【本編完結】異世界の結界術師はたいせつな人を守りたい

鳴海カイリ

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第3章 成人の儀

88 胸が焦げそう ※

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「んっ……んんっ……ぅ、あ」

 ゆっくり、じっくりとほどこされる内側の浄化魔法と指のほぐしに、声が漏れる。
 シャツは前をはだけたまま肩にかかり、部屋着のズボンと下着だけ脱ぎ捨た姿だ。俺は机に手をついたまま尻を突き出すという、とんでもなく恥ずかしい格好でヴァンの前に立っていた。

 三階のベッドや、少し離れた場所にあるソファまでいくことも出来たはずなのに、そのちょっとの距離すら歩けないほど我慢ができなくなっていたからで……。

「……ふぁ、あ、ぁぁあ……」

 一本から二本になった指が、俺の気持ちのいい場所……をくいくいと撫でこする。それだけて、身体を支える膝が笑った。

「いつも以上に、熱いね……」
「んっ……ヴァン……」
「ほら、潤滑液ローションまで流れ落ちてしまう」

 体温が高すぎるせいか、奥へ奥へと押し込むローションが止まり切れず、俺の太ももを流れ落ちていく。
 その肌を伝う感覚が、ヴァンが放った精子が流れ落ちてるみたいで、俺は声をあげた。

「あぁっ……ぁ、やだぁ……」
「指が?」
「ひっ!」

 ぐいっ、と奥に指を突き入れる。
 軽くかかとが上がって、俺の身体は前のめりになりながら、俺自身の先からも精が溢れ出る。もぅ……指だけで何度、イってしまったか分からない。

「さっきから、イキっぱなしだね」
「あぁっ」
「嫌なのは指?」
「……ちが、流れる……の、ゆびで……」
「だったらもっと濡らさないと」

 とろりとした半液体を取り出し、ぐぷり、と中に押し込む。
 指の腹でふたをするうにしても溢れ出し、したたり落ちる液体の感覚に、俺は首を横に振った。とろとろにほぐされた中が、指じゃ物足りないっていってる。

「……ゆび、いゃ……」

 いつもならもうとっくに、ヴァンの大きな楔を打ち込んでくれているはずなのに、今日は、いやってほど焦らしている。

「指、きもちよくない?」
「きもち、い……けど、ヴァン……の」
「僕の?」
「い、れて……」
「入れているよ」

 ぐに、と増やした指の腹で中をえぐる。
 広げてバラバラに掻きまわし、こねる。嬌声があがる。
 気持ちいい。気持ちいい。……気持ちいいけど、欲しい。
 ヴァン自身の、硬く、太く、立ち上がった肉の棒を突き入れて欲しい。入れて吐き出して、ヴァンの精子でこの炎をしずめてほしい。

 成人の儀以来、毎日のように抱かれている。
 ヴァンの逞しいものでギチギチに開かれて、俺が望むまま精を吐かれる。じわん、と体内に広がる熱が、身体の隅々までヴァンで満たされるような気持ちになる。
 たまらない。
 心だけじゃなく、身体の中までヴァンのものになっていく感覚が、たまらない。この満たされる快楽を、俺は覚えてしまった。

「乱暴……に、しても、いい……から」
「うん」
「ひぁぁあ!」

 ぐにっ、と指の腹で強く肉壁を押し撫で、指の動きが激しくなる。
 またイく。だんだん濃さが無くなってきた俺の男性器は、それでもまだ体液を吐こうとする。

「あぁっ、ちょうだい……ぁ」
「何を?」
「ヴ……ヴァン、の……」
「ちゃんとおねだり、してごらん」

 な、何? ちゃんとって。を口にしないとくれないの?
 俺、そういうの……はっきり口にするの、すごい……恥ずかしくて、ダメだ。それなのに……ヴァンはちゃんと言うまでお預け、という感じでくれない。

「……ぅう、ヴァンの……お……」

 指がぐっと開いて、尻の方から、くぱぁ……という音がした。
 ここに欲しいんでしょう? と。

「ひうっ! お……お、ち……」
「うん」

 はぁはぁと息を継いで、入れて満たして欲しい一心で、言葉をしぼり出す。

「ヴァンのおちんち……いれ、て……おねがい……」

 ぞくっ……と背筋が痺れる。
 ふふ、と背中で笑う声が聞こえた。
 今のじゃまだ、だめ……なのか。
 そう思うと同時にずるっと指が抜かれた。布擦れの音がしてから、ぱさり、と足元で音がする。そしてひたりと熱い、指なんかじゃない塊の先端が、直接、当てがわれた。

「もぅ……ゆるしてあげるよ」
「……ヴァ、ン……」

 ぬるり、とすべる。
 窄まりの縁を舐めるようにこする。
 ヴァンも……ヴァンも我慢できず、出始めていたの?
 熱いヴァンの先端があてがわれ、くにくにと後孔の縁を撫でる。期待に、胸が焦げそうだ。

「は……はや……く……」
「挿れる、よ」
「あぁ……ぁ!」

 ぐっ、と割って押し広げられた。
 あ……くる……。

「少し強引なぐらいが、いいんだね?」

 言葉と同時に、ぐぐぐぐっ、と押し挿れられた。奥まで。
 大きい。
 熱い。
 割って、広げて、入り込んでくる。

「……ぁああ、あ、ああっ! ひぁ!」

 ビクン、と痙攣けいれんしながらのけ反り、俺はまた体液を溢れださせた。
 喘ぐ唇からは、飲み込むことすらできないよだれまでしたたり落ち、床を汚す。

「またイっちゃったの? 半分も入ってない、よ……」
「ひうっ、ぅ……うぅ……」
「うねって、すごい。とろとろ……だ」

 ヴァンの声が少し、苦し気になってくる。

「……ヴァンの、奥、ほし……い」
「ゆっくり、ね……」
「そんな……じ、らさない、で……も……おかしく、なる……」

 ずぷっ、ぬぷっ、と音を立てながら奥へ、奥へと入っていく。
 もう少しで全部……というところで、不意に引き抜かれ抜け落ちそうになった。

「あぁ……だめっ……」
「こう?」

 ぐぷぅうう! と奥まで押し込む。
 悲鳴になる。身体の中の炎が一気に燃え上がる。

「……ぁああ! あ!」
「ここ、だね?」

 ごりごりといい場所をこすり、突き入れ、引き抜き、こねる。
 胸の方に腕を回し、俺を身体を後ろから抱き起すようにする。
 ヴァンとの身長差の分、俺はつま先立ちのようになり、自重もあってか容赦ようしゃなくヴァンの楔を奥まで飲み込んでいった。

「うぅ、ぁあ、あぁ……ぅ……」
「……なんて、熱だ」

 首筋に、ヴァンの呻く熱い息がかかった。
 軽く揺さぶられると、その度に、ぬぷっぬぷっとローションを吹き出しながら、深い場所をえぐっていくのがわかる。
 嬉しくて、たまらなくて、みちみちに押し広げられた俺は、飲み込んだヴァンを強く締め付けた。

「……リク、それではきつくて動けない」

 少し困ったような声で囁かれても、俺はぱくぱくと口を開いて、呼吸を整えるだけで精一杯だ。
 背中を押されるように倒されると、もう一度尻を高くつき出すような姿勢で、机に手をついた。ヴァンの指先が、尾てい骨のあたりや窄まりふちを、押しなでる。

「リクの蕾、淡い桃色でひくひくしている」
「あぁ……やぁ……」
「かわいい……」

 大きく広げた手のひらで尻を撫で、背筋に這わせ、うっとりする声が俺を追いかけた。

「……んぁあ……」
「今からここを、ぐちゃぐちゃにしてあげる」

 微笑みながら、「立てないぐらいにね」と囁く。
 腰と尾てい骨をなぞるように指が動いてから、両手で腰をしっかりと支える。そしてゆっくりと、甘い責めが始まった。





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