違うようで似ている二人。

文月雨野

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9.帰宅。

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「はぁ、今日はつかれたなぁ…」
水族館から帰ってきて、現在7時35分。
正直はしゃぎ過ぎた。久しぶりにこんなに遊んだ気がする。
「それにしても凄い迫力だったなぁ…」
また独り言を呟いて僕は本棚から一冊の本を取り出した。まだ読んでなかったので読もうと思っただけだ。栞を挟んだページを開いた、その時、僕の携帯からピコンっと電子音が聞こえてきた。メールが来た。彼女だ。
メールの内容はこうだった。
『今日はありがとう!久しぶりにこんなに遊んだんだ。病気になってからは親があまり外出させてくれなくなって。でも必死で頼んだ甲斐があったよ!また今度、一緒に出かけようね。おやすみ(。-ω-)zzz』
君もはしゃいでたね、と小さく呟くと、下から親が
「そろそろご飯だから降りてきなさい。」
と僕を呼んだ。本はまた今度読むか。
彼女との初デートを終えた僕。次は何が起こるんだろう。僕が消えるまで既に5ヶ月を切っている。彼女や親、友人と過ごす時間も残り僅かだ。僕はいつか友人に打ち明けられるだろうか。そんな心配をしながら、僕は家族と夕食を取り、いつもの様にダラダラしながら10時には眠りについた。
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