悩んで王女に直訴してみる、鼻で笑われたのでとうとう婚約破棄に踏み切った。そしてその事で国王に叱られた王女は島国に嫁がされる、ざまあみろ!というお話し。

読んで開口一番

「なんじゃそりゃ~~~~~~!!」

王女らしからぬ怒声を上げたユメールだった。


同じ年の侍女ミリナと王族専用の食堂で昼を過ごすユメールはミリナにも、その本を読ませてみる。
ミリナが本を閉じた瞬間

「感想は?」

「あまり面白くなかったですね、作者が初めて書いたものかもしれません」

(そこなの?)

ユメールは期待した答えではないミリナを睨むとミリナは苦笑して応える。

「ユメール様が気にすることではありません、第一彼らの休みの日にユメール様が呼び出した事など一度もないではありませんか!それはローテーションを組んでいる私が言うので間違いないです」

「ねぇ今日は誰?」

「先程まで後ろに居たのに誰とは!」

扉の外で待機している筈の護衛に一瞬目をやりユメールは秘かに応える。

「いやあのさ朝はカイルとランディだったの、でも先程ここへ来る時はランディとファイゼンだったわ」

「そうでしたか?」

「貴方の方こそちゃんと見てないじゃない」

「申し訳ありません、護衛が二人いるという事で満足して顔などどうでも良いので」

「先程の貴方の意見はそれと異なるわね」

「ユメール様が把握していればこちらは人数のみでいいかと⋯⋯」

「今度から顔も確認してメモを取って」

「承知しました」

「ところでミリナは課題はいつしてるの?最近一緒にしないから、ちょっと心配だわ」

「寝る前にしています、マリーさんに教えてもらいながらしていますのでユメール様がお気になさらずとも大丈夫です」

「寝る前って⋯体を厭いなさい、無理はせずにね。今日から早めに休むわ」

「承知しました」

ミリナはユメールのこういう所が憎めないし、心優しい王女だと思うのだ。
おそらく一緒に課題をしようと誘ってくれたつもりだと思う。直接的な物言いをしてしまうとユメールから発せられた言葉は命令になる、そうならないように気を使って話してくれる。
ミリナの体を心配して睡眠時間を取れるように自分が早めに寝ると言ってくれるのだ。

いつも外面MAXで猫を被っているが本来はガサツで何でもかんでもポンポンいうユメール、これで性格が悪ければとても側にいるのは辛いが、ユメールの内心はとても優しい方なのだ、それを知ってるマリーとミリナはユメールから自分の意志で離れる事はないと常に思っているのだった。



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