護衛騎士が勝手に侍ります(泣)

maruko

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帝国編

【34】

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ドッゴーン、ドッガーン

「何これ、何の音?」

「ユメール様国境近くなった時説明を受けたではないですか」

「これが演習なの?大砲打ってない?」

「この辺は帝国の国境警備隊が駐屯されてますので演習にも力が入っているのでしょう」

ファイゼンは説明しながらウットリとミリナを眺めてる。
(こいつ馬車から降ろそうか)
ユメールは恋するファイゼンが鬱陶しい、常にミリナをあからさまに見つめるのだが、貴方私の護衛ですよね、と何度口にしたかったか⋯。
王女の威厳を持って止めたけれど、止めなくても良くない?的な感じで先程の休憩から、同じ馬車に乗り込んだファイゼンに恨み言が募る。

ただでさえドッカンドッカン大砲の音が聞こえて五月蝿すぎて会話もままならない上に、埃が凄くて窓も開けられない。

密室の空間で気晴らしに周りを眺めると頬を真っ赤に染めながらミリナを見るファイゼンに、今回から護衛に付いた初めてで緊張しまくって、見てるこっちが肩が凝るノルティ。
帝国に入国して早々に飽きているユメールだったが、何故かドッカンドッカンやってるのに馬車が止まった。
(このドッカンの所に止めてほしくないのに)
と、思っていたら、なんと!見学しろと言い出したのは国境警備隊の責任者、帝国軍第四部隊長のメルナール少佐だ。

入国の時に挨拶されて、かなり慇懃無礼な挨拶だったが軍隊の者はこんな感じだと迎えに来たモンマルトルの新大使ファザー伯爵が教えてくれた。

帝国において軍隊とは確かに尊重すべきで重要な物かもしれないけれど、騎士団に慣れ親しんでるユメールには正直に言えば怖さが先に来る。

だが国の要だ。譲歩しようと馬車から降りるとなんとエスコートしたのはメルナール少佐だった。
(アレッ?軍隊ならいいの?)

帝国こちらに来るにあたって騎士のダメダメワードの注意点の中にパートナー以外のエスコートを禁止するとあった。
そのつもりで、先程はファザー伯爵にお願いしたから今回も伯爵がステップの横から手を差し出してると思っていた。
手を重ねて降りたらまさかのメルナール少佐でユメールの体は固まった。

(ちょっと今度聞いてみようかな)
アントリックは軍隊も騎士団も同じような物だとちゃんと教えてくれなかった。
暗にユメールには軍隊に関わるなと言われてるようで、それ以上の詮索はしなかったのだけど⋯⋯。

ドッカンドッカンの本拠地に行く前に音は鳴り止んでいたけれど、どうもユメール達が通るのを見越して態とぶっ放していたのではないかと思うほど、駐屯地の中はガランとしていた。
(演習していたのではないの?)

乗っけから歓待されていない雰囲気でユメールは「ふぅ」と溜息が溢れるのだった。




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