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哲学的な彼
しおりを挟む私の名前は赤場 流羽。
ご覧の通り、見た目の通り、哲学者です。
まあ哲学者というのは冗談で、ただ単に哲学を学んでいるというだけなのですが、私の域にまで達すると最早これは偉大なる先人達、プラトンやアリストテレス、ソクラテス、ニーチェにも手を伸ばせば届くのではないか?と錯覚してしまうほどです。いや、すでに錯覚ではないのかも知れませんが……
愚かにも愚民共が寄ってたかって転校生というレッテルを貼られただけで中身も何も知らないただ外見のみの情報で判断し、身も蓋も無い質問しかしてこない。
愚かしいとはまさにこのことであるご、私は必死に全ての質問に回答したのだが皆、苦虫を噛んだような顔をして早々に立ち去っていった。
私は悲しくなりました。心底悲しくなりました。
私の域に達する人間などやはり凡人が蔓延り貪るこの世界に入る確率は極々低いのだと痛感したからだ。
何故、彼らは生と死について考えない?何故、彼女らは偶然と必然の関係性について頭を悩ませない?
色々な思いがグチャグチャに頭の中で渦巻くその時、誰かが話しかけてきた。
その顔を見るとなんとも馬鹿そうなのほほんとした顔だろう……
反射的に放った一言、「帰れ。」
……私もさすがにこれには心が痛んだ。ひどい回答だ。哲学的要素のかけらもない……
が、彼女はルンルンと自分の席へと帰っていった。
なんだったのだ?あの女は……
そしてこの胸の高鳴りは……あの女……まさか……
哲学的な私は閃いた。
彼女は……
哲学的な女なのかも知れないのだと……
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