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最終章
【81】
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程なくユメールは男の子を出産する。
出産は女にとって命懸けである、ユメールも等しくその痛みを経験したが、出血が多く彼女の体が悲鳴を上げたのだろう。
子供を産んだ途端に意識を失い再び目覚めたのは一ヶ月も経ってからだった。
「ユメール様が目覚めました」
マリーからの報告に急いで彼女の部屋に行くと凡そ一ヶ月振りに見るユメールは、アルフォンスを見て優しく微笑んでいた。
「ユメール体は?何処か痛みはないか?」
「⋯痛みはあまり⋯ないですね」
「そうか⋯」
「お兄様あの、子供は⋯無事ですか?」
「あぁ今マリーが連れてくるだろう」
アルフォンスの告げる言葉にユメールは俯いた。
「あの⋯アンティは無事なのでしょうか?」
「如何したんだ?急に」
「夢を見てしまって」
如何したんだろう?こんな事を言うユメールは見た事がない、アルフォンスは急に不安になったが目の前の弱々しい妹に気付かせてはいけない。
「出産後に出血が酷くて一ヶ月も意識が戻らなかったんだ、不安な気持ちが見せたただの夢だよ」
「ただの夢?」
「そうだよ。夢は夢だ、そんな事よりも皇子に合ってあげないと母親だろう」
「⋯⋯そうです⋯ね。私母になったのね、皇子と言う事は男の子なのですね」
頷くアルフォンスにユメールの微笑みはキラキラ光って見えた。
マリーの連れてきた皇子を抱きユメールはその微笑みを向ける。
生まれて一ヶ月会えなかった我が子にユメールが話しかける。
「早くアントリックに会いたいでしょう?」
自分の気持ちを子に重ねて話すユメールを皆が黙って見守っていた。
アントリックは国内の軍隊派との小競合いで大怪我により意識不明であると、帝国から2週間前に報告を受けた。
奇しくもこの皇子は危うく両親を失うところであったが、母親だけでも目覚めて良かったとアルフォンスは安堵している。
アントリックの状況を、何時ユメールに話すか思案していると王妃がユメールの部屋を訪れたので、その場を王妃に任せてアルフォンスは部屋を出ていった。
「さて、戦の後始末をしないと」
モンマルトルとルーブルの戦はモンマルトルの圧勝であった。
半年前には落としていたが、その後の諸々に陛下自らが動き一年を擁したのだった。
その報告が毎日のように上がってきていて、今アルフォンスはその処理に悪戦苦闘している。
(陛下は決めるだけ決めてあとは此方に丸投げだからな)
気になるのは帝国だ。
スディン王国には宣戦布告をしたが、戦争を始めると軍隊派を喜ばせるだけだと思った皇帝は、戦わずスディン王国との国交断絶に切り替えた。
帝国内にいたスディン王国出身の者は、皆国に返した。
中には長年帝国にいて国の主要な仕事をした者も居たが、関係なく送り返した。
そして国境に強固な城壁を築く。
その作業に時間を取られたがそれも3ヶ月前に完成しているという。
軍隊派は結局状況を見てクーデターを起こしたがそれもそろそろ下火になっていたところでアントリックの重体の報せを受け取った。
(皇子、自分の足で迎えに来ないとユメールは嫁がせないよ)
出産は女にとって命懸けである、ユメールも等しくその痛みを経験したが、出血が多く彼女の体が悲鳴を上げたのだろう。
子供を産んだ途端に意識を失い再び目覚めたのは一ヶ月も経ってからだった。
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「ユメール体は?何処か痛みはないか?」
「⋯痛みはあまり⋯ないですね」
「そうか⋯」
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「あぁ今マリーが連れてくるだろう」
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「出産後に出血が酷くて一ヶ月も意識が戻らなかったんだ、不安な気持ちが見せたただの夢だよ」
「ただの夢?」
「そうだよ。夢は夢だ、そんな事よりも皇子に合ってあげないと母親だろう」
「⋯⋯そうです⋯ね。私母になったのね、皇子と言う事は男の子なのですね」
頷くアルフォンスにユメールの微笑みはキラキラ光って見えた。
マリーの連れてきた皇子を抱きユメールはその微笑みを向ける。
生まれて一ヶ月会えなかった我が子にユメールが話しかける。
「早くアントリックに会いたいでしょう?」
自分の気持ちを子に重ねて話すユメールを皆が黙って見守っていた。
アントリックは国内の軍隊派との小競合いで大怪我により意識不明であると、帝国から2週間前に報告を受けた。
奇しくもこの皇子は危うく両親を失うところであったが、母親だけでも目覚めて良かったとアルフォンスは安堵している。
アントリックの状況を、何時ユメールに話すか思案していると王妃がユメールの部屋を訪れたので、その場を王妃に任せてアルフォンスは部屋を出ていった。
「さて、戦の後始末をしないと」
モンマルトルとルーブルの戦はモンマルトルの圧勝であった。
半年前には落としていたが、その後の諸々に陛下自らが動き一年を擁したのだった。
その報告が毎日のように上がってきていて、今アルフォンスはその処理に悪戦苦闘している。
(陛下は決めるだけ決めてあとは此方に丸投げだからな)
気になるのは帝国だ。
スディン王国には宣戦布告をしたが、戦争を始めると軍隊派を喜ばせるだけだと思った皇帝は、戦わずスディン王国との国交断絶に切り替えた。
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そして国境に強固な城壁を築く。
その作業に時間を取られたがそれも3ヶ月前に完成しているという。
軍隊派は結局状況を見てクーデターを起こしたがそれもそろそろ下火になっていたところでアントリックの重体の報せを受け取った。
(皇子、自分の足で迎えに来ないとユメールは嫁がせないよ)
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