違うようで似ている二人。

文月雨野

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8.水族館

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「………」
さっきも言った通り、僕はあまり水族館へ行ったことがない。だから、館内に入ったときにすでに感動していた。水族館ってこんなに綺麗なんだ…。今度家族でも来たい。死ぬ前に。「またボーッとしてるの?そんなに感動するものなのかなぁ?あ、もしかして、水族館初めて?」…概ね当たってます。はい。…エスパーですね。「うん、親があまり魚が好きじゃないらしくって、何か子供の頃に買ってた金魚が死んだときに気持ち悪いって思ったらしくて、それ以来魚が嫌いになったらしいよ。」僕は彼女の質問に答える。「あはっ、確かに金魚死んでるの見るの勇気いるよね~!」コロコロっと彼女は笑う。僕はそんな笑顔が大好きだ。「取り敢えず、私、水母からみたいな~」そう言って先々と進んでいく。僕は追いかける。
-1時間後-
「いろんな魚みたね~!明木君はどの魚が好き~?」
「僕はサメが好きだなぁ。」
「あはっ、男の子だね~!ちなみに私はやっぱり水母かなぁ~。」
『男の子だね』と言われたことに少しムカッとしながら、
「どうして?」と、蒼坂に水母が好きな理由を聞いた。
「別に単純だけど、何かぷかぷかしててじゆうそうだなー、って思って。」
「ふーん。」
「あ、その反応ひどーい!素っ気なすぎるよ!」
………。学校では静かな病弱キャラなのに、僕の前ではとても明るい。だから正直どっちが本当の蒼坂なのか分からない。聞くのは野暮かなぁ…。
「蒼坂って僕の前ではなんか明るいよね。どっちが演技なの?」聞いてしまった。聞かずにはいれなかった。蒼坂はキョトンとして、少し考えるような素振りを見せると
「どっちも私だよ。だって、学校や明木くんの前での表情、声のトーンも全部私が変えて、私が発しているから。だから。すべてが私なんだよ。」
「……!」
体中に電撃が走った。僕とは考え方がまるで違う。猫をかぶっているのもすべて自分だと言えるのは僕には出来ない!やっぱり、僕は、きっと、彼女を、尊敬してて、それと同時に、恋をしている…。ああ、やっぱり、彼女といると気持ちがいい。こんな気持ちにさせてくれる人は周りにいなかった…!これが、恋なんだ。彼女が教えてくれた。
「そろそろ帰ろっか。」彼女が言うと僕は、うん、と返し、小声で『好きだよ』と呟いた。それから『ありがとう』とも。
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